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〜会議録(2016年2月23日 総務委員会)〜

○小川委員  民主党の小川淳也でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 続いて四国でございまして、地方の声をぜひ届けてまいりたいと思います。

 大臣、まず、先般、二月の九日だったと思います。大変お忙しい中、私どもの要請の時間をいただきました。中身は、中核市とともに地方分権を推進する国会議員の会、会長は衛藤征士郎先生でございます。逢坂先生初め委員の皆様の中にも会員の方がいらっしゃると思います。

 いみじくも、大臣、所信の中で、中核性のある都市と近隣市町村の有機的な連携のもと、圏域全体の成長の推進等々、そういった趣旨のことをお述べいただきました。

 先般の要望内容を踏まえて、やはり中核市は、私の地元高松もそうなんですが、政令市ほど人口は大きくありませんが、都道府県内に占める人口割合、それから県都としての、都市としての機能性、全く引けをとらない仕事ぶりをしていただいているわけなんです。しかしながら、権限や財源の面において、必ずしも十分な措置がまだ行われていないという問題意識は強うございます。

 したがいまして、まず大臣、この間の九日の要望内容を含めて、その後どういった御検討なり、また今後に向けてどう取り組んでいただけるのか、所信に関連して、まずこの点からお聞きしたいと思います。

○高市国務大臣  先般は御要望をいただき、ありがとうございました。

 中核市制度でございますけれども、一定規模以上の都市が、その事務権限を強化して、できる限り住民の身近で行政を行うといった地方自治の理念を実現するために創設された制度で、現在四十五市となっています。これも、二十八年四月には呉市、佐世保市が中核市への移行を予定されているということでございますので、さらに発展していくと思います。

 権限、財源の移譲というお話がございましたけれども、各地域の特性に即した地域課題の解決というものが、今の地方創生の機運が高まる中で求められていますので、これから役割はますます拡大していくと考えております。中核市で担っていただける業務の内容、そしてまた必要な財源もございましょうが、積極的に検討を続けてまいります。

○小川委員  ぜひとも精力的な御検討をお願いしたいと思っております。

 特に、税源移譲、それから提案募集方式、なかなか税源や財源にかかわる募集ができないといったような事情、それから児童相談所が間もなく必置になるということでありますが、この辺のノウハウや、また重ねて財源の問題等々、具体的な課題として指摘をされておりますので、ぜひとも鋭意御検討いただきたいと思います。

 加えてもう一点。ちょっと高松市に関連して恐縮なんですが、大臣、所信表明の中で、本年四月、G7香川・高松情報通信大臣会合の開催についてお述べをいただきました。大変重要な課題であり、重要な会議体だと思います。熱烈歓迎を申し上げたいと思っているわけなんです。

 大臣は議長をお務めになられると思います。どういった課題について、どのような方向感を指し示していくのか。このG7に関連した高松での会合について、この場でお述べいただきたいと思います。

○高市国務大臣  今やIoT時代を迎えて、あらゆる人や物がグローバルにつながって、新たなイノベーションの創出が期待される、こういう社会が実現しつつあります。

 こういった状況を踏まえまして、香川・高松情報通信大臣会合では、IoTそれからビッグデータの生み出すイノベーションと経済成長、情報の自由な流通とサイバーセキュリティーの確保の調和、それから貧困や防災、医療など地球規模課題の解決へのICTを通じた貢献といったことをテーマに、G7が共同して世界経済の成長や国際社会の安定に貢献する道筋をまず議論してまいりたいと思います。そして、その議論の成果を伊勢志摩での首脳会合にも反映させてまいりたいと思っております。

 それから、今回はG7プラスEUということなんですけれども、広島で昨年の十一月にITUの会合がございました。ここには多くの開発途上国の方々が来られておりましたので、ずっと意見を聞いて回りました。その中で出てきたアフリカやアジアの地域からのお声、こういったものもG7各国にお伝えをし、アジア地域から唯一G7に参加する国として、アジア地域やその他開発途上国の発展にも資するような議論をしてまいりたいと思っております。

 また、昨年十二月に学生サミットも高松市で開催させていただきましたので、会合当日には展示をしたり、それから最新のICTを活用した町おこしに熱心に取り組んでいただいておりますので、この会合と並行してG7各国の産学のリーダーが集まる会議も開催して、参加者と地元の皆様の交流、こういう機会も設ける予定にしております。学生サミットでの宣言なども紹介をさせていただきます。

○小川委員  こうした重要な会議が地元高松市で行われるということは、私どもにとっても光栄でございますし、特に、これから先、どうなんでしょう、私も専門家でありませんので、どういう形でIoT、ICTの技術が発展をし、それが暮らしの利便性や社会の発展につながっていくのか、ちょっと想像に余るところがあります。

 一方で、サイバーテロも含めて、大変危険性を、それなりにリスクを抱えていくということも事実だろうと思います。残念ながら、G7には中国が入りませんので、いろいろなサイバー攻撃なんかも、割と中国が出どころであるケースが多いんじゃないかということも言われたりしております。

 そういったことも含めて、この会議が万能体であるのかどうか、そこはいろいろな課題はあるにせよ、一定の成果にぜひともつながることを期待したいと思います。

 ただ、一点ちょっと懸念しております。

 各地でさまざまなテーマで大臣会合が行われるんですが、この四月の二十九日、三十日といいますと、ちょうどゴールデンウイークのまさに観光シーズンでもあるんですね。瀬戸内地域は、折しも瀬戸内国際芸術祭で多くの観光客も見込まれます。そうしますと、警備やあるいは交通規制等々との兼ね合い、それから宿泊施設を含めたキャパシティーの関係もあって、いろいろと不自由も出てくるのではないかなという気もしておりまして、そこらあたり、これから地元の自治体それから警察当局等々とのさまざまなやりとりもあろうかと思いますが、ぜひ円滑な会議体の運営にも一定御配慮いただくことをお願い申し上げたいと思っております。

 続いて、ちょっと地方財政について二点お伺いさせてください。

 私は、ことしの地財計画を拝見する中で、いろいろな御苦心の跡が見えるわけですが、一点非常にうれしかったことがあります。それは、交付税特会の借り入れに対して四千億円、返済金を積んでおられる、これが非常にうれしかったんですね。

 といいますのも、政権がかわったとき、二十一年でございました、翌年の地財対策を考えるに当たって、きょう黒田官房長が控えておられますが、当時財政課長でいらっしゃった。今まで、交付税特会の借金は三十兆円に余る借金です、隠れ借金と言われてきた。確かに地方財政はお金がありませんから、何とか工面してやってきた歴史がありますが、毎回返済計画を先延べにして、法改正までして、その年に返す予定額をゼロに変更してずっとやってきていた慣例がありました。

 しかし、政権がかわったときに、わずかでいい、わずかでいいけれども、少しでも返せないだろうかという問題提起をし、それを財政局の中で御検討いただいて、当時一千億の返済につながりました。それから、政権時代三年間、下野してさらに三年間、そしてことし、安倍政権四年目に入っていますが、ずっとそれを継続していただいていることに心から敬意を表し、感謝を申し上げたいと思っています。

 ほかにも、例えば、税制特例にもサンセット方式を導入して、大分整理を進めました。それから、租特の透明化法案、さらには地方議員年金の廃止、金子先生に大変御苦心いただいたんですけれども、こういったこと。さらに広く言えば、直轄負担金の縮小とか、それから大きな政治テーマですとTPPや消費税、マイナンバーに至るまで、民主党政権時代に打っ立てをしようと努力したことがたくさんありました。しかし、政権運営の未熟さの中で、なかなか刈り入れや刈り取りにまで至らなかった。

 しかし、その中の一部あるいは大きな部分を自民党政権の中で引き継いでいただいていることに関しては本当に、その限りにおいては非常に敬意を表したいと思っています。

 そこで、お尋ねです。

 この交付税特会の借入返済は、仮に数千億単位で返済をしても、三十兆円に余る借金ですから、単純計算で百年から三百年かかる計算です、返そうと思えば。しかし、それでも、武士の一分、借りた側の矜持、こんなことをやっている特会はほかにないと思いますね。しかし、交付税特会は高市大臣のもとでこれを継続している。

 お尋ねは、今後もこうした矜持を、地方財政の現場において、厳しいやりくりの中、示し続けていくという決意を一つお伺いしたい。

 もう一つ、将来的に、今回の四千億は、九千億や一兆円規模で返していくという計画に現在なっています。これは、余り欲張り過ぎると、頑張り過ぎるとできないんですよね。私は一千億でいいと思う。しかし、わずかでも、少しずつでも返し続けていくという意思表明がこの際大事であります。したがって、今後も継続していくということに関しての決意、そして、その意味でも、無理はしません、それでいいと思うんです。九千億や一兆円を将来的に毎年返していくというのは不可能だと思います。

 この二点、大臣の御決意、御見識をお聞きしたいと思います。

○高市国務大臣  交付税特会ですけれども、これは、平成二十三年度、まさに民主党政権のときに法定していただいた償還計画に基づいて償還を行っています。

 先ほど小川委員がおっしゃっていただいたマイナンバー制度も、本当に大きな制度でございますけれども、二十四年の二月に閣議決定をし、その後、各党で協議をしてということでスタートをいたしました。

 この償還でございますけれども、二十三年度から二十五年度までの各年度は一千億円、以後毎年一千億円ずつ償還額を増額する、平成三十四年度から平成六十一年度までの二十八年間、毎年度一兆円という計画になっています。これで平成六十二年度に残額を償還するということになっております。

 確かに、おっしゃるとおり、地方財政は毎年度巨額の財源不足が続いている厳しい状況にありますけれども、それでも、せっかくつくっていただいた償還計画でございます。二十八年度においても、計画どおり、交付税特会借入金四千億円、これも前年度一千億円増ということで償還することにいたしました。

 決意ということでございますけれども、今後とも計画的な償還に努めてまいります。余り無理をしないでというお話もいただきましたけれども、いかに経済の底上げも図って、しっかりと歳入もふやす、そして歳出面についても効率化を図れるところは効率化を図っていくということで、努力も続けながら、しっかりと償還をしていきたいということを申し上げます。

○小川委員  ありがとうございました。

 関連して、地方財政について非常に懸念をしておりますのが、消費税の軽減税率であります。既に予算委員会等を含めてさんざん議論になっておりますので、細かい点はあれですが、私どもは反対の立場であります。

 大臣、これは地方財政の観点からいって、軽減税率は約一兆円の財源が必要だ。しかも、現在の政権の方針として、財源の問題について来年度内に結論を得ると。恐らく、その三分の一程度、三千億円前後は、ほっておけば地方財政がかぶることになります。しかし一方で、社会保障の歳出については削らないということを安倍総理が表明されておりますので、これに伴う地方負担については何らか手当てする責任があると思います。軽減税率の導入は、地方自治体からすれば不可抗力です。

 先般本会議でも、近藤委員が質問した中で、安倍総理が明確にはお答えになっていません。

 高市大臣、地方財政に責任を負われる立場から、この際、明確に御答弁いただきたい。この軽減税率導入に伴う地方の財源不足額あるいは当初の見込みに比べると減収になる額については、一切地方には迷惑をかけませんと。これは、特例的な交付金なのかあるいは別の財源を見出すのか、いろいろな手段が考えられると思いますが、この軽減税率導入に伴う財源不足、地方には迷惑をかけませんと、大臣の決意をこの場で明快にお述べいただきたいと思います。

○高市国務大臣  消費税の軽減税率制度の導入に当たりましては、与党及び政府の税制改正大綱を踏まえて、先般国会に提出されました所得税法の一部を改正する法律案において、財政健全化目標を堅持するとともに、社会保障と税の一体改革の原点に立って、安定的な恒久財源を確保するという観点から、平成二十八年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずる、こう規定されております。

 しかしながら、委員が今御指摘いただきましたように、全国知事会からは、減収分の全てが確保されない場合、地方の社会保障財源に影響を与えるということになるから、代替税財源によって確実に措置をするなど地方財政に影響を与えないようにしていただきたいという御意見をいただいております。

 やはり地方からは、安定的な恒久財源をしっかり確保してほしいという意見が表明されていますので、このような御意思も踏まえまして、今後、税制改正法案の規定に沿って、政府・与党で歳入歳出両面にわたってしっかりと検討してまいりたいと考えております。地方のお声にお応えするために、その議論に貢献してまいりたいと思っております。

○小川委員  半歩踏み込んでいただいたというふうに受けとめたいと思います。

 いずれにしても、これはあくまで中央政府の政策であり、地方から見ればアンタッチャブル、不可抗力の世界でありますので、いろいろな義務づけの多い地方財政の世界でありますから、ここには一銭たりとも迷惑はかけないという気概を持って財政当局との折衝にも臨んでいただきたいと思っております。

 以上、所信に関連し、あるいは地財、地方財政に関連して、少し気になる点、お尋ねをさせていただきました。

 大臣、ここから先、少し厳し目にお尋ねしたいと思っております。先般以来話題になっております、報道の自由と放送法との関連についてであります。

 残念ながら、大臣のこの間の御発言、大臣としては、法律に規定された当たり前のことを当たり前に述べたにすぎないというお立場なんでしょう。しかし、その大臣の御発言の世の中からの受けとめは、それ以上のものとして受けとめられているわけです。それはなぜなのかということも含めて、よくこの際お考えをいただく必要があるのではないかと思います。

 報道ぶりの表現をかりますと、高市大臣の威嚇あるいは威圧という言葉も躍っています、報道紙面にですよ。これは恐らく、まさに、大臣も報道番組一つ一つを見つつ全体を見るんだということをおっしゃっていると思うんですが、自民党政権のこの間の体質にも大きく関連していると思います。

 この十年来、放送局に対して行われた行政指導は全二十五回。ちなみに、民主党政権時代の三年間は一つもありません。そして、さんざん物議を醸してきましたけれども、選挙報道中の安倍総理の放送番組内における苦情、番組に対する苦情、それから自民党の情報通信戦略調査会による放送局への事情聴取、それから自民党議員の文化芸術懇話会でも物議を醸しました。

 こういったまさに全体を見て、高市大臣のこの御発言が放送局に対する威嚇なり威圧の一環だ、そういうふうに受けとめられているのではありませんか。その反省に立って、その前提に立って、御自身の発言、私は撤回された方がいいと思いますが、御答弁いただきたいと思います。

○高市国務大臣  例えば、私が放送局を威嚇したり威圧して、私にとっては全く得はございません。この間からテレビでも新聞でもさんざんたたかれておりますから。

 また、申しわけないのは、与党の皆さんに対しても、私の発言が取り上げられるたびに残念なことになっているのではないかと思っております。

 しかしながら、私の発言そのものについて、私は、きょうここで撤回をするつもりはございません。

 やはり、委員会で質問を受けた場合には、それに対して真摯に答弁をする必要があると考えました。私みずから、電波法、放送法に触れたり、電波法の方の無線局の運用停止命令ですとか、また放送法に規定されております業務停止命令について、積極的に何か発言を始めたわけではございません。

 もう委員も御承知のとおり、二月八日の衆議院予算委員会で、奥野総一郎先生から、放送法百七十四条の業務停止や電波法七十六条については、こうした四条の違反については使わないということで今もう一度明確に御発言をいただきたいんですがというお問いかけがございました。

 私としましては、放送法また電波法を所管する閣僚として、実際の法律に規定されている条文について、私の後も、十年後も二十年後も三十年後も永久にその条文が使われない、一〇〇%使われないということを言うわけにはまいりません、法治国家でございますので。そういう不幸な事態が起きないことを祈ってはいるけれども、条文そのものを否定してしまう、これは全く無効な条文であるということを申し上げるわけにはまいりませんでしたので、どんなに放送事業者が極端なことをしても、全くそれに対して何の対応もしないということをここでお約束するわけにはまいりませんということを答えさせていただきました。

 また、その後も続けて何度か御質問がございました。放送法百七十四条及び電波法第七十六条の運用については、これも予算委員会で二月九日に答弁申し上げましたが、法律の規定に違反した放送が行われたことが明らかであるということに加えて、その放送が公益を害し、放送法の目的にも反し、これを将来に向けて阻止することが必要であり、かつ、同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ、事態発生の原因から再発防止のための措置が十分でなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認められるといった極めて限定的な状況のみに行うこととするなど、極めて慎重な配慮のもと運用するべきであると従来から取り扱ってきている旨を申し上げました。

 これは、民主党政権時代にも放送法改正がございましたので、当時、平岡総務副大臣、また原口総務大臣が御答弁をされております。

 なお、放送法第四条違反として電波法七十六条などを適用した例はございません。

 まずは、放送法の基本的な理念に従って、放送事業者の皆様に自律的に放送法を遵守していただくということが基本だと考えております。

○小川委員  大臣、その最後におっしゃった点をもっと強調すべきだったんじゃないかと思いますね。

 伝統的に、放送事業者が自律的に遵守すべき倫理規範だという考え方もあったわけです、特に四条については。それから、法律違反だと大臣はおっしゃるんですが、処分規定は放送法一般を根拠にしていまして、放送法四条を特出ししてはいないわけです。だからこそ、これは一義的に、表現の自由やあるいはその骨格となるべき報道の自由という最上位の価値を踏まえれば、倫理規定と解すべきではないかという伝統的な解釈があったわけです。その点をまず踏まえていただきたいというのが一つ。

 それから、確かに民主党政権時代にもこの規定が最終的には法規範であるという趣旨の答弁を行っているんですが、私、今回、ちょっと特徴的だと思うのは、やはりその中身が政治的公平にかかわることについてどうかというところに焦点が当たっていることが、かつての民主党政権時代の答弁あるいはその間のやりとりと今回の事例等においては性質が異なっていると思うわけです。

 放送法には、善良な風俗、それから事実を曲げない、そして多角的な論点、一号、三号、四号がございます。これは、比較的、客観的に判断、特に、事実であるかどうかに関しては客観的な判断も場合によってはしやすいのかもしれませんが、政治的に公平であるかどうかは、一体これは誰が判断するのかということも含めて、では、追いかけて、この点をちょっと大臣にお聞きしたいと思うんです。

 最終的に、仮に処分権限を発動するような事態に立ち至る場合、その最終判断、政治的に公平であるかどうかを最終判断するのは誰になりますか。

○高市国務大臣  先ほど、私の答弁の仕方についてのお話がございましたが、予算委員会のときにも、放送法の内容に触れまして、まずはしっかりと放送事業者が自律的に放送法を遵守していただくことが重要であるということを申し述べた上で、質問にお答えをしたものでございます。

 最終的にはということでございますけれども、例えば、不幸にして放送法に基づく命令が出たというようなとき、放送法百七十四条の業務停止命令が出てしまったというような事態があったときに、運用停止命令に対しては異議申し立てができます。電波監理審議会に付議されて、そしてその審議会で審理があり、意見陳述などもあり、そしてそこで議決があり、最終的には総務大臣による異議申し立ての決定ということですから、電波法及び放送法の規定に基づきますと、総務大臣が最終的に判断をするということになると存じます。

○小川委員  大臣、本当に当たり前のこととはいえ、極めて重要な御答弁だと思うんですね。

 私はなぜこの議論をさせていただくかというと、これは民主党政権時代も含めてなんですが、やはり放送局に関する免許や審査については、本来、第三者機関であるべきではないかという議論も伝統的にあるわけです。現実に欧米諸国においては、独立機関、第三者機関が放送局に対する免許あるいは許認可を所管しているというところも複数あるわけです。

 ですから、仮にそういう前提の中で政治的公平を判断していくというのであれば、制度設計としては一つ完結しているわけですが、大臣が今おっしゃったように、日本の法制においては、最終的な免許権限あるいは許認可権限は総務大臣に属しているわけです。内閣の一員たる総務大臣に属しています。

 そこで、お聞きします。高市大臣は、政治的に中立であり、政治的に公平であり、政治的に公正である立場ですか。

○高市国務大臣  現在、私は、内閣の一員であり、行政府である総務省のトップとして仕事をさせていただいております。ですから、公正、公平、中立に行政が運用されるように、そしてまた法律が運用されるように、しっかりと対応すべき立場でございます。

○小川委員  総務省、総務大臣に属する権限をできるだけ中立公正に運用していく立場であるということについては、そのとおりだと思います。

 しかし、政治家たる高市早苗さんは、私は、政治的に中立であり、政治的に公平であり、政治的に公正であるということはあり得ないと思うんですが、いかがですか。

○高市国務大臣  私は、現在、総務大臣としてこの委員会に出席をさせていただいております。

 例えば、総務省の私の大臣室には、与党の議員の皆様だけではなく、野党の議員の皆様からのいろいろな御意見、御要望などで他党の方々にお出かけいただくこともございますし、しかし、そういったことに対して、与党か野党かであるとかそういったことは、一切私情は挟まずに行政の公正な執行に努めさせていただいております。

 そしてまた、今の総務省の体制、つまり、国家公務員はそのときの政権で政治的に政策を判断するということはありますよ。それぞれ政権をとった内閣が、こういう政策を進めたい、こういう政策を進めたい、それで国会にお諮りをしながら法律を通していただくといったことで、決まったことに対して、それはもうそのときの政権がどの党であれ、公務員は公平に中立にしっかりと言われた仕事をこなしていっている、そのように思います。

 今の総務省の体制を見ましても、それから行政というものの性格を見ましても、私は、正当性を持って、つまり政党がどこかということにかかわらず、公平に中立に行政の執行がなされる、こういう体制になっていると思っております。

○小川委員  建前、きれいごととして、それはよくわかります。

 しかし、これはより本質にかかわることなんですよね。政治家であるということは、政治的中立ではあり得ないということなんですよ。特定の党派に立ち、特定の政治的主張を採用し、いわばそこに人生をかけているわけでしょう。その上で、選挙を戦っていますよね。そして、民主主義において、五一%でもっていわば一〇〇%を擬制しているわけでしょう。国家の権限を五一%の多数派で預かるわけですよ。

 政治家であるということは、イコール、政治的中立ではあり得ないということと同義です。そのことに対しては、もっと謙虚に、しっかりとお認めいただくべきだと思いますよ。高市早苗、政治家高市早苗は政治的中立ではあり得ない。

 もう一度、御答弁ください。

○高市国務大臣  政治家高市早苗と言われたら、私にも政治理念はあります、政策もあります。また、自民党の私は奈良県第二選挙区支部長という立場もございます。

 しかし、今は総務大臣として私は行政の場にいるわけでございますから、自民党が言うことだけ聞くとか、民主党がおっしゃることを聞かないとか、そういうことではなく、しっかりといいものは取り入れて、特にこの総務委員会は、本当に全ての政党が本気で地方のことを考え、また情報通信の未来を考え、統計制度も含めてさまざまな制度について物すごく前向きな御提案もいただき、多くの方々が心を合わせて仕事をされている委員会だ、私は今のポストについてそう強く感じました。

 ですから、行政の執行に当たりましては、これは総務大臣という内閣の役職でございますから、公正、公平、中立にということを心がけております。また、役所全体のマネジメントもございますので、それは私はみずからをしっかり律しながら、公正公平ということにはかなり心を砕いているつもりでございます。

○小川委員  今御答弁になった範囲のことは、努力目標としては受けとめます。それはそうでしょう。

 しかし、本質的に政治的公平ではあり得ない高市大臣が政治的公平の旗を安易に振りかざすことの危険さ、危うさ、この議論が私は放送法をめぐる一連の混乱の背景にあると思います。そのことに対しては、より謙虚に、謙抑的に今後お考えをいただく必要があると思いますし、御議論、御発信、御発言いただく必要があると思う。

 これは、嫌なら第三者機関にすればいいんですよ、放送局に対する許認可を。それが筋道だ。そういうことも含めて、ぜひ、この間の一連の大臣の発言の及ぼす影響の大きさについて、これはよくよく自覚をしていただきたいと思います。

 この後、奥野委員も質問に立たれますので、引き続き、この点は野党としては非常に懸念している、そのことを改めてお伝えしておきたいと思います。

 最後に、少し話題がかわりますが、大臣、この間、経済財政諮問会議の場において、安倍総理から、マイナス金利の効果をよく宣伝するようにと。これは、私はニュース報道で見ました。詳細はちょっと把握しかねておりますが、これはどういうことですか。マイナス金利政策を大臣はどう評価されているんですか。あるいは、これからどうPRしていくんですか。

○高市国務大臣  経済財政諮問会議のときに、マイナス金利政策の効果をよりわかりやすく話すようにということで、主に日銀総裁に対してのお話だったと存じます。

○小川委員  大臣、このマイナス金利というのは、本当に、ヨーロッパで一部例があるとはいえ、日本経済、日本社会にとってどういう影響をこれから及ぼしていくのか、非常に要注意だと思っています。

 その中で、さまざまな議論があり得ると思うんですが、きょうはちょっと一点だけ、郵政事業に絞ってお尋ねさせていただきたいと思います。

 きょうは日本郵政からも御出席をいただいております。

 郵政事業の収益の柱は銀行と保険ですよね。これが、郵便事業を含めた郵政三事業の屋台骨になっています。なおかつ、金融部門の収益の柱は、少なくなったとはいえ、依然国債でしょう。それから、日銀当預。それはそうですよね、事業貸し付けとか住宅ローンとか、いわゆる貸付業務ができないんですから。

 これは、日本郵政の経営を考えたときに、現在、市場では、国債だってマイナス金利に振れていますよ。銀行だけで二百兆円に余る巨額の資産、これをどうやって今後運用に、あるいは収益、そして三事業一体で支えていくという事業環境、経営方針を考える上で、このマイナス金利のインパクトというのは非常に大きいというふうに受けとめておられると思うんですが、まずその点について御答弁いただきたいと思います。

○田中参考人  先生から、日本銀行が導入をされましたマイナス金利の当グループに対する影響についてお尋ねがございました。

 当然のことでございますけれども、私どもも日本銀行に当座預金口座を持っておりますので、そのマイナス金利の導入に伴う影響もございますし、先生引用されましたように、それに伴いまして、国債を中心としたマーケットの金利も低下をしてきてございます。そういう意味におきまして、金融機関全般に相応の影響を及ぼすものというぐあいに考えておりまして、当グループのゆうちょ銀行、かんぽ生命におきましても例外ではないという認識でございます。

 また、先生御指摘のとおり、ゆうちょ、かんぽ生命には、郵政民営化法によりまして、一般の銀行あるいは生保会社にはない業務制限等々も課せられております。

 私どもといたしましては、こうした状況下におきまして、まずは、ゆうちょ銀行におきましては、先生もちょっと引用いただきましたように、現在、運用の高度化ということに取り組んでおりまして、国債から国債以外の資産への運用強化をしてまいってございます。

 また、金利収入とは少しタイプの違う役務手数料を拡大しようということで、投資信託の販売にも力を入れてまいってございます。

 また、コストの一層の削減にも取り組んでいく必要があるということでございまして、二〇一五年の四月に公表いたしました中期計画に掲げておりますこうした施策を、より一層強化してまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。

 また、かんぽ生命におきましても、マーケット環境とリスク許容度をよく確認しながら、運用資産の多様化、リスク管理の高度化並びに人材育成に取り組みまして、お客様満足度の向上及び安定的な収益の確保に引き続き鋭意取り組んでまいりたいというぐあいに考えているところでございます。

○小川委員  他の金融機関同様に影響があるじゃなくて、郵政事業の方が影響が大きいんじゃないかと申し上げています。貸し付けできないんですから。債券運用しかないんだから。

 そこで、高市大臣、今度四月から、限度額引き上げ、改革されますよね、一千万から一千三百万。それはそれでいいんですが、やはり、住宅ローンや貸付業務含めて、今度は、しかし、それを仮にやると、郵政の側は本当に問われますよね、そういうノウハウがあるのか、どうやって実績を積み重ねていくのかと。それはそれで大変大きな重たい課題です。しかし、この手足を縛ったままマイナス金利という前人未到の大海原に郵政事業を投げ込む、これはあり得ないし、あってはならないと思います、大臣。

 そういう意味で、この郵政の運用改革、株式上場しましたよね。しかし、売り出し価格と比べると、数百円単位で株価は下落していますよ、きのうの終わり値で。これから、まだ株式の上場は続くんでしょう。そういう中で、貸し出しもできない、債券運用はマイナス金利になり得る、そんな株を誰が買うんですか。

 高市大臣、さらなる上場をにらめばにらむほど、この郵政改革を急ぐべきだと思いますが、担当大臣として御答弁いただきたいと思います。

○高市国務大臣  ゆうちょ銀行の方では、今もお話ありましたが、投資信託の資産運用商品の取り扱いの拡充ですとか、地域の金融機関とのATM連携を通じまして、金利に左右されない手数料関連ビジネス、この取り組みで収益力の多角化を図っておられると承知をしています。

 これからも、しっかりとした運用プランを立てられて収益力を強めていっていただきたいと思っております。

○小川委員  大臣、大変失礼ですが、ちょっとのんきな御答弁をされている場合じゃないと思うんですよね。手数料、これは外国の金融機関は口座維持管理手数料まで取っているんですよ。日本にはそんな慣例はないんだ。

 早く、この貸付業務を含めて、郵政事業の抜本的な改革を進めていくべきじゃありませんか。手数料に依存させて、このままマイナス金利の世界で郵政事業を泳がせるんですか。早く運用面において抜本的な改革を進めるべきじゃありませんか。もっと明確に御答弁ください。

○高市国務大臣  郵政民営化法、御承知のとおり、内閣総理大臣及び総務大臣はということですけれども、郵便貯金銀行と他の金融機関等との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認めるときにはということで、例えば認可の申請があった場合の認可の要件といたしております。

 さまざま具体的なお申し出があり、そしてまたこの場でも、では果たしてどうすればいいのか、例えば限度額の引き上げについても賛否両論ございました。私は、やはり利用者の利便性、主に過疎地、高齢化の進んだ地域における利用者の利便性ということから引き上げが望ましいという考えを持ってまいりましたけれども、相当な御議論がありましたので、この法律のたてつけに従って、今後またニーズが出てきたら、御議論もいただきながら考えてまいるということになると存じます。

○小川委員  もう少し危機感を持って御検討、御答弁をいただきたいと思います。

 最後に、くぎを刺して終わります。

 今後、債券運用が今までのようにプラス金利で順当にいかなくなった場合、私が懸念しているのは、この二百兆円余りの銀行資産、そして八十兆円余り、合わせて三百兆近いお金を郵政は持っている。この間、年金基金、株式市場に突っ込みましたね。百三十兆換算の二五%、追加投入ですから、数十兆単位で株式市場に突っ込んだ。これは、年明け以来の日経平均の低下で、恐らく、少なく見積もって十兆、多く見積もって十五兆円、穴をあけていますよ、運用に。ゆうちょ銀行の、この三百兆円近いお金、債券じゃなくて株式で運用し始める、政権からの圧力で株価対策に利用されるおそれがあるのではないかと思って、私は大変危惧している。

 郵政事業の健全な発展にとって、株式運用、今十三億しかないんですよね、株式投資、これは銀行法の規制もあると思いますが、そういう形で、安易な形で、政権によって株価対策にこの巨額の資金が利用されるということはあってはならないと思います。

 日本郵政、御答弁いただいて、質問を終わりたいと思います。

○田中参考人  お答えを申し上げます。

 ゆうちょ銀行、かんぽ生命につきましては、先ほど来出ております郵政民営化法に基づきまして、特別の業務制限を受けている部分はございますが、それを除きまして、一般の銀行並びに生保会社と同様の経営の自由度を有してございます。

 具体的な資金運用の方針等の経営判断事項につきまして、政府等から何らかの御指示があるということはございません。

○小川委員  また追って議論させていただきます。

 ありがとうございました。

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