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〜会議録(2019年4月23日総務委員会)〜
○小川委員 立憲会派の小川淳也です。
引き続き、統一地方選挙に関連してお尋ねします。
ちょっとその前に、大臣、先週、新元号の選定過程について、議事概要ですか、公表されたようですので、ちょっと関心がありますので、一点だけお聞かせください。閣僚も相当数発言されたようであります。大臣は発言されたんですか。
○石田国務大臣 どういう議論があったかについては、個別には明らかにしないことになっているというふうに思います。発表された議事概要のとおりだと思います。
○小川委員 そういうことのようですね。よく言えば情報管理が徹底されていたと思いますが、一方で、こういう議論もあります。非常に、ある意味慶事であり、もう少しオープンに議論されてもよかったのではないかという議論も一部にあるようでございまして、その関連でお尋ねしました。
そういう御答弁であれば、これ以上お聞きするのもやぼになりますので、控えます。
統一地方選挙です。先ほど来、桝屋先生、そして山花先生、低投票率、そして無投票当選者の増加、一連懸念を示されました。私も全く同感です。今回は、先々週も申し上げたように、地元選挙区で、特に県議選、一〇%落ちたんですよね、投票率が。ちょっと底割れしている感まで感じるぐらい危機感を感じています。
先ほど来の質疑で、御答弁を踏まえますと、やはり、大きな町で三割が無投票、小さな町だと四割、五割近くが無投票という理解に立てば、また、議員報酬についてもお尋ねがありました。大きな町は報酬が高い、小さな町は報酬が低い。それで、大臣も再三、いろんな兼ね合いだという御答弁ですが、ずばり、これはあれですか、議員報酬が低いということは、なり手不足と関連していると考えていいですか、大臣。
○石田国務大臣 議員のなり手不足の原因としては、御指摘のような報酬の問題もあるかと思いますけれども、私自身の今までの経験から申し上げれば、やはり御家族の立候補への理解とか、あるいは、生活に密着した課題が随分と改善されてきたということで地方議員のあり方というのも大きく変わってきているとか、あるいは、先ほどありました町村議会のあり方の検討会でも明示されているような原因、いろいろな原因があるというふうに思っております。
その中で、報酬についてはどうかということでありますけれども、これは多い方が、先ほどから御議論があったように、生活を、兼業ではなくて専業的にやっていく上でやりやすいというのは確かだと思います。そういう意味では、非常に報酬の低い、特に市町村議会では多少そういう影響はあるかと思いますけれども、それ以上の、先ほど来御紹介のあった、ある程度報酬のあるところについては、これは大きな問題ではないというふうに考えております。
○小川委員 一部、影響なり関連性を認められたというふうに受けとめました。
私も、この問題、本当に、関連性があるんだろう、なくはないんだろうと思う一方、明確に関連性を認めると、この仕事の価値というか、報酬があるからやりたい、報酬がないからやりたくないという仕事にしてはいけないんだろうなという思いと、非常に複雑に感じています。
ただ、そうはいっても、それぞれ、家族を持たれたりして、生計、なりわいがあってこその仕事ですので、やはりこの報酬の問題というのも一つのテーマとして考える必要はあるのかなと今回感じています。
加えて、これ自体、私自身にも責任がありますのであえてお聞きするんですが、かねてから議論になっている議員年金。国会議員年金が、十五年前だったかと思いますが、廃止になりました。それから、地方議員年金制度についても、これは民主党政権のときですが、私自身、当時の与党の責任者として、廃止に向けてかじを切ったわけであります。当時、金子先生には大変な、当時、都道府県議会議長会の会長でいらしたんですね、非常に御苦心、御労苦をおかけしたことを今もって敬意を持って記憶しております。
それ以降、今日に至るような状況でして、大臣、これもずばりお聞きします。議員年金がないことは、なくなったことは、なり手不足と関連しているという受けとめですか。
○石田国務大臣 私は、この議員年金の問題について、大臣に就任したときの記者会見か何かでも発言をさせていただいておりまして、必ずしも、議員年金が廃止された、そのことによって立候補しないということではないんだろうというふうに思いますけれども、私自身は、やはり一人の生活者、国民として、例えば、会社員をされていて厚生年金の受給の資格を持っておられる方が、議員になった途端に国民年金になる、それで会社員になればまた厚生年金とかという形ではなしに、ポータブルペンションという言葉が適切かどうかわかりませんが、どういう仕事についてもそれなりの、厚生年金なり一定の年金があるということが、将来、いろいろなことを考えた場合に重要ではないかというような認識を持っているわけで、特に議員さんだから特権的にとか、そういう問題意識ではないというふうに考えております。
ですから、この年金の問題についても、いろいろな御議論が、負担の問題、公費負担の問題とか、いろいろ御議論があるわけですから、これは各党各会派で十分に御議論をいただくということでありますけれども、私の年金についての認識というのは、そういうことでございます。
○小川委員 これも同様でして、やはり殊さら議員にだけ特権がある必要はないと思うんですよね、こういう時代ですから。しかし、おっしゃったように、これも議員報酬と似ているんですよ、やはり。大事なことだろうなと思う反面、やはり年金があるから議員になろうかとか、年金がないから議員になるのをやめようかとかいうことにしてはいけないという、非常に矛盾というのか複雑というのか、議員報酬と同様に、この年金制度も一旦捉まえる必要があろうかと思います。
それで、私自身も議員年金の廃止に関して相当責任がありますので、あえてちょっと先回りして個人的な見解を申し上げさせていただくんですが、大臣が今御発言になったことの念頭に、議員の厚生年金への加入ということがベースにおありなんだろうと思います。
私も、それ自体はあり得ることだろうと思うんですね。何ら特別、特殊な年金制度ではなく、一般に厚生年金に議員が加入するということはあり得ることだろうと思うんです。
ただ、そのときに、問題は、きょう、厚生労働省から上野政務官、ありがとうございました。厚生年金に入れないのは議員だけじゃないんですよ、世の中。一般に、常勤職員、被雇用者を対象にした年金制度ですので、非常勤職員、これは一般に入れない。一部拡大しましたが、まだまだ制約が大きいのが現状です。
これ、具体的に、上野政務官、あれでしたね、五百人以上の企業かな。それから、常勤職員の七割、八割以上の勤務形態がある人。これ、実態をまずちょっと教えていただけますか。今、制度的にどうなっているのか。どのぐらいの非常勤の方が入れていないか。あるいは、もし非常勤職員の方を厚生年金に加入させるとすると、社長さん、事業主の負担を含めて、どのぐらいの保険料負担につながってくる可能性があるのか。ちょっと、わかる範囲で結構なんですが。
○上野大臣政務官 まず、制度についてお答えをさせていただきます。
二〇一六年の十月から、週の労働時間二十時間以上、月額賃金八・八万円以上、勤務期間一年以上見込み、そして学生は適用除外という条件のもとで、従業員五百一人以上の企業等に適用されているということであります。
二〇一七年の四月から、先ほど申し上げた条件を満たした上で、五百人以下の企業等についても、民間企業において、労使合意に基づいて適用拡大を可能にしたというところであります。
○小川委員 これ、今わかりませんか。今おっしゃった二十時間に満たない方、八万八千円に満たない方、一年未満の方、五百人以下の会社の方、どのぐらいあるか、今はわかりませんか。今わからなかったら、後で教えてください。わからないならわからないで結構です。
○上野大臣政務官 後ほど、お答えをさせていただきます。
○小川委員 大臣、お聞きのとおりでして、一部拡大されたとはいえ、まだ、厚生年金に入りたくて入れない非常勤職員というのは、一般にはたくさんおられる可能性があります。そういう中で、地方議員だけつまみ食いのように特別に加入できるということは、少し筋道が立たないんじゃないかというふうに感じています。
ですから、ちょっと、やや先回りして個人的な見解を申し上げるのは非常に恐縮なんですが、議員年金制度廃止に責任がある一人の人間として、これ、御検討いただくのは大いに結構だと思うんですが、このときに、厚生年金に入れない多くの非常勤職員の方々の置かれている状況について、ゆめゆめお忘れいただくことがないように、総務省、厚生労働省、共同しての作業というんですか、共同しての検討に恐らくならざるを得ないと思いますので、ぜひ重要な論点として一つお含みおきをいただきたいと思います。
それから、あと二点、簡潔に、関連して、ちょっと年金についてお聞きさせてください。
ことしは年金財政の再計算の年です、五年に一回。今みたいな非常勤職員に対する適用拡大も年金財政収支に恐らく影響する。
それから、先週の報道でちょっと私気になったんですが、いわゆる職業につき収入のある高齢者に対して、今、年金支給が抑制されていますよね、その抑制を廃止する、在職老齢部分を廃止するという議論がなされているという報道がありました。まず、これは事実ですか。
○上野大臣政務官 在職老齢年金制度の検討ということでお答えをさせていただきます。
人生百年時代を展望すると、今よりも多くの高齢者が持てる能力をしっかりと発揮をして就労していくようになると考えられ、年金制度においても、高齢期の就労拡大に対応して、就労と年金受給の選択肢の幅を広げていくということが必要であるというふうに思っております。
御指摘の在職老齢年金制度でありますけれども、現状では、六十五歳以上では支給停止の対象となっている方は少なく、就業抑制効果も確認をされておりませんけれども、今後、高齢者就業が進む中で、現役並みに働く方が増加をした場合に、就業意欲を抑制する可能性も指摘をされているところであります。
そうした中で、できる限り就労インセンティブを阻害せず、より長く働くことで、長寿化により長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るという観点を踏まえつつ、高所得者優遇にならないような工夫ができないか、次期年金制度改革の中で検討していきたいというふうに思っております。
○小川委員 確かに、私も知り合いの方で、これは今、あれですよね、五十万近い給料を合計で超えると年金が減額になるという制度になっていると思うんですよ。確かに、年金が減らされるほど働きたくないと言っている人は現にいます。
一方、これ、年金制度をどう捉えるかなんですが、社会的生活保障なのか、あるいは、個人の掛金を貯蓄同様に権利として受け取るものなのか。賦課方式ですから後者の意味合いは弱いと考えざるを得ないと思いますが、しかし、それにしても、現役世代の収入を上回るような収入が合計である方に対してまで満額支給するのか、この厳しい年金財政の中で。
これはちょっと、年金制度の性格づけと含めて、相当根本的な議論が必要だろうと思います。単に、就労を本当に抑制している部分が仮に一部あるとしても、非常にこれは簡単ではない議論だろうと思います。ちょっと、ややこれも先回りして申し上げます。
そして、最後に、非常勤への拡大、それから収入のある方への支給のあり方、これは今後、年金制度含めて本当に大きな論点だと思うんですが、それこれ含めて、先ほど申し上げたように、ことしは五年に一回の年金財政再計算の年であります。先般いただいた資料によると、大体六月にはその見通しを明らかにしている。
そして、五年前は、政務官もよく御存じのとおり、六通り、七通り、経済成長率や、あるいは運用利回り、賃金上昇率等を加味した、あれは史上初めてだったと思いますが、複数の収支見通しを提示した。
結論から言えば、高い経済成長、高い運用利回り、高い賃金上昇で推計したものは当たっていません。低い経済成長、低い賃金、低い運用利回りの低位の予想値しか当てはめになっていない。
そうすると、ことしどうするのか。相も変わらず、高い経済成長、高い運用利回り、高い賃金上昇率で再計算するのか、あるいは、現状、実勢を踏まえれば、より実態に近い形で、かた目の見積りをするのか、そしてそれはいつなのか。
これは極めて、ちょっとあえて申し上げますが、参議院選挙の年ですからね、七月。通常ですと、私は、政治的な思惑を排すれば、きちんと六月に出していただく必要があると思いますが、この時期、そして運用の基本的な方針について政務官の御答弁を求めて、質疑を終わりたいと思います。
○上野大臣政務官 年金制度の財政検証についての御質問をいただきました。
公的年金制度の持続可能性を確保するため、少なくとも五年に一度、長期的な給付と負担の均衡を図るための財政検証を実施をするということとされており、本年がその五年という年に当たるということであります。
財政検証に用いる経済前提については、設定プロセスの透明性を確保する観点から、社会保障審議会年金部会のもとに設置をした、経済、金融の外部専門家で構成をする年金財政における経済前提に関する専門委員会で御議論いただき、三月七日に報告書が取りまとめられたところであります。
また、現在、三月十三日に行われた社会保障審議会年金部会で取りまとめられた財政検証に必要な諸前提をもとに作業を行っておりまして、その必要な検証作業を行い、作業が終わり次第、公表するということを予定をしております。
○小川委員 これもずばりお答えになられないようですが、またちょっと引き続き関心を持って拝見したいと思います。
終わります。ありがとうございました。
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