民主党 衆議院議員 小川淳也
TOP事務所案内お問合わせリンク
ビデオメッセージ
小川淳也の国会での本格論戦
映像・報道他

映像生の声等新聞掲載等テレビ等書籍等ポスター

淳也ブログ 活動報告 応援のお願い小川 淳也へのネット献金はこちら 過去の活動報告
ケータイからもブログを ご覧
いただけます!
http://blog.m.livedoor.jp/junbo_blog/
ごあいさつプロフィール政策・理念トピックス会報誌

トップ衆議院TV

〜会議録(2015年5月19日科学技術イノベーション推進特別委員会)〜

○小川委員  民主党の小川淳也でございます。

 きょうは、大臣の所信に関連をし、また、先立ちました津村理事の問題意識もしっかりと引き継ぎながらお尋ねを申し上げたいと思います。

 大臣とは同じ四国でございまして、よく御一緒させていただき、また御期待も申し上げるところでございます。

 きょうは、災害監視、災害予知等に関連した技術的な面からの支援について、まず冒頭、お聞きしたいと思います。

 大臣、五月に台風が参りました。それから地震も、東北地方、またネパール、頻発をしている。こういう状況について、まずどのように感じておられるか、冒頭、所感をいただきたいと思います。

○山口国務大臣  先生御指摘のとおりで、近年、そういった災害が多発をしておる感じがしておりますし、とりわけ、集中豪雨にしても、こんな集中豪雨は見たことがないというのが例年続くわけで、当然、火山活動もございます。

 私も、先ほど津村先生の御答弁でも申し上げたんですが、国家戦略というものをつくる中で、二〇三〇年ごろの日本というのはどうなっておるんだろうかという問題意識で、実は、科学技術のみならず、地球環境、気象等も関係者に来ていただいて議論をしました。これからますます、もっと荒れるだろうというんですね。渇水はふえるし集中豪雨もふえる、当然、温暖化が進むというふうな中で、では、今何をすべきかというふうな議論も実はさせていただいたことがございます。

 そういった中で、科学技術の果たさなくてはならない役割というのは非常に大きいんだろう。これは、宇宙も含めて、気象観測衛星とかあるいは準天頂衛星も恐らく役立つんだろうと思いますが、そういったものを総動員しながら、やはり災害に強い、あるいは災害に遭ってもしっかり即対応できるような日本ということを念頭に置きながら頑張ってまいりたいと思います。

○小川委員  大臣、ありがとうございました。大変意地悪な質問なんですけれども、そのとおりだと思うんですよ。

 しかし、今回、所信の中に災害という言葉は出てこないんですね。もちろん、宇宙開発からさまざまな科学技術・イノベーションまで含めて、いろいろな分野からアプローチが必要ですし、大事だと思います。しかし、この地震国日本、そして火山国日本において、災害監視、災害予知を含めて技術的にどうアプローチしていくかということに対しては、極めて大きな問題意識が必要ではないかと思います。

 所信でどういう言いぶりをされたかなと思って私は探したものですから、それが見当たらなかったということは極めて残念でありまして、指摘をしたいと思います。

 その上で、きょうは国交省からもお越しをいただきました。お忙しい中、ありがとうございました。

 昨年九月の御嶽山における悲劇は、非常につらい現実であり、戦後最悪の噴火災害と言われました。そして、そこから学ばなければならないものも多々あったんだろうと思います。

 そういう意味で、気象庁におかれましてもいろいろと取り組みを強化していると思いますが、つい最近になって、今度は箱根で、噴火ではありませんけれども、非常に緊迫した事態が今なお続いている。

 私は、拝見する限り、非常に箱根の対応は迅速といいますか、丁寧といいますか、そういう印象を一定程度受けております。そこには昨年の御嶽の反省はどう生かされたのか、あるいは生かされつつあるのか、生かされていないのか、そのあたりをちょっと整理して、その後の取り組みの強化なり対策の充実について少し御説明いただきたいと思います。

○鈴木大臣政務官  お答えをさせていただきます。

 昨年の御嶽の噴火の災害を受けまして、火山噴火予知連絡会の検討会におきまして、観測体制の強化、そして情報提供、こういったことにつきましてさまざまな御提言をいただきました。

 例えば、火山活動の変化、その初期段階から現場において地元の関係者との連携をしっかりと深めていくといったこと、あるいは、地元の自治体と協力をして、火山活動の変化を旅行者等に迅速に伝わるようにわかりやすく提供する、こういった趣旨の提言をいただいたところであります。

 それを受けまして、今回の箱根の事案におきましては、まず、四月の二十六日になりますけれども、地震活動が活発になって以降、神奈川温泉地学研究所と専門的な観点からの連携を行いつつ、例えば、あとは気象庁の機動観測班、こういったものを派遣いたしました。そして、四月の二十八日以降に開催をされています地元自治体等から成ります箱根火山防災協議会コアグループ会議におきまして、気象庁からも火山活動について直接説明を行う等々、連携を深めているところであります。

 そして、旅行者への情報提供ということにつきましては、こうした連携のもとで、五月の三日になりますけれども、気象庁の火山の状況に関する解説情報というものを発表いたしまして、これを受けて、箱根の町におきましても、直ちに遊歩道等への立ち入りの規制を実施したところであります。

 こうした形で自治体あるいは地元との連携をより深めるといった形で、御嶽のいろいろな形での教訓をしっかりと受けて適切な対応を実施しているというふうに認識をしております。

 以上です。

○小川委員  ありがとうございました。

 御嶽の噴火以降、補正予算によるさまざまな装備品の強化、それから監視すべき火山の追加等も行われているというふうにお聞きしています。

 ことしの三月の二十六日ですか、対策の強化について、有識者からの、今触れられた部分にかかわると思いますが、提言を受けたということのようであります。これは九月の災害から三月の報告ですから、これ自体に半年かかっているということは、迅速さにおいて十分評価されるべきか、あるいはもっと急がなければならないのか、私は、少し時間がかかり過ぎているなという印象です。災害から報告までが半年。

 その後、その報告に示された具体策を一刻も早く実現していくということが重要なわけですが、ちょっと事務的にお聞きしたところですと、噴火警報の発表基準を公表すると。今まで公表していなかった。どういう場合に噴火の危険性なりがあるのかというその基準を公表していなかった。それを公表すべしという提言が三月の段階で行われた。現在、五月です。これはもう公表していておかしくないと思いますが、状況を教えてください。

○鈴木大臣政務官  お答えさせていただきます。

 今、その基準につきましては、公表に向けての整理を行っている段階でありまして、一刻も早く公表に向けて取り組みを進めていきたいと思っております。

○小川委員  報告からもう二カ月ですよ。基準を公表するというだけの話ですから、これは本当に速やかに対応をお願いしたい。

 加えて、噴火速報。どうも、御嶽の噴火の際は、噴火がありましたという事実を公表するまでに、噴火時点から三十分の時間を要しているというふうにお聞きしています。これは当然、どの程度警戒すべき区域があり得るのか、あるいは、どの程度の災害を想定しなければならないのかという事態の把握に三十分かかった。ですから、噴火しましたということを直ちに報告、公表できていないんですよね。

 それも、もうわからなくてもいいから、まず噴火があったという事実を発表すべきだという提言が有識者からなされている、三月にですよ。もう五月です。それは当然実現しているべきだと思いますが、状況を教えてください。

○鈴木大臣政務官  お答え申し上げます。

 噴火速報ということでありますけれども、確かにこれは迅速な対応というものが必要であります。

 その上で、これは新規の、新たな情報発出ということでありまして、当然システムというものを変えていかなくてはいけない中であります。出し手の気象庁と、そして受け手の関係の自治体、あるいは報道機関も含めて、双方において、情報処理をしていくシステムの改修を要しているところであります。

 今、ようやく関係の自治体と、そして報道機関との調整というものが終了をいたしました。具体的に言えば、八月の上旬の運用開始ということを目指して、それぞれの、受け手と出し手の両方においてシステムの改修を今進めている段階であります。

○小川委員  大臣、今のやりとりは直接科学技術という切り口ではないかもしれませんが、お聞きのとおりでありまして、私がちょっと事前に事務的にお聞きした範囲で言いますと、いいことを報告を受けているんですが、実施段階に移すペースが極めて遅いという印象であります。そういう中で、五月に入って箱根の状態もございますので、今のやりとりについては大臣もよく胸にとどめていただきたいと思っております。

 最後に、箱根の関連なんですが、今、ロープウエーの停止等を含めて、あるいは、観光に非常に依存した、観光が主力産業の町であります、そういったことのキャンセルなども含めて、経済的には恐らく打撃を受けていると思われます。

 通常、例えば実際に噴火が起きて、建物に被害が出たりとか、あるいは農作物に損害が及んだりとかということになりますと、それぞれ、災害救助あるいは農業共済、さまざまな救済策があり得る。しかし、残念ながら、この観光関連産業については、天災が極めて大きな影響を及ぼし得るにもかかわらず、公的な支援、公的なサポートというのは存在しない、当てにならない。

 この点について、政務官は観光政策も担当されているというふうにお聞きしておりますから、あわせてお聞きしたいと思います。

 現在、箱根はどの程度の経済被害を受けているのか、把握しているのかしていないのか、そして、こういう事態、これは事実上、自主的というよりは公の規制、公のルールによって営業できなくなっているわけですから、観光政策の一環として、何らかの補償なり、あるいは共助の仕組みを公的に考えていくべき、そういう議論があり得ると思いますが、その二点についてお聞きしたいと思います。

○鈴木大臣政務官  お答えをさせていただきます。

 まず、風評ということでありますけれども、例えば、風評に関する報道がさらなる風評の被害を呼ぶ、こういったことも当然考えられるところであります。そうした中で、公表というか、そういったことについては当然慎重にしていかなくてはいけない、そのことをまず御理解いただきたいと思います。

 その上で、現地において、風評の被害を懸念する、そうした声が実際に出ているところであります。当然、箱根の町におきましては、それを把握する努力をしていると承知をしているところでありますが、一義的にこれは自治体の方で把握をする性質のものでありまして、そういった意味では、そのさまざまな情報収集の状況というものを今観光庁としては見守っているという状況であります。

 そして、二点目でありますけれども、実際の支援のスキームというところであります。

 実際に災害指定をされて、実際の被害が出た場合というのは、当然、今、さまざまなスキームで支援というものがされる仕組みになっておりますけれども、風評ということでありますと、その実態というものを把握する、あるいは因果関係を把握するというと、これはなかなか難しい点というものもあります。

 そうした上で、しっかりと、観光産業に被害がなるべく出ないように、あるいはまた、同時に、観光ということでいえば、やはり何といっても旅行者の安全というものが一番大事でありますから、そうした意味では、少なくとも行政においては、正確な情報の提供と、そしてそれがきっちりと正確に旅行者に伝わる、こうしたことをまずはしていくことが大事だと思っておりますし、その上で、さまざまな状況を踏まえながら、いろいろ適切に判断をしてまいりたいと思っております。

○小川委員  非常に前向きとはとれない御答弁だったというふうに感じますけれども、観光立国を標榜し、そして同時に災害多発地帯であるこの日本でありますので、やはり観光産業に対する、災害あるいは災害には及ばないが今回の箱根のように緊迫しているような事態に対しては、産業政策の面からも何らかのサポートが必要ではないかということを改めて、重ねて指摘したいと思います。

 もうこれは指摘にとどめますが、大臣、火山あるいは地震に関する研究者の育成、養成、専門家の育成、養成というのも非常に大きな課題だと思います。

 現在、日本では、例えば火山に関連した研究人材は三百人余りというデータをいただいております。一方、同じく観光立国であり、地震火山大国であるイタリアでは六百人近い研究者、専門家がいるということのようでありまして、このあたりも、日本の災害に関連した専門家、あるいは科学技術を含めて、少し差があるということをぜひとどめ置いていただきたいと思います。

 次に、津村理事の御質問の中にもありましたが、科学技術行政の司令塔としてどう実効あるお仕事をされていくのか。これは、私自身も昨年、一昨年と担当の大臣に御質問させていただいた経緯があります。

 司令塔機能というのはたくさんありますし、ちょっと多極分散し過ぎているんじゃないかという気もします。原子力やITや宇宙や海洋や健康や、さまざまな本部と言われるものがある。

 それから、三兆円余りの科学技術予算でありますが、実際に大臣がみずから掌握しておられる予算は微々たるものであるはずです。ほとんどは各省庁の要求分であり、それをホッチキスどめして三兆円余りの科学技術予算だとおっしゃっているにすぎない現実が一方にあります。

 それから、その省庁別の予算のシェアでありますが、私の評価からいえば、十年ぐらい見てもほとんど変わっていません。いろいろと力点、重点を置くべき分野というのは時代の推移によって変わるはずでありますが、ある種、既得権でもあるんでしょう、各省庁のシェアというのはほとんど変わらない。

 こういったことを一つ一つ見ていきますと、やはり、大臣が科学技術全体を所管されるというお立場からどの程度実効性ある仕事をしていくのかというのは、常に大きな課題だということが一つ言えるだろうと思います。

 その意味で、先ほど津村理事もお尋ねになったんですが、この科学技術行政にどうかかわっていくか。極めて端的に、専門家でない政治家と専門家である有識者との連携という観点から、先ほど津村理事がお尋ねになりました。司令塔機能という切り口からも、これは私はお聞きしたいわけです。

 三役有識者会合というものを定期的に開いているというふうにお聞きしています。政務のメンバーと外部から招いた有識者が毎週のように顔合わせをして、科学技術に関連した総合的な会議体を持っておられるということのようであります。

 しかし、ちょっと気になりますのは、この三役有識者会合への関与、出席の状況についてであります。

 大臣からお答えいただきたいと思いますが、例えば直近一年で結構です。どの程度この三役有識者会合が開かれ、そして大臣はそれに実際どの程度出席をされているのか、あるいは、大臣の出席が難しい場合に、先ほどいらっしゃいました部下たる副大臣、政務官を含めて政務のメンバーは、どの程度積極的にこの会議に出席をし関与しているのか、その点、事実関係をお答えいただきたいと思います。

○山口国務大臣  先生御案内のとおり、今御指摘いただきましたように、いろいろ会議をやらせていただいておるわけでありますが、できるだけ出席できるようにということで考えております。

 これは原則毎週木曜日に開催をされまして、御質問でありますが、私が就任した昨年の九月以降、先週までに十二回開かれました。政務三役が参加をしない有識者懇談会を含めると十八回、要するに、出席できなかったものを含めると十八回でございまして、この中で、いろいろとスケジュールを調整させていただいて、私も六回出席をさせていただいております。

 そのほか、有識者議員の皆さん方とはいろいろな機会を捉えて実は意見交換をさせていただいておりますが、何とか今後とも時間をやりくりして、しっかりと対話をしながら議論を深めていくことができればと思っております。

○小川委員  この会議に限らずさまざまな場面で接触をし御議論いただくというのは大事なことだと思いますし、当然のことだと思います。

 しかし、このせっかく設けられた総合科学技術会議の中の三役と有識者会合という正式の場に、十八回中、大臣の御出席が六回、三分の一。政務三役、副大臣、政務官がおられて、なおかつその三名の政務の誰も出席しないのが六回というのは、ちょっとお粗末、本気度が問われると思いますが、大臣、いかがですか。

○山口国務大臣  確かに、さまざまな日程の都合上で、私自身が六回、副大臣六回、政務官八回というふうなことであります。できるだけ、それぞれの機会を活用して、私も発言をするように努めておりますし、先ほども申し上げましたように、これ以外の会合でも意思疎通を図るようにというふうなことで、例えば昼食を一緒にしたり、いろいろな機会をできるだけつくろうというふうに努力はいたしておりますが、確かに御指摘のようなこともございます。日程調整等も含めて、今後もっと出席できるように努めていきたいと思います。

○小川委員  これは、御参加いただいた有識者から見てもそうだと思いますよ。行っても大臣がいない、三役がいない。政府の本気度、これは格好だけかという印象を彼らは受けるんじゃないかと想像します。非公式な場面は重要でしょうが、公式な場面はもっと重要です。その点、ぜひ今後の取り組みに反映を、心からお願い申し上げたいと思います。

 最後に、日本の科学技術をめぐりましては、最近特に、やはりSTAP細胞以降特にでありますが、不正研究、研究不正に対する取り組みということも、かつて余り表沙汰に言われることはなかったような気がしますけれども、極めて重要な課題の一つだろうと思います。

 特に、野依前理化学研究所理事長を、ことしの三月をもって、任期を残して、事実上、日本にとって大変大事な先生を引責辞任のような格好で途中辞任させてしまったということは、大変残念なことでありました。したがって、体制が変わったようでありますので、心機一転、こういったことについても積極的にお取り組みをお願いしたいと思いますが、ちょっと気になる事案について、最後に文科省にお聞きをして終えたいと思います。

 ことしの一月ですか、分子生物学会関連の論文に不適切な写真の使い回し等、不正告発があったというふうにお聞きしております。一月でありますから、もう四カ月以上たっているわけでありまして、その後、文科省はこの告発に対してどう対処をし、現在どういう状況にあるのか、この点、御答弁いただきたいと思います。

○山本大臣政務官  お答えいたします。

 委員御指摘の件でございますが、本年一月に文部科学省に対しまして、二十四機関の生命科学系の研究者四十九名の論文八十七本に画像の不正が疑われるとインターネット上で指摘がされていると匿名の告発がございました。

 この告発を受けまして、文部科学省から不正が疑われる研究者が所属する機関に対して、速やかに、告発があったということを連絡した次第でございます。その連絡を受け、各機関において調査が行われております。

 現在、これまでの調査の結果、八十七本の指摘があったわけでございますが、六十四本の論文、十七機関、研究者三十三名分については、不正の事実は確認されませんでした。

 なお、現時点で、二十三本の論文、十機関、研究者十六名分が調査中でございます。

 また、文部科学省としましては、今後とも、各機関における調査状況を確認しまして、各機関の調査において不正が確認された場合におきましては、例えば科研費等競争的資金の申請に制限をかけるなど、厳正に対処をしてまいりたいと考えております。

○小川委員  八十七本中六十四本については不正がなかったことを確認したということのようでありますが、残り二十三本。きのうお聞きした時点では七機関だったんですが、正確には、今御答弁になられた十機関なんですね。

 中身を見ると、これはほとんど国立機関でしょう。例えば、大学に関して言っても、私立大学は早々に予備調査をして、今御答弁になられた、不正がないものはないできちんと報告が上がっているわけですよね。文科省が指導なり問い合わせをしたのは二月ですね。現在、それから三カ月たっている。国立機関が予備調査の経過すら報告してこない。これをどう受けとめていますか。より強力な指導が必要なんじゃありませんか。

○山本大臣政務官  お答えいたします。

 我々は、こういう不正研究に対してのガイドラインというものを設けておりまして、委員御指摘の予備調査というものはおおむね三十日以内で行っていただきたい、その予備調査が終わった段階で疑われる場合は委員会をきちっと設置していただく、これも三十日以内にしてほしい、その後きちっと本調査をしていただいて、それもおおむね百五十日以内にしてほしいというようなガイドラインを示しているところでございます。それを単純に全部足しますと、おおよそ七カ月ということになります。

 一月に指摘があって、四カ月ほどたっておりますが、そういうガイドラインの基準からいきますと、あと三カ月程度なのかなとは思っております。

 これは委員もよく御承知だと思いますが、文系の論文等々の不正でございますと、例えば引用しているのに引用していないようにいわゆるコピペをやっていたとか、そういうものはすぐ判断できることでございますが、こういう生命科学等々でございますと、再実験をして、本当にそれが不正だったかどうかということをきちっと確認していかなければならないということもございますので、必ずしも、早く結果が出ればいいのか、あるいは、時間をかけてもきちっと、本当に不正があったのかどうかということを確認した方がいいのか、このバランスというのは大変重要だと考えております。

 何でもかんでもとにかく早く結果さえ出てくればいいというものではなく、きちっと再実験をして、本当に疑わしいものを、疑惑を晴らす。本当に不正があれば、それは、先ほど申し上げたとおり、競争的資金の規制をかける等罰則規定を設けておりますので、そこはきちっと厳正に対応をいたしたいと思っております。

○小川委員  確認ですが、では、三十日以内の予備調査に関しては、全機関から、予備調査の結果はこういうことだという報告はあったんですね。

○山本大臣政務官  お答えいたします。

 まだ、六機関、研究者十一名、論文十八本分が予備調査中であるという報告をいただいております。

○小川委員  早いのが必ずしもいいとは限らないというのはそのとおりかもしれませんが、予備調査で、わからないならわからない、どういうところにもう少し時間を注ぎたいと。

 しかも、私が気になっているのは、これは国立機関ばかりなんですよ。私立大学は真面目にやっている。これは文部科学省の指導力が大いに発揮されるべきではありませんか。そのことを改めて強く指摘して、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

▲このページのTOPへ

香川事務所 〒761-8072 高松市三条町315-3 TEL:087-815-1187 FAX:087-815-1189
国会事務所 〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院 第二議員会館1005号 TEL:03-3508-7621 FAX:03-3508-3251