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〜会議録(2019年4月11日総務委員会)〜
○小川委員 おはようございます。立憲民主党・無所属フォーラムの小川淳也です。
一般質疑でございますので、総務行政始め、またこれに関連する事項について、順次お尋ねをさせていただきます。
国交省、厚労省始め関係省庁の皆様にも、いろいろと日程の繰り合わせをいただいたとお聞きしております。審議への御協力に感謝を申し上げたいと思います。
大臣、きのうは5Gの電波をそれぞれ割当てをされたということで、大きく報じられておりました。それから、直接の関連はありませんが、ブラックホールの撮影も行われたということで、何だか科学技術の面では、非常に将来に向けて希望を持てるような報道が多くございました。
一方、政治は不透明でございまして、まず、昨日の櫻田大臣の辞任について、総務大臣として、同じ閣僚として、受けとめをまずお聞かせいただきたいと思います。
○石田国務大臣 安倍総理からは、常々、閣僚全員が復興大臣のつもりでしっかり取り組んでもらいたいということを御指示をいただいておりまして、私といたしましては、そういう、その言葉を胸にこれからも頑張っていきたいと思っております。
○小川委員 間接的な御答弁でございますが、当然視するべきかと思う一方、非常に独特の魅力のある方ですよね、櫻田先生。
ああいう失言癖というのは、どこから生まれるんでしょうか。サービス精神が旺盛なんですかね。そのことと政治とか政策は全く別問題で、切り分けなきゃいけないと思うんですが、これ以上ちょっと答弁を求めるのはやめます。やめますが、非常に残念であり、遺憾であり、閣僚のお一人としても深刻に受けとめていただきたい。冒頭、このことを申し上げたいと思います。
それから、もう一点聞かせてください。
今、統一地方選挙の真っ最中です。私自身これは衝撃を受けているんですが、きのうですか、投票率四四%。私どもの選挙区、高松市内が、本当に衝撃でしたけれども、前回比、前々回比マイナス一〇%、三七%でありました。
非常に私自身も責任を感じるというか深刻に受けとめているんですが、地方選挙をめぐるこの投票率について、総務大臣の受けとめ、これもまた聞かせていただきたいと思います。
○石田国務大臣 投票率につきましては、いろいろな事情はあると思います。天候の問題とか、その他いろいろな事情があると思いますけれども、やはり、低いということは、これは私はゆゆしき問題だと思っておりまして、まことに残念だというふうに思っております。
投票率をどういうふうに上げていくか、これは有権者個々に御判断いただくというか、そういうことをわかっていただくということが非常に大事でありまして、私は、申し上げておりますのは、やはり投票行動というのは、国民主権というこの一番根本の主権の、その発露の一つだというふうに思っておりまして、やはり皆様方に、国民主権ということの立場から投票行動につなげていただきたいなというふうに思っておりまして、そういう意味では、やはり主権者教育、よく言われますけれども、こういうことの徹底が必要ではないかなというふうに考えております。
ただ、総務省としては、投票の環境、期日前投票とか、いろいろな環境整備についてはこれまでも取り組んでまいりましたけれども、これからも、皆さんからいろいろな御指摘をいただければ、そういう御指摘を踏まえてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○小川委員 例えば、電子投票ですか、ネット投票みたいなこともちらほら聞こえてきます。それから、ちょっとやや思い切った議論になるんですが、投票というのは、今まさに大臣おっしゃったように国民主権の発露であり権利であるということと同時に、義務なのかどうかですよね、投票って。
でも、このまま三割台とかという投票率、民主主義社会への参加率ですよね、これが下がっていくということ自体、もう土台を揺るがすような危機感を感じていますし、これは、具体的に言えば、必ず選挙に行くインセンティブ、モチベーションの高い利益団体とか、ある価値の共有団体とか、そういう特定の部分社会の声が相対的に高まるわけで、全体として、やはり、日本の民主主義にとって、非常に、その統治の仕組みにとって大きな脅威だというふうにも感じております。
でも、これは答弁を求めませんが、もしこの投票は権利であると同時に義務だという感覚で議論するとすれば、既に罰金を導入している国、約五千円ですかね、投票に行かない人に対して、それから、免許の更新を、書きかえができない、投票に行かなければというような国も複数ありまして、そうした国ではおおむね投票率が九〇%を超えているというようなこともあります。公職選挙法を所管され、そして明るい選挙推進運動ですかを所管される総務大臣としても、少し頭の片隅にこうした議論も置いていただきたいと思います。
では、一昨日、統計に関する集中的な質疑がございました。ちょっとこれに関連してお尋ねをいたしますが、まず総務大臣に、現在、非常に信頼が失墜しております基幹統計の点検作業、総務省で進めていただいていると思いますが、その現状、そして今後の見通し、ちょっと簡略にお述べいただきたいと思います。
○石田国務大臣 公的統計は国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報でございまして、私としては公的統計全体に対する信頼を損ないかねない事案が発生したと認識をいたしております。
今回のような事態が二度と生じないよう徹底して検証を行い、信頼を取り戻すことが何より重要でございます。
今のところ、統計委員会に設置されました点検検証部会における審議、そして、毎月勤労統計に関する厚生労働省特別監察委員会の報告、賃金構造基本統計に関する行政評価局の報告などを踏まえつつ、今後の統計全体を考えていく中で総合的な対策を講じてまいりたいと思っておりまして、点検検証部会も夏ごろには一定の報告を出していただけると思っておりますので、めどとしてはそういう雰囲気かなと思っております。
○小川委員 夏ごろというお話で、事務的にいただいた資料にも六月から七月と書いてあります。これはぜひ国会会期内に統計委員会から一定の取りまとめをいただけるように、ぜひこの場をおかりしてお願いを申し上げたいと思います。
同時に、二月以来いろんな議論がありましたが、一つは自己点検の限界ということがありました。それから、第三者調査にもかかわらず、その第三者性が疑われ、必ずしも納得しかねるような調査結果に終わったという経緯もありました。
そこで、私は、この統計に関して、もちろん総務省で厳しく、統計委員会あるいは行政評価も担当しておられますから、しっかり点検をしていただきたいと思う一方で、やはり政府内の内部調査にはいずれにしても限界があるだろうという思いを持っております。
そこでちょっと、きょうは会計検査院にお越しいただいているんですけれども、以前、学校法人に対する国有地の売却に関連して、委員長、ちょっとお聞きいただきたいんですが、国会が会計検査院に検査要請しているんです、当時。二十九年の三月に委員会で委員から要求があり、三月二日、四日後、三月六日に参議院の委員会、予算委員会ですが、委員会として国会法百五条の規定に基づいて会計検査院に対して検査要請をしています。それを翌日、三月七日、会計検査院がその要請を受諾して検査に入るということが行われているんです。
まずちょっと会計検査院にお聞きしますが、今般、統計不正に関連してさまざま、予算の使われ方等に関して問題が私は潜んでいると思います。会計検査院から特別の関心を持ってこの統計執務なり統計事務に関する予算執行の状況等について私は検査を行う必要性があると思いますが、まず検査院の答弁を求めたいと思います。
○宮内会計検査院当局者 お答え申し上げます。
会計検査院は、国や法律に定められた機関の会計について検査を行い、会計経理が適正に行われるように監督するという職責を担っておるところでございます。
そして、会計検査院は、これまでも統計調査に係る会計経理について検査を行っており、不適切な事態が見受けられた場合には、その結果を検査報告に掲記しております。
そして、今般の政府統計の諸問題につきましては、国会での御議論を踏まえ、統計調査に係る会計経理について、引き続き厳正に検査を実施してまいりたいと考えてございます。
○小川委員 一般的な関心を持って、これ、当然、検査事項の一つとして行っていく必要があると思いますが、私がちょっと要求をお願いしているのは、特別な関心を持ってやるべきだと、この一連の議論に照らしてですね。
それで、具体的に申し上げますと、これも委員長、ちょっとお聞きいただきたいんですが、例えば賃金構造基本調査については、既に、訪問調査が原則であるにもかかわらず、不正に郵送調査が行われていたことが明らかになっています。この予算計上は人件費が主でございまして、訪問調査と郵送調査に係る人件費はまるで違うはずであります。
そういうことも含めて、総務委員会は、まさに統計執務を所管する総務省関連事項を総務委員会として関心を持って審議していますので、委員長、これ、ぜひ、会計検査院の取組次第であるとはいえ、国会として会計検査院に、国会法百五条の規定に基づく特定事項としての会計検査、これを御要請いただくよう理事会で御協議をいただきたいので、お願いします。
○江田委員長 後刻、理事会で協議をします。
○小川委員 委員長そして各党の理事にもぜひ御検討をお願いし、前向きに、ぜひ国会の権能を発揮していただくようにお願いをしたいと思います。
既に統計集中でも議論になっておりますが、きょうは厚生労働省から上野政務官にもお越しをいただいております。
まず、火曜日にも議論になっておりましたが、実質賃金の共通事業所の実質化をめぐる議論。私、率直に申し上げて、よくこのテーマで七回も審議会をやっているなと、ある意味ちょっと感心しながら拝見しています。これは議事録はまだほんの一部しか公開されていないようですが、何だか、本丸である共通事業所の賃金水準の実質化という議論の周辺部分、外堀より外ぐらいのところの議論を何か行ったり来たりしている、なかなかその核心に迫らないようにも見受けられるんですね。
それで、これは、出してください、検討します、出してください、検討しますの水かけ論も何だか不毛だし、時間の無駄ではあるんですが、これ、国会開会中にせめて結論を得る見通しなり、政務官としての指導力、これは期待していいですか。
○上野大臣政務官 先日の委員会でも御答弁を申し上げました。
検討会では、中間的整理において更に検討すべきとされる課題について、例えば、毎月勤労統計調査の個票データを使用して、本系列と共通事業所のサンプルの分布の相違や、継続的に回答している事業所に限られることによる生き残り事業所の特性が本系列より色濃くあらわれている可能性などを除去可能かどうか、除去できる場合に実質化等が可能かどうかを分析する必要があると承知をしており、引き続き丁寧な議論がなされる必要があると考えています。
また、先般の委員会において、西村統計委員長からも、本系列と共通事業所の誤差の大きさや時間相関の定量的な評価の必要性などを御指摘をいただいたところであります。
こうした指摘も踏まえつつ、最終報告に向けて、これらの課題について、これはそれぞれ統計技術的な課題でありますので、委員の先生方にしっかりと議論を行っていただいた上で、その結論を踏まえて、政務を踏まえて適切に対応してまいりたいと思います。
○小川委員 質問に答えていただきたいんですが、国会会期をまたぐ可能性はありますか、結論まで。
○上野大臣政務官 繰り返しになりますけれども、中間報告において各種の今後検討すべき課題というのが示されました。その点について、統計技術的な検討をしっかり行っていただいた上で、それを踏まえて判断をしていくということであります。
○小川委員 答えられないんですね、国会会期をまたぐかどうかについては。あるいは、参院選までには出せますか。もう一回。
○上野大臣政務官 検討会において今後検討すべき課題というのが示されておりますので、それをしっかりと統計技術的な検討をしていただくということが大事なのではないかなというふうに思っています。
いつまでという期限を切っているわけではありませんので、その点についてしっかりと議論していただいた上で、速やかに結論を出していきたいということであります。
○小川委員 ことし、終わりますよ、これ、そうこう言っていたら。一八年の数字ですからね、今議論しているのは。お立場はわかるんですよ。お立場はわかるんですが、私どもがお願いしている議論も御理解はいただけますよね。
これ、参考までにお聞きします。藤澤統括官にお聞きするんですが、これは既に名目ベースでは共通事業所の賃金水準は出ていますので、そこから物価の影響を差し引くという作業は、これは何分ぐらいかかるんですか。三分もあればできるでしょう。
○藤澤政府参考人 検討会で、物価の影響をどうやって除くかといいますか、その実質化について議論をなされているところでございます。
今ほども政務官から御答弁申し上げました三月二十九日の中間的整理でございますけれども、「実質化とは、すなわち、時価で表示した価額(名目値)の動きから価格変動の影響を取り除くことであり、単に前年との比較と言うよりは、物価の変動を踏まえた賃金等の価値を示すために行うものである。」そういう整理がなされてございます。
その上で、更に検討すべき課題がございますので、それに基づいてこれからも検討会で検討を続けていただきたいと考えているところでございます。
○小川委員 質問に答えてください。名目値を実質化するのに何分かかりますかと聞いています。
○藤澤政府参考人 共通事業所の集計値の実質化についてでございますけれども、私どもとしましては、統計メーカーという立場でございますので、共通事業所に係る実質賃金を計算するということについては、統計的な分析や検討を加えることなく一定の仮定のもとで算出をし公表するというようなことは、それにかかわります時間にかかわらず、統計ユーザーに対する責任のある態度とは言えないのではないかというふうに考えているところでございます。
これまで申し上げておりますように、検討会において中間的整理で整理をいただきました課題について引き続き検討していただきたいというふうに考えているところでございます。
○小川委員 本系列の公表値の名目値を実質化していますよね。これは作業的にはどのぐらいの手間と時間なんですか。
○藤澤政府参考人 これまでも長期にわたって公表し続けてきておりますが、大変申しわけありませんけれども、事前の御通告ございませんでしたので、ちょっとにわかに、その計算にどれぐらい手間や時間がかかっているかについては、ちょっと今お答え申し上げかねるところでございます。
○小川委員 これは毎月やっていることでしょう。だから、いろいろと政治的、政策的に検討されているのはわかりますが、聞いているのは技術的にどうだと聞いているんですよ。
なので、今おっしゃった、通告どうこうは当然そうなんですけれども、これは、委員長、ちょっと資料提出を求めます。公表値の名目値を実質化するのにどのぐらいの手間と時間をかけてやっているのか、その作業を。それをちょっと調べて報告してください、委員会に。
答弁できますか。
○藤澤政府参考人 毎月勤労統計の調査から公表に至るまでの過程の中で、おっしゃったようなこと、どれだけ抜き出してできるのか、ちょっと調べてみないとわかりませんので、調べてみたいと思います。
○小川委員 では、委員長、この資料提出、ただいま要求しました資料提出についても、理事会でそのフォローアップをお願いしたいと思います。
○江田委員長 はい。理事会で協議をします。
○小川委員 政務官、今のやりとりもお聞きいただいた上で、これ、私どもの受けとめは、極めて政治的に、マイナスになるのは明らかですから、この名目値と物価の傾向からいえば、それを嫌がって、公表を避けるために、さまざま迂遠な議論を繰り返し、時間稼ぎをしていると私たちは受けとめていますよ。それを明確に否定するだけの材料がない。この水かけ論そのものをやっていることに意義を感じているのかもしれませんが、国民生活から関係ありませんからね。そのことだけはちょっと重ねて厳しく申し上げた上で、早期の結論、早期の公表を求めたいと思います。
もう一つ、これは私自身が、国会質疑を通して、ちょっと個人的にもこだわってきた点なんですが、この一八年の数値は日雇労働者を対象から外したことで高く出ている可能性があります。
これについて、既に根本大臣はきちんと調査をして公表するという趣旨の御答弁をされていますし、それから、何より統計委員会で、この制度変更を承認するに当たって、当時の担当室長は、さんざん出た懸念意見、委員からの懸念意見に対して、ちゃんと調査します、影響を評価しますということを統計委員会でさんざん述べています。なおかつ、統計委員会の変更承認書の中に、この日雇外しの影響についてはきちんと検証して説明責任を果たすべきだという注書きまである。
ということを前提に、この日雇外しの影響が今どのような形で調査をされ、今後どのような形で公表される見通しなのか、現時点での見通しをお聞きしておきます。
○藤澤政府参考人 毎月勤労統計の平成三十年の一月調査から、常用労働者の定義の変更を行っております。それにつきまして、委員からこれまでも、衆議院の予算委員会で何度も御質問をいただいているところでございます。
それで、御指摘の点について、私どもも精査を行ってまいりまして、その一定の結論を申し上げたいと思いますけれども、まず、今般の常用労働者の定義変更でございますが、その常用労働者がふえる影響と減る影響の双方がございますので、試算を行うに際しましては、その点に留意をする必要があるというふうに思っております。
その上で、厚生労働省におきまして、毎月勤労統計における常用労働者の定義変更に伴う常用労働者数及び賃金、これは現金給与総額でございますけれども、の影響について、平成二十九年の十二月それから平成三十年の一月、ともに集計対象となりました事業所のうち、十二月と一月で常用労働者の定義変更があった事業所群となかった事業所群について、一定の仮定を置いた上で試算を行いました。
この結果、二つ申し上げますが、まず一点目は常用労働者数でございますけれども、常用労働者数につきましては、その定義の変更によりまして、労働者数を増加をさせる効果、すなわち押し上げ効果があるというふうな結果になりました。また次に、二点目は賃金でございますが、現金給与総額でございますけれども、定義の変更によりまして、事業所の規模によって試算結果が異なるというような結果になりましたので、賃金、現金給与総額の影響について特段の方向性は認められない、そういうふうな試算結果になるとの結論を得たところでございます。
それで、もう少し申し上げますと、確かに、委員から今も御指摘ございましたように、平成二十九年の一月の「毎月勤労統計調査の変更について」の統計委員会の答申におきましても、「定義変更に伴う賃金等への影響について、十分な情報提供を行う必要がある。」そういうふうなことが統計委員会の答申でも指摘をされております。
したがいまして、今後、今申し上げましたのは、衆議院の予算委員会での小川議員からの質問も含め、また国会での議論を含め、また統計委員会におけます、今までの、これまでの指摘も踏まえまして、厚生労働省において一定の仮定を置いて機械的に試算をしたものでございますけれども、今後、これまでの統計委員会の指摘もございますので、統計委員会に御報告をしたいというふうに考えているところでございますし、必要に応じて御議論いただくことになるのではないかというふうに考えているところでございます。
○小川委員 今、それ、大事な御答弁、おっしゃったんですが、そうであれば、これ、きのう、私、事務的に聞いた段階でそれは出ていたんですかね。何らかのお答えをしますという意味深な事務的な伝達はあったんですが、今みたいな大事なお話であれば、ちゃんとこれ、整理して、何をもってそういうふうに評価されているのか、バックデータも含めて説明する必要があるでしょう。責任があるでしょう。
これは追ってお願いできますかね。もう時間もあれなので、首を縦に振っていただければ結構ですので。曖昧に、定性的に、言葉だけの説明ではちょっと済まない。きちんと数字を挙げて立証していただくべき話だろうと思います。ちょっとこれは、また追ってきちんとした御説明をいただきたいと思います。
それから最後に、統計関連はもうこれ最後です。
これも十分、国会審議で追いかけかねたところなんですが、雇用保険や労災保険について給付額を追加しなければなりません。その法的な根拠がちょっと揺らいでいるんじゃないかという指摘を私どもはしてきたわけですが、これ、三月に入って、法制局との間で法解釈について一定の折り合いがついたんですね。
私どもの立場からいえば、これ、雇用保険法にしても労災保険法にしても、毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額を基礎とし、省令で定めるという規定になっていますから、既にデータを紛失、捨ててしまった部分については、この毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額が存在しないんですね。推計はできると思いますよ、統計的処理で。推計はできると思いますが、このずばり調査によって浮かび上がった平均給与額が存在しないんですよ。存在しない以上、これを基礎として省令で定めるということは不可能なはずなんです。
この点、法制局の見解が出たようでありますので、ちょっときょうは法制局の立場から、この法解釈、どのようにお考えなのか、答弁を求めたいと思います。
○木村政府参考人 御指摘の相談でございますけれども、厚生労働省からは、毎月勤労統計の不適切な調査によります数値の誤りを統計的に合理的な考え方に基づいて正し、これによって得られる従前の給付額との差額に係ります追加給付を現行の雇用保険法等の規定に基づいて行うことについて、御相談を受けてきたところでございます。
この追加給付でございますが、現行の雇用保険法による基本手当あるいは労働者災害補償保険法によります休業補償給付等として給付しようとするものでございます。
これらの法律には、給付額等について、厚生労働省において作成する毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額等を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定される平均給与額に変動があったときは、その比率に応じて自動的に変更しなければならない旨の規定がございます。
このことから、法理的には、これらの規定が適用される限りにおきまして、この基礎となるべき毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額等の誤りを統計的に合理的な根拠、考え方に基づいて正すことにより生ずることとなります従前の給付額との差額に係る追加給付を、これらの法律の規定を根拠として行うことが考えられるところでございます。
厚生労働省に対しましては、そのようにお伝えをしたところでございます。
○小川委員 手元に法制局の見解、メモをいただいているんですが、これ、物すごく、トートロジーというんですか、ちょっと論理が、法制局も自信ないんでしょう、これ。法理的にこれらの規定が適用される限りにおいて、これらの法律の規定を根拠として行うことは考えられるという入りと出なんですね。法理的にこれらの規定が適用される限りにおいて、これらの法律の規定を根拠として追加給付を行うことは考えられる。法理的にこれらの規定が適用される限りにおいて、これらの法律の適用は考えられるというメモになっているんですよ。
私どもが聞いているのは、あるいは厚生労働省が聞くべきなのは、法理的にこれらの規定を適用することは可能ですかという問いであるべきなんです。
それに対して、法理的にこれらの規定が適用される限りにおいて、これらの法律の適用は可能である。
なお書きがありますよね、これ。なお、今後、法律又は政令の制定又は改正の必要があると認められる場合には、前広に相談されたい。つまり、この法解釈でもたないと判断した場合は、法律改正の必要性が出てくるので、そのときには、これを金科玉条にされては法制局として困るので、前広に相談してくださいとエクスキューズをつくっているんでしょう。
今私が申し上げた二点、法理的に適用される限り法理的に適用は可能だというのは、聞かれたことに答えないための巧妙な回避の論理である、そして、なお、今後、法律の改正の必要があると認められる場合、その相談を受けているわけですから、それを法制当局として判断してあげなきゃいけなかったんじゃないですか。この二点、重ねて答弁を求めます。
○木村政府参考人 まず、二番目の御質問でございますけれども、今後、法律又は政令の制定又は改正の必要があると認められる場合には、前広に相談されたいという点につきましては、あくまでも、一般論といたしまして、私どもとしては、法律案あるいは政令案に至るということでございますと、それは当然審査をいたさなければならないということでございますので、かような理解に立ち至ったという場合には御相談をいただきたいということで、念のためつけ加えたものということでございます。
法理的にこれらの規定が適用される限りということでございますが、あくまでも、その法律の文言あるいは建前といたしましては、今回、勤労統計の数字が誤っていて、それを正すということになるわけでございますので、それによって平均定期給与額あるいは平均給与額の数字が変わる。そういたしますと、自動的に変更しなければならないという条文があるわけでございますので、それのある意味当てはめ直しを行うということが法的に考えられるということを申し上げたものでございまして、その意味でいいますと、具体的にその誤りをどのように正すかということにつきましては、法律の運用当局であります厚生労働省さんがお考えになることではないかなというふうに考えてございます。
○小川委員 それはおかしいな。法律の番人ですからね、法制局さん。
ちょっと聞き方を変えます。
このデータを紛失した期間において、雇用保険法第十八条に言う労働者の平均定期給与額は存在するんですか、世の中に。
○木村政府参考人 繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、誤りをどのような形で正すかということにつきましては、統計の解釈の問題でもあり、法制的にそれの適否を御答弁、あるいは我々としてその審査をするべき立場にはないのかなというふうに考えておるところでございます。
○小川委員 いや、具体の事象と法的評価を結びつけるのが法制局の仕事でしょうと申し上げているんですよ。
法律の解釈、そんな曖昧にして大丈夫ですか、これ。存在しないんですよ、データを失った期間は。つまり、難癖つけているわけじゃなくて、ちゃんとこれ法改正が必要でしょうと申し上げているんです。存在しない期間については推計したものをもって平均給与月額だとみなすという法律の一文、つなぐ規定がないと、これは読めないでしょうと言っているんですよ。そうでしょう、どう考えても。
これ、ちょっと、ごめんなさいね、きょう国交省さんにも来ていただいているので、ちょっとまた改めますが、これはとても、今の御答弁、納得できませんよ。法制的に無理だ、そんな解釈は。違法ですよ。違法な追加給付ですよ。省令で何とかなる話じゃありませんよ、これ。ちょっとまた機会を改めますが、これはちょっと厳重に受けとめていただきたいと思います。
じゃ、もう最後、ごめんなさい、残り時間がない。
牧野副大臣、御就任早々ありがとうございました。
まず、前任の塚田副大臣が辞任されたその経緯といいますか、経緯というよりも本質ですよね、何をもって辞任されたと受けとめて後任を引き継いでおられますか。
○牧野副大臣 お答えいたします。
塚田前副大臣は、事実と異なる発言をしたとして、御自身の発言を撤回し、謝罪され、辞任をされました。私はそのように受けとめております。
○小川委員 そこは、私どもあるいは国民の受けとめも含めて、うのみにしていいのかどうか、大変疑問の残る答弁であります。これは、王手飛車取りというんですか、八方塞がりというんですかね。どっちにしても行き詰まっているんですよね。うそをついたのか、本当にやっていたのか。うそをついたのか、本当にまずいことをやっていたのか、どっちかで行き詰まったということでしょう。
これは、もう副大臣始め皆様、御理解だと思いますが、背景だけ改めて、もうさんざん議論になっていますけれども、その海峡横断道路については、この関門海峡以外にも、東京湾、伊勢湾、紀淡海峡、豊予、それから島原天草を含めて六つ議論の俎上に上がっていました。
そして、ガソリン国会、〇八年でしたけれども、暫定税率あるいは道路財源の一般財源化が相当議論になったときに、厳格に、高規格道路を含めて見直すという方向感をにじまされました。
それ以降なんですよ、この調査費をつけなくなったのは、〇八年。それが突如として、一七年に復活しているわけですね。しかも、五つのほかの港湾道路は度外視して、この下関海峡だけなんです。そこに、いかにも不自然だという疑いの目が向けられているところに、例の発言があったわけです。という一連の、これも情況証拠といえば情況証拠なんですが、極めて怪しい経緯をたどっています。
そこで、きょうはちょっと道路局長に、御無理を言って出席していただきました。ありがとうございました。
事実関係だけお聞きします。
まず、〇八年に調査を中止したんですが、中止するまで、いつからこの調査が始まっていたのかが一点。
そして、一七年に調査を復活させ、その時点では、都道府県の調査に対する国交省の補助事業でした。しかし、二年後の一九年、ことしから、国交省直轄、国直轄の調査としました。総じてお聞きします。ほかの五つの港湾道路は一切議論の俎上に上がらずに、なぜこの下関だけが調査再開のゴーサインが出たのか。これが二つ目。
最後に三つ目。これは、直轄調査の対象になったということは、事業は実行すると。きのう、おとといですかね、もう一方、参議院の大家先生ですか、もう国の採択の寸前まで来ていますという発言があったようですが、それはどういう受けとめをするのが正しいのか。こういう角度から答弁してください。かつて直轄調査になったにもかかわらず、その後、事業が実施されなかった例はあるのか。
ちょっと三点、時間の関係でまとめてお聞きしましたが、御答弁をいただきたいと思います。
○池田政府参考人 まず一点目でございますが、海峡横断プロジェクトにつきましては、国による調査は平成六年度から開始しまして、平成十九年度まで行われておりました。
二点目でございますけれども、この六プロジェクトでございましたが、関門海峡につきましては、この関門トンネルと関門橋がございますけれども、関門トンネルを含む国道二号、三号の慢性的な渋滞が発生しております。また、東日本大震災の教訓や平成二十八年四月の熊本地震の救援に関しても、この関門トンネル、関門橋が果たした役割を踏まえた代替路の重要性が再認識されました。
このようなことを踏まえて、下関北九州道路については、既につながっている関門トンネルや関門橋のバイパス機能の確保という観点で、ほかの五つの海峡横断プロジェクトとの違いがあると認識をしております。
この中で、平成二十八年度の国会での議論におきましても、この当該道路は、他の海峡横断プロジェクトとの違いを踏まえると、整備手法も含め、地域で検討をしていただいて、ゼロベースで必要性を再整理していくという旨を、国土交通大臣よりも、当時答弁をしているところでございます。
それから、三点目でございますけれども、今般の調査を踏まえて、計画段階評価、都市計画、環境アセスメント及び新規事業採択時評価、この各段階で、整備の是非についてこれから判断をしていくことになります。道路調査の着手が必ず事業化につながるものではございません。直轄調査に着手した後も、都市計画決定もされて、長時間事業化に至っていない事業がございます。
○小川委員 それは具体的にどういう事業があるのか、資料提出、お願いします、道路局長。もう答弁は結構です。調査に至ったのに、後に事業化されていない事業がどういうものが具体的にあったのか、これは資料提出をぜひお願いしたいと思います。
参考までに、これは国交省の記者会見の資料かな、〇八年、その調査を中断したときですよ。海峡横断プロジェクト調査については、個別のプロジェクトに関する調査は、今後行わないこととしとあります。後段に、これらについては、画期的な技術開発や財政の大幅な改善があり、仮に将来整備段階に格上げを検討する場合であっても、国会の場で個別路線ごとに議論するよう手続を経るということをみずからおっしゃっていますからね。そのことも改めて御留意をいただきたいと思います。
総務大臣、これ、きょうは国交省にお聞きしましたが、質疑、時間終了していますので、もう終わります。これは各省全てにまたがる問題だと思います。森友、加計のときもそうでした。なぜペットや家畜が減るのに獣医をふやすのか、なぜごみの存在が確認できないのに八億円も値引きするのか、なぜ、それほど大きな、さっきの、まさにですよ、技術革新や財政の大幅な改善もないのに下関道路だけが前に進むのか、極めて不自然な経緯をいろんな分野でたどっている。総務行政においても……
○江田委員長 時間が来ております。
○小川委員 まさに、そういうことがないように、大臣……(発言する者あり)
○江田委員長 時間が来ておりますので、御配慮を願います。
○小川委員 ぜひリーダーシップを発揮していただくことをお願いして、質疑を終わります。
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