民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2021年5月14日 議院運営委員会)〜

○小川委員  小川淳也です。

 まず、今朝になって、急転直下、方針を転換したことは、随分みっともないし、不適切だと思いますが、その点、いかがですか。

○西村国務大臣  私としては、日々、専門家の皆さんの意見をお聞きし、データの分析を行い、また知事とも調整をする中で、ベストの案と思って今日は諮問させていただきましたが、しかしながら、専門家の皆さんから、今申し上げたような三点、変異株の今後の想定、病床の状況、そして国民の皆さんへのメッセージ、行動変容を促していく、こうしたことから緊急事態宣言がふさわしいという御指摘をいただきまして、諮問案を取り下げて、改めて新たな諮問をさせていただいたということでございます。

○小川委員  確認ですが、前夜の五大臣会合までは、専門家とは全くコミュニケーションがなかったということでいいですか。

○西村国務大臣  日々、私自身、尾身会長あるいは押谷先生を始め専門家の皆さんと意見交換をしております。まさに、北海道、岡山、広島の感染状況、病床の状況についても、専門家との間で強い危機感を共有し、対策を強めていくというところは一致をしていたところであります。

 ただ、今般、もちろん、今日の分科会のメンバー全員と何か根回しをしたり、そういうことは行っておりませんので、何人かの方と意見交換を行う中で、私どもとしては蔓延防止等重点措置で対応したいということで諮問させていただきましたが、特に、医療の関係の皆さんから医療の逼迫、それから、感染症の何人かの先生から、まさに変異株による今後の更なる感染拡大、こうした危機感も伝えられたところであります。また、コミュニケーションの専門家からは、国民へのメッセージとして、やはり緊急事態宣言という強いメッセージが必要だということで御指摘をいただき、私ども、緊急事態宣言ということで新たに諮問をしたということでございます。

○小川委員  こういうことがあると、政府のメッセージ性が毀損するんですよね。

 百貨店や美術館を閉めるか開けるかでも、自治体との間で混乱がありました。これは、やはり専門家や自治体との意思疎通が不十分だと言わざるを得ないと思いますが、改めてその点。

○西村国務大臣  毎日、専門家の皆さんと、尾身先生を始めいろいろなメンバーと一時間程度意見交換を行い、また、考え方もお伺いしております。ただ、全てのメンバーとずっとやっているわけでもございませんので、様々な意見を集約する中で意見交換を行っております。この点、私自身は、強い危機感を共有しておりますし、方向性は一致をしていると思います。

 その上で、今日、専門家の皆さん、全員で二十名強ですか、おられる中で、お一人お一人意見をいただく中で、それぞれのお立場から大変強い危機感が改めて示され、私どもとしては、専門家の意見をまさに尊重して、それをしっかりと受け止めて、今回、緊急事態措置で対応するということの判断をさせていただいたところでございます。

○小川委員  その点は引き続き努力いただくとして。

 蔓延防止措置、今回、拡大されるところもありますが、私の地元香川県を含めて、適用が蹴られたところもあるんです。これは私は不適切ではないかと思いますが、その点、いかがですか。

○西村国務大臣  香川県、そして長崎県、それから福島県、それぞれの知事から要請もいただき、そして様々なデータの分析、これも、この間、私も知事と話をさせていただいておりますし、また、事務的にも緊密に連携を取らせていただいております。

 香川県は、知事のリーダーシップで早くから時短要請などが行われておりましたけれども、二十時までの時短という強い措置は五月十二日から、一昨日ですかね、であります。その効果の分析をこれから進めるところであります。

 また、失礼ですけれども比較的小規模な県にあっては、割と新規陽性者の数の増減が大きいことがございます。クラスターが出ると、突然、私の淡路島なんかもそうですけれども、七、八十人、一遍に出るようなこともあります。そうしたところの分析を進める中で、昨日二十七人、今日も三十人程度と聞いておりますが、こうしたところをしっかり分析を進めていこうということで知事にはお話をしております。

 そうした中で、今回は、引き続き分析を進めるという判断をさせていただいたところであります。

○小川委員  蔓延を防止する措置ですから、蔓延するまで出せないでは遅いと思うんですね。

 それから、議運も、毎週、恒例化しています。ということは、その分、どんどんインパクトが薄れていく。したがって、政府の対応がやはり後追いの小出しなんですよ。

 それで、はっきり申し上げますが、今、大臣がおっしゃったように、周囲に感染がにじみ出しているわけですね、都市部から。これは、日本全土への全国的な緊急事態宣言が必要なんじゃないですか、本当は。

○西村国務大臣  今回、五月の大型連休の前に、どういう対応をしていくのか、私も様々、自分自身でも考え、また、スタッフともかなり詰めて議論を行いました。

 去年の五月は、おっしゃったような、全国に緊急事態宣言を発出しました。これは、コロナというものがどういうものか分からない中で、やはり移動を止めなきゃいけないということで、いわば、感染がほとんど出ていない地域も含めて、幅広く対応させていただきました。

 今回も、そのことも含めて私自身は様々考えましたけれども、全国を見ると、今ちょっと減ってきていますが、連休前、およそ十県ぐらいが感染が非常に低く抑えられて、県民に対して県内旅行を支援するような仕組みで各県で対応されています。そういった県まで含めて、不要不急の外出自粛とか、非常にきつい私権制限を伴う時短の要請とかを行うということ。そうした中で、やはり、コロナのこともかなり分かってきておりますので、感染拡大している地域に的確な措置を取っていく、特に厳しいところには緊急事態宣言の措置を講じて重点的な対策を講じていく、そういう判断をしているところでございます。

○小川委員  その姿勢が不十分だと思うんですが。

 宣言は延長されているのに、生活困窮者への支援とか、税、社会保険料の延納措置はもう打ち切られているんですよ。これは不適切だと思いますが、この点、是非お願いしたいと思います。

○西村国務大臣  厳しい状況に置かれている方々にはしっかりと支援をしていかなきゃならない、このことはまさに政府の責任だと思っております。

 緊急小口資金なども、三か月の再支給を可能として、申請を六月末まで延ばしておりますし、厚労省において、現場の、まさに社会福祉協議会の皆さんは必死で頑張っておられますので、そうした声もしっかりとお聞きしながら、様々な対応を考えておられるところだと思いますし、私の立場でも、しっかりと連携して対応していきたいと思います。

 国税、社会保険料のいわゆる特例猶予は終了いたしましたけれども、いわゆる国税通則法に基づく既存の猶予制度、これで猶予を受けることは可能で、それも延滞金利も一%という低利で受けることが可能でありますので、そうしたことも含めて様々な対応をしながら、この五月には、一人親世帯の方のお子さん一人五万円が児童扶養手当と同時に支給されることになると思いますし、二人親の所得の低い方にも、七月以降、給付がされると思います。

 そうした対応をできる限り迅速に行って、厳しい状況にある方の支援をしっかりと行っていきたいと考えております。

○小川委員  それはやはり、でも平時の対応なんですね。

 各論を二点お聞きします。

 今、首長がワクチンを先行接種しているという事例。それから、変異株、インドからの帰国者の隔離は六日間でいいのか。この二点、大臣のお考えをお聞きします。

○西村国務大臣  ワクチン接種につきましては、その際に、キャンセルなどワクチンに余りが生じた場合に、自治体において弾力的な運用がなされる。当然、医療従事者、六十五歳以上の高齢者、基礎疾患がある方、高齢者施設の従事者という、順次、それは決定しているんですけれども、その上で、何かキャンセルがあってワクチンに余りが生じた場合に、そうした弾力的な運用は当然なされるものというふうに考えております。

 ただ、公平性を欠くような対応にならないよう、引き続き、自治体に対しては、こうした考え方を丁寧に説明し、緊密に連携を図っていくもの、そうした対応を取られているものというふうに承知をいたしております。

 それから、インドの件につきましては、WHOによれば、新型コロナウイルスの潜伏期間の平均値が五日から六日とされておりますので、そのことを踏まえて、入国後六日まで検疫所の宿泊施設で待機を求める。また、出国前の検査と入国するときの検査、三日目の検査、六日目の検査ということで、おおむね一週間の間に三回検査を受ける。合計でいうと四回検査を受けることになりますので、入国時に陰性と判定された感染者であっても、検疫所の管理下で相当数これは捕捉できるもの、そういう整理をなされたというふうに承知をしております。

 いずれにしましても、感染状況等を見極めながら、水際対策についても不断の検討を進めていくということでございます。

○小川委員  対策として、やはり不徹底だと思います。

 最後に、こういう状況の中で政府から必死さが伝わってくるのは、やはりオリンピックの開催だけなんですよ。内閣参与が、こんな感染はさざ波だと言っていますね。そして、総理は、前千葉県知事に対して、やるよと言っている。こういう状況ですが、なおオリンピックだけは開催ありきということでいいですか。

○西村国務大臣  私どもとして、何としても、今、感染拡大を抑えていくということで、全力を挙げているところであります。

 私自身がこの開催の可否にコメントする立場ではありませんけれども、安全、安心の大会となるよう、私の立場で全力を挙げて感染を抑えていきたいと考えております。

○小川委員  終わります。

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