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〜会議録(2018年11月2日予算委員会)〜
○小川委員 おはようございます。立憲会派新人の小川淳也です。そこそこフレッシュな新人でございまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
また、委員長、さんづけで呼ばれたのは初めてのような気がいたします。これもまた新鮮でございます。
午前中十五分、夕方三十分、これは中継は入りませんが、補正予算に関連してお尋ねを申し上げます。
この十五分の限られた時間ですので、この間、これも大きな問題だと思うんですよ、障害者雇用を水増ししていたという件ですね、この件に絞ってお尋ねを申し上げます。
総理、まず、この問題、大変重大だと思うんですが、臨時国会の冒頭、所信演説で何もお述べになりませんでした。総理としては重大に受けとめるべきだと思いますし、今後のことを含めて、障害者の皆様、国民に対して何らかお述べになる必要があったと思いますが、まず、その点からお聞きします。
○安倍内閣総理大臣 今般、国の行政機関の多くで障害者の法定雇用率を達成していない状況が明らかとなり、検証委員会からは、障害者雇用を促進する姿勢に欠けていた等、大変厳しい指摘を受けました。
検証委員会の報告書においては、各省で恣意的に解釈された基準により、不適切な実務慣行を継続させていたと指摘されています。
一方、意図的な不適切計上があったかどうかについては、各省が責任を持って可能な限り実態把握を行った上で、そのような例は把握していない旨、回答がなされたと承知しています。
今回の報告書を受けて、去る十月二十三日に開催された関係閣僚会議において、私から、各大臣は今回の事態を深く反省し、真摯に重く受けとめ、組織全体として、公務部門における障害者雇用に関する基本方針に基づき、再発防止にしっかりと取り組むよう、強く指示したところであります。
基本方針に基づき、再発防止はもとより、法定雇用率の速やかな達成と、障害のある方が活躍できる場の拡大に向け、政府一体となって取り組んでまいりたいと思います。
○小川委員 限られた時間ですので、ぜひ簡潔な御答弁、御協力をいただきたいと思うんですが、所信表明でなぜ述べなかったのかと聞いています。
○安倍内閣総理大臣 所信表明の中においては、障害者も、また難病のある方も、全ての方が活躍できる一億総活躍社会をつくっていかなければならないという強い意思を示していたところでございます。(発言する者あり)
○野田委員長 御静粛に。
○小川委員 そこに含めていたでは甚だ不十分だと思いますよ。失礼だと思います、障害者に対しても。
まさに今総理がお述べになった検証委員会の報告書が先週出たんですね。それで、これは意図的かどうか把握できていない、私、きょう、この点を一番問題にしたいんですよ。
今や政府は、過失があったとか、ミスがあったのレベルじゃないんです。政府は、うそをつく、文書を改ざんする、そこまで疑念の目は深まっているんですよ。
その前提で、以下、お答えいただきたいと思います。
報告書の中で、特に、計上の仕方に特異性が認められる、これもオブラートに包んだ言い方ですよね。はっきり言えば、悪質なんですよ。
国交大臣、中に退職者から何からいろいろ含めていましたよね。大体、押しなべて言って、半分が水増しですからね、半分が偽装ですよ。皆さん、それぞれ人ごとのように思っていたらだめですよ、各省大臣。
国交大臣にお聞きします。
一応、記録上、八百九十名で厚労省に届け出ているんですよ。しかし、全国に集計しましたよね。六月の状況を報告しなきゃいけない。五月に全国の地方機関に調査したはずです。全国から上がってきた数字は、本当は何名だったんですか。
○石井国務大臣 各部局から提出された人数は、実員で申し上げますと五百八十二名、補正をいたしますと六百六十二・五人ということであります。
○小川委員 きょうは、国交省、官房長にもお越しいただいているので、せっかくなので、ちょっと答弁してください。
今大臣から御答弁があった、地方機関からの五百九十名をそのまま厚労省に報告すればよかったんでしょう。なぜしなかったんですか。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。
各部局から報告のありました人数は、先ほど大臣が答弁をされたとおりでございます。
その上で、これを取りまとめるに当たりまして、法定雇用率の達成が不可欠であり、法定雇用率を満たす人数分の計上が必要である、そういった考え方のもとに、追加的な計上を行って提出をしたという経緯がございます。
○小川委員 つまり、これは意図的ということでいいですね、官房長。
○藤井政府参考人 追加的な計上の仕方も複数のやり方がありましたけれども、そういったものについては意図的なものではなかったという認識をしております。
○小川委員 では、五百九十名からどのように八百九十名まで上乗せしたのか、詳細をお答えください。
○藤井政府参考人 追加的な計上でございますけれども、一つは、前年度の障害者リスト、毎年報告をしておりますので、前年度の障害者リストがございます。その前年度の障害者リストに掲載されていたものを計上したというケース、これが実員でいいますと百十五人。あとは、人事関係調書を確認し、その内容から障害者と考えられる職員を計上したケースが九十七人ということになっております。
○小川委員 事前に実務的に聞き取った内容をちょっと整理しましたので、ごらんいただきたいと思うんですが、皆様のお手元にも資料の一枚目があります。
さっき申し上げた、全国から集計した数字は五百九十名弱、五百八十二名なんですね。わかりますかね、五百八十二名。実は、再点検後、点検すると、正直に言うと二百八十六名なんですよ。だから、ざっと集めた中にも半分は不正があるわけです。通じていますかね。総理、通じていますか。全国から集めたら五百八十名だった、再点検したら二百八十名だった。ということは、再点検前の五百八十名そのものにもずさんなものが入っているということです。
ところが、五百八十名じゃ足りなかったので、今の国交省の答弁は、人事調書から、恐らく年末調整とか障害者控除とかいろいろあるんでしょう、そこから意図的に九十七名を追加している。なおこれで足りないから、前年リストから退職者も何もまとめて百十五名を追加している。合計で七百九十四名になるんですよ。
それで、更に言えば、実は、障害の程度の重い方は一名で二名とカウントします、短時間勤務の方は一名で〇・五名とカウントしますという補正を行ったことで、八百九十という数字になっている。
これにより、もう一回、国交省、答弁してください。当時の時点で求められた法定雇用率は二・三ですよね、二・三。ちょっと、資料に書いてあるからあれだけれども、直接答弁してください。八百九十名によって、この法定雇用率は、求められる二・三に対して何%になったんですか。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。
追加的に計上しました合計の八百九十名で、雇用率は二・三八%ということになります。
○小川委員 今回、各省の一覧を見ると、大体求められる二・三前後におさまっているんですよ。
これは、ざっと集めたら八百九十でした、間違いも含めてざっと集めたら八百九十でしたじゃないんですよね。ざっと集めたら五百八十なんですよ。それに、わざわざ調書をひっくり返して、八百九十までつくったんだ、数字を。これは意図的であり、故意でしょう。
国交大臣、これを意図的と言わずして何と言うんですか。答弁してください。
○石井国務大臣 今、官房長から御答弁申し上げたとおり、大臣官房人事課において、担当者任せの中で、長年にわたり、退職の有無を確認せずに追加計上が行われていたということでありまして、これはまことにあってはならないことであり、深くおわびを申し上げたいと思います。
これは、不適切かつずさんのそしりを免れない事務処理であると思います。ただし、退職者であることを認識した上で意図的に障害者の数をふやそうとしたものではなかったと聞いております。(発言する者あり)
○野田委員長 御静粛に。
○小川委員 いや、法定雇用率を満たすために逆算しているんですよ。逆算して数字をつくっているんだ。偽装ですよ、これは。
じゃ、ちょっと資料要求。いや、今答えられたら答えてください。人事調書から追加した九十七名以外にも、追加しようと思えばできた人はいたでしょう。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
先ほど追加の計上の仕方について御答弁申し上げましたけれども、今委員御指摘の九十七名、これは、人事調書を確認した上で、その内容からということでございますけれども、それに加えまして、前年の障害者リストに計上されていたもの、こちらからの追加計上というのをあわせて行った、その結果、八百九十名になったということでございます。
○小川委員 これはもう後で結構です。午後の質疑までに、委員長、ちょっと資料要求いたします。
これは、九十七名以外にも人事調書から追加できた人数はあったと思うんですよね、九十七名以外にも。それから、前年リストから追加しようと思えば、要するに、ことしのリストに挙がっていない人が百十五名以上いたと思うんですよ。それを確認して、午後の質疑までに資料として提出していただきたい。
○野田委員長 後刻、理事会にて諮ります。(発言する者あり)間に合います。
○小川委員 ぜひ御対応をお願いします。
これはもう、こういうところなんですよ、安倍政権に対する信任が低いのは。言いごまかし、まやかし、本質をそらして、目先を変えて、その繰り返しじゃないですか、総理。
これは、ちょっと報道を引用する形で、一部、関係者の声を届けさせてください。
障害者団体の方の声ですが、社会復帰へ向けて死ぬ気で頑張っている障害者を裏切った。率先すべき行政がまさか水増しをしていたなんて信じられない。障害者とともに暮らすという社会の意味をわかってほしい。
それからもう一点、民間の会社の関係者ですよ。役所は、障害者の雇用問題であれ、あれこれ民間企業に厳しく注文をつけてきます。雇用をふやすことはなかなか大変ですが、うちは人事を中心に、職種や部署を新たにふやしたり、あれこれ工夫してやっています。なのに、役所自身はこんなにも水増しをしていたなんて、信じられないというか、あきれてしまいました。今回の省庁と同じような水増しなど民間では考えられない。罰金がないことをいいことに、意図的な不正としか考えられない。頭を下げるだけで済む話じゃない、誰の責任かはっきりさせて、官僚が給与を返上して罰金を払うくらいのことは当たり前でしょうという声ですよ。当然だと思いますよ。
関連して、この二枚目の資料をちょっとごらんいただきたいんですが、障害者の雇用施策は明らかに官尊民卑なんです。官は悪いことをしない性善説に立っている、民は悪いことをする性悪説に立っている。
ちょっと資料をごらんいただきたいんですが、民間には、公的機関から三年に一回調査が入ります、監査が入ります。そして、証拠書類の備付け義務がある。そして、何と一年間で、民間企業は一人足りなかったら月五万円払っているんですよね。合計で二百九十三億の納付金を納められている、民間はですよ。そして、公的機関は、調査が入らない、書類の備付け義務もない。納付金は推計最大五十億と思われます、もし公的機関が全部払っていたら。一切、納付の義務もない。こんな状態をいつまで放置するんですか。
今回の事態を受けて、これを放置するということはあり得ないと思いますが、総理大臣、この国の総理大臣として、障害者雇用施策、今非常に信頼が傷ついています。これも含めて、善処していくと積極的な答弁をしてください。
○安倍内閣総理大臣 今、小川委員が指摘されたこの問題というのは、相当長い間、二十年近く放置されていた問題でございまして、行政府の長として、申しわけないと思っております。
私も詳しく説明を受けたところでございますが、基本的には、役所として、いわば公務員試験を普通に行って、その結果として満たしていた、そういう設定で多くの省は、厚労省以外は違うんですが、そもそもその設定が無理なわけでありまして、小川委員が指摘されたように、民間の方ではさまざまな工夫を、雇用の中で工夫を凝らしながら達成するような努力をしていたわけでありますから、各省庁においても、今までのように、普通に試験を受けて、障害のある方も健常者の方も試験を受けて、通った人が入ってくるという中で、その結果としての、結果がどうなっているかということであれば、それがたまたま満たすということは、それはそうそう私はないんだろう、そもそもそう思うわけであります。
ですから、私も、その考え方のもとに、各省庁に対して、そうではなくて、これをしっかりと満たすような形をつくる、雇用において、そういう雇用形態も含めて工夫を凝らすようにという指示をしているところでございます。
○小川委員 ただいまの総理の御答弁は、事実上、意図的な可能性があるということをお認めいただいた答弁として受けとめました。
関連の質疑は午後に回したいと思います。ありがとうございました。
次に、小川淳也さん。
○小川委員 立憲民主党・市民クラブ、小川淳也です。
午前中に引き続いて質疑をさせていただきます。
委員長、午前中お願いした国交省の資料なんですが、残念ながら、質疑に間に合わないという連絡を今ほど受けました。大変残念ですけれども、今鋭意作業中ということですので、またいただき次第、集中審議等でぜひ使用させていただきたいと思います。
それで、総理、もう時間の関係で聞きませんが、これからこの障害者雇用をどうするかは、大変難しい問題を抱えています。
総理、資料を見ながらで結構ですので、お耳だけかしてください。
二月までに四千人雇用するという政府の方針ですが、国家公務員に定員のあきはありません。欠員はありません。じゃ、そのために定員をふやせるのか、障害者雇用をふやすために定員をふやせるのか、これはなかなかできないでしょう。そうすると、非常勤、定員の枠外の非常勤でとりあえず雇うことになるのか。
更に言います。そうすると、十四万人、今いる非常勤のリストラにつながらないのか。
そして、厚生労働大臣のお耳には既に入っていると思いますが、全国四十万人の障害者の雇用、常勤と非常勤の区別をしたデータは一切ありません。
こうした、本当に本気なのかどうかが疑われるような状況で今日に至っている。そして、それを二月までに解決するとおっしゃった総理の言葉の責任は重い。このことを指摘して、午後お聞きをしたかったことについて質疑を進めてまいります。
午前中の質疑を少しフォローさせていただきたいんですが、後藤委員の指摘は、全くもって重要な指摘でございました。今、来年十月に本当に消費税が上がるのかどうか、国民は疑心暗鬼です。なぜなら、総理の過去二回の国政選挙の争点化の仕方そのものが、経済や国民生活よりもやはり時々の総理の政治判断、政局判断が優先されるということを、みんな残念ながら了解してしまったからであります。
そして、過去は、きちんと会見の場に立つなど、国民に向けて直接語りかけた。今回は、臨時閣議で関係閣僚に準備を指示したにとどまっています。
であるならば、もし総理が本気で上げるのであれば、しかるべきタイミングで国民に向けて語りかける必要があると思いますが、その点をまず御答弁いただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 前回、引上げを延期したのは、いわば法律で決まっている引上げをやらないということを決めたわけでございまして、その意味におきまして、引上げと同時に、これは、社会保障上のさまざまな給付措置もあるわけでございますから、そうしたこともできなくなるということも含めて、国民の皆様に御説明をする。
と同時に、これは信を問うべきだというのが私の判断であったわけでございますが、結果、国民の皆様から支持をいただくことができたということでございますが、今回は、法律にのっとって今進めているわけでございますので、淡々と、しっかりと準備を進めていきたい、こう思っているわけでございます。
いわば、法律に書いてあることをしっかりと実施をしていくということでございますし、これはリーマン級の出来事がなければしっかりとやっていくという決意も含めまして、十分な準備を進めていく。
いわば、今委員が言われたように、果たして私がまた上げないのではないか、そういう指摘があることは私も承知をしております。ですが、そのことによって準備が進まないということがないようにまた対策をしっかりと進めていくという、新たな対策を指示することも含めて閣議決定をしたところでございます。
○小川委員 では、確認ですが、殊さら会見を開いて、本当に上げますよ、準備が整いましたというようなことを殊さら国民に言うつもりもないということですね。
○安倍内閣総理大臣 それは、既にこれは法定で、決まっていることを行うわけでございますから、殊さら行う必要はない、こう思っているところでございますが、同時に、これだけの対策を行っていくわけでございますし、また、先般の、昨年の選挙において、使い道を変えると同時に、幼児教育の無償化を来年の十月から、そして、再来年からは真に必要な子供たちに対する高等教育の無償化を行っていくということをお約束しているということは、これは重たいものである、このように考えております。
○小川委員 総理は、時々法律で決まっていることを狂気で乗り越えるので、だから聞いているんですけれども、今は最終判断と受けとめました。それは受けとめました。新しい判断はないということをぜひ、その前提で、野党は野党でしっかり準備をしたいと思います。
それからもう一点、後藤委員の指摘で大変重要な指摘がありました。これは、国民、立憲、連携して質疑をしているわけですけれども。
片山大臣、私も離れ小島から来ているんですけれども、これはもう逃れられないんじゃないですか。私設秘書の記章を交付したということは、これはもう逃れられないと思いますよ。それから、十二月から裁判が始まる、これは公務に支障を来すじゃないですか。
潔く、みずから一連のことを認めて辞任されるのが最善だと思います。御本人にとっても日本国にとっても最善だと思います。御答弁を求めたいと思います。
○片山国務大臣 お答えいたします。
まず、お尋ねの、週刊誌報道によりお騒がせしている件については、大変申しわけなく思っております。
先ほども申しましたが、私設秘書には法律上の定義はございませんが、私が指摘をされ名誉毀損を訴えているのはあっせん利得でございまして、あっせん利得につきましては、私設秘書は、その国会議員に使用されており、かつ政策を補佐するものとなっております。そういった観点から、私どもの訴状には、雇用関係、給与の支払い、それから命令関係を明記しているわけでございます。
他方、私どもの、この指摘をされました週刊誌が十月十八日に出る前に質問があり、私どもは、外形的に確かに参議院の通行記章を、この案件が始まる前、一五年五月までは出しておりましたので、一五年五月に切れておりますが、一五年五月までは出しておりましたので、そのことを配慮して、私設秘書であった期間をその雑誌に対して一五年五月までとお答えしておりまして、それは公表されておりまして、何ら隠していることはございません。
いずれにつきましても、与えられた職務を粛々と、きちっと果たしてまいりたいと思っております。
○小川委員 これは今後も引きずると思います。
総理にもお聞きしておきます。
任命権者は総理であります。今私が申し上げた趣旨からすれば、内閣を守るためにも、また日本の政治を適正化するためにも、一刻も早く罷免、更迭すべきだと思いますが、総理の答弁を求めます。
○安倍内閣総理大臣 閣僚の任命責任は、もとより内閣総理大臣たる私にあります。
その上で、政治活動については、内閣、与党、野党を問わず、一人一人の政治家が、国民に不信を持たれることのないように、常にみずからが襟を正し、説明責任を果たすべきものと考えております。
○小川委員 質問に答えてください。私は更迭、罷免を求めました。
○安倍内閣総理大臣 片山大臣におかれては、ただいまも答弁をしておりましたが、しっかりと説明責任を果たし、同時に、与えられた職責をしっかりと果たしてもらいたい、このように期待をしております。
○小川委員 残念な答弁でございます。
総括質疑ですので、ちょっと補正予算についても聞かせてください。
皆様のお手元の資料が、大変、白黒で恐縮です、申しわけありません。それこそ資金的に十分であれば、カラーコピーしてごらんいただくんですが。
私、今回、これも後藤委員の指摘に関連してなんですけれども、総理、二〇一二年の十二月に第二次安倍政権を発足されています。それで、その後、累次にわたって補正予算を組んでおられるんですが、当初のころは私も野党ながら驚いていました。これだけ剰余金と、そして税収の上振れというものが出るものなのかと。総理が盛んにアベノミクスの果実、果実とおっしゃっていることも、もちろん野党として批判的には見ていましたが、これだけ収益が出るんだなというのは率直に驚いて見ていた部分があります。
しかし、累次にわたって補正予算を組むにつれて、どんどん税収増・剰余金は減り、一方、減額補正をしたときが典型だったと思いますが、その後、借金頼みの補正に先祖返りしているわけなんですね。
これは、総理、アベノミクスの行き詰まりなりを典型的に示していると私は思いますが、総理、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 これは、税収が伸びていないということではなくて、今年度の税収も六十兆円に近づく、六十兆円を超えて、いわば過去最高に近づきつつあるわけでございますし、地方税収も過去最高、四十兆円を超えているわけでございまして、今後も、しっかりと経済を成長させ、税収も安定的にふえていくように、アベノミクスを更に加速し、充実をしていきたい、このように考えております。
○小川委員 少々伸びているのは事実なんですよ。しかし、昔は思ったよりはるかに伸びていたわけですね。それが失速していることは、これもまた事実なんです。
そして、私、今回所信で総理が述べなかったこと、言及しなかったことで驚いたことの一つは障害者施策で、これは午前中指摘しました。そして、大島議長の、何らかの、問題意識に対してもお答えになるべきだったと思います。
そして、もう一つ驚いたのが、総理は初めて所信の中でアベノミクスに触れなかったんですよ。アベノミクスのアの字も言わなかった。過去、調べましたが、事実上初めてです、これは。
やはり総理御自身が、この間、日銀も物価目標を引き下げましたよ。借金はふえる一方です。日本の国債は半分近く日銀が持っています。物価は思うように上がりません。賃金も思うようには少なくとも上がりません。そして、日本の名立たる大企業の大株主が日銀と年金資金になっているという異常な事態もあります。
それこれ含めると、やはり今おっしゃったような楽観的な答弁じゃなくて、本当に構造問題に取り組まないとどうしようもないということは、この国の総理大臣としてもう少し真摯にお認めになった方がいいと思いますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 物価安定目標については、これは達成していないのは事実でございます。
ただ、物価安定目標を設けていくというのは、もちろんそれは一つの目標ではございますが、同時に手段でもあるわけでございまして、大切なことは、実体経済で一番大切なことは雇用でありまして、雇用においては、雇用がやはり一番大切だということは、いまだに就職氷河期の人たちが大変苦しんでいるということでありますし、収入ベースでもなかなか上がっていかないというのが現実でございます。そういう皆さんにとっては再就職の機会もなかなかなかった、正規へのということであります。
ですから、いかに雇用をつくっていくかということが大切かということではないかと思うわけでございますが、ことし四月に高校、大学を卒業した皆さんの就職率は過去最高レベルになっているということはとても大切なことであろう、こう思うわけでございます。
我々の経済政策は間違いなく実体経済に働きかけているわけでございますし、日本銀行がとっている金融政策においても、これは雇用についてもしっかりと着目をしていただいている、こういうふうに私は思っているところでございます。
もちろん、経済政策にはさまざまな側面があるのは事実でございますが、しかし、ではこの政策をやめてしまえということであれば、それは、それによって経済がこうむる打撃の方が圧倒的に私は大きいんだろう、こう思うわけでございますし、この政策をとっていなければ、これはもう日本の経済がいわば非常に厳しい状況になっていたのは間違いないであろう、こう思う次第でございますし、いわば、新卒を迎える学生の皆さんもあの厳しい状況が続いてきたということになったかもしれないわけでございます。
そういう意味においては……(発言する者あり)なった可能性の方が私は高いんであろう、こう思っていますよ。
ですから、そういう意味では、我々がこうした経済政策を進めてきた結果、しっかりと皆さんが、働きたい人が働けるという状況をつくり出すことができているわけでありますし、それは今も続いているということではないかと思います。
○小川委員 総理、やはり、いいところをよくおっしゃるのは結構なんですが、例えば有効求人倍率が逼迫しているのは事実ですよね。それはアベノミクスの成果だとおっしゃりたいんでしょう。が、一方で、外国人を入れなければならないほど人口減少、少子化で、人手不足は深刻だ。これはセットの話じゃないですか。
それを、きちんと両方をわかっている、簡単じゃないんだ、今の状況はというメッセージであれば私も随分安心して聞くんですが、そういうところに総理の、もうちょっと思慮深さとか幅の広さとか奥行きとか、そういうものを私は、やはり日本人ですから、日本国の総理大臣には求めたい、心からそう思います。
そして、ちょっと時間の範囲内で私も。歳出は災害です、この補正予算。歳出は災害。異存はありません。しかし、遅きに失しているという批判は野党の側から当然あるわけです。
加えて、初動段階。ちょっとこれは一言、蒸し返すようで恐縮ですが、けじめをつけさせてください。
まさに豪雨被害が深刻化する前日に、それは総裁選挙だか何だか知りませんが、中に、閣僚になっている人たくさんいますね。
まず、石田大臣。今週ですか、あれはあれでよかったんだという御発言をされたということが報道にのっていますけれども、石田大臣、ちょっと、二百二十四名の犠牲者、死者、八名の行方不明者、そして二万戸近い住宅、全壊した人もたくさんいます、その方々に対して、同じ発言をするか、その方々を思えば、撤回して謝罪するか、いずれかで結構です、答弁してください。
○石田国務大臣 実は、先日私が申し上げましたのは、ある議員のパーティーに行かせていただいて、それで、その議員さんと私との関係は余りなかったんです。ただ、彼は赤坂自民亭によく来ていただいていたんですね。この赤坂自民亭というのは、我々が政権復帰して、そのころから始めているんです。
それで、それはどういうことで始めたかといいますと、私も始めた発起人の一人なんですけれども、それはどういうことで始めたかというと、一年生議員の皆さんと大臣とかとの、そういう交流の場をぜひつくりたいということでやったわけです。そういうことで、この赤坂自民亭自体の趣旨は悪くないですよと。
ただ、当日、あの警報が出ている中でやることについてよかったかどうかということなんですけれども、それについては、我々の仲間ももう既に答弁もしていますけれども、ああいう大きな被害になるという想定はその時点でできなかったわけでありまして……(発言する者あり)
○野田委員長 御静粛に、御静粛に。
○石田国務大臣 それは大いに反省をして、そして、これからのいろいろな場面に生かしていかなければならない。
そのことによって不愉快な思いをされた方々には、非常に申しわけなかった、そういう御批判は真摯に受けとめさせていただきたい、そのように思っております。
○小川委員 総理大臣からも一言下さい。不適切だった、不謹慎だったと。
○安倍内閣総理大臣 お答えする前に、先ほど、人口が減少しているから有効求人倍率が伸びているかのごときの御発言があったけれども、それは全く違うわけでありまして、人口減四百五十万人……(発言する者あり)
○野田委員長 御静粛に。
○安倍内閣総理大臣 皆さん、こんなとんでもない経済学を信じているとはとても信じられませんが、国会議員の皆さんが。そんなことは全くないわけでありまして、人口がどんどん減少していけば、仕事もなくなっていくんですよ、消費者も減っていくんですから。これは当たり前じゃないですか。
そうではなくて、人口が減少していきますが、絶対数として職の数がふえているんですから。絶対数として職の数がふえているんですよ。職の数がふえていなくても、職の数もふえていなくても、いわば有効求人倍率が上がっているんだったら別ですよ。職の数、絶対数がふえていますから。就職の数がこれはふえているわけでございまして、二百五十万人分新たにこれは創出をしたわけですよ。
四百五十万人生産年齢人口が減少しているというのは、基本的に成長にはマイナスですよ。これは当たり前なんですよ。人口が減少していくということは、消費者も減っていくわけでありますから、例えばお店で買う人も減っていくんですよ。そのお店自体がなくなれば、そのお店で働く職もなくなっていくということなんですよ。
ですから、人口減少というのは、そういう意味では職に対してもマイナスに作用しますから、人口が減少していくから自動的に有効求人倍率が上がっていくという考え方、これは間違っているということははっきりと申し上げておきたい。
しかし、実際に景気がよくなっておりますから、景気がよくなっている中において、人手不足が生じている中において、我々は、その対策のためにさまざまな対策は既にやっているわけですよ。生産性を上げていくという対策もやっていますし、また、その中で、女性のいわば働き手も二百万人ふえてきたわけでありまして、そういうこともしっかりとやりながら、今回は外国人材を活用していこうという政策をやっている。
こういうのを全くやっていないのであれば、委員の御指摘ももっともでありますが、こういうことをやっている上において私は述べているということを申し上げておきたい、こう思う次第でございます。
それでは……(発言する者あり)いや、いろいろな質問がこっちから出るものですからね。
○野田委員長 お答えにならなくていいですから。
○安倍内閣総理大臣 はい。
それでは、御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
ここ数年の気象状況を踏まえて、本年六月に、官邸に大雨に関する情報連絡室を設置しました。継続して情報収集を行うとともに、その翌日に開催された中央防災会議においても、私から、梅雨末期の大雨による災害への対策を関係閣僚に指示するなど、大雨による災害に備えてきたところであります。
そこで、今まさに、実質、防災対策に実質にどういう影響があったのかという意味も含めての御指摘だろうと思いますから、ここは正確にお答えをしていきたい、こう思っております。
平成三十年七月豪雨に際しては、七月五日に、気象庁が記録的な大雨となるおそれがあると発表した直後に小此木防災大臣出席のもとで関係省庁災害警戒会議を開催し、そして、政府全体として必要な警戒態勢をしき、その後も被害の拡大を想定して……
○野田委員長 総理、簡潔に御答弁をお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 政府の対応体制を拡大するなど、いかなる事態にも対応できる万全の体制で対応に当たってきたところであります。対応がおくれたのではないかという御指摘は当たらないということははっきりと申し上げておきたい。(小川委員「そんなこと聞いていません」と呼ぶ)これが一番大切なことなんです。
実際に……(小川委員「同じぐらい大事です」と呼ぶ)同じぐらいですか。対策がおくれるということは、その程度なんですか。
○野田委員長 私が指名してからやりとりをお願いします。
○安倍内閣総理大臣 そうではないんですよ。これは、やはり対策が実際にできていたかどうかということについて今申し上げているところでございます。
○小川委員 対策をとられるのは当然であり、必要なことです。しかし、こういう形、これは私、西村副長官の罪も重いと思いますよね。それから片山大臣。こんなことを軽率にインターネットに上げるような状況ですか、当時。それも含めて、二重に私は反省を求めたいと言っているわけです。
総理大臣、なぜ、このことで一言、一言、不謹慎、不愉快にとられた方もいると思う、わびたいと思うと、なぜその一言を言えないんですか、総理大臣。
○西村内閣官房副長官 お答えを申し上げたいと思います。
御指摘の私のツイートにつきましては、被災者の方々などにこれは不愉快な思いを抱かせた、このことは私は大いに反省をしているところでございます。
ただ、その上で申し上げれば、今総理からも答弁がございましたように、当日、政府では、小此木大臣のもとで関係省庁の災害警戒会議を開催して、万全な警戒態勢を確保していたというふうに認識をしております。
○小川委員 それならそれでいいんですが。
総理、お願いします。こういうことで心証を害したり、不愉快な思いをおかけした人はいると思います。一言、単純なことをお願い、聞いているわけですよ。
一言、不謹慎、軽率であり、一言おわびしたい、それだけ言ってください。
○安倍内閣総理大臣 私どもの仕事は国民の生命と財産を守ることでありまして、それに対しては適切に対応してきております。
○小川委員 大変残念です、総理、本当に。
もちろん、政治ですから、政策なり法律なり、これが大事なことは当たり前のことだと思います。しかし、何というんでしょう、午前中の障害者の件もそうですが、人心を治め、国を治め、これもまた為政者の重要な仕事じゃないですか。
総理、私、念のため持ってきたんですよ。安倍政権は道徳を教科化したでしょう。私、これは反対です。しかし、やった。それで、今、教科化して生徒は評価されているんですよ、それぞれの道徳姿勢はどうかと。ね、柴山大臣、そうでしょう。これは小学校一年生の道徳の教科書、正直な心で、ごまかしをしないで。小学校三年生、素直に謝る心。
小学校一年生、三年生がこの審議を見ているとちょっと想像していただいて、もう一回だけお願いします。
こういうことが軽率にも、悪意があったかどうかちょっとおくとしましょう、軽率にも社会に流出し、その後、二百人以上の方が亡くなり、家を失い、なお行方不明者がいる状況の中で、やはりこの国の総理大臣として、より脇を固め姿勢を正しする責任のある為政者として、不愉快な思いをおかけした人がいたとしたら一言おわびしたい、それだけで結構ですから。お願いします。
○安倍内閣総理大臣 これは、皆さんはこうしたことをいわば政治的に私は利用されているんだと思いますよ。
やはりこういう場においては、果たしてしっかりと対応できているかどうか、対応できていないのであればどうすべきかということを私は議論すべきなんだろうな、まさに実質を議論することが大切なのではないか、このように思っております。(発言する者あり)
○野田委員長 お静かに。
○小川委員 私は、そう思いません。本当に、人心を治めつつ、政策を実行する、その両輪そろってこその、この国の為政者だと思います。
もう時間がありませんし、私も、これは本当に心を鬼にして質問をするつもりでした。この安倍改造内閣はもう何回目になるんでしょうか。過去、改造そのものに対する評価が五割に迫ったこともあるんです。今回は、居並ぶ閣僚の皆様を前に申しわけないんですが、二割ですよ、物によっては。
非常に、総裁選の結果、そして沖縄の選挙結果、いろいろなことがあったでしょう。総理は、今までに比べると、派閥の意向を酌み、順送りで人事を行い、みずからの本意だったかどうかわかりませんが、最終的に国民にツケが回りかねない人事を行った。そういう責任が私はあると思います。
そして、既に、きょう本当は一人一人聞きたかった、政治資金問題、失言等々で、複数の閣僚の皆さんに対して国民から疑念の声が上がっています。本当は一人一人聞きたかった。聞きたかったですが、最後、総理大臣に聞いて、終えたいと思います。
やはり、この改造内閣における、片山大臣、筆頭格だと思いますが、十二名の新入閣の皆様、今後も、政治資金、そして発言、極めて慎重に、心して職務に当たっていただく必要が当然あるわけであります。ということとあわせて、この出足でさまざまな問題が物議を醸している。任命権者として、安倍総理大臣の見識をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 任命権者、いわば任命責任は任命権者である内閣総理大臣たる私にあるわけでございます。
今回は、適材適所という観点から、また全員野球でしっかりと政策を前に進めていくという観点から、それぞれ大臣を任命させていただいたところでございまして、皆さんしっかりと結果を出していただきたい、このように期待しております。
○小川委員 途中、政治利用というお言葉もありましたけれども、野党の立場から、やはり政府のあり方、政権のあり方、そして政治家の資質、これを厳しく問うていくのは、これは私たちなりの職責です。
そして、それを前提に与党側も、特に閣僚の皆さんには……
○野田委員長 小川さん、質問時間は終了しております。
○小川委員 委員長に言われましたので、即退きたいと思います。
しかし、審議時間が全く足りないと思います。引き続き集中審議等々要求をして、質疑を終えたいと思います。
ありがとうございました。
○野田委員長 これにて小川さんの質疑は終了いたしました。
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