民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2017年2月7日 予算委員会)〜

○小川委員  民進党の小川淳也です。

 再就職問題等についてお聞きをいたしますが、その前に、金田法務大臣、昨日、共謀罪に関する国会審議、国会質問をあたかも封じ込めるかのような、ちょっと許しがたい文書が記者会見場に、記者の皆さんに配付されたようであります。

 既に撤回されたとお聞きはしておりますけれども、改めてこの場で撤回をし、そして、こうした文書を配付することは誤りであったと、撤回、謝罪を求めたいと思います。

○金田国務大臣  委員の御質問にお答えをいたします。

 昨日、法務省におきまして、法務省の記者クラブである法曹記者クラブの記者に対しまして、「予算委員会における「テロ等準備罪」に関する質疑について」と題する文書を配付いたしました。

 しかし、当該文書は、国会に対しましてその審議のあり方を示唆するものと受けとめられかねないものでございましたので、不適切であることから、当該文書を撤回させていただきますとともに、このような事態を招きましたことについて深くおわびを申し上げます。

○小川委員  この文書の作成、配付の指示は、大臣がみずから行われたんですね。

○金田国務大臣  私の指示によりまして作成、配付をしたものでございます。

○小川委員  大臣、極めて判断を誤られていると思いますよ。

 後の会見も拝見しましたが、口頭でもよかったと思うと。ですから、文書は撤回しても、実は、大臣の本音、本当のお考えはこの文書のとおりじゃないか。

 私ども、改めて、共謀罪について、法案提出後、審議をするのは当たり前です。しかし、共謀罪について、法案の生成に向けてどういう基本的な考え方で臨まれるのかということをこの場でお聞きしていくのもこれまた当然でありまして、こういったことについてこのような判断をされ指示されたという大臣の責任は極めて重い。今後、私どもの党としても厳正に対処させていただくことを申し上げて、質問に入りたいと思います。

 どうぞ、法務大臣はもう結構です。

 それでは、再就職問題について、きょうは、重要な参考人の皆様にお越しをいただいております。私自身も、広い意味で霞が関の後輩です。今回の事態に対しては、大変憤りや怒りを感じると同時に、なぜこのようなことを繰り返さざるを得ないのかという、ある種の悲しみといいますか、そういった感情も交えながら、しかし、厳しく質問させていただきたいと思っております。誠意を持ってぜひお答えいただきたいと思います。

 まず、さきの江田議員の質問に関連してお尋ねしますが、前川前事務次官は吉田元局長の早稲田事案に関与されたのではありませんか。

○前川参考人  お答え申し上げます。

 吉田前高等教育局長の早稲田大学への再就職に関しましては、私は事後的に知ったということでございまして、この経緯については関与しておりません。

○小川委員  監視委員会の報告の中で、山中事務次官がこの吉田元局長の早稲田大学への就職に前向きな回答をした、これは、処分を受けた藤原当時の人事課長があっせん行為を行い、そしてその関係で処分を受けた、そして山中次官には報告したとあります。

 藤原参考人にお聞きします。この件は、前川当時の文部科学審議官だと思いますが、には報告されていないんですね。

○藤原参考人  お答えいたします。

 私から前川当時文部科学審議官に報告をしたということはございません。

○小川委員  それではそのように受けとめたいと思いますが、このOBを含めたあっせんルートは実態がどうであったのかということに関連して、さらに正直にお答えをいただきたいと思います。

 よく資料を見、またきょうもお話をお聞きするにつけ、このあっせんの仕組みについては、まさに二十一年七月のあっせんが始まった初期段階、嶋貫参考人が教職員生涯福祉団体に再就職をされた、あっせんが拡大をした時期、二十六年以降、文教フォーラムの設置、あっせんのシステムがいわば完成した時期、この三つの時期に大きく分けられるのではないかというふうに理解をしております。

 まず、初期段階についてお聞きしますが、嶋貫参考人は、極めてボランティア精神で、後輩のために何らか役に立ちたいという動機で事実上のあっせん行為を始めたということでありました。当時の人事課長常盤さんを含めて、まだまだこの段階ではあっせんが組織的という認識はない、しかし、例えば関さんに至っては嶋貫さんの関与は知っていたという、先立つ質疑の中での答弁でありました。

 監視委員会の報告あるいは文部科学省の内部調査でどう書いているか。人事課は嶋貫氏にあっせんを期待していたと書いています。人事課の課長補佐は、二十一年七月ごろから退職者リストを嶋貫氏に渡していたと証言しています。しかし、当時の人事課長、これは常盤さんのことだと思われますが、嶋貫氏からの情報の要求に人事課の職員が応じていたという認識はなかったとある。ここに若干認識のずれがあるんです。

 嶋貫さんにお聞きします。嶋貫さんが善意で再就職を支援しようとしていたそのあっせん行為を、当時、人事課としては期待をしていたが、人事課長は知らなかった、この証言は、嶋貫参考人、うなずけるものですか、納得できる証言ですか。

○嶋貫参考人  私が公務員を退職した二十一年の夏の時期というのは、私の記憶の中のことではございますけれども、新しい規制がスタートして間もないころということで、文科省の人たちも、それまでと違うルールの中で、どう取り組んでいったらいいのかな、あるいは取り組めないなというようなことをいろいろ考えておられたんだろうなということは、私なりに察するところはございました。それともう一つは、近く退職時期を迎えるであろう人たちにとっては、それぞれ不安な日々であったことも承知をしてございます。

 そういう中で、私自身は、何かを明確に文科省から要請を受けてとか、そういう意識はございません。ございませんし、仮にそうであったとしても、私自身は、何ができる立場でもないということは私の中にはございました。

 ただ、何かそういう話が、私学とかから人を求めるような話がもし私の耳に達すれば、それは人助けのようなつもりで、誰かいい人がいれば紹介するというぐらいのことはできるかもしれないな、そういう気持ちはございました。

 そういう中で、退職後、まさにボランティアとして、そういうつもりで考えてきたところでございます。

○小川委員  人事課長が知らないと言っていますが、それは納得できるんですね。それを聞いているんです。

○嶋貫参考人  私の、これも当時の理解でございますけれども、何かそういう明確な仕組みがあってというよりは、さまざまな人が、私以外のOBもいたのかもしれませんし、さまざまな人がさまざまな形でお役に立てればということでやっておられたのかなという感じは、これははっきり確認をとっているわけではございませんが、そういう中でのことでございまして、そのことを時の文科省の方々、人事課長とかそういう方々がどのように受けとめていたかというのは私自身は承知をしていないところでございます。あくまでも私の気持ちとしてかかわってきたところでございます。

○小川委員  初期段階はそういった関係性があり得たのかもしれません。ただ、心配しているのは、これは嶋貫参考人にも大いに反省してもらわなければいけないんですが、トカゲの尻尾切りに終わらせてはいけないんですよね。

 この文科省の報告書を見ると、きのうも指摘しましたが、人事課長は知らない、確かに認識していたとは言えないという、あたかも歴代の人事課長を守るような証言が多い。これは本当にそうだったのかということに関して、一部報道で言われていますが、前川前次官にお聞きします、いわゆるキャリア組をあっせんするのは人事課ルート、そしていわゆるノンキャリアをあっせんするのはOBルートという報道がありましたが、こういう事実関係について心当たりはありませんか。

○前川参考人  確かに、そのような報道があったのは承知しております。ノンキャリアがOBルートで、キャリアは人事課ルートというような表現があったかと存じますが、そもそも人事課ルートというものはあってはならない話でございますし、OBがOBの世界で完結する形で善意でやるということはあるかもしれませんが、人事課の職員が直接再就職あっせんを行うということは、そもそもこれは違法であることは私どもも初めから認識しておりましたので、そのようなことがあるとは思っておりません。

○小川委員  あってはならないことであり、違法なことはわかっているんです。しかし、前川さんは文教協会理事長ルートを、みずからあっせん行為に乗り出したじゃないですか。だから聞いているんですよ。

 そして、嶋貫さんの関与と人事課の関与との間に、お互い知っている、知らないという言いわけをし得るその溝があるのであれば、人事課はまさに上司である文科審議官や事務次官と相談しながらみずからの幹部であるキャリア組のルートをあっせんし続けていた、そして、いわゆるノンキャリと言われる方々の再就職については嶋貫さんが一手に引き受けていたというストーリー、シナリオが成り立ち得るから聞いているわけであります。

 そういった初期の段階から、時間もありませんから、では、そのあっせんが拡大した時期についてお尋ねします。

 この時期は、嶋貫参考人はまさに生涯福祉財団の審議役として、あっせん活動を本格化させた時期であります。この報告書によりますと、当時の生涯福祉財団の理事長は、嶋貫氏のあっせん行為があたかも生涯福祉財団の業務であるかの誤解を受けることがある、したがって、これ以上の拡大に財団の理事長が難色を示し、財団から切り離す必要が生じたという報告があります。

 具体的に、嶋貫参考人は、この時期、どういう形であっせん行為を拡大していったんですか。この生涯福祉財団の審議役としてここに勤務し、この場所であっせん行為を行っていたんですか。その際、この生涯福祉財団審議役を名乗って関係各所との連絡調整に当たっていたという理解でよろしいですか。

○嶋貫参考人  私が生涯福祉財団に審議役としてお世話になったのは平成二十一年の七月でございますが、そのころから、一つ、二つというんでしょうか、ぽつらぽつらと退職者から相談を受けたりということはございました。

 そういう中で、口コミということなのかもしれませんが、私学の方とかあるいは先輩からも、こういう話があるけれども誰かいい人いませんかというようなお話をお聞きしたこともございます。そういう中で徐々にその数がふえていったという側面はあったのかもしれません。そのやりとりというのは、主に電話でそういうお話をお聞きして、電話でお伝えしてというようなことが中心でございまして、それは、生涯福祉財団における業務以外のところでの私のボランティア活動という意識でございました。

○小川委員  財団の中ではやっていないんですね。

○嶋貫参考人  私自身が財団の中では非常勤の位置づけ、職員でございましたものですから、その空き時間に、財団の業務時間以外のところでそういうやりとりもあったかと思います。あとは、いろいろ外でお会いしたりとかいうこともございました。

○小川委員  当時の理事長が財団の業務であるかの誤解を受けることに難色を示したわけですから、相当一体でやっていたんでしょう。だから、昼休みなども含めて、財団の中でやっていたということで理解していいですか。

○嶋貫参考人  非常勤ということでございましたので、私の頭の中ではその時間を避けるような気持ちはございましたけれども、外形的にというか、外から見たときにはその区別がつきにくいというんでしょうか、そういう面はあったのかと思います。

○小川委員  では、この時期の人事課との関係について聞きます。

 報告書によれば、この時期は少し表現が変わってきているんですね。この嶋貫氏のあっせん拡大に関して、人事課の任用計画官は認識しているが、人事課長が確かに認識しているものではなかったとあります。

 そこで、当時の人事課長関さんと中岡さんにお聞きします。あっせんが拡大していった時期、舞台は生涯福祉財団です、実行者は嶋貫さん、当時の人事課長である関さんと中岡さんは、確かには認識していなかったかもしれないが、薄々は理解していたという理解でよろしいですか。

○関参考人  嶋貫さんの行為につきましては、国家公務員法の再就職規制により現役の職員はあっせん行為をできないので、人事課の経験のあるOBが自発的に人脈や経験を生かして相談、紹介をされているものと受けとめておりました。

 私は、調査官が時々嶋貫氏と打ち合わせをしていることがあったことは認識しておりましたが、調査官や任用計画官が嶋貫氏との間で具体的にどのようなやりとりをしたのか、資料、情報の提供を含め承知しておりませんでした。

 また、調査官から時々、退職予定者や文部科学省OBの再就職に関する情報を整理した資料につきまして報告、説明を受けました。その資料は調査官がさまざまに把握している情報を整理したものでございまして、その中には調査官が嶋貫氏から聞いた情報も含まれているものと認識をしておりました。

○中岡参考人  お答えいたします。

 私が人事課長でおりましたときにも、先ほどの嶋貫氏からの話がございましたけれども、国家公務員法の改正によりまして現役の職員がOBのあっせん行為はできないということを受けて、嶋貫さんがそういう業務に携わっておられるということは聞いておりましたが、現職の人事課の職員が嶋貫氏に対して情報を提供しているということの認識はございませんでした。

○小川委員  徐々に距離は縮まりつつあるが、決定的ではない時期であったというふうに理解します。

 しかし、その後、完成期を迎えるわけですが、決定的だったのは、報告書によれば、生涯福祉財団から切り離さなければならなくなったということ。

 そして、資料をごらんいただきたいと思いますが、昨日の文科省の報告書で、午前中から審議の対象になっておりますけれども、いよいよこの二十五年の九月に入りますと、先ほどの質疑の中で、これは人事課の職員がつくった資料だと伯井当時の人事課長が答弁しておられます。それから、監視委員会の方から、これは清水事務次官に送信されたメールに添付されていたということですから、公文書という前提で議論するに値する文書だと思います。

 日付は二十五年の九月十一日、「再就職支援業務について」。赤線部でありますが、文部科学省の方向性とあります。嶋貫氏は週二日程度の保険会社顧問に就任し、残りの三日間で再就職支援業務をボランティアベースで行う、一定の資金が必要になることから、NPOをつくり、出版事業等を展開し、秘書給与及び執務室賃料等については教職員生涯福祉財団等に負担していただけないか、文部科学省が申し入れをしています。

 教職員生涯福祉財団の見解。嶋貫氏が週二日程度の保険会社顧問に就任し、NPOをつくり再就職支援業務を行うという案はよい方法かもしれない、下の方にありますが、九月十三日、國分理事長からとあります。この國分さんは元事務次官であります。そして、井上前放送大学教育振興会会長に相談するとありますが、この井上さんも元文科省の次官であります。

 右上をごらんいただきたいと思いますが、この井上前会長に提案する対応案まででき上がっています。内容としてはNPOの設置等でありますが、さらに注意深くこの赤線部をごらんいただきたいと思うんですが、嶋貫氏を保険会社に再就職させる前提として、保険会社顧問ポスト案とあります。工藤さんとおっしゃる方が第一生命の顧問に就任をしており、週一日勤務で一千万円の報酬。そして、工藤氏は、次の職場だと思われますが、再就職口への心当たりがあると記述があります。そして、公立共済枠、何か枠があるんでしょうね、組織ごとに確保した。さらに下、遠藤さんでありますが、明治安田生命の顧問で、月二日間の勤務で一千万円の報酬。ここに据える場合にはという趣旨だと思いますが、下、遠藤氏の再就職先が必要と。

 これは、まず法外の報酬と勤務条件だと思いますし、全てが組織ぐるみであっせんの対象となっていますし、そしてその構造は、事務次官はおろか、前事務次官、前々事務次官、前々々事務次官まで根回しをし、了承を得てこうしたあっせん行為を行っていたということで間違いありませんね。まず前川前次官にお聞きします。

○前川参考人  御指摘の資料につきましては、私は、再就職等監視委員会の事情聴取を受けた際に、監視委員会が人事課から入手した資料として見せられたというのが初めてでございます。私は、この文書に書いてある中身につきましては説明できる立場にはございません。

○小川委員  この文書は、一つの文科省内の組織文化であり、つくられた仕組みの素案段階です。

 前川さんが文科審議官に就任をし、そして事務次官に就任したのはこの後のことなんですね。文教協会理事長のあっせんにはみずから乗り出しているわけです。そうしたことについても、前の次官、前の前の次官等に相談をした上でやっていたのではありませんか。

○前川参考人  再就職等監視委員会から、私につきまして、具体的に違法行為として御指摘がございました。

 文教協会の当時代表理事でございました雨宮さんに面会いたしまして御退任の意思があるかどうかということを確かめた、この行為は事実でございます。

 これは、嶋貫さんから依頼を受けまして、雨宮さんの御退任の意思があるかどうかを確かめてくれということでございましたので、私がその依頼を受けて行ったということでございまして、私の意図といたしまして、具体的なOBを後任に据えるという意図を持っていたわけではございません。

○小川委員  それは容易に想像がつくじゃないですか。そんな言い逃れをこの場でされるのでは、ますます疑惑は深まりますよ。何のために出てこられているんですか。後々、あなたの後輩も含めて、同じような思いをする人を二度と出しちゃいけないんじゃないですか。本当のことをきちんと真摯に語っていただくために御出席いただいたんだ。見え透いた建前論はこの際必要ありません。

 嶋貫さんにもお聞きいたします。実際にここでドラフトされていた明治安田生命への顧問就任が実現しているわけでありますけれども、実際に勤務形態はこういう形だったんですか、月二日勤務で報酬は一千万円。嶋貫さん、お答えください。

○嶋貫参考人  資料ではそのようになってございますけれども、確かに社の方へ出向く回数は基本的にそういうことでございました。ただ、それ以外に、折に触れてもちろん行くこともございました。あとは、社以外のところで、つまり、今でいえば文教フォーラムとかそういうところでお会いをしていろいろ相談に乗るということもございました。金額はそのとおりでございます。

○小川委員  本当に、個人的なことにもかかわるでしょうから、お聞きしにくいことでありますが、しかし、やはり国民感情から見て法外だという認識はおありだったと思うんですよね。

 さきの起案文書にもあったとおり、まさに報酬を確保することを通して、あなたの本業はあっせんだった。逆に言えば、裏稼業であるあっせんを実行させるために、一応表稼業の職を用意して、法外な報酬と極めて軽微な、ほとんど無と言ってもいいんだと思いますが、そういう勤務条件を与えた。これは、もはや倫理規程違反とかじゃ済まないような気すらいたします。

 文教フォーラムの設置について伺います。

 先ほど、サロンは実現しなかったという御答弁がございましたが、文教協会との関連で、報告書にはこうあるんですね。二十六年四月の公益法人化に向けた事業拡大の一環として、分室を設け参与を置いた。そこに嶋貫さんは参与として就任するわけです。ほぼ同時期に文教フォーラムを設置しているんですが、この文教フォーラムはあっせんを専業で行うための団体だったという理解でいいですね。

○嶋貫参考人  文教フォーラムにつきましては、私が教職員生涯福祉財団を退職する時期に、今後のみずからの進み方ということでいろいろ考えていく中で、やはり教育に関する仕事をやっていきたい、かかわっていきたい、そういうことで、二十六年の一月でございますけれども、それは任意の活動として始めたところでございます。それをその後、二十八年の四月になって一般社団法人化したものでございますが、これは、私の意識の中では、あくまでも教育に関するさまざまな活動ということを目的としたものとしてやってまいりましたし、今もそのつもりでございます。

 そのことと今お話のございました再就職のお世話というのは私の中では厳然と切り分けてきたつもりでございますが、これまでの監視委員会の認定、あるいはその後のいろいろなお話をお聞きしながら、私なりに胸に手を当てながらずっと今に至るまで考えておるわけでございますが、そこのところが、ある意味、外から見たときにわかりにくいような形になっていたのかもしれない、混然一体となっていたところがあったのかもしれない、そういう点で、私なりに反省も今しておるところでございます。

○小川委員  文教フォーラムについては、先般の質疑でも指摘しましたが、資料にあるとおり、ホームページを見ると、この時点では嶋貫さんはお顔と名前は伏せていたんですね。ホームページはこれ一枚なんですよ。とても活動の実態があると思えない。だからこそ、私はおかしいと思って文教協会を調べたわけです。

 文教協会の方にもお話をお聞きしました。嶋貫さんに関しては勤務実態がほとんどない、そういう苦言も聞こえてきましたよ。ですから、ほとんど実態のないところで、この部屋はあっせんを専ら行うために設けられたと思われても仕方のない実態でした。

 この文教フォーラムの扱い、今後どうなるんですか。それも一応お聞きしておきます。文教協会は解散するということでありますから、既に不動産契約も切りかわりましたよね、独自の契約に。そんな資金調達できるんですか、文教フォーラムは解散しないんですか、嶋貫さん。

○嶋貫参考人  文教協会の分室としての解散が昨年の十二月ということでございましたので、この一月から一般社団文教フォーラムとして賃貸借契約を行ってきたところでございますが、このたび、このような形で文教フォーラムそのものの存在意義について疑念を持たれるということになりましたことを受けとめまして、これ以上この法人を存続することは適当ではないと私なりに考えてございます。今現在、この年度内での解散に向けて準備を進めているところでございます。

○小川委員  適正な御判断だと思いますが、きのうも指摘があったとおり、この法人の解散が隠蔽行為につながることがないように、これは松野文科大臣にもお願いを申し上げておきたいと思います。

 大臣、この資料、先般も指摘した資料ですが、これだけの、生命保険会社の顧問とか、生計の心配をさんざんしているわけですよ、文科省は。しかし、これは、我が党の勉強会に対して、一月二十四日ですよ、監視委員会からの指摘があった後に、下線部をごらんいただきたいんですが、R氏、これは嶋貫さんのことです、下、「R氏がどのようにして生計を維持していたかについては、文部科学省として関知しておりません。」と、しゃあしゃあと答弁しているんですからね。そういう体質ですから、内部調査には限界がある。しかも、内容も大事だが、スピード感を持って答えてもらわなきゃいけないということをさんざん野党は主張してきたわけです。

 そこで、総理大臣に、きょうは総理大臣御出席の場ですから、お聞きしたいと思います。

 昨日も麻生財務大臣から、今回の本予算の中で公益法人に流れる予定の予算は、まず総額三千億円近いという御答弁がありました。これは、どういう形で誰に流れて、今回のような巧妙な仕組みも含めて、どういう形で使われるか、非常に予断を許さない予算だと思います。この予算の成立なり執行前に天下りの構造、問題については全容を解明すると、山本大臣も期限を全く明言されないんですね。

 ここはぜひ総理大臣のリーダーシップで、予算の審議中に、全省庁調査について、少なくとも中間的な報告、その概要を国会に報告したいと思うと、総理大臣、力強い答弁をぜひともお願いしたいと思います。

○山本(幸)国務大臣  今般の文部科学省事案で生じた国民の疑念を払拭するため、安倍内閣総理大臣から私に対して、同様の事案がないかどうか、全省庁について徹底的な調査を行うよう指示がありました。

 この全省庁調査について大事なことは、しっかりとした調査を厳正に徹底的に行うことでありまして、最初からスケジュールありきではないと考えております。一方で、調査結果が出次第、速やかに結果を明らかにしていくことも重要であり、私の指揮のもと、スピード感を持って進めてまいりたいと思います。

○安倍内閣総理大臣  平成二十九年度予算において、公務員OBの在籍の有無を問わず、公益法人等全体で申し上げれば、主として公益法人等への支出が見込まれる補助金、委託費等の総額は二千九百八十七億円でありますが、予算は、支出先が公益法人等であるか否かにかかわらず、事業の必要性等を精査した上で所要額を適切に計上しています。

 また、その執行は、予算の配賦を受けた各省各庁の長の責任のもと、関係法令にのっとって適切に行われるものと承知をしておりますが、我々としては、この調査については、今申し上げましたように、しっかりと徹底的な調査を行いたい、それは、期限ありきではなくて、徹底的な調査を行い、調査結果が判明次第、報告をさせていただきたいと考えております。

○小川委員  ぜひ、国会審議が盛んに行われている時期にこそ、きちんと実態を明らかにしていただきたい。

 もう一点、前川参考人初め、きょうは御出席に感謝を申し上げたいと思いますが、今後もぜひともお聞きしたいことがありますので、今後とも御出席をいただくようにお願い申し上げまして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

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