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〜会議録(2020年4月3日 厚生労働委員会)〜

○小川委員  立国社、小川淳也です。

 加藤大臣始め厚労省の皆様の日々の御尽力に、心より敬意を表したいと思います。

 委員長、先ほど理事会でも発言したんですが、厚生労働大臣を始めとした厚生労働省、それから国会における厚生労働委員会は、ある意味国民にとって最後のとりでだという緊張感なり危機感を私自身も感じています。したがって、これはなかなか現場で対処する範疇を超えているんですが、与野党の国対を含めて、委員会の持ち方や議案の立て方や、平時ではありませんので、極めて臨時異例の扱いを含めて検討すべきだと、改めてこの委員会の場で発言させていただきたいと思います。

 並びに、きょうも答弁者の皆様は大変密集しておられますが、担当事項が終わったら速やかに退室していただいて結構ですので、委員長には特段の御配慮を、それは事務的な補助者も含めて、必要最小限でお願いしたいと思います。

 それでは、質問に入ります。

 まず、昨日、東京都、九十四人、それぞれ衝撃でございました。大臣、率直にお尋ねします。緊急事態宣言、これがそろそろ必要な局面に来ているんじゃないですか。

○神田大臣政務官  お答え申し上げます。

 新型コロナ対策につきましては、政府全体で強い危機意識を共有いたしまして、日々緊張感を持って対応しているところでございます。専門家の方々とともに認識やその危機感を共有しております。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法においては、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあり、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある場合に緊急事態宣言を発出することとされておるところでございます。

 現状は、緊急事態宣言との関係では、引き続きぎりぎり持ちこたえているという状況で、少しでも気を緩めればいつ拡大してもおかしくない、まさに瀬戸際の状況が続いていると認識しております。

 政府といたしましても、都道府県とともに、これまで以上に緊密に連携し、基本的対処方針に基づき、クラスター対策等、感染拡大の防止に一丸となって取り組む所存でございます。

○小川委員  公にはそういうことだと思うんですが、大臣、副本部長、それから公衆衛生の責任者として答えてください。

 私、ちょっと気になっているのは、インフル特措法の法的な要件なんですが、三十二条に要件が記載されているんだと思うんですが、全国的かつ急速な蔓延とあるんですよ。それで、今、明らかに大都市部が異様な状況なんです。もっと言えば、岩手、鳥取、島根、ゼロでしょう、きのうまで。それから、私の地元香川県も二人、徳島も三人、一桁が十七県なんですよね、まだ。したがって、この全国的な蔓延という要件に直ちに当てはまるのかどうか。あるいは、こういうところを凌駕していく政治的判断が必要なのか。

 ちょっと誤解されてもいけないので、安倍政権による緊急事態宣言なり緊急事態的政治的権能の発動には我々は基本的には慎重な立場なんですよ、慎重な立場なんです。しかし、昨今のこの事態の悪化を見るにつけて、後手に回ってはならないという危機感も逆に持っているんです。

 それで、法律の要件が全国的な蔓延と一応書いているんですが、この今まだら模様になっている状況は緊急事態宣言に差しさわるんですか、それとも適用できるんですか。

○加藤国務大臣  まさに特措法そのものの解釈、これは内閣官房ということも御承知の上でお聞きになっているので、それを前提にお答えさせていただきたいと思います。

 まず一つは、要件としては、全国的、急速な蔓延と、又はそのおそれがあるものと書いてありますから、このおそれをどう判断するのかというのは、まさに、専門家の分析を踏まえて、最終的には政治が判断すべきものなんだろうと思います。

 現状については、先ほど政務官から申し上げた答弁が今の段階の状況だと思います。

 ただ、公衆衛生というか医療を提供する立場から言うと、先日の専門家会議の中にも、感染が爆発したときに医療が崩壊するわけではないんだ、定常的に、その感染者数が増加をすることにおいても医療が崩壊するということも指摘をされておりますので、特に重症者のケアが弱くなってしまう、そのためにも、今、軽症者に対して、医療機関ではなくて、自宅あるいはそれ以外の措置、これについても東京等を含めて具体的な検討をさせていただき、先日、その場合のガイドライン、自宅療養あるいは宿舎等の対応におけるガイドライン、これも出させていただいた、こういう認識であります。

○小川委員  私もそれでいいと思うんですよね。やはり、このおそれというものに対する政策的、政治的判断、法解釈、安倍政権のこの法解釈に関する信頼度は極めて低いんですが、それにしても、後手に回ることがあってはならないという一抹の不安を感じております。

 神田政務官、どうぞ、もう御退室いただいて結構です。おつきの補助者の方も含めて。委員長、よろしいですか。

○盛山委員長  はい。

○小川委員  それから、やや東京都に注目しておきたいと思うんですが、これは個別の通告はありませんけれども、常識的な範囲だと思いますので答えてください。

 きのう九十四件確認されたようですが、検査件数は何件ですか。検査件数が何件で、九十四件の陽性確認ですか。わかれば。

○宮嵜政府参考人  お答えを申し上げます。

 検査の全体数につきましては、陽性者数よりも一日おくれで報告がまとまる状況ですので、全体数までは、ちょっと今の時点では把握してございません。

○小川委員  周辺状況を整理して、ぜひ、補助者として答弁席に臨んでいただきたいと思います。

 概数で結構です。東京都の検査能力はどのぐらいですか、一日当たり。

○宮嵜政府参考人  お答え申し上げます。

 東京都ということで、いわゆる地方衛生研究所、一部保健所でやっているところもありますけれども、そういう地方自治体の能力ということで申し上げますと、一日当たりの可能件数は、東京都は二百二十件というふうに報告いただいております。

○小川委員  きのうの九十四件が何件検査して九十四件なのかは、済みませんが、後ほど私の事務所にデータをいただけませんか。それをお願いします。

 それで、大臣、ここから先、ただいまの御答弁で、検査能力、二百二十件ということですよね。今のふえ方を見ると、四十台から六十台、六十台から八十台、八十台から九十台。これは恐らく倍々ゲームに近い形でしょうから、もちろん、自粛要請がどの程度今後きいてくるかはわかりません、そうすると、百を超え、二百を超えは、もう本当に時間の問題だと思うんですよ。

 ところが、絶対的な検査能力、二百二十件が上限ということになると、社会の実態というんですか、都内の感染実態と乖離した感染者数の確認ということが起きかねないと私は危惧しています。それも、もう数時間、数日のうちです。この点の危機管理についてどのように対処すべきか、大臣、御見識をいただきたいと思います。

○加藤国務大臣  今の二百二十件というのは、平時モードで回せば二百二十件ということなので、例えばもう少し超勤をしたり、いろいろなことをすることによって高められる部分というのは一部、一部ですね、あります。

 それから、それ以外に、東京の場合には、民間の検査会社が結構所在をしておりますので、そういったところでお願いができるか。それからもう一つは、感染研があります。感染研もかなり今能力増強を図っておりますので、そうした感染研における対応。あと、検疫の方は、正直言って検疫だけで手いっぱいなんですが、検疫も相当、今、PCRを入れたり、能力を高めさせていただいておりますので、これが落ちつけば、そういったところでの対応等、東京の今言った地衛研だけで対応できない部分は、そういったところで代替するというか、補いながらやっていく。

 それからもう一つは、全体としての能力を上げていくということで、例えば、同じ仕組みを使いながらより短い期間で検査ができるという試薬もどんどん出てきていますから、それを積極的に今展開をさせていただいて、一日当たりの能力アップ等々も図っていきたいというふうに思っています。

○小川委員  全国の検査能力が九千件という報道に接しました。ということは、人口比でいうと大体一割は都内ですから、九百件ぐらいの能力があってしかるべきなんでしょうし、あるいは、余力のある近県も含めて、厚生労働省は広域調整に乗り出さなきゃいけないと思うんですよね。物理的な体制整備とあわせて広域調整に乗り出すべきだということも、ぜひ頭の片隅にお願いしたいと思います。

 一番恐れているのは、世の中の感染実態はもう一日当たり数百とか数千になっているにもかかわらず、検査能力の限界によって判明件数が百とか二百にとどまっているという、実態と公式発表との乖離が拡大することを恐れています。最も恐れています。そういう意味で、この問題意識は、ぜひ強烈にお持ちをいただくことをお願いしたいと思います。

 あわせて、今、最大の論点、最大の課題は、東京都の確保病床七百床に対して入院患者数が六百八十四名ということだと思うんです、昨日現在で。ということは、残り病床、十六床しかあいていない。ということは、きょう退院者がどのぐらいいらっしゃるのかわかりませんが、恐らくきょうも、三桁台内外の感染者数判明、確定になるんでしょう。ということは、東京都の確保病床を要入院患者数が超えるという状況が、きょう、四月三日をもって発生する可能性は極めて高いと感じております。それに際して、宿泊施設や自宅療養を含めた対策の変更といいますか、対処方針の変更は極めて重要な論点だと思います。

 それで、私もちょっと誤解していたんです。多くの方も誤解している可能性があると思いますので。

 今、新型コロナの肺炎は、感染症法上の指定感染症であると同時に改正インフル特措法の指定感染症でもある。二重の指定状況に今あると理解しています。そして、双方の法律によっても、この入院措置は勧告であって強制ではないという理解でいます。そこがまず間違いないか、御答弁いただきたいと思います。

○宮嵜政府参考人  お答え申し上げます。

 今委員から御指摘ございましたが、感染症法では、蔓延を防止するために必要があると認めるときに都道府県知事は入院をさせることができるというふうにされておりまして、例えば、今議題になっております軽症者を入院させないというような場合も、感染症法には抵触しないというような状況でございます。

 それから、新型インフルエンザ等特措法につきましては、内閣官房の方での解釈になるかと思いますけれども、入院に関する措置についての規定は設けられていないというふうに承知をしてございます。

○小川委員  これは、多くの方が誤解しておられると思うんですが、強制措置ではないんですよね。勧告であり、究極を言えば任意ということなんですよ。それを前提にきちんと対処していかなきゃいけないということだと思います。

 それで、少し気になる声がありましたのであえてお尋ねしますが、東京都はホテルの確保にめどをつけたのか、あるいは努力をしている最中なのか。厚生労働省はかなり、この間、それに対して慎重だったというようなこともちらほら聞こえてきますが、これは、もし事実ではないなら事実ではないと、むしろ東京都のホテルや宿泊所確保を支援するということであれば、はっきり明言していただきたいんですが。

○加藤国務大臣  従前から、そうした重症患者を受け入れる体制がとれなくなってくる、あるいはそういうおそれがある場合には、自宅療養等に移行していく、そして厚労省は相談にあずかる、この考え方はずっと堅持しております。

 ただ、今委員御指摘の点でいろいろ私が考え得るに、きのう発出した自宅療養とか宿舎における対応について、具体的な話を実は出し切れていなかった、そのことは確かにあります。ただ、これも、関係者といろいろ調整したのに少し時間がかかったという点はありますが、それが、結果としてそれぞれにおける具体的な検討にややもすればマイナスの要因があったというところはあるんだろうというふうに思いますので、きのう早速出させていただきました。もともと私どもは、むしろ積極的にというか、状況に応じてこういった対応をやるべきだということは考えてきているところでありますし、きのう出させていただきました。

 さらに、東京都においても、こういう施設があるよ、こういうところはどうだというところを含めて、今、具体的な話をさせていただいているということであります。

○小川委員  病院以外で医療行為を行うことも含めて、ちょっとこれまで想定していなかったようなこともいろいろ出てくると思うんですよね。私どもも、野党内、党幹部を含めて、そういったことの検討を、野党としてもきちんと政府をサポートできるようにという指示もいただいておりまして、この辺の議論もぜひ忌憚なく、与野党を超えて危機管理に当たっていかなければならないと思っております。

 関連して、一つ、これは都内の話ではないんですが、都内の話も含めてかな、この点、大臣の御見解をいただいておきたいんです。

 昨年九月に、公的病院、公立病院の再編統合について、全国の四百二十四病院がリストアップされたという一連の経緯があります。当時の状況下において医療提供体制のある種の合理化なりを議論する端緒にしようともくろまれたんだと思いますが、例えば私の地元香川県でいうと四つの病院がリストアップされていまして、済生会病院、高松の感染症対策を担っている医療センター、それから、さぬき市の、香川県の東部ですが、市民病院、そして、滝宮総合病院、これは南西部ですけれども、それぞれ、いずれ劣らぬ地域の拠点病院なんです。感染症対策を含めて、いざという有事の際には相当ここが踏ん張らなきゃいけないという拠点施設ばかりです。

 去年の秋以降、これはまだ具体的に、どういう動きになっているか、ちょっと直近を確認しなければなりませんが、例えばこういうことが報じられると、医師や看護師の確保が容易ではないとか、あるいは、既に勤務された方が離職意欲を高めるとかという、その人的インフラも含めて、風評被害に遭う可能性も極めて憂慮されるところなんです。

 香川県でこういう状況ですから、恐らく全国そうでしょう。私も全ての土地に土地カンがありませんのでわかりませんが、香川県でこの状況なら、恐らく全国あまねくそういう状況だろうと思います。そうすると、この感染症拡大という異例の事態を受けて、この昨年九月の通知なりについてはちょっと一旦とどめ置く、状況は変わったという認識だということを、厚生労働大臣として一言表明していただけませんか。

○加藤国務大臣  ベースとして、地域医療構想を進めていく必要性、これは何にも変わっていないんだろうと思います。ただ、そのときに、先般お出しをした、今言われたように、出し方、また、それに伴ったいわば風評被害的な影響、これは我々もよく反省をしていかなきゃいけないと思っております。

 同時に、そのときには、実は、九項目ありますが、そこには感染症という項目はありません。したがって、それらも、もともと感染症以外にも入っていない項目は幾つもありますから、それも含めて最終的には御判断いただきたいということでありますから、今回の感染症への対応も含めてそれぞれ御議論いただきたいと思います。

 その上で、作業スケジュールという意味においては、今回の地域感染症の状況を考えれば、まず新型コロナウイルスへの対応を最優先するのは当然のことであります。したがって、それを最優先していただきたいという、これが基本的な思いであります。ただ、その中で、この感染症の状況もそれぞれまちまちでありますから、それらも含めて、将来へ向けての議論、これはそこまでとめる必要は私どもはないと思いますので、できるのであれば、それを進めていただく余地があればとは思いますが、基本的には最優先でお願いしたいと思っておりますし、それから、具体的に、二〇二〇年度からの地域医療構想の目標年である二〇二五年までの具体的な進め方、これについては、地域の議論の進捗状況、まさにそれは、今申し上げたような、地域における新型コロナウイルスへの対応を最優先することによってそれがなかなか進んでいない、そういったことも踏まえながら整理をしていかなければならないというふうに思っておりますので、当初考えていたスケジュールでやみくもに押すということは全く考えておりません。

○小川委員  私どもとしてはもう一歩踏み込んでいただきたいところなんですが、とにかく、去年の九月と現下の二月、三月、四月の情勢は前提が大きく変わっているということは、強く、厚生労働省内でも、もちろん言うまでもないことだと思いますが、依然として、地域の医療機関、特に指定された病院関係者におかれては、同じような矛盾、もやもやとした気持ちをずっと抱えながらやり過ごしておられますので、この点は一旦けじめをつけられた方がいいんじゃないかなということは改めて指摘をしておきたいと思います。

 では、きのう、きょう話題にもなっていますが、マスクの配付についてお聞きします。

 まず、布マスクをWHOは推奨していないようでありますが、これを全国民に配付するということには、どのような政策目的なり、どのような政策効果があるんでしょうか。

○吉田政府参考人  お答えいたします。

 マスクにつきましては、現在、市中における需給が非常に逼迫しておりまして、国民の皆様からも厳しい御意見をいただいております。また、布マスクにおいても、WHOのお話をいただきましたけれども、外からの感染予防に対しての効果という意味では、例えば手洗いのようなものがより効果があるというお話もいただいておりますが、みずからの飛沫を外に出さないという意味では一定の効果があるということもまた言われているところでございます。

 私どもとしては、特に、使い捨てのマスクではなくて、洗剤を使って洗うことができる布マスクは再生利用が可能であるということから、現在急激に拡大しているマスク需要に対して、需要を抑えるという意味からも、国民の方々に配付をさせていただくということを政策として出させていただいているというふうに理解をしております。

○小川委員  必要以上に批判するつもりは正直ないんです。ただ、きのう、きょうのいろいろな反応を見ておりますと、一つには、意味があるのか、効果があるのかという声と、それから、出てきた対策がこんなものなんですかという声もあるんですよね。

 これは対策本部でいろいろ御議論されているんだと思いますが、本来ですと、既に検討されているんだと思いますが、現金給付とか、あるいは税、社会保険料、公共料金の免除、軽減とか、こういう骨太な、本格的な対策に添えてマスクというお話であれば、国民の受けとめも随分違ったんじゃないかと思います。

 そういう意味では、政治的に、発信の管理といいますか、メッセージ性の制御といいますか、その部分において少し段取りをたがえたんじゃないかと私は感じています。そのことは、同じようなことが今後もありますので、少し注意を促したいと思っています。

 それからもう一点、配付方法について。

 なかなかよく考えられたなという気もしたんです、郵便局を使って全戸に配付するということについて。ただ、別途配付はされるんでしょうが、例えば介護施設の入居者なんかはどうするのか、一時的に自宅住所不定の方はどうするのか、いろいろと個別に見ると課題はあるんじゃないかという気はします。

 それから、既に言われていますが、家族も、大人数の家族もあれば、単身世帯もふえているわけでありまして、その辺の、厳密に言えば公平さなり合理性ですよね、厳密に言えば。

 それと、私、実は一番気になっているのは、私どもも政治活動を通していわゆる郵便局のポスティングシステムを使わせていただくことがあるんですよ。大臣御自身は、政治活動について、こういった郵便局のポスティングシステムを使われたことはありますか。

○加藤国務大臣  それに答える前に、先ほど、地域医療構想の指定したところを一律的に我々は廃止してくれ、再編してくれと言っているわけではなくて、それを踏まえて地域全体で考えてほしいということが一つ。

 それから、WHOの布マスクについては、我々の方からエビデンスがあるのかと質問したら、ありませんという答えでした。ですから、そこは、WHOについて、きちんとした見解を出してくれと言っております。

 今の答えでありますが、私自身、使ったことはありませんが、検討したことはあります。

○小川委員  今みたいな御答弁をお聞きすると、まあ、変なぼやきなんですけれども、与党の先生方は余り利用されたことがないのかもしれませんね。我々野党の議員団は、とても選挙で苦労していますから、あらゆる選択肢、あらゆる資源投入、あらゆる努力、あらゆる苦心を重ねて選挙運動をやっているんですよ、やはり日常から。ちょっとそれはぼやきです。

 現実に使用させていただいている立場からすると、これは、五千万世帯でしょう、五千万戸でしょう。それで、どこどこの誰々さんと送るわけじゃないんですね、地域を指定して、全戸にお願いしますとやるわけですよ。

 そこで、私がちょっと気になっているのは空き家なんですよ。空き家というのは、一軒や二軒、三軒や四軒という話じゃないので、今、日本国内。八百万戸なんですよね。八百万戸に余る空き家があるんです。ここに一律にマスクを配付するということだとすると、これは、かなりの割合で無駄になるか、あるいは、ちょっと不届きな事態が起きるとすれば、空き家のポストにどなたかが私的利用をするために手を突っ込まれることもあるのかないのかといったようなことも含めて、ちょっと無視できないボリューム感、空き家の存在が、こういうことを感じています。

 大臣、この点の問題意識はいかがですか、ちょっと引き取っていただきたいんですが。

○加藤国務大臣  空き家でも、郵便局のシステムの中で明らかにずっと空き家になっているものは多分対象になっていないんだろうと思います。ただ、直近で例えば入居者の方が高齢者施設に移ってしまった等々のところはどうなっているのか、そこはあるのかなと思って、今聞かせていただきました。

 それから、加えて、これは実は事業所も対象になり得るということであります。

 もちろんそういった点はありますが、今回の措置は、かなりの布マスク、一億枚を超えるマスクを月々に入手できる見通しがついてきた、優先的に、高齢者施設あるいは学童保育等のところにまず二千万枚、これは毎月配らせていただく、さらには小中高にも配る、加えて妊婦の方にもお配りをする。それでも、かなりの量が出てきたわけでありますから、そうすると、こうしたマスクそのものが不足をしている状況の中で、特に、洗って使い続けていけるマスクを広く国民の皆さんにお渡しをすることが、安心にもつながるし、ある意味ではこのマスクの不足というものの状況の一定の解消にもつながっていくのではないか。

 ではどうやって配るのかという話の中でいろいろ議論をした結果、今委員御指摘のような点は確かにありますけれども、ではほかによりすぐれた方法があるのかというと、なかなかそこも見出しがたいということで、今、郵政のそうした仕組みを使って配ることを考えている、こういうことであります。

○小川委員  これも、残念ながら、私もちょっと答えを持ち合わせていません。皆さんでいろいろ議論された結果なんでしょうね。

 ただ、五人世帯に二枚しか行かないとか、一人世帯に二枚行くという話に比べると、八百万戸を超える空き家というのは、資源投入の合理性からいうと無視できない数だとは思うんです、やはりそれは。私自身も答えを持ち合わせていないので、問題意識として提起させていただくにとどめる以外にないんですが、ちょっとこの問題は、なかなか無視できる数字じゃないなということを改めて指摘しておきます。

 それでは、二、三、市井の人々というんでしょうか、一般の方から届いている声をベースに、これに関連してお尋ねします。

 ふだん門外漢の方が、この際ですので、いろいろとつてをたどってマスクを個人的に輸入するということに努力している方がいらっしゃいます。その努力は多とすべきだと思います。ところが、きょうは井上政務官に財務省からお越しいただきましたが、通関手続や、あるいは地域によっては、今のこの御時世でマスクの輸入に関税をかけているということで、大変苦慮しているようです。

 これはぜひ、どういう技術的な障壁があるのかちょっとわかりませんが、マスクに限っては、速やかな通関、そして、できれば関税を撤廃されたらどうですか、この緊急時、非常時においてはという御提案ですが、御答弁を。

○井上大臣政務官  御質問ありがとうございます。お答えいたします。

 まず、マスクに係る関税については、経済連携協定を結んだ国からの輸入に関しては無税となっております。それ以外、中国など、その他の国からの輸入については、例えば、最も一般的な化学繊維のマスク、これは、今のWTO協定では四・七%、通常であれば五・六%が四・七%に引き下げられております。

 現在のマスクの輸入状況については、輸入の多くを占める中国からの輸入が停滞しているものと承知しております。現在では回復途上にありますし、厚生労働省から御説明をされたとおりだというふうに思っております。そういう中、経済産業省から中国のマスクの生産が現在回復してきているという御報告がありましたし、少しずつ輸入が始められたところでもあります。

 関税を無税にすることによって数量がふえるということでは現段階ではないというふうに判断をさせていただいております。

 現段階で、各省庁より、関税率の引下げ、関税率の改正の要望というのは財務省の方に承っておりません。

 以上です。

○小川委員  政策効果とその手段の有効性については確かに検証が必要でしょうね。ただ、一方で、こういう事態ですから、政治的なメッセージとか政権の政治姿勢とかという意味合いも決して小さくはないと思います。

 ですから、これだけ店頭にマスクが並んでいないという現実があるんですよね。それは、生産が回復しているとか、輸入が回復してきているとか、いろいろ方便は立つでしょう。しかし、現実にマスクが買えますか、今、コンビニに行って、スーパーに行って、薬局に行って。買えないんですよ。ないでしょう。

 そういう状況の中で輸入マスクに関税をかけているという状況は、果たして政治的に、政治姿勢の問題として、政治的アピールの問題として適切かどうか、これは改めてちょっと内部で検討してください。答弁は求めませんが、そういう問題が現場で起きているということは、ぜひお願いをしたいと思います。

 どうぞ御退席いただいて結構です。

 それから、もう一点。これは大変深刻なんですが、きのう、きょうの報道ですか、三月の末にヤンキースの田中投手が帰国されていたということが報道されています。それで、これは検疫強化地域やあるいは入国制限地域からの日本人帰国者を抱えている御家族からの相談です。やはり帰ってきたいと。

 しかし、帰ってくると、まず、入国地域が限定されていますから、事実上。それは、成田なり羽田なり関空しかないわけですね。そして、私の暮らしている香川県を含めて、先生のお地元の岡山もそうでしょう、そこから公共交通機関を使うなとなっているわけですね、電車、バス、航空機、タクシーまでも。それで、十四日間待機しろとなっているわけです。そうすると、徒歩か、レンタカーか、あるいは親族、家族、友人の迎えかでもって空港から移動できる範囲内において十四日間待機しなければならないという非常に高いハードルが課せられています、結果として。

 そうすると、遠方から車で家族が迎えに行ける人はいいでしょう。いいでしょうというか、まだ一筋の光はある。レンタカーも、相当費用をかければ、あるいはみずからの運転者に自信があれば。それ以外だと徒歩ですよね、徒歩。これはどう解決すればいいか、これもあれなんですが。

 少なくとも、来週発表される経済対策でさまざまな現金給付とか大規模な対策を講じられると思うんですが、この帰国者対策、端的に言うと、近隣でホテルを十四日間確保する、それも自己負担なんですよ、全額。せめてそこだけでも、全額か、あるいは相当の割合か、少し国費で。例えば、武漢からチャーター機、最初は個人負担だと言っていましたよね、これは、最終的に全額公費で見たというようなことに類似する事態だと思うんですよね。これは、何らかの対処、対策をお考えいただけませんか。

○加藤国務大臣  今般、かなりの範囲で入国制限、加えて、全地域について、帰ってこられた方に対して、御自宅で十四日間、そして公共交通の利用を差し控えていただく、これは要請ベースではありますけれども、させていただくことにしております。

 一つは、先ほど申し上げたかどうか、ちょっと記憶にありませんけれども、少なくとも入国制限地域から帰ってきた方全員にはPCRをやることにしております。ただ、数が多いということで、PCRの結果が出るまでに一日ないし二日ぐらい時間がかかる。その間において、御自宅に戻れる方は御自宅でその結果を待っていただくわけでありますが、そうでない方については、宿舎が確保できないという方については私どもが確保して、その分については全額私どもの負担で対応させていただくということにさせてはいただいております。

 更にそれを超えてというお話でありますけれども、それについては、それぞれ、御自宅で待たれる方もいらっしゃいますし、そこはそれぞれの方が御負担をいただくということと、それからもう一つは、やはり、こうした措置の中で、こうした状況も踏まえながら、また、日本に来られる、あるいは御帰国についてもお考えをいただきたい、その両方を含めて今回の措置をとらせていただいているということでもあります。

○小川委員  これも結局、法的強制措置ではないんですよね。要請なんですよ、任意なんです。今回、改めていろいろと確認して、強制力のない、要請に基づく措置が多いなということを改めて認識しています。

 そのときに、来週の経済対策も注目したいと思っていますし、事と次第によっては、緊急事態宣言、それ以降のさまざまな自粛措置等々を含めて、政府にはちょっと酷なことなんだと思うんですが、やはり、自粛と、あるいは自粛の要請と、それなりの補償はセットで議論しないと。これはあらゆる方面についてです。自粛要請はした、しかし、あとは丸裸だ、その人の自己責任だ、事業者の自己責任だというのでは、これは、感染抑止にしても、あるいは経済、景気、雇用対策にしても不十分だと思うんですよ。やはり、そこはあれなんですか、要請だから、従うのは任意だから、従った人の自己責任だということになるんですか、論理的に。それでは酷ですよね。

 もし強制力を持たせると補償しなきゃいけない、だから、強制力を持たせずに自粛要請にとどめ、事実上強制し、しかし、そのコストなり負担は自己責任だという世界観の中に落とし込んでいるんですね、今、ほとんどのことが。しかし、多くの日本人はやはり真面目ですから、政府から自粛要請がかかると従うんですよ。

 このことに対する、あえて言えばその全部とは言いません、しかし、何らかの公的な担保がある前提のもとに要請をするということを、少し、セットで、負荷として、政府に負ってもらわないと、要請を受けた側はたまらないという気が、どうしても、この間いろいろな声を受けとめるにつけ、しています。来週の経済対策、私どもも期待をし、注目しておりますが、ぜひそういった点も本部の方で御議論いただきたい。重ねて申し上げます。

 もう一点、これは私自身も一番聞きにくいことなんですが。今やはり一番打撃を受けているのは、観光や飲食、あるいは輸送という分野なんですね。しかも、中小の飲食店とか、それから特に地方の飲食店、これはもう大変な打撃であります。

 そこへ来て、これは、私、ちょっとお聞きしにくいんですが、あえて聞くんですが、この四月から、いわゆる分煙、たばこに関する健康増進法が全面施行、本格施行されているわけですね。そうすると、もうダブルパンチ、トリプルパンチで、本当に立ち行かないという声もやはり受けとめてはいるんです。

 とはいえ、今みたいなときに喫煙を推進するということは当然できないわけですから、これも大変な矛盾なんですが、しかし、営業を行っている事業者の方からすると、この四月にコロナと分煙とがダブルパンチ、そしてもう大変な打撃という声も、やはり悲痛な声として受けとめざるを得ないんです。

 そこで、これは対策を求めるまでではないんですが、大臣、こういう声があることを含めて、これは罰則の適用とかいろいろなことがあるんだと思いますが、少しその辺を検討されるに当たって、こういう声があることを踏まえた大臣の見解を一言求めておきたいと思います。

○加藤国務大臣  今委員御指摘のように、特に宿泊、運送、旅行がまず最初にインバウンドの減少で影響を受け、さらに、今の自粛という中で飲食店が相当なダメージを受けていると我々も承知をしているところであります。

 ちょうど四月一日から改正健康増進法が施行されて、いわゆる望まない受動喫煙を防止をするという趣旨で、これまでもそうした対策を含めていろいろさせていただきました。

 ただ、そもそも、この改正法そのものの考え方も、一気に科罰をするというのではなくて、一つ一つ段取りを追いながら、まず、罰則をかけることに目的があるのではなくて、そうした社会をどうつくっていくのかということでつくられた法律だというふうに理解をしているわけでありますので、したがって、丁寧に助言や指導を行っていく、あるいは、その前段として説明を行っていくということがもともと必要だろうというふうに思います。

 今御指摘のようなこうした状況下でありますから、その点も加味しながら、具体的には実はどこが対処するかというと、保健所が対処することになるわけであります。今、保健所はこの対策でも大変御苦労いただいているんですけれども、そういった中で、そういった意味で丁寧な、あるいは柔軟な対応ということをしっかり考えていくと同時に、中小企業を対象とした喫煙専用室の設置等の助成措置もありますから、あわせてそういったことは、これは積極的によく説明をしていきたいというふうに思います。

○小川委員  これはもう大変なジレンマなんですが、やはり、そういう声がある、悲痛な声があるということはひとまず受けとめていただきたいと思います。

 では、最後に、疫学的に少し気になる点をお聞きして、質問を終えたいと思います。

 まず、三月三十日付で葬儀業者に対して、不幸にもこのコロナウイルスで亡くなられた方の御遺体の取扱いに細心の注意を払うようにという通知をされているようであります。これに関連して、このコロナウイルスの血液中あるいは体液からの検出はあるという理解でよいのか。

 そして、あわせてお聞きします。となると、輸血などを含めた血液感染のおそれに備える必要性はないのかという観点。あわせて、昨今議論されていたようですが、献血が急減し、輸血の危機にあるというような報道もありました。このあたりが今どういう状況なのか。その点、あわせて御答弁いただきたいと思います。

○鎌田政府参考人  輸血関係でお尋ねがございましたので、御説明申し上げます。

 まず、献血量が減ったのではないかという御指摘でございます。

 まず、確かに、二月下旬は献血血液の確保量は減少いたしました。このため、日本赤十字社におきましては、ホームページ、あるいは、日赤と献血者をつなぐウエブ会員サービスがございますが、それを通じて協力を呼びかけました。また、厚生労働省におきましても、都道府県、自治体に対しまして献血に協力をお願いいたしまして、その結果、多くの方に献血に御協力いただきまして、おかげさまをもちまして、現時点では必要な量を確保できているという状況にございます。

 ただ、今後も、長期保存ができないという性格がございますので、確保を目指しまして、引き続き協力をお願いしたいと考えてございます。

 それから、輸血を通じて感染するのではないかという御指摘でございます。

 まず、現時点におきましては、日本国内では輸血によって新型コロナウイルスに感染した事例はないということを日赤から伺っております。また、御参考でございますが、これまで、同じコロナウイルスの感染症でございますSARS、あるいはインフルエンザなどの呼吸器感染症が輸血によって感染した事例はないというふうに伺っております。

 ただ、安全確保のためでございますけれども、日赤におきましては、次の四類型の方に献血制限を行って、輸血される方の保護を図っているわけでございます。具体的には、海外から帰国して四週間以内の方、二つ目、発熱、せき、呼吸困難など呼吸器症状のある方、三番目、新型コロナウイルス感染症又は疑いと診断された方、四番目、新型コロナウイルス感染症又は疑いと診断された方と四週間以内に濃厚接触があったという方で献血制限を行っているということでございます。

 さらに、仮に、献血後に新型コロナウイルスによる肺炎ですとか、あるいは感染の疑いと診断された場合につきましては、血液センターへ速やかに連絡を献血者にお願いしておりまして、それで、当該献血をされた方からの血液が患者さんに輸血されていなければ回収をする、それから、輸血された場合については患者さんの経過を確認するということをお願いすることとしております。

 いずれにしても、安全確保に努めてまいります。

○小川委員  もう一点。ふん便や尿からのウイルスの検出はいかがですか。ノロウイルスのように、これが感染経路になることはあり得るのか。あわせて、ペットとの相互感染、愛玩動物との相互感染、これはあり得るのか。この二点、疫学的にお聞きして、質問を終えたいと思います。

○宮嵜政府参考人  お答え申し上げます。

 ふん便につきましては、WHOのQアンドAでは、初期の研究報告によると、ふん便中にウイルスが存在し得ることを示しているとされておりますが、現時点で、感染者のふん便を介して感染するリスクは低いというふうにされております。

 尿につきましてはWHOのQアンドAで言及されてございませんが、例えば、米国CDCによりますと、新型コロナウイルス感染者の患者の尿から当該ウイルスが検出されるかはまだわかっていないとされております。一方、中国の診療ガイドラインでは新型コロナウイルスは尿中に分離され得るという記載もございますが、引き続き、新たな科学的知見について注視してまいりたいと考えております。

 それからもう一つ、動物の関係でございますが、海外では犬や猫から新型コロナウイルスが分離されたという報告があるということでございますが、これまでのところ、新型コロナウイルスが愛玩動物から人に感染した事例は世界でも報告されておらず、四月二日の時点で、WHOのホームページでも公表されているQアンドAでも、犬、猫その他ペットが新型コロナウイルスを伝播する事実はないというふうな見解が示されているところです。

 ただ、動物の関係で申し上げますと、動物と人との間の感染症というのは大事な問題でございますので、新型コロナウイルスにかかわらず、ふだんから、動物に接触した後は、手洗いとか、消毒用アルコールで消毒するなどということは重要だというふうに考えております。

○小川委員  気になる諸点をお聞きしました。

 まだまだ未知の部分が大きいんだと思うんですよね。そういう中での対処、本当にこれから苦難の道のりだと思います。大臣、三役の皆様始め、大変な負荷がかかっておろうかと思います、くれぐれも御自愛をいただき、そして、冒頭申し上げたように、委員長、改めて、委員会の持ち方は国会全体で議論する必要があると思います。その点、重ね重ね、野党の立場とはいえ申し上げて、質疑を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

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