民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2016年4月17日 総務委員会)〜

○遠山委員長  次に、小川淳也君。

○小川委員  民進党の小川淳也です。よろしくお願い申し上げます。

 情報通信研究機構法の改正を初めとして、今般の法案については、私ども野党もおおむね賛同の立場でございます。それを前提に、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず、一つ目の大きなテーマでありますサイバーセキュリティーについて、最近の環境変化がどうなっているのか確認をしたいと思います。

 いただいた直近の資料ですと、特に、政府機関に対するサイバー脅威の件数が、一二年度が百八万件、一三年度が五百八万件、一四年度が三百九十九万件ということのようであります。一五年度、まだ明けて間もなくでありますが、直近の状況はどうなっているのか。

 あわせて、センサー監視で各省に対して通報した件数、一四年度は二百六十四件のようであります。あるいは、不審メールをキャッチして注意喚起した件数、一四年度は七百八十九件のようであります。

 この三つの数字について、直近の状況を確認させていただきたいと思います。

○谷脇政府参考人  お答え申し上げます。

 内閣サイバーセキュリティセンター、NISCにおきましては、政府機関へのサイバー攻撃等につきまして、二十四時間体制で監視を行っております。

 今、委員御指摘のとおり、政府機関への脅威と認知された件数は、平成二十六年度三百九十九万件でございます。また、不審な通信を検知した場合の当該政府機関への通報につきましては、平成二十六年度が二百六十四件。さらには、不審メールの注意喚起につきましては、同じく平成二十六年度、七百八十九件の注意喚起を行っているところでございます。

 平成二十七年度の数字についてのお尋ねでございますが、現在なお数字については精査中でございますけれども、過去の数字に比べまして大幅にふえているという状況になっておりまして、政府に対するサイバー攻撃のリスクというものがより高まってきているというふうに認識をしているところでございます。

○小川委員  大幅にふえているというお答えですが、もう少し、もちろん精査は後々よくしていただくとして、おおむねの傾向をつかみたいんですが、それ以上言えることはありませんか。

○谷脇政府参考人  お答え申し上げます。

 平成二十七年度の数字の中で、例えば先ほど申し上げました平成二十六年度における政府機関への脅威と認知された件数、これが三百九十九万件でございましたけれども、平成二十七年度におきましては、昨年の九月末現在で既に三百万件を超えているという状況でございますので、かなりの勢いでこの進行度というのは増しているということは言えるかと存じます。

○小川委員  よくこの数字について精査いただきたいと思いますが、事務的にお聞きしたところですと、ざっと、先ほどおっしゃったように、上半期だけで前年並みということでありますので、恐らく二倍ないしはそれ以上の脅威、それから、感知をして注意喚起した件数も恐らく二倍近いペースだということのようであります。

 これは、検知をして注意喚起をすることも含めて既に終わったことでありますし、また、何かデータをひっくり返してよくよく計算し直すとかいうことでもないと思いますので、速やかにこの傾向については数字を洗い出していただきたい、そのこともお願い申し上げたいと思います。

 こういう脅威がどんどん高まっている中で、もう一つの本法案の大きなテーマが、先ほどの橘委員の御質疑にもございましたIoTです。

 IoT、これは、大臣、昔はITと言っていました。後にICTと言うようになって、今、IoT。必ずしも専門家でない立場からいうと、ついていくのに一生懸命なんですけれども、先ほどこのIoTに関して、大臣はどちらかというといい影響を及ぼす面について答弁の中でお触れになられたというふうに感じております。

 ただ、私自身、もちろんこれから、今は想像もつかないようなライフスタイルとか社会システムとかにつながる大いなる可能性があると期待する一方で、やはりこれまでもさまざま議論になっておりますが、AIという人工知能が、いわば心臓部、電脳空間としてこれからますます発展するんでしょう。それから、ネットワークは、恐らく、生き物に例えて言えば神経回路ですね。いよいよそれが物理的実体を持った、これは自動車であれ家電製品であれさまざまなシステムであれ、いよいよ電脳空間が肉体を持ち始めるのではないかという意味で、状況はさま変わりするのではないかと思っています。

 その意味でよく考えると、これは、いろいろな可能性を持っていることであると同時に、あるいはそれ以上に、もし、悪意を持ってこの物理的な設備なり施設を誤作動させる、あるいは悪用するという事例が仮に今後出てくるとすれば、これまでサイバーテロといえば情報漏えいなり個人情報の観点からよく議論されてきましたが、むしろ現実社会、現実の生活空間においてさまざまな危害を物理的、実体的に及ぼす可能性がこれからぐっと高まるという認識が一方で必要ではないかと思います。

 大臣、この点に関して少しコメントをいただきたいと思います。

○高市国務大臣  おっしゃるとおりだと思います。

 IoTは、先ほどは割と生活に身近な例を申し上げましたけれども、それでも、自動車ですとか医療機器、工場で使用される制御機器など、国民の命、安全にかかわるものが含まれますので、IoTのセキュリティー確保というのは本当に必要不可欠なものでございます。

 NICTで、先ほどお話が出ました、nicterを開発しまして、IoT機器を標的とした新たなサイバー攻撃を多数観測するとともに、攻撃の分析を実施しています。この観測結果を公表するとともに、研究成果を発展させて、自治体に注意喚起も実施しています。

 一方、総務省では、このIoT特有の性質ということに注目した総合的なセキュリティーガイドラインを策定しなきゃいけないと考えております。

 今、経済産業省と連携して、IoT推進コンソーシアムのもとに、平成二十八年、ことしの一月二十一日にIoTセキュリティワーキンググループを設置しました。

 具体的には、セキュリティーを考慮したIoT機器の設計ですとかネットワークへの接続方法などに関して議論を行いまして、ことしの五月を目途にガイドラインを取りまとめる予定です。

 まだまだ課題は多いと思います。IoTとAI、これはもう切り離せない問題になってきますので、人工知能につきましてもしっかりとセキュリティーを確保しつつ、より人の脳の働き、こういったものに着目をしながら、そしてまた大量の電力を消費する、こういった事象もございますので、また別途、NICTの中でも、その研究も進められているところです。

○小川委員  折しも、月末は高松で、情報通信大臣会合でございます。ぜひ、こういった新しい局面展開についても、大臣がこの国際的な会議体の場をリードしていただけることを御期待申し上げたいと思います。

 その観点で、少し、昨日の事務的な説明の中で、私自身ちょっと不十分じゃないかと感じた点をお聞きしておきたいんです。

 いよいよ、今、リオ・オリンピックに向けて、選手選考の機運が高まりつつあります。それから、東京オリンピックまでもう四年余りということで、いろいろと準備も必要でしょう。

 この政府作成資料の中には、盛んに、オリンピック・パラリンピック・ロンドン大会では、二億件のサイバー攻撃が会期中二週間の間に発生しているということを、これは宣伝なのか、ちょっと場合によっては喧伝ともとられかねないほど大きく扱っています。それから、イギリス政府は六年前からサイバー攻撃対策を実施しているんだということもあわせて表明しておられる。

 これは、実際に二億件ですから、ちょっと想像に余る件数ですよね。どういう攻撃ですかとお聞きした、あるいは、それに対して実害はあったのかなかったのか、どういう対策によってそれは免れたのか、免れていないのか、そこら辺の分析はどうなっていますかというふうにお聞きしても、明快な回答が返ってこない。

 この辺、あわせてちょっとこの委員会の場でお聞きしたいと思いますが、これは、二億件とか六年前からとか、数を宣伝するのは結構ですが、中身の分析なり、対策で学ぶべきものがあるのかないのか。このあたり、どうなっていますか。

○谷脇政府参考人  お答え申し上げます。

 委員御指摘のロンドン大会におきましては、御指摘のとおり、二週間の大会中に約二億件の、大会公式ウエブページに対して悪意のある接続要求があったというふうに承知をしております。

 また、これ以外にも幾つかのサイバー攻撃がございまして、これに対して対処を行った結果、大会の運営には深刻な影響はなかったというふうに承知をしております。

 私ども、このロンドン大会の経験につきましては、日本と英国との間のサイバー協議などの場を通じまして、また、それ以外のさまざまなルートを通じまして、その知見というものを私どもも学び、そして、これを東京大会に向けた準備の中に生かしている、こういう状況でございます。

○小川委員  もうあと四年でありますので、どういう知見を得たのか、そしてそれをどう生かすのかについては、政府としても、もう少し具体的に答えられるぐらい、その熟度を上げていただきたい。数を大きく表に出すのは結構なんですが、中身についてもう少し説明できるほどに、努力をぜひお願いしたいと思っております。

 その上で、今度は、NICT、情報通信研究機構において演習を実施していくということであります。ここらあたり、政府のサイバーセキュリティセンターと、それから情報通信研究機構がどう役割分担しているのかということも、極めて重要な議論だろうと思います。

 その前提で、二十七年度に実施した八十組織、二百人に対する演習を、今度は五百組織、千五百人に拡大するんですね。それはいいことだと思います。

 これはどういう狙いで、どの部分が拡充されるのか、そのあたりについて少し御説明いただきたいと思います。

○南政府参考人  お答えを申し上げます。

 平成二十七年度におきましては、実はこれは総務省が予算事業として実施した段階でございまして、先ほど御指摘がありましたとおり、八十組織、二百人ということで、国の行政機関、重要インフラ事業者を対象に行ったものでございます。

 今回、法律が改正いたしますれば、今後はその業務をNICTの方に移管しまして、本来業務に位置づけたことによって、NICTが主体的に実施していただくことになります。

 それに伴いまして、これまで十分生かし切れておりませんでしたNICTが有しておりますさまざまな技術的な知見、あるいは大規模なクラウド設備をもっと最大限に有効に活用させていただくことによりまして、演習の対象でありますとか規模を拡大できるというふうに考えております。

 今までは、どちらかといえば東京一カ所で、政府系機関あるいは独法、重要インフラ事業者のみを対象にしておりましたけれども、今後は、私ども総合通信局があります全国十一ブロックを対象にして、開催場所もふやしていきたいと思っておりますし、対象につきましても、地方自治体に対しても広く参加を呼びかけてまいりたいと考えておりまして、今までのシナリオにはなかったような自治体さんの実情に合ったシナリオ等も今後工夫をさせていただきまして、先ほど御説明がございました、五百組織、千五百名を対象に演習を拡大できるように用意してまいりたいというふうに考えております。

○小川委員  これは、冒頭議論いたしました、攻撃が厚みを増してきているということからすれば、今回拡大するのは大いに結構なことだと思いますが、これでも十分と言えるかどうか。ますます充実していくという方向感なんだろうと思います。

 ただ、少し中身について気になるのは、例えば、最近よく言われている標的型メールについて、これは、大臣、誤って開封した後の善後策に関する訓練なんです。

 昨年、きょうも厚生労働省に御出席いただいていますが、特に年金機構の情報漏えいというのは大きな問題になりました。一番いいのは、開封した後の善後策も極めて重要なんですが、それ以上に、開封しないことが一番であります。

 その意味で、開封した後の演習効果を高めることもこれはこれで大いに結構として、そもそも開封しないための訓練を積み重ねていくということも必要だと思いますが、こうした訓練についても別途行っているはずですから、その訓練の概要なり実績について、ちょっとここで報告してほしいと思います。

○谷脇政府参考人  お答え申し上げます。

 私どもNISCにおきましては、各府省庁における職員のサイバー攻撃に対する意識を高めるため、平成二十三年度から二十五年度まで、標的型メール訓練をパイロット事業として実施したところでございます。こうした訓練の実施によりまして、多数の職員がサイバー攻撃のいわゆるヒヤリ・ハットの体験をすることができたものと承知しております。

 こうした過去三年間の実施経験を踏まえまして、平成二十六年度以降につきましては、各府省庁におきましてこうした訓練等を実施しているという状況でございます。

 サイバー攻撃の脅威が急速に深刻化している状況を踏まえまして、政府機関等のサイバーセキュリティー対策に係る対応能力を強化していくことが引き続き重要であるというふうに考えております。

 また、加えまして、平成二十六年度より、各府省庁のいわゆるインシデント対応組織であるCSIRT向けの演習も実施しているところでございまして、こうした取り組みを通じて、今後とも教育訓練の充実も図ってまいりたいと考えているところでございます。

○小川委員  今の御報告なんですが、まさに二十三年とか四年とか五年とか、あるいは六年とかという報告はある一方で、二十七年度以降はこれはやっていないんですか。

 報告を実務的に拝見すると、標的メールの訓練における開封率、どうもこれは二回訓練したようなんですが、一回目の開封率が一〇・一%なんですね。二回目の訓練で一六・三%に上がっているんですよ。それ以降訓練を実施している形跡が、少なくとも資料からは見当たらないんですが、最近どうなっていますか。

○谷脇政府参考人  お答え申し上げます。

 委員御指摘の標的型メール訓練でございますけれども、私どもNISCにおきまして、平成二十三年度から二十五年度までの三年間にわたって実施をいたしました。

 今、委員から御指摘のメールの開封率でございますけれども、平成二十五年度の訓練の事例でございまして、メールの開封率が一回目が一〇・一%、二回目が一六・三%ということでございました。

 NISCとしては、これはパイロット事業として実施をいたしました。平成二十六年度以降につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、各府省庁においてこうした訓練を実施している、こういう状況でございます。

○小川委員  それはまとまっているんですか。各府省に任せっきり。二十七年度、二十八年度もやるんですね。ちょっとその点だけ確認を。

○谷脇政府参考人  お答え申し上げます。

 各府省のこうした標的型メール訓練の実施状況につきましては、私どもNISCにおきましても、その実施状況を取りまとめ、そしてこれの分析を行い、必要に応じて所要の対策を指示する、こうしたことを行っているところでございます。

○小川委員  ということは、二十七年度の実施状況も把握しているということですね、確認ですが。

○谷脇政府参考人  御指摘のとおりでございます。

○小川委員  であれば、私が資料要求したら、直近の状況を知らせるようにしてください。

 それから、二十八年度以降も、この開封後の善後策の演習も大いに大事だと思いますが、申し上げたように、そもそも開封しないような、開封率を下げていく努力をするためには、この標的型メールに対する教育訓練、これがまさに最初の門前払いするための重要なガードだと思いますので、こちらの教育訓練こそ充実していただきたい。このこともあわせて申し上げたいと思います。

 参考までに、こうした議論をするに当たって、昨年はさんざん議論になりましたが、ことしに入って、あるいは昨年の後半以降余り議論になっていませんのでちょっと追いかけて、この年金機構の情報漏えいがその後どういう状況なのか、この場であわせて確認させていただきたいと思います。

 当時、百二十五万件の情報流出ということがよく言われておりました。大問題になりました。それから、情報流出したファイル件数は九百四十九ファイルということのようであります。

 その後、一定の善後策、改善策に対する報告、それから関係者の処分等々も発表されたわけですが、当時幾らお聞きしても返ってこなかったのが、流出が確認されたのは百二十五万件だけれども、当時サーバーの中にあったそもそものファイルは、どのぐらいあったんですか、調査中だから答えられないという答えが多かったわけです。

 それから一年たちます。一年たちますから、その後の状況変化、状況改善があればぜひここで報告していただきたい。この年金機構に係る情報流出で、百二十五万件の情報ファイルの追跡調査はどうなっているのか、そして、これ以外の流出はなかったというふうに一年たった今改めて確認できているのかどうか、この点、御答弁いただきたいと思います。

○福本政府参考人  お答えいたします。

 日本年金機構、御指摘のとおり、昨年五月にいわゆる標的型メールによる不正アクセスを受けまして、百二十五万件の個人情報が流出をいたしました。この百二十五万件は、日本年金機構からの通報を受けた警察当局の捜査の結果確認されたものでございます。

 その後でございますけれども、この情報流出に関しましては、まず、政府全体としては、サイバーセキュリティ戦略本部、NISCでありますけれども、そこ。それから、厚生労働省にも外部有識者による検証委員会を設置いたしまして、調査、検証を行いました。さらに加えて、日本年金機構自身でありますけれども、ウイルス感染が疑われる端末やサーバーのデータやログ等から不正アクセス記録の収集、解析等を行う、いわゆるデジタル・フォレンジックという調査でありますけれども、それを、流出の可能性があるファイルなどを専門家の協力を得ながら調査したわけでございます。

 その結果、これらの調査あるいは検証においても、この百二十五万件以外の個人情報の流出というのは確認されなかったということでございます。

○小川委員  そこは少し言葉として大事なところなんですが、百二十五万件以外の流出は確認はされていない、確認はされていませんね。しかし、ないとは言い切れないんですか。確認されているのは百二十五万件、それ以外にないとは言い切れないんですか、一年たった今も。

○福本政府参考人  お答えいたします。

 今申し上げたデジタル・フォレンジック調査でありますけれども、これは日本年金機構において外部の専門組織に委託をして行ったものでございまして、具体的には、端末とかサーバーのログあるいは不正アクセスの記録を収集、解析して、過去どういうことが行われたかというのを、残されているものを復元するような形で調べるということでございますけれども、そこにどれだけのものが残っているか、あるいは復元できるかというところで、技術的な限界があるということは事実でございます。

 ただ、そのフォレンジック調査の中で、感染が疑われる端末は大体三十一台ございました、サーバーが一台、共有ファイルサーバーが一台、これを調査したわけですけれども、その中で新たに流出した可能性のあるファイルというのも発見はされています。

 例えば、これは公表もしていますが、機構職員の個人の情報、機構職員に関するファイルがここにあった、あるいは業務マニュアルがアクセスされて出ている可能性があるというようなところがその解析の結果出ていますけれども、今先生が御指摘の、いわゆるお客様の情報というものについては、その解析の結果見当たらなかった、百二十五万件以外には見当たらなかったということでございます。

 一定の限界があるということでございますが、現在の技術を用いてできるだけのことをした結果、今こういう状況であるということでございます。

○小川委員  世の中、常に、喉元過ぎればではありませんが、少し時間がたちますと、話そのものが話題に上らなくなりがちであります。しかし、一年たった今も、もちろんこれ以外にないことを期待したいと思いますが、なかなか、そうしたことの確認すらとるのが技術的には現実の問題としては難しいという状況があります。

 大臣、この年金機構の事例もそうでありましたし、また、これからますます厳しさを増していくサイバー環境の中で、恐らく、国民の政府に対する個人情報の取り扱いや、あるいは情報管理そのものに対する信頼感というのは必ずしも高くないということを前提に物事を考えていく必要があるんだと思います。

 それとの関連で、これもどうしても外せませんから、この場をおかりしてお聞きしたいと思います。

 鳴り物入りで始まったマイナンバー制度についても、年明け以降、トラブルが続出しているようであります。

 それから、大臣、暗証番号の設定に関連してトラブルが発生しており、そのシステム改修に乗り出している、一昨日ですか、そういったことについても会見の場でお認めになったというような報道もございます。

 このマイナンバーに関して、年明け以降起き続けたトラブル、それから、一昨日の会見でお認めになった暗証番号設定に係るトラブルでシステム改修に乗り出している、そこら辺の事実関係について少し御報告をいただきたいと思います。

○稲山政府参考人  J―LISのシステムトラブルの状況でございます。

 一月中旬以降、地方公共団体情報システム機構、J―LISのカード管理システムが一時不安定な状況となりまして、多くの市区町村におきましてカードの交付等の業務が行えなかった、こうした事案が一月から二月にかけて七回発生をいたしております。

 このシステムトラブルにつきましては、J―LISにおきまして調査を進めております、中継サーバー内の暗号処理装置の動作に関する部分にあるものと現状考えているところでございまして、中継サーバーを二回にわたりまして改修いたしました。三月四日と三月十一日でございますが、その後、J―LISのシステムにおいて重大な障害は生じていないものと承知をいたしております。

 さらに、ただいまございましたICチップの関係で改修に乗り出しているという関係でございますけれども、これは、暗証番号登録時にシステム障害、通信集中が起こりますと、そのシステム障害を不正アクセスと誤認し、ICチップがみずからデータを壊してしまう、こういった報道もございますけれども、これは事実誤認でございます。

 事実といたしましては、カード交付時に暗証番号の設定が必要でございますが、その処理の際に過度に通信が集中いたしますと、市町村のコミュニケーションサーバーへの情報が到達する前に情報処理が中断される、こういった場合がございまして、こういったケースでは、市町村みずからが再設定ができないということになっておりますものですから、J―LISで速やかなカードの再発行をする対応をとっております。

 ただ、そういうことでございますので、そういった事案に対応いたしますために、J―LISにおきましてシステム改修を実施いたしまして、今週にも横浜市において運用を開始する予定でございます。そういった結果を踏まえまして、全国でも同様の対策を講じてまいりたいというふうに考えております。

○小川委員  システム改修の件については、今御説明で、軌道修正されたということだと思いますが、それにしても、一月から七回にわたる、一時的とはいえシステムダウン、これは大変残念なことであります。

 大臣、これの受けとめについてもお聞きしたいですし、それから、大変重大な事案でしたけれども、年金機構においては、それぞれ担当理事の交代を含めて厳正な処分が行われているようです。

 マイナンバー導入期に当たって、私も、そういう意味では、個人的に敬愛する先輩方がいらっしゃる環境ですから、非常に申し上げにくい。申し上げにくいんですが、しかし、やはりこの導入期をめぐるこれだけのトラブルの多発ということについて、役員の任命も含めて、そのまま四月一日を素通りしたようであります。それで、これに対する批判も一部あるようです。

 大臣、これは一定処分なり、そういったことについても許認可権限者として御検討いただく必要があるのではないかと思いますが、この受けとめと、それから情報システム機構内部における担当役員等の処分について、その可能性について言及していただきたい。

○高市国務大臣  七回にも及ぶシステム上のトラブルにつきましては、せっかく多くの先生方が御尽力をくださって制度設計してきたマイナンバー制度という制度の信頼そのものにかかわることですから、本当に大変残念に思い、J―LISに対しても、昨年来そしてまた最近も、理事長にしっかりとした対応を要請しているところです。

 J―LISは、御承知のとおり、地方公共団体情報システム機構法に基づいて、マイナンバー制度の基幹業務などを行うために地方公共団体が共同して運営する地方共同法人でございますから、その運営というのは、やはりこの機構法に基づいて、人事も含めて、地方三団体の御代表や有識者が参画される意思決定機関である代表者会議のガバナンスのもとに行われております。

 ですから、これも法律に基づいて、役員人事は、代表者会議が理事長及び監事を任命する、もしくは解任する、理事長は代表者会議の同意を得て副理事長や理事を任命する、解任するということになっておりますので、人事についてはJ―LIS自身によって主体的に御判断いただくほかはないと考えています。

 総務省は、マイナンバー制度の実施を担当する省庁ということになりましたので、今はまず、とにかくカードを円滑に、できるだけ早く国民の皆様にお届けするように、J―LIS、市町村、そしてまた事業者と緊密に連携するということをもって責任を果たしてまいりたいと思います。

 どうしても法的に人事への介入ができないことは御理解いただきたいと存じます。

○小川委員  非常に申し上げにくいことではありますが、やはり大変お粗末だったと思います。それから、人事の法制上の面も含めて今大臣の御答弁がございましたが、全般的な監督権限、許認可権限等々を通して大臣の御意向というのは非常に大きな影響力もございますので、その限りにおける大臣の責任についてもぜひ御自覚をいただきたいと思います。

 残り二分です。

 かねてから何度もお尋ねしておりますが、ふるさと納税について。

 大臣、また今般、換金性の高い返礼品等について自粛要請をされた。これは相次ぐ要請ですよね。大臣御就任以降だけ数えても、二度目、三度目ですか。

 私は、被災地の寄附金が非常に減っている一方で、返礼品に力を入れている自治体については非常に増嵩しているという、この傾向そのものも危惧しています。

 ひとつ、もうお認めになった方がいいんじゃないかと思いますが、ふるさと納税はもはや割安な、安価な、手ごろな、お得なカタログショッピングと化している、だからこそ大臣は一度ならず二度までもこうした要請をせざるを得なかった。そのことをお認めいただければどうかと思います。

○高市国務大臣  それでも、やはりふるさと納税の本来の趣旨、ふるさとへの思いや地方団体の取り組みを応援する気持ちを形にしておられる方がたくさんいらっしゃいます。昨年の豪雨の際にも、被災地に随分たくさんふるさと納税での御支援をいただきました。東日本大震災の発災直後も、随分たくさんの方が応援をしてくださいました。

 昨年の四月に、おっしゃるとおり、総務大臣通知で良識ある対応を要請いたしております。その結果、現在把握している限りでは、五百十二団体で改善をしていただきました。

 ところが、先般からまた、今度は返礼品が金券であったりパソコンであったりということで、これがネットオークションに出品されて転売されているというような事例がございましたので、やはりもう一回制度の趣旨に沿った運用を進めていただくという観点を徹底するために、金銭類似性の高いもの及び資産性の高いものについては返礼品としないように、少し去年よりは記述を明確化して、再度、四月一日に通知を発出いたしました。

 これは、税法上、返礼品の経済的な価値が一定金額を超えた場合には一時所得となりますから、一時所得として申告納税が必要となるものであり、やはり納税者の皆様にもそれを御理解いただきたいですし、特に、責任を持って対応されるべきは自治体であると思いますので、再度要請を行いました。

 しっかりと取り組んでいただくことを期待して、フォローしてまいります。

○小川委員  追って議論したいと思います。

 ありがとうございました。

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