民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2019年2月22日予算委員会)〜

○小川委員  おはようございます。立憲会派の小川淳也です。

 それでは、早速質疑に入らせていただきます。

 まず、昨夜、北海道で大きな地震があったという報道に接しております。官房長官、国会に現段階で御説明いただけることがあればお願いしたいと思います。

○菅国務大臣  きのうの時点で大きな事故につながるようなことはなかったということの記者会見を、たしか十一時過ぎにしました。きょう、夜が明けてから確認をしましたところ、通常とそんなに変わらないという報告を受けております。

○小川委員  いつ何どきこういう事態になるかわからないという意味で、大変な御多忙と、また緊張感の中かと思います。官房長官には一刻も早くこちらの方の対応にお戻りをいただきたいので、きょうお聞きしたかった点、ちょっと早々にお聞きして、御退室、委員長のお取り計らいをお願いしたいと思います。

 まず、官房長官は、三月に、勤労統計についてです、厚労省から説明を受けたという御答弁を既になさっています。それが、姉崎、きょういらしていただいている参考人なのか、あるいはそれ以外の方なのか、そしてそれは三月の何日だったのか、昨日御確認をお願いしておりますので、御答弁をいただきたいと思います。

○菅国務大臣  前回申し上げたんですけれども、四年ほど前の話で、正直言って記憶が全くありませんでした。私自身、当時の秘書官に尋ねたところ、厚生労働省から、毎月勤労統計について、数年ごとの調査結果に段差が生じることに関して、統計の専門家の意見を聞くことを検討する旨の説明、これを私自身が受けたようであります。

 誰からということでありますけれども、特定の個人までの記憶はありません。厚生労働省の当時の幹部からということです。

 また、日付でありますけれども、三月末ごろであるということでありまして、ぜひ厚労省の事務方の方でそこは聞いていただきたいというふうに思います。

 私自身の記憶は、正直言ってそんなことでありました。

○小川委員  御答弁を受けとめたいと思いますが、内閣官房長官の面談記録なり、あるいは応答録が定かに確認できないということ自体、非常に危機管理あるいは業務管理上不適切だと思います。これはしっかりやっていただきませんと、曖昧な御答弁では納得いたしかねます。追加で御答弁があればいただきたいと思います。

 それから、もう一点。この三月以降、今問題になっています九月に大きく事態が展開していくわけですが、三月以降九月の間に、厚労省から、この勤労統計に関して何らかの経過報告なり説明を受けたということはございませんか。

○菅国務大臣  まず、私の面談録というのは、保存はしておりませんということでした。多分そういう扱いになっているということでありました。

 それで、六月から九月でありましたけれども、御指摘をいただいたその時期に、研究会に関する説明や報告、これを厚生労働省から受けた記憶は、これは私にありません。そして、当時の秘書官に聞きましたけれども、秘書官もその記憶はないということでした。

○小川委員  これで御退室いただきたいと思いますが、記録がないということは堂々とおっしゃるようなことではありません。そして、記憶のあるなしが今最大の問題になっています。そういう意味で、改めてこれは、ちょっと国会、政府全体で考えなきゃいけないことかもしれませんね、もし今のような御答弁が通るのであれば。

 その点を指摘し、再度、北海道の皆様に我々野党一同も心からお見舞いを申し上げ、官房長官の御退室を、委員長のお取り計らいをお願いしたいと思います。

 それでは、きょう皆様のお手元にお配りをした資料をごらんいただきたいと思います。

 まず、委員長、この場をおかりして、私、率直に申し上げたいことがございます。

 この資料は、昨日の私の質疑を踏まえて、厚生労働省からお出しいただいた資料です。率直に申し上げて、ある種、感慨深いものがありました。私自身、霞が関での勤務の経験からいって、必ずあるはずだと思っていたデータを尋ねたわけです。これに対して、九月十四日の何時に書きかえ前のファイルが確認できた、そして、何時に書きかえ後のファイルが確認できた。

 これは、委員長、そして逢坂先生を始め野党理事、もとより田中先生を始め与党理事、そして根本大臣の御決断、また藤澤統括官の御指導、いろいろなことがあってこそ出てきた事実だということで、この限りにおいては、私は非常に感謝をしているわけです。

 と申しますのも、もしこの中継を聞いている霞が関の課長補佐、係長、若い方がいらっしゃったら、これを出したくなかったのはよくわかるんです。不都合なことは隠したい、それもよくわかる。しかし、組織や個人の保身と、そして、一片の良心といいますか、一片の良識で発見をし、出してくれたということに、非常に、こういう本当にささやかな良心によってこの社会は成り立っているということの一端を感じた気がしています。そのことについて、心より、関係者の御努力に敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。

 しかし、一方、褒めてばかりいられないので、統括官、よく聞いてください。

 午前中の答弁で、確認しようがない、わからないことなのでわかりませんと答弁しました。私は、確認するようにその前日にお願いをしていて、その気になれば、恐らく数分から、数十分から長くても数時間でできたから、午後、これが出てきたということです。

 そこには、もしかしたらなんですが、国会を侮っているか、野党議員をなめているか、あなたのそういう、心の準備も含めて非常に不十分な点があった。それで、きのうの質疑はとまったわけです。その後、五時間の空白ができた。それがなければ、きょう櫻田先生、誰よりも早く五分前に着席されているお姿を拝見しました、櫻田先生が時間を見誤って遅刻するということもなかった。であれば、その後の審議経過にこれは重大な影響を及ぼします。

 つまり、ちょっとした不注意、軽率、もしかしたら悪意がこれだけ重大なことに至っているということを自覚して、きょうの私の質疑に御答弁をいただきたい。

 まず、この点について、午前中の答弁、非常に不行き届きで不誠実であった、その気になればすぐにできた、このことについて、まず統括官の答弁を求めます。

○藤澤政府参考人  昨日、先生の御質問にお答えを申し上げましたけれども、一昨日の事前通告の時点で、当時の担当者に確認をして当日答弁をしてほしい、そういう事前通告をいただいていたと思いますので、当時の担当者までは確認をさせていただいて、きのう申し上げたような答弁を申し上げたつもりでございます。

 その際、詳細な記録、十四日から十六日の間に結論部分の書きかえは行われたのかということにつきまして御答弁申し上げたつもりでございましたけれども、その間のことについて更にちゃんと答弁してほしいということでございましたので、その際、確認をさせていただきたいというふうに申し上げたつもりでございますが、もしも、今ほど御紹介いただきましたようなことを申し上げたのであれば、そこは誤解を招く表現であったと思います。おわびを申し上げたいと思います。

○小川委員  以後、くれぐれも抜かりのないように御答弁をお願いしたいと思います。

 それでは、この内容に入りたいと思います。

 皆様もお手元の資料で御確認をいただきたいと思うんですが、この結論部分が書きかわったのは、確認できる限り、現在の総入れかえで行うことが適当、つまり、結論が書きかわる前の記載は、恐らく一番遅いもので九月十四日の十四時一分の時点で確認できるということです。一方、サンプル入れかえ方法を検討する、総入れかえで行うから、引き続き検討するに、ここで結論が大きく変わっているわけですが、それが同日の二十二時三十三分ということであります。つまり、この八時間三十二分の間に何があったかということなわけです。

 きょう、姉崎参考人には、国会に御出席をいただいたことにお礼を申し上げたいと思います。

 まず、九月の十四日、姉崎参考人は、中江当時の総理秘書官に面会をし、勤労統計の状況等について御報告をし、さまざま、内容の御相談なり、あるいは事と次第によっては中江氏からある問題意識なり示唆を受け取っているということが既に周知の事実になっておりますので、姉崎参考人御自身の言葉で、御自身の口で、その経緯と内容について御説明いただきたいと思います。

○姉崎参考人  まず初めに、今回の毎月勤労統計をめぐる問題によりまして、統計に対する信頼を失わせるとともに、国民の皆様に御迷惑をおかけしていることにつきましては、統計情報部長をしていた者として、心からおわびを申し上げたいというふうに思います。

 それで、九月の十四日ですけれども、全ては記憶ですけれども、官邸のその担当参事官に求められまして、六月のボーナスの状況等について説明に行きました。夏の賞与はどのぐらいかというのが大きな関心事だった。

 私からは、その際に、ちょうど毎勤の検討会がもう六回目が近かったので、検討会のことについても簡単に触れた、その際にですね。私からは、あえてコストとか手間をかけて部分入れかえをするよりも総入れかえの方がいいのではないかというような意見がそれまで結構多かったんですけれども、ただ、部分入れかえも正確なデータをとるためには有益であるという意見もありまして、簡単ですけれども、このような議題があるということを、多分、秘書官に簡単に触れて、そのときに、秘書官からは、コストというよりも、ちゃんと実態を把握するような観点からいうと、部分入れかえということもあるのではないかというようなコメントがありました。というふうに記憶をしております。

○小川委員  誠意ある御答弁、ありがとうございます。

 それは何時のことですか。九月十四日、昨日通告、まあ、記憶をたどっていただくわけですが、それは何時のことですか。

○姉崎参考人  お答えをいたします。

 九月十四日の午後の、午後なんですけれども……(小川委員「早目、遅目」と呼ぶ)多分、早目の時間だったのではないかというふうに思います。

○小川委員  それでは、率直にお尋ねいたします。

 今、やや曖昧におっしゃったんですが、いろいろと意見があったことはそうだとしても、この時点では、八月七日の検討会で全数入れかえを維持するという結論になっています、この九月十四日の時点では、依然として。

 ということは、姉崎参考人は、中江当時の秘書官に対して、検討会としては全数入れかえを維持する方向ですという方向感をにじませるお話はされたと私は思うんですが、いかがでしょう。

○姉崎参考人  お答えをいたします。

 十四日に総理秘書官のところに行ったときは、担当補佐に言って、報告書の最終的な調整というか修正を指示してやっていたので、それなので、秘書官のところに行くときに修正中だったので、資料とかは持っていっていなくて口頭で説明をしていて、そういうことだったので、いずれにしても、資料をそのとき担当課で第六回目の検討会に向けて修正をしている最中でしたので、こういう結論になるみたいな感じでは言わなかったんじゃないかというふうに思います、調整していたので。済みません。

○小川委員  ちょっと怪しいですよ、御答弁ぶりが。

 では、もう一つお聞きします。

 同じ九月十四日に、当時の研究会の座長であった阿部先生に対して、委員外から意見があったので、やや検討を、少し玉虫色といいますか、引き続き検討というふうに、五回目までの議論を修正、変更させてほしいという電子メールが行っています。これは、誰から、何時ごろ阿部座長に送られたものか。これもきのう確認をお願いしておりますので、御答弁いただきたいと思います。

○姉崎参考人  お答えいたします。

 私は、担当の補佐が委員の方々とどういうやり方、というのはメールとか電話ですけれども、どういうやり方で調整していたかということを知らないので、それで、メールのことは朝日新聞の報道で見ましたけれども、メールについては私は承知していないので、メールについては、済みません、わからないんです。だから、時間も私にはわからないです。

○小川委員  では、通告に従って、藤澤統括官から、確認した上での答弁を求めます。

○藤澤政府参考人  厚生労働省の中に御指摘のメールが残っているかどうかにつきましては、引き続き確認作業を続けておりますけれども、あわせまして、御指摘のメールが厚生労働省から阿部座長に送られたものということでございますので、阿部先生にもお願いをして、阿部先生のところにも残っているかどうか、確認をさせていただければというふうに考えております。

○小川委員  これはまたとめますか、委員会。

○藤澤政府参考人  申しわけございません。

 阿部先生にも厚生労働省から、メールについて、今、出していただけるかどうか、お願いを申し上げているところでございます。

○小川委員  では、いつ出してくれるんですか。

○藤澤政府参考人  阿部先生に確認をしていただいて、出していただけるかどうか、お願いをしているところでございます。(発言する者あり)

○野田委員長  ちょっと待ってください。

 厚生労働省、もう少ししっかり答弁できませんか。

○藤澤政府参考人  メールにつきましては、厚生労働省でも引き続き捜す努力を続けていきたいと思いますが……(発言する者あり)

○野田委員長  静かにしてください。今、答弁中です。

○藤澤政府参考人  当時と比べますとシステムがちょっと変更になっているところがございますので、ちょっと時間がかかっているのかもしれませんが、探索の作業を急ぎたいと思います。(発言する者あり)

○野田委員長  皆さん、御静粛に。

○小川委員  ちょっと、皆様、御確認いただきたいと思うんですが、書面で詳細に通告しておりますので、もう二、三聞いて同じ答弁であれば、全くこの審議は意味がないと判断して、続行不能という御判断を委員長からぜひいただきたい。

 その前提で、もう二、三お聞きします。

 姉崎参考人におかれましては、昨日の資料を拝見すると、非常に苦しい供述をされたと私は受けとめました。

 つまり、九月十四日午後、今おっしゃったとおり早目の時間に、中江さんに会っている。そこで研究会の方向感についても一定触れた。そして、そこで中江さんから、コストの問題よりもという言い方で、当時の研究会の方針とは異なる方針の示唆があった。そして、その日の午後十時半にファイルで入れかわっているわけです、結論が書きかわっているわけです。

 であれば、普通に考えれば、中江さんとの面談を経て結論を書きかえなければならないと判断をしたあなたが、部下である当時の石原さんかあるいは手計さんに指示をしてこの結論を書きかえさせたというのが、どう考えても自然な経過であります。

 しかし、この供述メモによれば、あなたは、書きかえの指示は、前の週、十一日の金曜日の夜か、十四日の月曜日の朝、つまり、中江さんに会う前だと供述をしている。これは本当ですか。信じていいんですか。

○姉崎参考人  お答えいたします。

 確認をされたので、私の記憶の限りでは十一日か十四日に私の方から言ったというふうにお答えをいたしました。

○小川委員  では、なぜですか。何がきっかけで、九月の十一日又は十四日の朝に、誰に対して結論の書きかえを指示したんですか。

○姉崎参考人  お答えいたします。

 ちょっと私の事情を申し上げますと、この時期、日本年金機構の不正アクセスによる情報流出問題がありまして、私、六月から九月までずっとそれの対応で多忙をきわめておりまして、特に九月は再発防止策の検討をやっておりまして、私、厚生労働省の情報ネットワークシステムの責任者だったものですから、それですごく多忙であったんです。それなので、本当に今から思うと、いろいろな指示とかがちょっと後手に、後手というか遅くなったり、担当課と打合せをする時間がなかなかとれなかったということもあって、それで、十一日とか十四日という、修正の指示が遅いタイミングになってしまったということなんです。

 それで、何で、総入れかえ方式だけではなくて部分入れかえ方式の方も両方とも検討する、そういう中間まとめに、どうして私がそういうふうに指示をしたかということなんですけれども、それは、一つは、第五回目の委員会のときの、すごい統計の専門家である樋田先生の、やはり正確なデータをとるのには部分入れかえの方式の方が有用であるということをおっしゃって、それで、阿部座長も、そこのところは報告書を修正しておいてねというふうにおっしゃっていたということがありますのと、あともう一つ大事なのは、十一月以降、十二月、統計委員会で未諮問基幹統計の確認作業をやるということが前の年に決まっていまして、それで、そこに、実施状況の確認なんですけれども、今こういう検討会をやっているということをあわせて説明をしようというふうに思っていたんです。

 それで、検討会のことを説明するに当たって、そのうち諮問、答申という作業にずっと流れていくわけですので、統計委員会の委員の感触というか、統計委員会の委員の皆さんがどういうお考えを持っているのかというのを、感触というか、それを確認しないうちに断定的な、もうこれだというような結論を先にまとめてしまうのはちょっとリスキーかなというのがあって、それで、総入れかえ方式も部分入れかえ方式も一応両方とも検討するというような整理にしようというふうに私が決めて、ただ、その指示が、先ほど言ったような事情でばたばたと遅くなってしまった、そういうことであります。

○小川委員  苦しいつじつま合わせを一生懸命されているとしか受けとめられない答弁です。

 では、通告に従って、統括官の答弁を求めます。

 当時、姉崎さんから結論を書きかえるように指示を受けたのは誰ですか。そして、それはいつ、なぜとその当時の担当者は言いましたか。確認をした上での答弁を求めています。

○藤澤政府参考人  普通であれば、指示を受けたのは担当補佐だと思われますけれども、その者に確認をいたしましたところ、十一日又は十四日の何時ごろに指示を受けたかについては記憶がないというふうに申しております。

 また、その指示の理由とか、あるいは、自分が、本人がどのように受けとめたかについても記憶にない、そういうふうに申しております。

○小川委員  まあ、よくできた口裏合わせになっているじゃないですか。

 これは、委員長、メールの中身が出てきませんと、この記憶を闘わせ、認識を闘わせただけでは、真相、事実が明らかになりません。メールを出していただくまで、審議、やめましょうか。こんなばかばかしい話につき合っていられないですよ。

 ちょっと場内で協議してくれませんか、メールなしでこんな水かけ論をやり続けるのかどうか。(発言する者あり)

○野田委員長  静かにしてください。ちょっと待ってください。

 厚生労働省に申し上げます。

 今確認中ということですけれども、具体的にどういう作業を今しているところか、作業手順ぐらいはきちっと話をしてください。

 なぜ今出せないか、今どういう作業中なのでということをきちっとわかるように説明してください。

○藤澤政府参考人  省内の探索作業を急ぎますとともに、国会からお求めがございましたら、阿部先生の御了解を得て、提出をしたいと考えております。

○小川委員  では、委員長、ぜひ国会として求めていただきたいと思います。

○野田委員長  今、筆頭間でも話がありましたので、理事会でしっかり、責任を持って協議をさせていただきたいと思います。

○小川委員  では、中江参考人にお聞きします。

 これだけのやりとりをいたしましたので、少し御記憶が戻ったのではないかと思いますけれども、改めて、九月の十四日。席を一つ挟んでお隣におられる姉崎さんの顔をよく見てください。九月の十四日、姉崎さんから、勤労統計並びに勤労統計研究会の方向感について説明なり報告を受けましたね。その上で、問題意識を示唆されたでしょう。いいかげん正直に御答弁をいただきたいと思います。

○中江参考人  前回もそうですし、きのうもそうですし、きょうも記憶のありのままをお話し申し上げております。

 九月十四日に厚労省の姉崎さんと宮野さんが来られたということでありますけれども、私、正直に、そのようなことを思い出せません。そこはもうそのとおりでございます。

 それで、もしかしたらそのときに、今、元部長の方からそういうような御説明があったとしたら、私としてはもう、もともと当初からの問題意識からすれば、経済の実態をよりタイムリーにあらわす方策として部分入れかえということがあるのであれば、そうした考え方についても専門的に進めてもらってはどうかというようなことを申し上げたかもしれませんが、いずれにせよ、専門家の方々がもう検討されているわけですから、そういうようなことで、あえて申し上げればということで申し上げたかもしれませんが、私も総理秘書官を長くやっていましたけれども、これは四年弱前の話でありますので、本当に申しわけありませんが、覚えておりません。

○小川委員  では、今ごろになって姉崎さんからこんなことを言われるのは迷惑だと言わんばかりの答弁じゃないですか。

 姉崎さんは、本当に職責をかけてやっていたと思いますよ。いろいろ、当時、賃金の水準が議論になっていたことは事実ですからね。悪い数字が出たら官邸から怒られる、統計方法にまで不審がられて困っているという状況で御説明に行ったはずですよ。それを今みたいに、思い出せません、記憶がありません。もしそれが本当だとしたら、財務省の関税局長として不適格ですよ。これからどれだけの難題に向き合うんですか。不適格だ。

 姉崎さんにお伺いします。姉崎さんはこの日の記憶があるわけでして、中江さんから、余りコストの問題ということではなく、制度論として考えるのも選択肢としてあるのではないかという示唆を受けたわけであります。それはどの程度重く受けとめられたか、それをお聞きします。

○姉崎参考人  お答えをいたします。

 総理秘書官のところには三月の三十一日と九月の二回だけお伺いしたんですけれども、九月十四日ですね。検討会のことについて触れたのは、九月の十四日だけですけれども。

 三月三十一日のときに、ギャップ修正について、ギャップ修正というのはサンプル入れかえによって過去にさかのぼって数値がずっと変わってしまうということについて説明に行ったときに、総理秘書官からは、どうしてサンプル入れかえをしたら、きのうまでこう言っていた数字が何でこんなふうに変わってしまうのか、それはちょっとわかりにくいというか、もっと経済の実態をあらわすようなものにできないかというか、そういうようなコメントがあって、私は、それはコメントと受けとめて。

 九月の十四日に検討会について触れたときに、さっきおっしゃったようなコメントがあったと記憶しているんですけれども、それは、私が三月三十一日に行ったときと基本的には同じようなコメントをいただいたんだというふうに理解をいたしました。

○小川委員  当時の総理秘書官、きのうもちょっと指摘したんですが、森友問題でも財務省がフル回転している時期です。それから、加計問題でも、柳瀬さんを始め総理秘書官がフル稼働しているときです。

 ちょうどこの一五年の二月、三月から秋にかけては、恐らく総理官邸は相当我が世の春だったんじゃないですか。総理の一四年の総選挙の圧勝から年が明けて、非常に政治基盤、権力基盤も固まり、官僚の人事権も圧倒的に掌握をし、総理秘書官の影響力、存在感、まさに我が世の春で、我が物顔で。

 個人的な見解とおっしゃるが、仮にそうだとしたら、一体何の権限でおっしゃっているんですか。中江さん、何の権限を持って。総理秘書官の法的権限、そんな権限、あるんですか。何の権限に基づいて個人的見解を姉崎さんに伝えたのか。中江さんの答弁を求めます。

○中江参考人  小川委員にお答え申し上げます。

 総理秘書官としては、担当する政策の一つ一つについて、私は財務省、金融庁だけではなく厚労省の部分も担当しておりました。そういう中で、各省庁から説明を伺って議論することというのは当然常々あるわけでございまして、議論する中で個人的な見解を伝えたということであります。

 これまでも何度も委員にも御答弁申し上げておりますが、こういう、これまで三年間出していた数値が大幅にさかのぼって変わるということを聞いて、それは全数入れかえをしていることだからということですから、私はそれは、本当にそういうやり方がいいのかどうか。それは私は、もちろん統計の専門家でもありませんけれども、そういうことであれば統計の専門家の意見を聞いてみて、経済の実態をあらわす、そのために統計の専門家の意見を聞いてみてはいかがですかということを申し上げたわけで、私としては、それは総理秘書官としての当然の対応であったと思っております。(発言する者あり)

○野田委員長  お静かに。

○中江参考人  それで、それはもちろん、数値をどうこうしてくれとか、不適切な統計方法をとって変なことをやってくれとか、そんなことを申し上げたつもりは毛頭ございません。

 それで、この後、検討会、厚労省でも真剣に検討をされたと思います。その後、統計委員会というところでまた専門家の方々がいろいろ専門的な議論を闘わせて、最後、今回の部分入れかえという方式になったというふうに私は理解しております。

○小川委員  では、中江さん、ちょっと聞き方を変えますね。

 変わるのはおかしいということですが、これは下がったから文句を言ったんでしょう。上がったら文句を言っていないでしょう。それぐらい、当時、賃金水準が政権として相当関心事項であった。だから、下がったから文句を言った、上がったら言っていなかったと私は思いますが、いかがですか。

○中江参考人  二〇一五年一月に四百九十九人以下の全数取っかえをして、それで、新しく出てきた数値のことを申し上げているのではないんです、私は。そこは御理解ください。

 それまでの二〇一二年、二〇一三年、二〇一四年の伸び率がさかのぼって改定されると、それなりにプラスになっていた数字がマイナスにばたばたと変わっていく。それは、そうすると問題ではないですかと。(小川委員「さかのぼって、上がれば問題じゃないじゃん」と呼ぶ)

○野田委員長  ちょっと静かに聞いてください。

○中江参考人  別にそれは、さかのぼって上がったとしても、それは統計の連続性というんですか、今ちょっと、そのときにそういう言葉を思いついたかどうかわかりませんけれども、そのときの経済の実態をあらわすという観点からは、上であろうが下であろうが、大きく変わるのはどうかというのが私の当時の問題意識でございます。

○小川委員  上がったら言っていないと思いますよ。

 総理大臣秘書官の職務なんですが、内閣法の二十三条、秘書官は、内閣総理大臣の命を受け、事務をつかさどる、事務を助けるのが仕事なんですよ。

 総理には報告も相談もしていないという中江さんの御答弁ですが、少なくとも、総理の御意向をそんたくか、推測か、総理の御意向に沿った形で仕事をしようと。あるいは、少なくとも総理の意向に反して仕事をするはずはないということはお認めいただけますね。

○中江参考人  小川委員に御答弁申し上げます。

 これも、これまでも申し上げておりましたが、専門家の意見を聞くなど、改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を持ったのは私でございまして、それを伝えたのも、それは私個人、秘書官である私の考えであり、個人としての考えであります。総理の指示ではありません。

 それで、もちろん、私は総理の秘書的業務に従事する総理秘書官室の一員でございましたけれども、総理秘書官として担当する政策の一つ一つについて総理の指示を受けていたわけではございません。総理の指示を受けずに、各省庁からの説明を聞き、先ほども御答弁申し上げましたように、議論することは常々ございました。議論する中で個人的な見解を伝えたということでございまして、何ら問題があったものとは考えておりません。

○小川委員  これは、一つ一つというより、重大な変更に至っているからこれだけ問題になっているんです、勤労統計のやり方が。それを、もし総理に一切報告せずに、あなたの一存が仮に大きな影響力となってやらせていたとしたら、大問題ですよ。総理に報告も相談もせずに、一体何の権限に基づいてやっているんだという話になる。

 時間が限られてきましたので、姉崎さんに、最後、二点お聞きします。

 ちょっとさかのぼるんですが、一五年の三月に報告に行ったときに、中江さんから問題意識の示唆を受けています、このときも。六月に研究会を立ち上げるんです。統括官を始め、それまでも問題意識を持っていた、それはそうだと私も思うんですよ。しかし、七十年やってきた調査方式を、ここへ来て急に変えるだの変えないだのの研究会を立ち上げたことは、相当な決意なりきっかけなり、踏ん切りがつかなければできなかったと私は思うんです。

 したがって、三月に報告に行き、研究会を六月に立ち上げたのは、中江秘書官からの問題意識の示唆が大きな原因でしたね。

○姉崎参考人  お答えをいたします。

 今、委員の御質問の総理秘書官の示唆が大きな原因になったかということについてお答えをすると、それは違います。

 違うというのは、私は、総理秘書官の先ほどの御発言は、指示とかではなくてコメントをいただいたというふうに受けとめておりましたので、したがいまして、六月に検討会を開催するというときも、一度も総理秘書官のところに、こういうことをやりますとかという報告に行ったことがないんです。

 それはなぜかというと、指示をされていれば行きますけれども、指示されたわけではなくて、私がやろうと思ってやっていたので、その後、九月にボーナスのことを説明するまでの間、私は一度も総理秘書官のところに説明に行ったことがありません。

 それで、その検討会なんですけれども、かねて、やはり三年とかごとに過去にさかのぼって数値が変わってしまうと、きのうまでプラスだと言っていたのに、いきなりきょうになったらマイナスになってしまうというのは、これはなかなかわかりにくいんだというのは、それは統計ユーザーにとってわかりにくい、意見というのはあって、担当課ではそういう問題意識を持っていて、実は私も、若いころから経済企画庁とかいろいろなところで分析をしていて、何だ、この統計はというふうに思っていたので、それなので、十二月に統計委員会の未諮問基幹統計の確認作業ということもあったので、ちょうど統計情報部長になったので、ちょうどいい、見直すのにいい機会だということで始めた。

 あと、特に、発表後に、エコノミスト等の皆さんから、何てお騒がせな統計なんだとか、要するに、変わったので、すごいお騒がせな統計だとかサプライズだとかショックだとかというお言葉がたくさんあって、やはり世の中もみんなそうだよなというふうに思ったので、それで検討会をやろうというふうに決めました。

○小川委員  では、もう一つお聞きしますね。

 最後の九月の研究会で大きく結論が変わるわけです。研究会を招集し、本当にどうしていくのか、改めて委員の皆様に御相談したいとあなたがおっしゃって、研究会を閉じているんです。以後、二度と研究会は開かれていません。

 残念ながら、あなたは九月の末に異動になっていますから、それ以降のことに直接の責任はない。しかし、異動になった際に、後任の小川統計部長に何らかの引継ぎをしているはずだし、あるいは、研究会がこの後一切開かれていないことについて、不自然だと思っても不思議ではない。

 その引継ぎ、そして研究会がここで立ち消えになったことについて、認識を伺います。

○姉崎参考人  私は、先ほど言いました中間報告を両論併記的にしたのは、十二月の統計委員会に報告したときに、委員の皆さんの感触を確認してから最終的にまとめようというふうに思っていたので、それで、年明け以降にもう一回開こうというふうに思っていました。

 それですので、後任には、検討会で中間的な報告を整理したこと、それから、十一月以降に統計委員会で確認作業があるので、そのときにこの検討の状況について報告をして、統計委員会の委員の皆さんの感触を得た上で年明け以降にまた研究会をやって、それでまとめたらどうですかという引継ぎをしました。

○小川委員  では、小川部長は、その引継ぎを受けたはずなのにやっていないことになります。

 小川部長の参考人招致を求めます。

○野田委員長  後刻、理事会にて協議いたします。

○小川委員  最後に、けさの日経新聞の報道ですが、研究会の阿部座長は、第六回、最後の会合の直前に電話でも省職員と話した、電話で省職員から、厚労省の職員から連絡があった、第六回会合の直前ですよ。「「結論は決めず(厚労省に)フリーハンドを与えてほしい」と言われた」と証言しています。

 この電話をした職員は姉崎さんですか、姉崎さんの部下ですか。

○姉崎参考人  お答えいたします。

 私は、検討会の場で阿部座長と会う以外に、阿部座長と打合せをしたり連絡をしたことが一度もないので、私ではありません。

○小川委員  では、この電話をした職員が誰かも確認の上、追って委員会に報告を求めたいと思います。

 委員長、お聞きのとおりです。記憶や認識同士を闘わせても十分生産的な議論にならない。これは非常に残念なことであり、決定的な事実はメールが出てこないと、今そこで証言された、それぞれ証言されましたよ、それが本当かどうかはメールを見ないとわかりません。

 必ずこのメールの提出を、一刻も早く予算審議中にお出しいただくことを改めて委員長にお願い申し上げます。

○野田委員長  先ほども与野党筆頭間で御協議をいただきました。

 詳細は、後刻、理事会で協議をしますけれども、受けとめさせていただきます。

○小川委員  それでは、統計問題については、引き続き、後続質疑者に譲りたいと思います。

 二点だけ、ちょっと通告外ですが、お聞きしたいと思います。

 まず、麻生財務大臣、元総裁としてお聞きしたいんです。非常に経験ある元自民党総裁としてお聞きしたいんです。

 御党の田畑議員の離党なり今回の問題は、大変残念なことであり、言語道断だと思います。これに対して、御党の伊吹元衆議院議長が、問題にならないようにやらないとだめだ、同じことをやるにしてもと。

 ちょっと私、これは真意をはかりかねているんですけれども、同じことをやるにしても、恐らく女性とのトラブルでしょうか、あるいは女性との交際でしょうか。問題にならないようにやらないとだめだ、同じことをやるにしてもという伊吹さんの発言について、元自民党総裁として、非常に経験豊かな麻生副総理の御見解をお聞きしたいと思います。

○麻生国務大臣  何の経験が豊かだという前提ですか、今のは。女性問題に関しての経験が豊かというように聞こえるような発言ですけれども。確認します。そういう意味ではありませんね。

○小川委員  違います。

○麻生国務大臣  確認しておかないと、後ではめられちゃかなわぬからね。あのとき認めたじゃないかと言われても困りますので、あらかじめ断っておかないと。逢坂さん、聞いていただいたと思いますので。

 その上で、伊吹さんの発言自体も、あなたの読み方を見ていても、理解できませんし、伊吹さんが何と言われたかという確認もできていませんから、答弁のしようがありません。

○小川委員  本当に残念な反応が続いていると思います。

 最後に、櫻田大臣、済みません、お待たせしました。

 きのうの委員会の遅刻に関しては、十分反省をしておられると思いますし、おわびもいただきました。理由もお述べになられました。つまり、先立つ質疑が中断したことを受けて、時間の目測を誤ったというふうに理解しています。

 ただ、もう一つ、ちょっと突っ込んでお聞きしておきたいんです、ここは危機管理の問題でありますので。

 私は、通常、秘書官なり国会連絡室から、委員会の時間運びというのは、これは生ものであり生き物ですから、どうなるかわからないという前提のもとに、例えば、五分前到着、十分前到着、あるいは、答弁の打合せがあるのであれば、三十分前到着、一時間前到着を促されていたはずだと思うんです。

 したがって、中断、委員会審議の中断があったとしても、そのとき、秘書官なり国会連絡室が、大臣、早く行きましょうと言ったのを大臣が、いやいや、中断しているからいいんだよとおっしゃったのか、それとも、大臣が早く行こうと言ったにもかかわらず、秘書官や連絡室が、いやいや、とまっていますから大丈夫ですよ、もうちょっとゆっくりしましょうと言った結果なのか、いずれの結果なのか、はっきりさせてください。

○櫻田国務大臣  前の質疑が予定時刻よりおくれて開始されたこと、その後、二度にわたり中断していたことから、進行状況を見つつ、大臣室において予算委員会の質疑に向けて打合せをしておりました。

 その後、前の質疑が再開されると同時に残余の質疑時間を後刻に回すことになり、直ちに大臣室を出発したものの、到着が今井議員の質疑開始予定時刻よりおくれてしまいました。

 いずれにしても、時間におくれたことを深くおわび申し上げます。

○小川委員  ちょっとはっきりさせていただきたいんですが、大臣御自身の判断ミスですか、あるいは、私は秘書官そして国会連絡室にも責任があると思うんですが、いずれの判断ミスですか、そこをちょっとはっきりさせていただきたい。

○櫻田国務大臣  国会に関する日程管理が事務的に十分に行われなかったことが原因でございますが、最終的には私の責任でございます。

○小川委員  御答弁、受けとめました。

 きょうは本当に早くからお越しでございましたので、以後もしっかりと拝見をさせていただきたいと思います。

 なお、石田総務大臣、まことに申しわけございません。統計全般についてお聞きする予定でございましたが、時間の都合により、また次回にさせていただきたいと思います。お忙しい中、ありがとうございました。

 それでは、委員長、重ねてになりますが、きょう、私も大変大事なこの一時間というお時間をいただいた割には、なかなか事実関係を明らかにするには至りませんでした。認識を闘わせるに終わったわけであります。

 重ねてでありますが、きょうの一連の御発言なり証言が本当かどうかはこのメールの中身次第でございまして、改めて一刻も早い国会への提出を求めまして、ひとまず質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

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