民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2017年2月15日予算委員会地方公聴会)〜

○小川委員  民進党の 小川淳也と申します。

 きょうは、四名の陳述者の皆様、ありがとうございます。

 私、実は二十年前に沖縄県庁で勤務をいたしておりまして、当時、小学生の女の子が米兵の暴行を受け、県民総決起集会には家内と二人で参加をいたしました。その後、普天間合意、返還合意がなされて今日に至っているということで、大変じくじたる思いを抱えつつ、ちなみに、その後生まれた娘には、ユウナの花からとりまして友菜と名づけて、それぐらい、第二の故郷というぐらいの思いで本日参っております。

 まず、富川、石嶺両陳述人にお聞きしたいんですが、トランプ政権誕生の受けとめについて、沖縄県政財界の受けとめについて少しお聞かせください。

 国会でも今この話題で持ち切りでございまして、日米関係はもとより、さまざまな国際情勢、ひいては沖縄の経済あるいは安全保障環境に重大な影響を与えかねないというふうに感じております。

 そこで、富川陳述者には、現在、安倍政権は、世界に例を見ない形でこのトランプ政権と密接に距離を縮めています。このことに対しては、非常に大きな評価もあれば懸念の声もあるということでございます。これから副知事として沖縄県政のかじ取りを務められるお一人として、トランプ政権の誕生、そして、現在の政権、政府のアメリカ・トランプ政権との距離感を沖縄から見てどうごらんになるかについてお聞きをしたい。

 石嶺陳述者には、特に、現政権の安全保障政策あるいは沖縄の基地負担の正当化の根拠として、中国脅威論、対中脅威論、対中警戒論が非常に背骨にあるというふうに私は感じておりますが、私が沖縄で働き、暮らした経験からいって、余り沖縄の人には、対中脅威論、対中警戒論というのは存在しないというふうに受けとめております。この辺がまさに内地と沖縄との感情的なずれにもつながりかねないというふうに感じておりまして、この対中脅威論を背にしたトランプ政権との接近といったようなことについて、少しコメントいただけないかと思っております。

 両陳述者にお願いしたいと思います。

○富川盛武君  大変大きな枠の御質問で、正直申し上げて返答に窮するわけでありますが、一研究者の視点からということで申し上げたいと思います。

 一つは、トランプ政権の政策に個人的にも興味を持っておるわけでございますが、かつてモンロー主義があったように、保護主義というのは、長い目で見るとどうしてもうまくいかないのではないか。もとより、中の資源で充当できれば発展するかもしれないが、これは限界が来るだろう。

 もう一つは、やはり根底にあるのは、ピケティが指摘するように、大きな格差があって、どんどん格差が広がっている。この格差の是正というものは、多分、今の私の見解では、トランプ政権の政策では解決できないのではないかというふうに思っております。

 この二つのほころびがちょっと心配でございます。

 直接沖縄に対する見解というのは、基地問題と経済の問題がありますが、基地問題は、この前、安倍さんと一緒に、ほぼ現状維持に近いということで、我々としては、これまでのように、基地は、応分の負担はともかくとしても、過重な負担というのは厳しいし、さっき申し上げたように、経済的な視点からも、これは縮小していった方が沖縄の発展につながるという見解でございます。そういう意味では、今のところ、従前と余り変わりはないかなという感じはしています。

 経済の面でいくと、TPPがどうも頓挫してしまったような感じがありまして、それは、沖縄の農家にとっては非常に安堵感があるかと思いますけれども。

 逆に、今、アジア経済戦略構想では、先ほど申し上げたように、コールドチェーンと申しまして、北海道のシャケをリードタイムが短い時間でアジアに展開できる。それから、今、福建省とは、MOU、覚書を締結しておりまして、沖縄産のものをアモイを経由していけば迅速な通関ができるとかいうことがありますと、特に食品等については、沖待ちが一カ月とかいうような状況の中で、沖縄を経由すると早目に着くかもしらぬという情報が飛び交うと、沖縄の空港が先ほど言ったように一挙に注目されて、沖縄を経由していくということもできるでしょうし、これは、トランプ政権と同じこと、そういう攻めの、沖縄も今やっている状況です。

 FTAで日本とどうなるかわからないんですが、期待があると同時に、一方でまた、あれだけ激変するような政策に翻弄されるのはちょっと困ったものだな。常に沖縄は外的な要因に翻弄された歴史があるものですから。

 ちょっとお答えとしては不十分かもしれませんが、今、感触的なところで失礼します。

○石嶺伝一郎君  大変難しい質問でして、中国脅威論が沖縄の中でどうだということですけれども、これは、一概に脅威論がありませんとも言えませんし、ありますとも言えませんし、両方あります。ですから、さまざまな意見が沖縄にあるということは御承知いただきたいと思います。

 例えば漁業の従事者にとっては、尖閣の海域に漁業に行くのは大変怖いという話も聞こえてきます。ですから、脅威論について、再三申し上げますけれども、単純にここだというようなものは、なかなか私が耳にする中では整理はできないということでございます。

 以上です。

○小川委員  ありがとうございました。

 両方の感覚がわかる人間として、そこのずれを少し心配している立場からのお尋ねでございました。

 再び富川陳述者にお聞きをしたいんですが、先ほど、今年度予算の減額について、その基準を示すべきだというお話がございました。きのうの赤嶺先生と安倍総理との間のやりとりも、きょう本県においては大きなニュースになっているようでありますが、やはりこの振興予算と基地問題とはきちんと区別して考えるべきだという伝統的な日本政府の考え方からしますと、少し最近の政府の立場はここに踏み込み過ぎているのではないかというふうに、ちょっと野党の立場から懸念をしております。

 したがいまして、この振興予算のあり方と基地問題とがリンクづけされることに対する懸念なり、あるいは牽制なりという立場から、少しコメントをいただけないかと思います。

○富川盛武君  私は、経済を研究している研究者の一人として、沖縄の振興についても、ちまたで言うところのリンク論というのがあるんですが、それはあってはいけないことではないかと思っております。

 先ほども申し上げたように、沖縄振興の位置づけというのは、復帰後は、格差是正のもとに日本の国体のバランスを平準化するということで引き上げてもらったわけですが、今や非常に大きなジャンプ台になりつつある中で、そこに政局とか政治的な要因が絡んでくると、本来の経済の仕組みがゆがめられてしまう。

 ですから、一括交付金につきましても、非常にありがたい存在で、これは釈迦に説法ですが、日本の地方分権の中でこういう先鞭的な予算の使い方をするというのは、フロンティアとしての位置づけもありますし、沖縄の一括交付金の使用が非常に効率的でという判断になれば、当然また全国にも普及していくでしょうし、そういう意義づけもあると思っています。

 すこぶる好評で、ある部門においては非常に効果的に展開していると思われるわけですが、今回、執行率が高まって、県も努力して頑張ったにもかかわらず減額というのは、どうもその物差しがちょっとよく、お互いにそごがあるというような感触を受けますので、やはり、国家の予算ですからちゃんとしたルールにのっとってもちろんやられると思うんですが、それをぜひ、県民の目線から見てもフェアだとわかるような展開をお願いしたいというふうに思っております。

○小川委員  ありがとうございます。

 その点は、野党の立場からもしっかりとチェック機能を果たしていきたいと思っております。

 実は、五年前に沖振法を抜本改正したときに、民主党政権でございまして、私どもも、担当者の一人だったんですが、やはり、日本の成長の最後列にいた沖縄ではなくて、アジアの成長の最前列にいる沖縄というふうにコンセプトを大きく変えたいという野心は当時からありました。五年たって、よかったところとそうでないところと、また中間的な検証は必要だと思うんですが、大きくはそういう文脈の中で今後の沖縄振興を考えていきたいと思っています。

 最後に、佐喜眞陳述人と前泊陳述人にちょっと基地問題についてお聞きをして、質疑を終えたいと思います。

 佐喜眞市長にぜひお聞きをしたいのは、昨年の再選、まことにおめでとうございます。非常に厳しい環境下での選挙戦だったと思いますし、心より敬意と祝意を申し上げたいと思うのですが、一方で、中央政府の立場から、当時の宜野湾市長選挙の結果をもって辺野古移設が沖縄県民から一定の信任を得たというような発信があったことに、少し私は疑問を持っておりました。

 といいますのも、非常に宜野湾市民にとっては酷な選挙だった、その限りにおいてはですね。そういうふうに受けとめておりまして、やはり地理感覚のわかる人間からしますと、まさに庭先の米軍基地ですから、どこでもいいから出ていってほしいというのが心情であって、だからこそ、当時の佐喜眞候補は、返還先あるいは返還手法としての辺野古移転は明言されなかったというふうに受けとめております。

 したがって、さきの浦添市長選挙もそうでありますが、この普天間近郊における地方選挙の結果をもって、基地の撤去に市民が意思を示したことはそうであるとしても、それが辺野古であるということまで追いかけて追認するものではないと私は思うんですが、その点に対する御見解を佐喜眞陳述者からいただき、最後に前泊陳述者からは、今、私どもは民進党でございまして、民主党政権時代に、この辺野古問題をめぐる一連の混乱なり、そして県民の皆様にも多大な御迷惑をおかけしたということをもって、今でも前科がある、十字架を背負っているという気持ちでおります。

 しかし、党内には、果たして辺野古が唯一の選択肢なのか、そして辺野古移設にこだわるべきなのかということを、余り公の場では言いませんけれども、党内で、さまざまな議論の中ではよく出る意見、いまだにそうなんです。

 この点、私どもは過去の十字架をどこまで対沖縄県民との関係で引きずるべきなのか、きちんと抱えるべきなのか。あるいは、どこかの時点で、国際環境、日米関係も大きく変わるとすれば、その過去の呵責をあえて乗り越えて大きな発信に行き着くべきなのか。そこは非常に大きな分岐点だというふうに自覚をしているんですが、そういう民進党内の、旧民主党政権に所属した者の葛藤をお聞きになった上で、ぜひ御助言なりあればいただきたい。

 この二点、お願いいたします。

○佐喜眞淳君  まず、普天間の件でございますけれども、きょう資料としてお渡ししているこのパンフレットをごらんになっていただきたいと思います。

 その裏ページになりますが、先ほど陳述でも申し上げましたけれども、もう既に二十一年たっている。二十一年前の合意というのは、一九九六年十二月二日のSACO合意最終報告なんですね。釈迦に説法ではございますけれども、読ませていただきますが、今後五年ないし七年以内に十分な代替施設が完成をした後に運用可能となった場合に普天間飛行場を返還する、これがある種条件だと思います。

 二十数年というのは、我々にとっては貴重な時間だったんです。五年ないし七年、二〇一四年度、それも過ぎてまいりました。常に宜野湾市民が危険にさらされていて、常に負担を強いられていて、地元感覚が中央政府の中でどれぐらい共有されているか私はわからないですけれども、そういうことを考えたときに、一刻も早く、優先は普天間飛行場の危険性の除去と基地負担軽減が原点だったんですよ。

 二十一年たちました、先生。当時、民主党政権のとき、私は市長に当選をいたしましたけれども、あのとき県民は、最低でも県外というのは物すごく喜んだはずなんです。ただし、時間がたてば、また辺野古に回帰している。その落胆というものは多分宜野湾市民が一番持っていただろうし、我々はどうすればいいかというようなものが感情的に芽生えながら来たと思います。

 私は、昨年の一月に選挙に当選したときに、まず公約で挙げたのは、固定化は絶対あってはならないと。日米両政府は、辺野古が唯一であり、継続使用を避ける唯一の手段であると。私は、さまざまな御意見があるにしても、宜野湾市の市民の生命財産を預かる市長としては、個人的な見解よりも、むしろそれを否定することはできないと言わざるを得ません。

 何が原点であるかということをもう一度やはり真摯に受けとめていただけない限りこの問題は解決しないだろうし、我々が一番苦しんでいる普天間飛行場問題、危険性の除去もそうですけれども、まちづくり、あるいは、さっき言ったように慢性的な渋滞、常に基地を迂回していくような宜野湾市民、ガソリン代、時間的ロスというものは、ほかの市町村と比較しても多大である。それに対して何らかの形での、やはり一歩前に進んでの負担軽減策が必要だろうというのが私の見解であるし、それが宜野湾市民の総意だと思います。

 そういう中からすると、もう二十一年という時間は返ってきませんけれども、二十一年をつくる未来というものは、国の考え方として、やはり普天間飛行場が日米両政府で返還を合意したスタートなんだ、嘉手納飛行場は返還合意はされていません、だから、まずできることを、普天間飛行場を一日も早く返還することが、次のステージ、次の世代へと、いい意味での沖縄もバトンタッチができるものだと思いますから、ぜひそういう視点の中で、国会議員の先生方にも、まずそのあたりが重要であるということを再認識していただきたいと思います。

○前泊博盛君  質問ありがとうございます。

 民主党を信じた沖縄県民、民主党を当選に導いて、沖縄から、当時、四選挙区の中で自民党が歴史上消えた、そういう時期もありました。最低でも県外という言葉が非常に夢を抱かせてくれたというのがあります。これは、加害者として、被害者がいいと言うまでは持ち続けなければならない十字架だと思っています。そして、ただ、民主党、民進党に変わったからといって、やはりそれは継続をされているわけですから、しっかりとそのことは認識をしてほしいというふうに思っています。

 民主党時代にたくさんのマニフェストをつくられました。その中には、地位協定の改定の問題もあります。これはいまだにホームページにも残っていますので、それも改めて見直してほしいと思いますけれども。

 それから、当時、政権をとったときに脱官僚と言っていました。これもおかしい。いわゆる官僚を、社員が言うことを聞かないから社長がみずからやるという体制ではなくて、活官僚、官僚を生かさなきゃだめだというふうに何度も申し上げてきましたけれども、そういうことが生かされなかったような気がします。

 それから、やはりこの問題でいうと、地位協定の改定案という非常にすばらしい改定案も出していますけれども、民主党時代の最大の弱点は、いいマニフェストはつくるけれども、ただ唯一弱点は実行力がないということ、これがやはり政権を失った最大の理由だと思っています。今からでも遅くないですから、ぜひ、よかったと言われて支持を受けたマニフェストについては、改めて再提起をして、実行力を持って実現をしてほしいというふうに思っています。

 以上です。

○小川委員  終わります。ありがとうございました。

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