トップ>トピックス
〜 トピックス 2009年 〜
■ 組閣の裏舞台
鳩山内閣が誕生する前日、9月15日は私にとって忘れられない一日となりました。夜一緒に食事をしていた仙谷議員のもとへ鳩山代表から電話で入閣の要請。そわそわしながら電話を待っていた仙谷先生も引き締まったお顔です。しかし、その後他の大臣とのポストの調整でしばらくバタバタ。また会合で席を同じくしていた前原議員、それまで何も言っていなかったのに宿舎に帰るタクシーで2人になった瞬間、「国土交通大臣だから、、」。びっくりしながら「おめでとうございます!」
マスコミ関係の皆さんにも尾行されたりと普段経験できないとても緊迫した一日となりました。やはり政権党の議員というのは、こうした形で先輩の緊迫した姿を見ながら成長していくのだなぁ、、、とても感慨深い思いです。
■ 大臣政務官への就任
原口総務大臣から総務大臣政務官への就任の要請をいただき、鳩山総理から辞令をいただきました。さっそく仕事開始です。9月21日は5連休の最中ということもあり、本当は地元の敬老会など香川での活動の予定でした。しかし、前日夕方、海外出張直前の原口大臣から電話が入り「副大臣を補佐し、政務官で連携をとって連休中も補正予算の見直しを進めて欲しい。」とのことでした。さっそく2人の副大臣、2人の政務官に連絡をとり、翌日午後2時から副大臣・政務官会議を開催することとなったのです。予定を変更して急遽朝の飛行機で上京。機内でも会議に向けて資料作りに励みました。結局、役所の皆さんに全て任せていたのでは政治主導を実現することは出来ません。高いハードルですが、補正予算の見直しの数値目標や段取りを自ら定め、役所の皆さんに指示をする、とても大切な「うったて」の日となりました。
それにしても立派な政務官室、専用の個室、専用車、専属の運転手さん、そして総務官僚の秘書官(私より6つ後輩です)、大変手厚い体制をいただきました。これに見合う仕事をしっかりして、国民の皆様のご期待に応えたいと思います。
■ 補正予算の見直し
総額約14兆円の補正予算、そして総務省はそのうち約4000億円です。担当した地方行政の分野には消防関連や民間投資を誘発する交付金など盛りだくさんでした。総務副大臣と一緒に個別に事業の聞き取りをし、実際に現地にも足を運び、関係者にできるだけ迷惑をかけないよう配慮しつつも総額で1000億円を超える予算の停止が決まりました。総額4000億円余りの補正予算の1000億円前後をとめるということは大変辛い作業でもあります。特に準備を進めて来ている担当課の皆さんに停止を言い渡すときなどは、自らも痛い思いを感じながらの作業です。しかし、こうして削減した予算を、より優先すべきことに振り向けていく、低成長、人口減少の時代を迎えた日本にとって避けては通れない途です。しっかり頑張りたいと思います。
今のところは「削る」ことばかりが強調されがちですが、これを子ども手当てを始めとした未来への投資につなげていくことで、成果を実感していただけるようさらに頑張りたいと思います。これから来年度予算の見直し、そして税制改正、さらには天下り法人の見直しなど、さらに大きく重たい課題が続くことになりますが、こうした難しい時代に国家経営に当たらせていただくことができる喜びとやりがい、そして責任の大きさを噛み締めながら、日々皆様のご支援に感謝しつつ一生懸命取り組みたいと思います。
今回の補正の見直しを通して感じたことは、財務省、国家戦略局、行政刷新会議、そしてもちろん総理大臣官邸などセンターラインとなる司令塔が、これからどれだけ具体的で戦略的な指示を、自らがリスクを負いながら各省庁に対して言い切ることができるか、ここが勝負になってくるような気がします。これがないと、例えば今回の補正の見直しでも、各省によってかなり数字にばらつきが出て来ています。各省によって予算の性質に違いがあることは十分配慮の上でですが、やはり削る作業をやっている以上、一生懸命取り組むところとそうでないところなど、モラルハザードが起きることがないよう、司令塔の役割はこれまで以上に重く大きなものになると感じます。
それから各省の副大臣、政務官があまりに広範な業務を、重層的に負っていることの効率性や責任の所在が、これから重荷になってくる気がします。政府に政治家を100人投入することが民主党の政治主導を実現するための公約の大きな柱ですが、私自身は先輩議員とこの話をしていた数年前、イギリス型をイメージしていました。だいたい中央省庁の仕事は各局ごとにひとかたまりの仕事を担当しています。副大臣、政務官をおおむね一人一局に貼り付けて、真の政治主導をより効率的に、機能的に進めていく必要性を感じています。広範な業務を重層的に担っていくことは、責任の所在があいまいになり、意思決定のスピードが遅れ、あまりにも忙殺され時間に追われる結果として、官に頼らざるを得ない面が増えて来るのも事実です。まだまだ試行錯誤ですが機会あるごとに、大臣や他の閣僚、先輩議員、各省や党内の同僚に対しても発信して参りたいと思います。
▲このページのTOPへ
いよいよ鳩山新政権が発足しました。ひたすら政権交代を目指して、そして日本には政権交代が必要、そう信じて始めたこの挑戦。こんなに早くこの日を迎えるとは夢にも思いませんでした。感動と感激、そして責任と緊張の始まりです。もう早くも、日々の出来事で政権与党の一員となったことを実感します。
■ 新政権の布陣
鳩山総理大臣、菅副総理、藤井財務大臣、仙谷行政刷新担当大臣始めベテランや党内バランスを重視した内閣となりました。党務も小沢幹事長が取り仕切ることから、新政権の船出は経験を重視した重厚な布陣と言えます。しかし単に年功ということではなく実力を十分に兼ね備えた布陣でもあります。政権交代という大変革への決意、そしてもう一方で必要となる安心感や安定感、その双方に配慮した新政権の誕生です。
■ 政権与党ということ
前夜15日には、目の前で一緒に食事をしていた先輩議員に鳩山代表から入閣の要請、、、その後ポストの調整を巡って何度か電話でのやりとり。また別の親しい先輩議員からは宿舎に帰るタクシーの中で入閣要請があったことを明かされたり、報道関係の皆様に尾行されたりと、これまでにない緊張や緊迫の一夜でした。やはり政権党の議員というのはこういう環境の中で様々なことを感じ、成長していく、あらためてそう感じます。
■ 深夜の記者会見
組閣後の記者会見は感動的ですらありました。各大臣が自らの意思で、自らの思いで、自らの言葉で国民に語りかける。八ツ場ダムの廃止、後期高齢者医療制度の廃止、難しい課題に自らの判断と決断で明快に方向感を指し示す。そして国民が選択した政権公約に極めて大きな忠誠をそれぞれが払う。「こんな政治が欲しかった。この国にこんな政治が欲しくて私自身も始めた挑戦だった。」涙がにじむような思いです。さぁこれからが本番です。死に物狂いで頑張ります!
▲このページのTOPへ
いよいよ日本にとって歴史的な総選挙が始まります。この6年間に感謝しつつ機能不全の古い政治に退出を迫り、必ず政権交代を実現します。国民生活の建直しを第一に、税金の無駄遣いの撲滅、社会保障の建直し、子育て支援、一次産業の再生など日本の将来のための政策を実行させてください。香川が変わるとき必ず日本が変わる。政権が変わるとき必ず日本が変わる。その信念のもと日本と郷土の発展のために全力を尽くします!
■ 歴史的な総選挙
民主党が結党以来13年間目指して来た政権交代。私自身官僚を辞すべきと覚悟した古い機能不全の政治。この二つが根本でようやくつながろうとしていることを感じます。成長期を前提に利権の分捕りを主な仕事としてきた旧来型の政治に決別し、低成長・人口減少時代を前提に知恵と信頼で国家の経営に挑む政治へと、機能そのものを根本的に変革すること、それこそが歴史的な総選挙の最も大きな意義だと思うのです。
■ 政権交代の意義
国民にとって今までたったひとつしかなかった選択肢。ときにさぼり、ときに横暴を働き、真に国民に顔を向けるということはありませんでした。私たち国民は今もうひとつの選択肢、現実に選び取ることのできる選択肢を手にしようとしています。官僚や政治家が国民から離れて好き放題だった時代から、官僚の手綱を政治家がしっかりと握る時代へ。そして官僚の手綱を握ったその政治家の手綱を、今度は国民がしっかりと握り締める時代へ。それこそが政権交代の持つもうひとつの根本的な意味だと思うのです。
■ 新しい政権に求められる仕事
新しい政権にはまず天下りを始めとした税金の無駄遣いに徹底的に切り込むことが求められます。新規施策の財源を生み出すため、そして政治家がこの国始まって以来「信頼」という2文字を取り戻すため。社会保障の建直し、十分な子育て支援、一次産業の再生、エネルギーや環境分野への取組、徹底した地方分権、新しい時代を睨んだ正しい政策を確実に実行することで必ず日本は復活する。社会には信頼感、将来には期待感、そして日本に生きることの安心感や自信、誇りを取り戻すことができる。そう信じます。この6年間本当にありがとうございました。最後まで力いっぱい頑張ります!
▲このページのTOPへ
■ 解散当日
初めて経験した解散当日の国会です。昨夜には宿舎の掃除や、洗濯、そして事務所の整理などを終えました。今朝も常任幹事会や両院議員総会、そして午後の衆議院本会議と慌しい一日です。夕方には香川に戻りさっそく街頭演説に街へ出ます。鳩山代表始め党役員の挨拶にも力がこもります。解散後は私を含めがっちり握手を交わして再び国会に戻ることを誓い合う仲間たち。その姿には決意と感傷が入り乱れています。
■ 政権交代へ
8月30日が総選挙の投票日です。今回ほど本格的な政権交代をかけて自民・民主両党がぶつかり合う選挙は過去に例がありません。結党以来の悲願であった「日本のもうひとつの選択肢」に本当になれるのか、その真価が問われます。鳩山代表の挨拶にもあった、「単なる政権交代のためでない。国民総参加による政治の根本的な変革。歴史的な使命を帯びた総選挙。」その言葉をしっかり胸に刻みたいと思います。
■ 選挙の意義・争点
争点は間違いなく政権交代是か非か。ここに絞られます。しかしそれが一体何のためなのか、これだけは忘れたくありません。ましてや半世紀以上に渡る長期政権に代わる初の本格的な政権交代がどういう意味を持つのか、その意義は重要です。私は戦後半世紀に渡った日本経済の成長期、そしてその成長を前提に果実の分配を主な仕事としてきた旧来型の政治の終焉が最大の意義だと考えています。これからの低成長、人口減少を前提に、まずは無駄遣いの撲滅。年金や医療、介護など社会保障の建て直し、環境やエネルギーなど新しい産業政策、そして農業や漁業など一次産業の再生。徹底した地方分権。是非民主党のマニフェストにご注目ください!
あらためてこの4年間本当にお世話になりました。ありがとうございました。この間のお支えに心から感謝申し上げ、お礼と決意のお便りとさせていただきます。解散後は連日街頭演説にマニフェストについて語る会を開催させていただきます。是非お目にかかれますのを楽しみにしております!
▲このページのTOPへ
〜 延長国会 〜
■ 臓器移植法案
長年の懸案だった臓器移植法改正案が衆議院を通過しました。法律が出来てから12年間で臓器移植が行われたのはわずかに80件あまり。年間2000件の移植が行われるアメリカ、1000件のドイツと比べてもはるかに数は限られています。その影響で子どもさんの心臓移植の実現を目指した募金活動や渡米も珍しい光景ではありませんし、大人も海外に出かけて移植を受け、それがときに臓器売買と批判されるような事態もあるだけに何とか解消していくことが求められます。
■ 4つの改正案
現行法は15歳以上の方が臓器提供の意思を明確にされた場合に限って移植が認められています。今回の論点は大きく二つ。この年齢制限を引き下げるかどうか、そして本人の意思が不明の場合でも家族の意思で提供を可能とするかどうかです。
A案は年齢制限の撤廃と家族の同意のみで可とする。B案は年齢制限を12歳以上に引き下げる。C案はむしろ脳死基準を今より厳しくする。D案は年齢制限を撤廃し、15歳未満の子どもに限って家族の同意で可とする。私は悩んだ挙句、やはり現時点では臓器の提供を原則本人の意思にかからしめる、ただ子どもの場合はそれを親が代理行使することもあり得る、そう考えD案を支持することにしました。
結果的には先にA案が賛成多数で成立し私がD案に賛成票を投じる機会は失われましたが、むしろ、D案で実績を上げた後A案に移行しなければならないと感じていた私としては、今回の結果を立法府の一つの英断と受け止めています。後は臓器を提供する側、提供を受ける側の双方が十分に理解と納得をしあって移植が進む環境を整えることが大切だと思います。
■ 党議拘束、、、そして野次、、、
今回の議場内はとても緊張感に満ちていました。投票の最後まで互いに意見を聞いたり、言い合ったり、、他でもありません。それぞれの死生観や生命倫理に関わる問題として各党が党議拘束をはずし、それぞれの国会議員に自分なりの判断を求めたからです。一国会で100前後の法律が成立しますが、大半は既に各党の協議により賛否が決定し、その成否も定まっているため結果も容易に見通せます。今回のような独自判断の機会を増やすことは、国会を生きた議論の場とし、個々の議員の資質や責任感を高める上でもとても重要な機会だと感じました。
また前回の党首討論では与野党が野次を自粛することを申し合わせた結果、両党首間の議論はとても聞きやすく、質まで高まったのではないかと思えるほどでした。国会の古い慣習の中にはやはり見直していかなければならないと感じるものが多々あります。
千葉市で新市長が誕生しました。31歳という未知数の可能性を秘めた市長を選んだ千葉市民のご決断に心から敬意を表したいと思います。旧来の日本では考えられない、あり得ない変化だと思います。そして一度起きたこの変化はもうもとに戻ることはありません。それだけ政治が機能することが求められる時代に入った。政治が傑出した人材を求められる時代に入った、政治家が誰でも良い時代は終わった、経験年数がものを言う時代も終わった。ある種の変化を象徴していた千葉市長選挙でした。静岡知事選、東京都議選と続きます。しっかり結果を出し、そしていよいよ来るべき総選挙に力いっぱい臨みたいと思います!
▲このページのTOPへ
〜 民主党代表選挙 〜
■ 小沢前代表の辞任
5月11日夕刻、羽田空港に到着した直後、携帯メールに東京、香川の両事務所から発せられた小沢代表辞任の一報に接しました。驚くというよりむしろ「来るべきものが来た。。」そうした緊張感の方が大きかったような気がします。「政権交代可能かどうかの一点において身の処し方を判断する。」、そうおっしゃり続けた小沢前代表の判断の示し方、責任の取られ方がこうした形となって現れた、極めて重く受け止めた瞬間でした。
■ 一週間の代表選挙
わずか一週間の代表選挙期間となりました。辞任表明の翌12日、党の常任幹事会では小沢前代表の3年間の功績、指導の数々に心から敬意を表した後、「党員・サポーターの皆様に幅広くご参加いただく、開かれた代表選挙を行うべき」と強く主張いたしました。しかし短期間での混乱収束を最優先する執行部の意思は固く、国会議員のみの投票、16日土曜日には議員総会の開催、こうした短期決戦の枠組みが決定されました。
■ 岡田候補の応援
私自身は政治改革や年金改革などに真面目に一本気に取り組んでいただくリーダーとして、岡田克也さんを最適と考え、推薦人として初めて代表選挙に積極的に関わりました。結果は党内の安定や小沢前代表からの継続性を優先する声が勝り、鳩山由紀夫さんが新たな代表に就任されました。しかし、代表選挙に深く関わった分、もちろんリスクはありますが、党内の人脈、またそれぞれの議員が極まった局面で何を考え、どんな優先順位をつけ、どのように行動するのか、その真髄に触れ続けた日々でもありました。政治は選挙を通して動き、政党もやはり代表選挙を通して結束と流動化を繰り返す。あらためてそんなダイナミズムを感じた日々でもありました。
■ 鳩山新体制の船出
岡田克也さんは幹事長として、そして小沢前代表は代表代行としてそれぞれの立場から党の運営に中心になって関わられます。間近に総選挙を控えた今、あらためて党内の結束を固め、そして何よりも選挙による本格的な政権交代を志した立党の精神に立ち返り、さらに全力を尽くしたいと思います。党幹部の皆さんが互いの長所を伸ばしあい、互いの短所を補い合い、党の総合力を増すことを期待したいと思いますが、実はそれができるかどうかは私たち所属議員一人ひとりの自覚と責任感にかかっている、そんな思いを強めております。この間のご迷惑、ご心配にあらためて深くお詫び申し上げますと同時に、これからの私どもの取り組みに是非ともご期待とご支援を、そして厳しい目を注いでいただきますことを心よりお願い申し上げます。
▲このページのTOPへ
〜 消費者庁設置法案可決 〜
■ 消費者庁設置法案
一ヶ月に及んだ消費者委員会の審議が終結しました。この間、冒頭と最後の総理質疑を含め6回に渡って質疑に立たせていただきました。地元香川や北海道での地方公聴会など多くの現場にも触れさせていただきました。最終的には与野党協議の成立により全会一致で衆議院を通過することになりました。この消費者庁の設置が歴史の長い食品被害や製品事故など消費者問題の解決の糸口になることを願っています。
■ 与野党協議
今回、先頭に立たれた仙谷議員はじめ与野党協議の現場には凄まじい迫力を感じました。当初、消費者庁という役所を内閣に設置するだけだった政府案に対し、内閣の外から強い監視機能と権限をあわせもった消費者権利院の設置を主張した民主党。両者の意見には大きな隔たりがありました。しかし、最終的には民間から委員を登用する独立性の強い消費者委員会をあわせて設置することで協議が妥結しました。強い中央機関を作るという観点から政府案と民主党案が大きく歩み寄った形です。
■ 地方の現場
強い中央機関の設置とあわせて、重要なのはやはり地方の現場の復興でした。この10年で消費者行政の予算は200億円から100億円に半減、そこで業務に当たっておられる方々も半ばボランティアで、年収150万円前後と官製ワーキングプアと言われています。これを抜本的に強化するために国が用意する150億円の基金は、当初相談業務の人件費には充てられないことが決まっていましたが、ここも与野党協議で突破し、その規制を取り払いました。こうした地方の声を真摯に受け止めた形での政府案の大幅修正は、ねじれや対立ばかりが強調される国会にあって画期的なことではなかったかと思います。しかし、実際の運用はこれからです。消費者委員会委員の人選を含めて今後もしっかり監視して行きたいと思います。
▲このページのTOPへ
〜 消費者行政 〜
■ 消費者問題
消費者問題の歴史は古くて新しいものです。戦後の砒素ミルクやサリドマイド、水俣病やイタイイタイ病など公害問題、そして豊田商事事件やサラ金地獄などの金融・詐欺、薬害エイズや肝炎、最近の食品偽装など数え上げれば切りがありません。違法行為はもちろんのこと、例えその手前であっても高齢化と複雑化が進む社会にあって、サービスを提供する側とそれを購入する消費者(生活者)との間に情報量や資金量の格差が拡大している。政府が適正に介入しなければ両者の実質的公平が図られず、社会の安心感、安定感、信頼感が保てない。これこそが消費者行政の最大の眼目ではないかと思います。
■ 消費者庁?権利院?
政府は消費者庁という新たな行政組織を政府の中に置くことを、民主党は消費者権利院という独立機関を政府の外に置くことを主張しています。政府案では消費者庁が全部で1800ある法律のうち29法を所管(一部を含む)することを主張しています。しかしこれでは耐震偽装やエレベーター事故などの建築基準法、保険金不払いの保険業法など多くの消費者関連法をこれまでどおり縦割り官庁が担当することになります。そこで私たちは個別に法律を所管せず、政府の外に出て、あらゆる消費者問題、あらゆる苦情相談に柔軟に応じ、その原因究明を図り、救済に努力し、再発防止を政府に勧告する。そうした強い独立性と権限を持った機関をイメージしています。
■ 国会論戦
3月17日から消費者委員会での国会論戦がスタートし、18日にはNHK中継のもと麻生総理大臣、野田消費者大臣に質疑を行いました。あがってしまうし、質疑時間が短くて時計が気になるし、論理をすっとばすし、、、散々で反省点の多い質疑でした。しかし、これからも精進を重ね、多くの皆様の代弁者として良い仕事ができるよう全力を尽くしたいと思います。まだまだ審議は始まったばかりですが、縦割りで業者側の意見に寄って立つことが多かったこれまでの政府を、いかに国民目線、消費者・生活者目線に置き換え、変化させ、進化させることができるか、その一点を念じて議論したいと思います。
▲このページのTOPへ
〜 来期に向けて! 〜
■ 総務委員会質疑(来期の経済見通し)
2月26日、衆議院総務委員会の質疑に立ちました。鳩山総務大臣との論戦です。1月に決定された政府の来期経済見通しはプラス成長(0.1%)。しかし2月に入って昨年秋の経済が年率12%のマイナスと激しく落ち込んでいることが明らかとなりました。つまり現在の政府の経済見通しと予算案はこの大幅な落ち込みを前提としていないことになります。
実は日本経済はオイルショックがあった1974にも、年率換算12%の落ち込みを一度経験しています。しかし、当時は原油高による内需の一時的な落ち込みが原因で、その後急速に回復しました。ところが今回は輸出がマイナス13%と激しい落ち込みであり、世界経済の回復なくして国内景気の上昇は見込めないという構図です。
当面の景気対策と同時に、本質的には今後の抜本的な内需拡大が必要であり、それは小泉竹中ラインで続けられた規制緩和路線ではなく、むしろ年金や医療、介護、就労支援の充実など社会保障政策全般に渡る需要政策、安心感のある社会への転換が最大の方策だと思います。
■ かんぽの宿
現在、簡保の宿の売却問題が大きな問題になっています。2400億円かけて作った70施設を109億円で売却。現在の固定資産評価額は800億円余りといいますから、極端に安い価格での売却です。
地元香川県坂出市の施設も見学しました。昭和43年に19億円で立てた建物は41室を備え、瀬戸大橋を見下ろす見事な施設です。しかし、現在の価格は4800万円というから驚きます。しかも、現地の総支配人はそれを全くご存知なく、本社主導で少数の不動産鑑定士によって進められた鑑定結果であることが明らかとなりました。この際売却手法の再検証が求められますが、同時にそうであるならば2012年秋までに売らなければならないと義務付けた郵政民営化法そのものの見直しも視野に置かなければなりません。極めて難しいバランスが求められます。
■ 麻生総理の帰国
麻生総理が米国から帰国しました。国内で信任を得ていない麻生総理に対するアメリカ側の期待は大きくない、との指摘はそのとおりだと思います。しかし、アメリカ経済の動向やオバマ大統領の経済対策の規模を考えると、日本に対して米国債の購入を含めた協力が求められる可能性は大だと思います。
私は今アメリカと経済協力を議論しなければならないとすれば、是非同時に日米地位協定や米軍思いやり予算の見直し、羽田空港近郊の横田空域や沖縄普天間基地の返還、さらには拉致問題、こうした日米を巡る安全保障上の問題、積年の課題について十分話し合い、両者の建設的合意を目指すべきだと思います。その上で経済論議を進めるべきだと思うのです。
■ <番外>洋服?
先日、珍しく洋服のコーディネーターの専門の方にアドバイスをいただく民主党内若手の勉強会がありました。いつも洋服を含め高い買い物はできない私、、、昔からの貧乏性に加え、旺盛な政治活動費と限られた財源を考えるとどうしても私的な買い物は控えがちです。高くなくとも清潔感があって、バランスの良いものを身につける。ぱっと見もとても大事とのことですので心がけたいと思います。
▲このページのTOPへ
〜 オバマ大統領の就任 〜
■ 定額給付金
いよいよ定額給付金の問題が山を迎えようとしています。約2兆円の給付金を800億円余りの経費をかけて支給する今回の施策、お金がもらえるというのに一体何ゆえに7割もの国民が反対しておられるのか。台湾でも似たような施策が行われるそうですし、ドイツでも検討されたようです。またアメリカにも戻し減税の形で小切手を支給することがあると聞きます。本質的にあり得ない制度ではないのだと思います。
しかし多くの国民が懐疑的である決定的な理由の一つは、やはり麻生総理のブレにあると思います。景気対策(≒高額所得者ももらって使うべき)なのか、生活支援(≒低所得者に限って支給すべき)なのか政策の基本性格がはっきりしない、というより総理自身がそこに確信を持てないがために右往左往し、自治体をも含めて惑わせている。リーダーの覚悟が足りない政策に国民が共感するとは思えません。
加えて積年の課題である年金制度、医療、農業、環境・エネルギー問題、日本や世界を覆う構造変化に対応する力がほとんどゼロに近い、、言わば政府の基本能力・資質とも言うべきものに落第点がつけられている。「重要なことは何も解決されず、残るのは借金だけではないか」、「病の根治はおろか、対処療法にすらないらないではないか」と多くの方が思っておられるのではないでしょうか。
結局信を得ない政府のなす事はことごとく信を得ない、ましてや消費増税という国民に負担を強いる施策となればなおさらです。信の源は事物ではなく人、ここにも政治のひとつの本質を見る気がします。いずれにしても、ここにあらためて日本国民の民度の高さを思いますし、将来を悲観する議論とはやはり一線を画したい気持ちです。
■ オバマ大統領の就任
1月20日は合衆国オバマ大統領の就任式です。選挙戦の際にも期待を込めて見つめて参りました。彼の著書である「合衆国再生」、お読みになられた方もいらっしゃることと思います。この中に込められた彼のメッセージ、「合衆国国民が政治の成長の遅れに苦しんでいる。」、「抱えている課題の大きさと政治の貧しさとの間に大きなギャップがある」、彼の思いはこうした根本的なところに源流があり、立ち位置がある。だからこそ彼のメッセージは人種や宗教、利害、そして国境を越えて人々の胸に届き、共感をもって迎えられるのだと思います。
もちろん経済や雇用環境の厳しさを思えば、実際の政策実施は容易なことではありません。また日本にとっても保護主義的な傾向や対中国重視など懸念する声があることも事実です。
しかし、政治の能力や可能性は基本的にコミュニケーションの力から来るのであり、他者と共感し、他者と何事かを共有する力から来ると信じます。そうであればこそ、いかに高くそびえ立つ山のような課題でも解決の糸口を見つけることは可能ですし、いかに激しく氾濫する激流のような問題であっても、互いに納得すべき地点を見出すことができるはずです。
その意味で極めて高いコミュニケーションと共感の力を備えたオバマ大統領の登場は、世界の政治がこれまでの遅れを取り戻すきかっけになると思いますし、そうしなければと思います。日本も手をこまねている場合ではありません。遅れをとっている時間はありません。
▲このページのTOPへ
|