民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2018年2月22日総務委員会)〜

○古屋委員長  次に、小川淳也君。

○小川委員  希望の党の小川淳也です。

 徹底的に闘う野党でありますので、誤解なきようにお願いを申し上げたいと思います。

 冒頭、奥野副大臣にあえてお礼を申し上げたいことがあります。

 昨年の暮れでした。大変お忙しい中、私ども、ある議員連盟で地域交通を支える活動をしています。その要望時間のお時間をいただきました。そこで要望した、JRを中心とした地域交通の配慮措置を継続いただく措置、今回の地方税法の改正案に盛り込んでいただいております。このことをお礼を申し上げます。

 同時に、野田大臣は政務御多忙ということでお時間いただけなかったんですが、ことしも固定資産税の配慮措置の議論がやがて出てまいります。北海道や四国を中心に地域交通がかなり厳しい状況にあることは既に議論があったとおりでございまして、ぜひ、野田大臣、お忙しいとは思いますけれども、こうした活動にも与野党を超えてお力添えをお願いしたい、冒頭このことを申し上げます。

 それから、もう一点、先ほど吉川委員の質疑の中で、特会の借入れの償還の議論がございました。副大臣からは、明確に、今後も償還を続けていくという御答弁があった。

 野田大臣、このことなんですが、実は、初めて返し始めたのは、特会の借入れです、政権交代時なんですね、〇九年。私、担当政務官でして、返したいと言ったんですよ。その気持ちを受けとめてくださったのは、今ここにおられる黒田財政局長です。検討して、一千億ずつからでいいと。三十兆ありますから三百年かかるんですよ、一千億ずつ返しても。それでも返そうと。それまでは毎年法改正して、ゼロ償還を繰り返していました。武士の一分です、まさに。

 総務大臣がかわるたびにこれだけちょっとお聞きしているので。今後も、私、四千億とか一兆とか無謀な数字は、法律上、今置かれていますけれども、これはできないと思います。一千億でいい、三百年かけていいと思います。しかし、今後も償還をちゃんと進めていくと、先ほど奥野副大臣のお言葉がありましたので、野田大臣、一言聞かせてください。

○野田国務大臣  お答え申し上げます。

 奥野副大臣と私は心一つでございますので、副大臣がおっしゃったことは私が思っていることと御理解いただければよろしいかと思います。

 もう一つ、黒田局長とのお約束ということでしたけれども、私も大臣になってから黒田局長と御一緒に仕事をさせていただいており、その誠実な取組、うそのない仕事には敬意を表しているところです。

 政務官として始められたこと、約束をしっかり守っていくことをお約束しますし、また次にもつないでいけるよう、総務省の中でそういう運びをしていければと思います。

○小川委員  余計なことですが、私、自治省入省当時、係員だったときに、黒田先輩は課長補佐で、最前線の指揮官でいらっしゃって、誠実なお仕事ぶりはもちろんでありますが、極めて有能、能力の高い、後輩の私が申し上げるのもなんですけれども。それから、そこにいらっしゃる諸先輩方は皆さんそういう方ばかりでございまして、本当にいい人材に恵まれてお仕事をされているんだろうと想像をしております。

 それから、敬愛をいたします古屋範子委員長に一つお聞きしたいことがあります。

 残念ながら、昨年までは、一昨日行われた大臣所信の質疑、野党の審議時間が四時間半でした、与党が三十分でした。一昨日は野党が三時間四十五分、与党が一時間十五分。そして、地方税法の改正案に対する審議時間ですが、きょう、たまたま野党だけやっています、朝から七時間。来週どうするのか知りません。理事会の現場で、武内、奥野両理事は奮闘していただいていると思いますが、これはなぜ野党の質疑時間を減らすんですか、委員長。

○古屋委員長  質疑時間につきましては、与野党でさまざまな議論があったということを伺っております。

 しかしながら、質疑時間の配分につきましては、与野党また各会派間の間で協議をし、そして理事会でお決めをいただいていることでございます。その質疑時間、またその配分につきまして、委員長としてお答えする立場にはないのではないかと考えているところでございます。

○小川委員  現場で、とにかく武内、奥野両理事は奮闘されているでしょうから、そのことには敬意を表したいと思います。それから、与野党間の理事間でいろいろ議論はあるでしょう。

 しかし、委員長、総務委員会の運営に関する最終の決裁権者ですから、理事会での協議事項とはおっしゃいますが、そのことは一たび胸にとどめていただきたい。

 昨年の国会以降、この野党の審議時間を減らすということは何か既成事実のようになっていますけれども、日本の国会は与野党相まって政府と対峙しているんじゃありませんよ。内閣の任命権限は、議会多数派たる与党の皆さんにある。罷免権限もある。

 そして、この法案審議。現在、予算委員会で審議されている予算案。与党内の審議を経て、オーケー、ゴーサインを出して、慣例により、それを受けて政府は国会に提出している。

 私ども野党は、与党はこれだけの議席を持っていますが、絶対得票率は二〇%ですからね。全国民の十人に二人です。それだけでは酌み尽くせぬ民意を私たちは酌み取ろうと努力をしています。したがって、提出された予算案や法案について、この場で、ニュートラルではありません。批判的立場から検証を重ね、それにたえ得るものかどうか吟味をし、そして必要な修正点を議論し、賛否を明らかにし、物によっては成案となり、物によっては廃案となり、物によっては修正され継続審議となっていく。

 したがって、委員長、私申し上げたいのは、与党の審議時間をふやすことに反対ではないんですよ。それは総審議時間を拡大して、幾らでもそれは確認したいこともあるでしょう。新人の活躍の場が必要だという議論もあっていい。しかし、それは、野党の審議時間を削ってそこに与党の審議時間を入れるということ自体、日本の議院内閣制にとってふさわしくない。

 委員長、この間の二度、この国会で行われた総務委員会の審議、来週以降もあると思いますが、前例とはしないと、先ほど理事間の協議だとおっしゃいました。前例とはしないということは委員長の職責において、権限において、一言明言してください。

○古屋委員長  繰り返しになりますが、質疑時間につきましては、各会派の協議で、理事会で決定をしている事項でございます。質疑時間について御意見があるとすれば、御党の理事を通して理事会で御協議をいただきます。

○小川委員  理事会は非公開ですから、武内、奥野両理事にはさらなる御奮闘をお願いしたいと思いますし、また、委員として援護射撃するのは当然じゃないですか。だと思いますよ。私の言っていることが筋道が間違っていたら、委員長、おっしゃっていただいたらいい。そのことは厳しく指摘をし、今後の委員会運営について御配慮をお願いしておきたいと思います。

 それから、地方税法等の中身に入る前に、昨年の衆議院選挙以降、私初めての発言の機会ですから、野田総務大臣の基本的な政治姿勢等について、あわせてお聞きしたいと思います。

 まず、野党の立場からいえば、野党自体もふがいないですよ、本当に。国民の皆様に対して申しわけないと何度思ったかしれない。

 しかし一方で、この五年にわたる安倍一強という体制の息苦しさや閉塞感は、非常に、これは与野党を超えて場合によっては感じているんじゃないですか、霞が関も含めて。

 そういう中にあって、たった一人果敢に、安倍総裁に、反旗とは言いません。時に異を唱え、反安倍と非安倍とどう違うのかわかりませんけれども、総裁選にチャレンジしようとし、そして私生活においてもさまざまなことを抱えながら闘っておられる野田聖子という政治家は、私は好きですし、見事だと思います。

 しかし一方で、ちょっと確認したいのは、やがてこの秋自民党の総裁選挙がやってくる。ことしこそ出馬されるんだろうと思いながら外野から拝見しています。そういう野田大臣の姿勢に一筋の光を感じる一方で、私は少なからぬ違和感も感じている。なぜ、総裁選出馬の意欲が本気であるなら、総務大臣という職責を受けたのか。総務大臣就任後、なお自民党総裁選への出馬を明言されるのはなぜなのか。一体、総裁選出馬意欲は現時点においてあるんですか。その場合、何が対抗軸なんですか、何が対立軸なんですか。

○野田国務大臣  御質問ありがとうございます。

 ここは総務委員会の場で、総務大臣としての答弁が最優先されるので、私一国会議員の思いというのをここでとうとうと述べることは野党の皆さんに申しわけないと思います。

 ただ、申し上げたいのは、大臣を就任したからといって、総裁選に出てはいけないというおきてはこの自由民主党にはありません。ですから別に違和感はありませんし、また、総裁選に出るに当たって、必ずしも対立をしなければならないということでもないと思います。むしろ自民党というのは国民政党で、さまざまな国会議員が選出されてきます。多様性を重んじて、開かれた政党ということを標榜している中で、私からすると、若干女性の活躍が足りていないな、そういう思いの中で独自の活動をしてきたところです。

 それで御理解いただければと思います。

○小川委員  総務大臣の職責にかかわるから聞いているんですね。

 安倍内閣として、閣内一致が求められる政権運営、政策課題、政策目標、そして政治の運営が行われている。その主要なプレーヤーたる総務大臣が総裁選に出馬表明を早々になさるというのは、オーソドックスな事態ではありません。これが野田聖子という政治家だから許されるのか。将来を嘱望され、女性初の総理候補、総裁候補という、誉れ高く、そして知名度、実績においても申し分ない存在なんでしょう。

 これは安倍内閣の閣僚、何人いるんですかね。二十人ぐらいいらっしゃるんですか。みんながみんな、俺も出る、あれも出る、これも出る、総裁選にですよ、そんなことを言い続ける状態はあり得ないでしょう。これは野田聖子だから許されるんですか。それとも、国会で言えないなら、何で外で言うんですか。一月十六日の東京都内の講演、なぜ国会で言えないことを外で言うんですか。外で言ったことを国会で言えないというんですか。

○野田国務大臣  お答えいたします。

 実は、参議院の総務委員会でも同じような御質問をいただきまして、外で言っていることと同じことを答弁いたしました。

 野田聖子だからというよりも、閣内一致というのは、やはりそこに至るまでのプロセスがあります。会議があったり、又はバイであったり、さまざまな、非公開であったり公開であったり、そういう場で議論するわけですね。

 先ほど議論のありました基金についても、これはやはり財務省と総務省の意見が対立しているところでありますけれども、経済財政諮問会議等の議を経て、そしてやはりしっかりと官邸にそれぞれの立場を申し上げて、結果として今があるんだと思っていますから、閣内一致というのは、閣議決定のその段階で賛成をしないということだと思うんですけれども、それまでの間に私たちができる、私ができることはたくさんあって、それで、そこにコンセンサスを求めていくということが大臣としての仕事かなと思います。

○小川委員  結論の出る話ではありませんが、まず閣僚全員が俺も出る、あれも出る、これも出るという状況はあり得ませんよね、安倍内閣の運営において。野田聖子だから許されることもあるのかもしれません、政治的には。しかし、そのことに御自身が厳しい姿勢を持っておられる方が私は望ましいと思いますよ。出過ぎたことを申し上げているようですけれども、あえて申し上げます。非常に、希望と同時に少なからぬ違和感を感じています。

 それから、同時に、政治資金について幾つか聞かせてください。

 一部から、大臣、二年前ですか、三年前ですか、お父様を亡くされていらっしゃるのは。その点に関しては、本当に党派を超えて、心より哀悼の意を表し、また御冥福をお祈り申し上げたいと思います。

 その上で、これは一応お聞きしなければなりませんのでお聞きします。お父様から相当額の政治献金がこの間なされてきており、しかも、それはお亡くなりになる直前になって相当な金額に膨れ上がっているという一部の指摘がございますが、これは事実でしょうか。そして、総額は幾らぐらいになるんですか。

○野田国務大臣  今御指摘のように、私の父は平成二十七年に亡くなりました。生前、私の関係政治団体において父から寄附を受けていたところです。

 政治資金規正法において、個人から政治団体への寄附は一定の制限の範囲内で行うことが認められております。

 父からの寄附も、全て関係法令に基づいて適正に行われてまいりました。

○小川委員  総額はわかりますか。

○野田国務大臣  済みません、事前にお尋ねいただいておりましたか、その質問について。でなければ、また後日、調べてお答えはできると思います。

○小川委員  四日前に、御尊父からの政治献金について聞きますということを四日前に通告しました。

 それで、どういうことですか、金額を聞きますとか、一々質問事項を起こせということですか。それはちょっと不親切じゃありませんか。

 今直ちにわからないなら、後ほど、委員会、理事会に資料提出を求めたいと思います。委員長。

○古屋委員長  後刻、理事会にて協議をいたします。

○小川委員  では、確認がとれませんので、一部報道の指摘も含めてお尋ねしますが、確認できるだけで八千万を超えるという指摘があります。

 当初は、いわゆる一政治団体に対する寄附制限額である百五十万円を意識した献金が行われている。しかし、お亡くなりになる少し前から、政党支部を含めた、総額規制というのですか、年間二千万の寄附が行われているというのが一部の指摘です。それが事実だとすれば、これは、事実上、贈与税の課税回避であり、相続税逃れだという指摘があることはやむを得ない、あり得る指摘だと思うんですが、大臣、この点はいかがですか。

○野田国務大臣  お答えいたします。

 今御指摘の、父からの寄附が贈与税又は相続逃れの節税策ではないかという報道があったことは十分承知しております。

 しかしながら、これらの寄附は、ゆえあって、私の両親は私が十六歳のときに別れました。以来、母子家庭で育って今日になるわけですけれども、そんな家族の関係が疎遠であったわけで、父が私の政治活動に、静かに応援する趣旨で長らく続けてくれてきたものだと受けとめています。亡くなる直前に政治献金、その場だけいただいているわけではなく、ずっと長きにわたって私の活動をそういう、間接的に支えてくれたのだと思っています。

 ですから、そういうことを思えば、贈与税とか相続税対策のために政治献金を節税策として使ったという指摘には私は当たらないと思っています。

○小川委員  形式上、政治資金収支報告に上がるわけですから、形式上は政治献金であることは疑いありません。

 しかし、課税の実態というのは、いわゆる実質主義と言われているようでありまして、形式に実態が伴っているのかということは極めて重要です。だからこそ、時に査察や税務調査が行われ、形式上、会計帳簿上、整理されている数字と実態とが符合しているのかどうかに関して厳しく審査が行われる。そのことによって、ある意味、納税の信頼感や公平感が社会的に担保されているという背景があります。

 その前提で、やはり尋常な額ではありませんから、総額で八千万円というのは、確認できるだけで。純粋に言えば、政治家野田聖子に対する政治的共感、政治的支援によって行われることが望ましい。しかし、娘がかわいいから、娘に資金譲渡をしたいという実態が多少なりともある場合、そこはまさに、法律の実質主義からして疑義が生じることはやむを得ない。

 野田大臣は、税法と政治資金規正法の所管大臣です。その意味では、より厳しくこうしたことに対しては、ある意味自制が求められる立場であり、加重された説明責任を負った立場であるということも踏まえていただきたい。ここは法律論争、司法認定する場ではありませんから、この程度にとどめたいと思いますが。

 加えて、私自身ちょっと拝見したところ、野党議員の中には年間四百万円のガソリン代で大変な追及を受けた議員もいます。そのうちの半額ぐらいは事務所の詐欺行為だったという形で、一応の整理がなされているようです。

 野田大臣のガソリン代、拝見すると、毎年約三百万円。これは車の車種にもよると思いますが、当時よく言われたあれでいうと、地球五周から、燃費のいい車だと恐らく十周ぐらいできるんでしょうね。大臣の選挙区は岐阜一区ですから、どう考えても、全国の数ある小選挙区の中で、恐らく一番狭いぐらいの選挙区でしょう。ちょっと違和感を感じます。これはもう、指摘にとどめる部分も含めてお許しをいただきたいと思いますが。

 それから、もう一つは慶弔費です。慶弔費に関連して、少なくとも資金管理団体含めて、慶弔費が見当たらない。

 私自身の名誉にもかかわるので、ここをちょっと質問なんですが、私自身は、政党支部で慶弔費、最低限の交際費を計上したことを一部メディアから指摘を受けました。

 ここが非常に難しいところなんですが、政治資金収支報告を見る限り、恐らく野田大臣は、こういった慶弔費については、私費で賄われているんだろうと思います。が、これは公職選挙法違反ですよね、私費で賄うことも含めて。それだけちょっと確認させてください。

○大泉政府参考人  お答え申し上げます。

 制度についてお答え申し上げます。

 公職選挙法は、それぞれ寄附制限を設けておりまして、それぞれの主体別に規制があるところでございます。一つは公職の候補者等の寄附制限、それから、政党支部を含めた団体の構成員であるときの寄附制限、それぞれございます。

 それで、公職の候補者等についての寄附制限は百九十九条の二というところでございまして、これは、政党その他の団体に対するものとか親族に対するものを除きまして、「当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。」ということで書いてございます。これは、香典の供与等についても同様でございます。

 一方、公職の候補者から選挙区内にある者に対する寄附の罰則につきましては、平成元年の公選法の改正前は、選挙に関するもののみ罰則がある、あるいは、通常一般の社交の程度を超える寄附について罰則がございましたけれども、平成元年の改正で、一般的に寄附に罰則がかかっているということでございます。

 一方……(小川委員「いやいや、答弁、簡潔に。もうそれで結構です」と呼ぶ)いいですか。政党支部の方については、選挙に関するもののみ罰則がかかるということは残っておるというところでございます。

 ただ、公職の候補者についての罰則につきましては、葬式にみずから出席し、その場においてする香典、あるいは、葬式の日までの間に弔問し、その場においてする香典につきましては、罰則の対象とならないということとなっております。

○小川委員  大臣、今お聞きになられましたか。つまり違法なんです。違法だけれども罰則がないんですよ。そこをはっきりさせてくれと聞いているんです。公職選挙法の担当大臣……(発言する者あり)いや、だから、そういう誤解をしている議員が多いから確認しているんですよ。香典の供与なりは公職選挙法百九十九条の二に違反するんです。違法なんですよ。ただし、罰則がない。罰則はかかっていない。

 そこが、野田大臣、公職選挙法の残酷なところなんですけれども、罰則がないから、違法だけれどもどんどんやれよということなのか。それとも、私は違法行為が嫌なので、政党支部は氏名表示、氏名類推を避け、そして選挙に関連しているという推定を避け、極めて慎重に寄附行為を行った場合には合法である可能性がある。

 したがって、いや、これは与野党問わず本当に悩ましいことなんですよ。それは私もよく理解している。違法だけれども罰則がないから個人でやるのか。それとも、合法の可能性を追求し、氏名表示、氏名類推を避け、政党等の団体行為に限定するのか。これは極めて悩ましいところなんです。しかし、政党行為に限定した場合は資金収支報告で明らかになりますから、時としてそちらの方が信用毀損、心証毀損されかねないような報道にさらされるリスクがある。ここが公職選挙法の極めて残酷なところです、今、現状ですね。

 ですから、野田大臣、多くの方が誤解されているようですから改めて申し上げますが、違法なんですよ、個人による香典の供与は。しかし、罰則がたまたまない。したがって、頻繁に一般的に行われている。そのことを改めて、我々一同、心すべきであるということを指摘させていただきます。

 もう一点、女性活躍、男女共同参画担当大臣としてお聞きいたします。

 きょうも第一子予定だったお子様の命日であるということをこの場で御報告されるなど、本当にすごみのある対応でございました。そして、御長子が大変なハンディキャップと闘いながら成長をされているということの御労苦も、率直に申し上げて、閣僚、国会議員という仕事をしながら、そうした家庭環境を前向きに捉えて努力、活動しておられる姿勢には本当に頭が下がるといいますか、それすらも私には申し上げる資格がないとすら思います。

 本当にこれは、本当に心から健やかな御成長をお祈りをし、そしてどういう社会で、御長子が社会に出るころに、我々の責任においてどういう社会で社会に迎え入れるのか。そして、まさに親亡き後とおっしゃった。どういう社会が、包摂とそしてお互いの支え合いと信頼の中で社会を成り立たせていくのか。社会が傷んでいる今だからこそ、本当に大きな課題だと思います。

 そのことと、これは非情です、野党ですからきちんと質問します、御家族を連れて海外での御公務をこなされたということとを私は必ずしも混同視してはいけないと思っています。

 そこで、これは必ずしも追及でもなければ批判でもありません。御家族を同伴されて海外公務をこなされたということは、総務大臣たる野田聖子さん、野田総務大臣にとってどういう成果とどういう課題を抱えて帰国されましたか。

○野田国務大臣  いろいろ温かい言葉をありがとうございます。厳しい議員だと思っていましたので、大変うれしく思いました。

 フィリピンへの出張につきましては、まず私が行くことでどういう成果があったかというと、フィリピンのトップであるドゥテルテ大統領との直接の話合いの場、交渉の場を設けることができた次第です。

 私どもは麻生総理のあたりからずっとフィリピンとは友好的な関係を持っており、そこで日本の地上波デジタル、日本方式というのを世界じゅうに広げているんですけれども、なかなか受けとめていただけない国がある中、フィリピンというのは希有の国の一つでありました。

 自国が使うだけでなく他国に対してもPRしていただくということで、今後もやはり、日本のイノベーションをどんどん進めていく上で大変友好なパートナーということで、これは、奥野副大臣がいるので申しわけないんですけれども、仮に日本側が副大臣ということになれば、当然、ドゥテルテ大統領と直接の交渉、お話をすることができなかったと思っています。

 ですので、その責任も感じており、ややもすると、やはり女性というのは、ワンオペレーション育児と言われる中で、どんなに仕事を持っていても、共稼ぎ等々でいると、やはり子供がいるからということでチャンスを失している人はたくさんいらっしゃいます。しかし、それは本人のチャンスを失しているだけでなくて、企業なり組織なり、そこの損失でもあるわけですね。本来ならば第一人者が行くべきなのを、次善の策として違う男性が行くということで、そこの失うものは大きいのではないかと私は思うんです。

 でも、なかなかやはり女性たちからそういうことを、みずからのことを言い出せない中、私はもうずっとたたかれてきましたから、この政治の中で、私がやはりファーストペンギンになって、いろいろ批判がある中でも、次の時代、次の人たちが、そういう批判を受けずに、子供がいても何があっても、やはりしっかりと女性たちが仕事ができるような環境というのをぜひ残していきたいなという思いがあります。

 あと、前後しますけれども、息子のことをお気遣いいただき、ありがとうございます。本当に私もよくやってるなと自分で思います。きょうのこの総務委員会に向けても、朝四時に起きて、息子の用意をして出かけてくるわけで、気力だけでもっているような感じがします。

 でも、何でこんなに頑張るかというと、まさに小川委員がおっしゃった、私たちは、これまでのストックの中でどうにか人生を送れるかもしれないけれども、この後の子供たち、障害があろうとなかろうと、これだけの人口減少、これだけの少子化、これだけの高齢化、そしてさまざまな厳しいグローバル経済の中で、ちゃんと生きていけることができるかというのを大人たちはやはり不安に思わなくちゃならないと思います。

 幕末は、そういう志士の皆さんが、男性の皆さんが考えていてくれたとよく史実で言われているんですけれども、やはりこの時代は、私たち女性もしっかりと、母親としても大人としても、本当に子供たちにちゃんとした日本が残せるかということをやっていかなきゃならない。

 そういった意味で、今後とも、小川委員の厳しい批判にさらされながらも、やはり前へ前へと歩いていきたいな、そういうふうに思う次第でございます。

○小川委員  私は、これは冷静にちょっと聞いているところでして、公表日程をベースにお聞きすると、初日はドゥテルテ大統領に面会されています、夕刻。この後、夕食会があったのかどうかはわかりません。それから二日目は、三時四十五分の現地の副大臣との会談後、公式日程はありません。この日も夕食会があったのかどうかはわからない。

 ここは大変シビアなところなんですが、やはり閣僚の海外出張というのは非常に責務の重いものであり、また、国民に対して成果を残さなければなりません。それからいうと、今回の御家族同伴は、極めて大臣御自身の情緒的な安定やあるいは将来の女性の働く姿にとって貢献があったのではないかと想像する反面、一方で、総務大臣としての職責を国際社会において果たす、それに徹するという意味においては、一つのハンディキャップといいますか、重荷になった面もあるのではないか、そこを冷静に聞きたかったわけであります。

○野田国務大臣  まず、抜けている日程とすると、一月九日の夜は、大使との懇談会を持ちまして、フィリピンの情勢についていろいろと、よく御存じだと思いますけれども、そういう機会をいただきまして、相当遅く、どんどんずれ込みまして、たしかドゥテルテ大統領と会談を終えたのが相当遅い時間になって、結局、スタートが八時、九時ぐらいの会食になってしまったことを記憶しています。

 次の日は、こうやって公務をやった後、夜、リオ大臣代行との会食をセットしようと思ったんですけれども、夜、御都合がつかないということで、実は、一月十一日の朝の朝食兼懇談会というふうに日程をつくらせていただきました。よって、一月十日の夜は、そういう会合は持ちませんでした。ただ、記者懇とかそういうものをもろもろ入れて、大体ホテルの居室に戻ったのが七時半ぐらいだったと記憶しています。

○小川委員  大変非情な質疑者に映っているかもしれませんけれども、やはり、私一つ思いますのは、家族の事情というのは本当にさまざまなんですよね、どの家庭も。それは、見えるものもあれば、見えないものもあります。そういう中で、その人なりに、どう家庭とそして仕事、社会との接点を、バランスをとっていくのかというのは、それぞれの家庭なりに苦労があると思います。

 一方、やはり、残酷なようですが、総務大臣の職責というのは、重ねて、極めて重く、そして、なかなか生半可で務まるものでもない。そういう状況の中で、都度、本当に重ねての負荷になることは恐縮ですが、やはりそこらあたりの説明責任なり、あるいは成果と課題に対する御本人なりのシビアな評価なり、そういったものについては、職責の重さに鑑みて、改めて、なおざりにはしていただきたくない、そのことは申し上げたいと思います。

 済みません、大臣、インフルエンザはもう完治されているんですかね。私も、本当にちょっと風邪で体調が悪くて、申しわけない、ちょっと聞き取りにくい面もあろうかと思うんですが、最後に、地方税についてお聞きします、三分。

 その前に、私、ちょっとこの森林環境税は違和感があるんですよね。三十五年までせっかく復興関連の千円の住民税を国民に御負担いただき、三十六年からそれが衣がえして森林環境税になるということは、これは人頭税ですから、所得にかかわらず一律千円というのは極めて重い税のかけ方ですから、慎重であるべきだ。森林環境税には極めて大きな違和感を感じています。

 それから、お聞きするのは、もうこの一点に絞ります、基礎控除についてです。

 私の理解では、基礎控除は、当該納税者の最低生計費に係る部分、そこには租税は介入しないという、ある種の租税世界の理想論であり、理念であり、哲学であり、ある種の制度的な美しさが込められている制度が基礎控除。同様に、配偶者控除、そして扶養控除、これも基本的に、養うべき家族の最低生計費には租税は介入しない。そこには所得の多寡は関係ない。たとえ富裕層にも、億万長者にも、租税法上評価されるべき、しかるべき最低生計費というものがある。そういった考えを背景に存立してきた制度です。ここに所得制限を持ち込んで、配偶者控除からそうですが、所得再分配にこの控除、基礎的な控除を利用するということは、極めて制度の趣旨にもとる。

 その点、民主党政権のときは、森林環境税に関連して言えば、きちんと地球温暖化税を創設しましたよ。石油石炭税に上乗せをしてやった。所得再分配に関しては、きちんと最高税率を引き上げた。筋の通った対応をしてきています。

 このわけのわからない森林環境税を創設するぐらいなら、石油石炭税、地球温暖化対策税を増税すべきだ。基礎控除に所得制限を入れるような邪道なことをせずに、こそくなことをせずに、最高税率の引上げなり、ブラケットの見直しなり、正々堂々と正面から高所得者に負担を求めるべきだ。

 野田大臣、いかがですか。

○野田国務大臣  基礎控除の話ですが、他の控除と組み合わせ、一定の所得金額までは税負担が生じないという課税最低限を構成するものです。

 今、小川委員の御指摘のような考え方もあると聞きました。しかし、私、今総務大臣として、現行のお預かりしている所得課税については、制度上、いわゆる生計費に相当する額を非課税としているわけではなく、公的サービスを賄うための費用について、どの範囲の方に負担を求めるのが適当かといった観点も踏まえて基礎控除等を設け、一定の所得金額までは非課税としているところです。

 今回の見直しにおいては、基礎控除について、主要国、例えばアメリカとかイギリスの制度なども参考にして、人的控除の中で最も基本的な控除であることを踏まえつつも、高所得者まで税負担の軽減効果を及ぼす必要性は乏しいという指摘も踏まえ、所得が一定額を超えると控除額が逓減、消失する仕組みというのを導入いたしました。

○小川委員  まさにそこが本質的に議論のあるところで、やはり筋目の通った対応を重ねていくべきだということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

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