民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2017年1月27日 予算委員会)〜

○浜田委員長  この際、小川淳也君から関連質疑の申し出があります。玉木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小川淳也君。

○小川委員  民進党の小川淳也です。

 総理初め関係の閣僚の皆様に、天下り問題一本に絞ってお尋ねをしたいと思います。

 これは、補正予算あるいは本予算を提出している政府が実は裏で何をやっているかという、信用にかかわる問題ですから、真摯にお答えいただきたいと思います。

 まず、このデータをごらんいただきたいと思います。

 民主党政権下で、政権交代直後、平成二十二年度でありますが、天下りの総数は半減いたしました、当時、麻生政権から。その後、第二次安倍政権が発足して四年、そのときと比較すると、天下りは二倍に拡大しているわけです。

 安倍総理、安倍政権は天下りに対して極めて対応の甘い政権なのではありませんか。

○安倍内閣総理大臣  今回の文部科学省における再就職規制違反事案は、国民の信頼を揺るがすものであり、あってはならないことと考えています。文部科学省において、全容の解明に向け徹底した調査を行い、再発防止策を講じてもらいたいと考えています。

 国家公務員の再就職について、問題なのは、再就職全部がいけないわけではもちろんないわけでありまして、官民の癒着につながりかねない公務員OBの口ききや、予算、権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であります。

 一方、法令に違反することなく再就職をし、公務部門で培ってきた能力や経験を生かして、活用して社会に貢献していくことは、私は意味があることであると思います。

 このため、密接な関係のある営利企業への再就職の原則禁止にかえて、平成十九年の国家公務員法改正により、各府省による再就職あっせんの禁止等厳格な規制を導入するとともに、監視体制として再就職等監視委員会を設置したところであります。

 現行制度による厳格な監視が機能したからこそ事案が明らかになったものでありますが、本事案で生じた国民の疑念を払拭するため、山本国家公務員制度担当大臣に対して、同様の事案がないかどうか全省庁について徹底的な調査を行うように指示したところでございまして、今後、準備ができ次第調査をして、その結果を明らかにしたいと思います。

 なお、御質問の中で、第二次安倍政権以降、天下りは増加の一途との御指摘がございましたが、民主党政権下でも公務員の再就職はふえているわけであります。

 具体的には、内閣人事局の公表資料によれば、管理職経験者の国家公務員の再就職の届け出件数は、平成二十二年度に七百三十三件だったものが、平成二十三年度には千百六十六件、平成二十四年度には千三百四十九件と大きくふえているわけであります。安倍政権になってから、直近のデータである平成二十七年に千六百六十八件ということからして、安倍政権になって公務員の再就職が大きくふえているという御指摘は当たらない、このように思います。

○小川委員  そうおっしゃると思っていましたけれども、総理、実際天下りを減らすというのは大変なんですよ。本当に大変なんです。役所の方々とのあつれきや、今でも恨まれていることもあると思います。しかし、政権交代直後、やったんですね。二十四年に第二次安倍政権が発足した直後、政務のメンバーと官僚との間にその緊張関係はなかったということですよ。同じ増加でふえ続けたわけですから。だから、甘いんじゃないかと申し上げています。

 今の御答弁にありました制度改正について、これは私は極めて問題だと、当時から野党は主張もしていましたし、十年たって、改めてそれが明らかになったんじゃありませんか。

 今、総理も御答弁になられましたけれども、そもそも、第一次安倍政権が規制緩和するまでは、関係先企業等には二年間行けなかったんですね。しかし、当時、防衛施設庁の大談合、そして空港公団を初めとした国交省の談合事件があって、この国家公務員法の改正に踏み切ったわけです。

 私たち野党は、当時、この二年の再就職規制を五年に強化すべきだと主張した。しかし、当時の安倍政権は自由に行けるようにしたんですよ。この規制を撤廃した。しかし一方で、今総理がおっしゃったように、あっせんをしてはいけません、求職活動をしてはいけませんという行為規制をかけたわけです。そんなもの実効性があるのかという議論が、当時、さんざんありました。そして、OBを抜け駆けに活用する事態になるだけじゃないかという主張もさんざんした。しかし、それを振り切って改正して、今日に至った。十年たって、野党が言っていたとおりになったわけですよ。

 総理、二〇〇七年、第一次安倍政権下で行われたこの国家公務員法の改正は失敗だったんじゃありませんか。

○安倍内閣総理大臣  例えば、民主党政権下の平成二十三年の国土交通省の再就職規制違反事案については、国会での指摘に対し、当時の国土交通副大臣らをメンバーとする調査委員会が二度にわたって違反行為はなかったと認定をしたわけでありますが、しかしながら、第二次安倍内閣発足後の平成二十五年三月に再就職等監視委員会が調査した結果、違反行為が認定されているわけであります。

 この再就職等監視委員会がまさに機能したわけでありますが、そうでない、皆さんが政権のときには、それはなかったと。国土交通……(発言する者あり)いや、これは私は今、事実、事実に対しては皆さんも事実に受けとめないと、これはちゃんとした議論ができないと思いますよ。大切なことを今申し上げているんです。

 つまり、今回も再就職等監視委員会が指摘をしたわけでありまして、その指摘に対して対応していく。この監視委員会が機能していない段階での皆さんの調査においては、それはなかったというふうにお答えになったけれども、この監視委員会が機能し始めてからは、なかったことはなかったということが明らかになりました。

 かつ、重ねて申し上げれば、再就職等監視委員会は、自公政権下、平成二十年六月、平成二十年十一月、平成二十一年二月の三度にわたって同委員会の人事案を提示したにもかかわらず、当時の民主党などの反対により国会で不同意になった。不同意になってこれをつくることができなかったということは申し添えておきたいと思います。

○小川委員  当たり前じゃないですか。この規制緩和そのものに反対したんだから、それを監視する組織に反対するのは当たり前のことです。それをまず申し上げたいと思う。

 いろいろおっしゃりたいことはあるでしょうが、総理は天下りを根絶すると言ったんですよ、見つけますと言ったんじゃないんですよ。だから、監視委員会が見つけたからこれでいいじゃないかという話にはそもそもならない。根絶するためには規制を強化すべきだったはずだ。十年前の野党の主張は正しかったと今改めて申し上げているわけです。

 でも、これは水かけ論をしてもあれですから、それを指摘した上で個別に聞きますよ。

 今回の文科省の事案は極めて悪質だと言われている。その全容解明に一歩でも近づきたいと思うんですが、最大の問題は、人事課が潜りであっせんをしていたということ、そして、それを水面下に潜らせるためにOBを活用していたということ、そして、虚偽の回答をし、相手方に口裏合わせまで依頼をしていた。悪事の限りを尽くしているわけです。

 これに対して、予算審議が始まる前に党内会議がございました。いずれにしても、このOBの存在が鍵なんですね。文科省から党内会議に回答書が寄せられています。一月の二十四日ですから、三日前のこと。

 仮にR氏としましょう。R氏のあっせん行為の始まりは二十一年七月だと書いてあります、文科省の回答書に。そして、このR氏が代表を務める一般社団法人文教フォーラム、これは二十六年一月に任意団体として設立をし、そして二十八年四月、昨年四月に法人登記されたとあります。しかし、その下、R氏が実際にどう生計を維持していたのか、あるいは文科省としてR氏に給与、謝金等の支払いはないという回答が文書でありました。

 私は、これはおかしいと思ったんですよね。そんな、幾ら人のいい人がいても、ボランティアで十年近く一手に文科省の天下りを引き受ける、そんなはずないじゃないですか。

 まず、お聞きします。

 この一般社団法人文教フォーラムについて、文科大臣は、どのような団体か、きちんと把握しておられますか。

○松野国務大臣  冒頭、今回の文部科学省の再就職等規制違反につきまして、国民の文科行政に対する信頼を大変失ったということに関して、深くおわびを申し上げますとともに、省として猛省をし、再犯防止に向けて、私の責任において全力で取り組んでまいります。

 お尋ねの文教フォーラムについての認識でございますけれども、一般社団法人文教フォーラムは、元人事課職員で文部科学省OBであるR氏を代表とし、平成二十六年一月に任意団体として設立され、平成二十八年四月に一般社団法人とされた団体であると承知をしております。

 この文教フォーラムは、国家公務員法を潜脱する目的で運用されていた再就職あっせんの枠組みの当事者であるとして再就職等監視委員会の報告において認定されたR氏が代表を務める団体であります。

 このため、再就職等規制違反の疑いのある行為等の全容の解明に向けて、R氏が代表を務める文教フォーラムの活動状況等を調査することが必要であると考えており、今後、再就職等問題調査班においてこの問題に関しても調査を進めるということでございます。

○小川委員  何もお答えになっていないんですが。

 調査を進めるということですけれども、ちょっと次の資料をごらんいただきたいと思うんです。

 これは公開されている資料ですからあえてお示ししますけれども、一般社団法人文教フォーラムのホームページなんです。お名前とお顔は伏せておりますけれども、この方がこの法人の代表者であるR氏です。

 問題にしたいのは、このホームページは、どこまで行ってもこの一枚限りなんですよ。どこをクリックしても何も出てこない。驚きました。事務所が、ここにありますね、郵政福祉琴平ビル。虎ノ門の一等地にあります、文科省から歩いてすぐ。これは事務所を維持するだけでも大変だろうなと思ったわけです。

 少し気になったのが、この次なんですけれども、まさに郵政琴平ビルの三階にこの文教フォーラムはあるわけですが、この写真は私が撮ってきたものです。一般社団法人文教フォーラムと書いてありますね。しかし、その一般社団法人という記載は印字ではなくてシール張りなんです。

 その下に、一般社団法人の部分を拡大してあります。なおかつ、光の偏光を加減して、裏に透ける文字が見えやすいように加工してあります。これ、松野大臣、読めますか。はい。この裏には、シールに隠れて、公益財団法人文教協会と書いてある。恐らく、この一般社団法人文教フォーラムと、公益法人である文教協会は一体のものではないかと想像いたしました。

 そこで、改めてお聞きしますが、この公益法人文教協会とはどのような団体ですか、文科大臣。

○松野国務大臣  公益財団法人文教協会は、昭和二十四年の設立でございます。

 これは定款によるものでございますが、同協会の目的は、文教に関する諸課題について調査研究の推進を図るとともに、文教に関する各種情報資料の収集、提供及び相互扶助等の事業を行い、もって文教の振興に寄与することであると承知をしております。

 具体的な事業といたしましては、文教関係の調査研究助成、文教関係の研究会等の開催、全国大学一覧等の書籍の刊行等を行っているものと承知をしております。

○小川委員  関連の深い団体でありましょうから、重ねてお聞きしますが、この団体には文科省のOBが複数、役職員として在籍していると思います。それから、関連の文教予算、補助金や委託費、書籍購入等々で巨額の公金が投入されていると思いますが、事実関係について御答弁ください。

○松野国務大臣  文部科学省から財団法人文教協会に関する関係でありますけれども、平成二十一年度から平成二十八年度までの間においては、委託費、書籍、雑誌の購入及び補助金の交付により支出が行われております。

 具体的には、平成二十八年度に免許更新制度高度化のための調査研究事業の委託費として約四百万円、文教協会が発刊する全国大学一覧等の書籍、雑誌の購入費として平成二十八年度約五百万円、補助金として、平成二十一年度に大学改革推進等補助金約五千万円、平成二十八年度に教員免許管理システム開発費補助金約五千万円を支出しており、委託費や補助金については公募を行うなど、公正な手続により支出をされていると承知をしております。(小川委員「OBについてはどうですか」と呼ぶ)

 この財団に関し、文科省OBが複数、今私の手元では、四名が理事に入っております。

○小川委員  これは典型的な天下り公益法人なんですよね。そういう実態のある非常に大規模な公益法人が存在していることがわかりました。

 本題に戻りますが、この天下りをあっせんしていた文教フォーラム、天下りのエージェント的な役割をしていたわけです。この文教フォーラムと文教協会はどのような関係にあるんですか。

○松野国務大臣  文教フォーラムは、文教分野に関する調査研究等を事業内容としており、文教協会の分室に所在しているとの報告を受けております。また、文教フォーラムの事務所の賃料は文教協会が負担し、文教フォーラムの理事長が文教協会の参与についていたと報告を受けております。

 文教フォーラムは、国家公務員法を潜脱する目的で運用されていた再就職あっせんの枠組みの当事者であると再就職監視委員会において認定されたR氏が代表を務める団体であることから、文教協会と文教フォーラムの関係について、引き続き、より詳細を確認し、今後の調査を通じて明らかにしていきたいと考えております。

○小川委員  ただいまの文科大臣の御答弁、きのうまで事務的に聞き取った範囲でちょっと図式化しておりますので、ごらんいただきたいと思います。

 この文教フォーラムのR氏については、文科省のOBであり人事に詳しい方だと。しかし、そこに一切の文科省としての給与や謝金等の支出はありません。さっき文書で回答いただいたとおりでした。しかし、よくよく調べると、その背後に別のずぶずぶの公益法人である文教協会が存在をし、家賃を丸抱えし、役員として報酬を払い、全くもって丸抱えだったんじゃないですか。

 したがって、あたかもボランティア精神に満ちたOBが一人いましたというような生易しい話じゃなくて、関連の公益法人が、国家公務員法改正以降だけで約一億五千万の公金を投入しています、それを少なからず財源にして、役員九人のうち四人は全て文科省の元高官ですよ、その人たちと密接に通じて、わざわざ分室まで設けて、そこで天下りのあっせんを専業としてやらせていた。これが実態に近いと思いますが、大臣、いかがですか。

    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕

○松野国務大臣  まず、先ほど御説明をさせていただきましたとおり、文部科学省から文教協会に対する事業委託また物品購入等に関しましては、第三者有識者等を通じて公正な手続のもとに行われたと承知をしております。

 ただ、委員御指摘の点に関しましては、これは監視委員会からもしっかりとその全容を解明するようにという指示も来ているところでありますし、この文教フォーラムと協会の関係においても、しっかりと今後調査班の調査によって明らかにし、その事実関係を解明してまいりたいと考えております。

○小川委員  この件に関して、最後に一点だけ聞かせてください。とにかく極めて巧妙な組織ぐるみなんですよ。いま一度この文科省の回答書をごらんいただきたいと思います。

 一番下の赤線ですけれども、R氏がどのようにして生計を維持していたかについては、文部科学省として関知しておりませんと書いています。なお、R氏は保険会社や大学の顧問の仕事をしていると聞いています、文科省として退職後のR氏に何らかの給与、謝金等を支出したことはありません。

 この三つの内容について、一番下は、うそではないがごまかしがあると思われます。二番目の、保険会社や大学の顧問の仕事をしていると聞いていますに関しては、さっき大臣が御答弁になったように、文教協会の参与だったんでしょう。給料をもらっていたはずですよね。これは知っていて隠したんじゃないですか。

 したがって、どのように生計を維持していたかについては関知しておりません、これは一月二十四日、三日前のことですからね、この時点でこういう文書で回答を寄せたことは、うそだったんじゃありませんか。

○松野国務大臣  まず、文部科学省からR氏が代表を務める文教フォーラムに関して支出があったことはございません。文教協会の参与職に関しては、無報酬であったと報告を受けております。

 その上で、委員御指摘のとおり、この問題は監視委員会からも、違法性を潜脱する目的でつくられたシステムが存在するのではないか、これについてしっかりと任命権者である大臣のもとに調査班を置いて全容を解明するようにという指示をいただいておりますので、まさにこの問題も重要な観点だと私も承知をしておりますので、しっかりと調査を進めてまいりたいと考えております。

○小川委員  改めてお調べいただきたいと思いますけれども、恐らく、推測ですが、文教協会の中でこのあっせん業務をやっていたんでしょうね。しかし、余りにも機微に触れる情報を扱うために、近くのビルの一室に分室を構えた。そこを任意団体として当初は運営し、以後、法人成りまでさせた。文科省はそれを、恐らくですが、知っていたでしょう。知らずにやっているはずがない。しかし、我が党の説明要求に対しては、うそにならない範囲で、ごまかしにごまかしを重ねて今日に至った。

 虚偽答弁や口裏合わせがこれだけ横行しているわけですから、そういうふうにとられてもしようがない。その前提に立って厳しく真相究明をし、当委員会にも御報告をいただきたいと思います。

 きょうは、もう一点、こういう問題はとにかく組織ぐるみなんですよ。私も、中央官庁にいただけに、文化はわかります。これをどう解決していくか、本当に生易しい問題ではないんですが、その入り口のところだけ、歴史的にどうだったのか、最後にお尋ねして終えたいと思います。

 次の資料は、退職された前川前事務次官が、退職したその日に全職員に対して宛てたと思われる電子メールです。

 非常に、文科行政に対する熱い思いがある一方で、無念の思いもあったでしょう。後悔、反省の思いもあったと思います。が、私が一番気になったのはこの赤線部分なんです。国家公務員法が定める再就職規制を遵守できなかったことは事実であり、文部科学省として深く反省し、しっかりと再発防止措置をとる必要がある。

 ここには前川喜平さん御本人の反省は述べられていない。個人としての反省に言及をしていない。あたかも、組織の都合に詰め腹を切らされた、たまたま当たってしまった、悪いのは私ではない、文科省である。これは霞が関全体について言えることですよ、各大臣。それぞれ聞いておられると思います、それぞれの所管省の実情を。

 きょうは、過去この人事行政に携わった責任者の方々に政府参考人としてお越しいただきました。

 既に、直近の人事課長である豊岡氏については、口裏合わせを隠蔽した疑いで減給二カ月の処分を受けています。先々代の藤原人事課長については停職一カ月ということで、この二人については既に処分がなされています。

 奇妙なのは、この間にある藤江人事課長、平成二十七年の八月から二十八年の六月にかけて人事課長の職務についておられた。監視委員会の報告によれば、虚偽内容のストーリーを作成し、虚偽回答を行ったのは二十八年の五月です。藤江人事課長は、現在、大臣官房審議官、高校、大学の接続等を担当しておられる。いらっしゃっていますね。来ていないの。

 では、ちょっとお聞きしますが、伯井大学入試センター理事、お越しですか。中岡文化庁次長。関研究振興局長。常盤高等教育局長。

 歴代の人事課長で、いや、外部の人はいいですよ、政府参考人にならないんだから。これは、教育行政等々について聞かれる場合、来なきゃいけないんでしょう、国会に。与党の理事、何で反対したんだ。

 委員長、これは、大事な問題について、恐らく過去の真相を知っている当時の人事課長、そして現在も文科省の要職にあるこの方々に委員会にお越しいただきたいと、私は昨夜からお願いした。外部の方についてはやむを得ませんよ。これは理事間のやりとりがあるでしょう。内部の幹部について、出席をさせなかった責任者は誰ですか。

○菅原委員長代理  責任者というよりも、理事会で与野党で相調いませんでしたので今の状況にあります。

 したがって、今の発言をもって、再び理事会で協議をいたします。

○小川委員  こんな説明、通りますか。(発言する者あり)

    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕

○浜田委員長  速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○浜田委員長  速記を起こしてください。

 小川淳也君の質疑に対して、今いろいろな御議論がございました。今とまった時間、繰り越して、この昼からの時間で対応させていただきますので、昼の理事会でもう一度議論をさせますので、ぜひ、ここで終わっていただいて次に進んでいただければと思いますので、よろしくお願いします。

○小川委員  では、善処をお願いして、ひとまずおきたいと思います。

○浜田委員長  この際、小川淳也君の残余の質疑を行います。小川淳也君。

○小川委員  小川淳也です。

 委員長、わずか三十五分しかない質疑時間を三十分と五分に分けられるというのは、審議の充実にとって甚だ支障があります。極めて遺憾であります。

 そのことを申し上げた上でお尋ねをいたしますが、あっせん行為が極めて組織的で悪質だということは、午前中の質疑で明らかにしたとおりであります。極めて重要な記述が文科省から民進党会議への回答書の中にあります。R氏による再就職のあっせん行為は、平成二十年の国家公務員法改正を受け、平成二十一年七月ごろから開始されたという記述についてであります。

 平成二十一年七月、ちょうど常盤文科省高等教育局長が人事課長に就任したときでありました。このR氏によるあっせん行為、そして人事課の加担含めて、当時からそうした事実はあったという御認識でよろしいですか。

○常盤政府参考人  お答え申し上げます。

 私は、平成二十一年から二十二年にかけまして、一年間、人事課長をしておりました。人事課長経験者といたしまして、また文部科学省の幹部職員といたしまして、このたびの事案につきましては、まことに申しわけなく思っております。

 再就職のあっせんの問題につきましては、文部科学省として、現在、全容解明のための調査を行っているところでございますので、調査がまとまりましたらお答えをさせていただきますので、お時間を頂戴したいと存じます。

○小川委員  司直の手が入っている、検察の手が入っている、警察の捜査が進んでいるのであれば、今の説明も一定理解いたします。しかし、松野大臣、内部調査ですよ。高等教育局長からいえば部下である後輩である審議官から事情を聞かれているから国会では答えられませんという答弁ですよ。これはあり得ません。ちゃんと答えてください、知っていたのか、知らなかったのか。

○常盤政府参考人  ただいまお答え申し上げましたけれども、この問題につきましては、現在、文部科学省として全容解明の調査を行っておりますので、お時間を頂戴したいということでございます。

○小川委員  文科省全体のことについてつぶさにと言っておりません。常盤教育局長が人事課長時代に知っていたことのみで結構です。正直に答えてください。当時から人事課のあっせんはあったんですね。

○常盤政府参考人  重ねてで申しわけございませんけれども、現在調査中でございますので、お時間を頂戴したいということでございます。

○小川委員  委員長、答弁させてください。

 先ほど申し上げましたが、これが検察の捜査や警察の捜査であれば、一定理解いたします。それから、全体像をこの場で明らかにしろと申し上げているなら、時間がかかるでしょう。この常盤局長の個人の経験を正直に述べてくださいとお願いしているだけですから、委員長、ちゃんと答えさせてください。国会の権威にかかわると思います。

○浜田委員長  常盤局長、もう一度答弁願います。

○常盤政府参考人  失礼します。

 文部科学省でただいま調査を行っておりまして、調査がまとまりましたらお答えをさせていただきますので、お時間を頂戴したいというふうに申し上げさせていただいております。

○松野国務大臣  この事案に関しまして、国民の皆様の視点からすると、このOBを介して文科省の人事課の職員が、目的を、潜脱することとしてあったのではないかという疑惑があることは私も承知をしております。

 その国民の視点に立って、今後、私の責任下におきまして、しっかりと全容解明に努めてまいります。

○小川委員  大臣、全容解明は全容解明できちんとやってください。

 今は、人事課長時代に常盤さん個人がどうだったかということを誠意を持ってお答えをしてくださいと言っているわけで、大臣、ちゃんと上司として、正直に答えなさいと常盤局長に言ってください。(発言する者あり)

○浜田委員長  時間は来ておりますが、一旦、ちょっとここでとめさせていただきます。

    〔速記中止〕

○浜田委員長  速記を起こしてください。

 松野文科大臣。

○松野国務大臣  現状の所管のことであれば局長として答弁をさせますけれども、当該事案に関しましては、私が任命権者として責任を持って、今後、調査をもって全容を解明してまいります。

○浜田委員長  小川淳也君、時間が終了しておりますので、質疑を終了してください。

○小川委員  所管事項、政策のことであれば私も聞きません。違法行為があった可能性があるから聞いているんです。

 大臣は、任免権を持ち、懲戒権を持ち、文科行政を正す唯一の権限と責任を持った方じゃないですか。過去の経験についてちゃんと答えさせてください。

○浜田委員長  局長、もう一度答弁してください。

○常盤政府参考人  ただいま大臣からも御答弁ございましたが、私の所管の業務ではございませんので、先ほど申しましたように、文部科学省全体として全容の解明ということで調査を進めさせていただいておりますので、その調査がまとまりましたらお答え申し上げたいというふうに申し上げておりますので、お時間を頂戴したいということでございます。

○浜田委員長  時間が来ておりますので、よろしくお願いします。

○小川委員  最後に。

 総理、全容解明のためにあらゆることをやりますと何度もおっしゃいました。今のような姿勢、答弁で、総理、本気度が問われると思いますよ。ちゃんと答えさせてください。総理のお答えだけ聞いて、時間ですから終わります。

○浜田委員長  小川君の時間は終了しておりますので、総理、最後に一言答弁願います。

○安倍内閣総理大臣  先ほど文科大臣から答弁をさせていただきましたように、局長は、現在局長としての職掌にあることについては当然答弁する義務があります。これは当然のことであります。しかし、かつての、かつてどの課にいたことについてここで答弁をすることはないということは、大体申し合わせで決まっていることではないかと思います。

 先ほど文科大臣がお答えをさせていただいたように、この問題の解明は文科大臣が責任者であって、局長ではありません。ですから、文科大臣が責任を持ってしっかりと調査をし、そしてそれを御報告する、こう申し上げておりますから、その責任を間違いなく文科大臣が果たしていかれるもの、このように思う次第でございます。

○浜田委員長  小川君、終了してください。

○小川委員  委員長、ちょっと整理を、委員会として整理をお願いします。政策については聞きませんから。政策については聞きませんから。違法行為や規範にもとる行為があっても一切聞けないということでは……

○浜田委員長  申し合わせの時間が来ておりますので、小川淳也君、質疑を終了してください。

○小川委員  行政を正すことは国会はもはや不可能ですよ。

 それを、委員長、整理してください。委員会としてルールを整理してください。政策について聞いていませんから。

○浜田委員長  いや、整理してここに臨んでおりますので、そのまま。

○小川委員  それだけお願いして、終わりたいと思います。

○浜田委員長  これにて玉木君、細野君、前原君、大西君、山尾君、後藤君、長妻君、井坂君、福島君、小川君の質疑は終了いたしました。

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