民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(2015年4月2日安全保障委員会)〜

○小川委員  おはようございます。民主党の小川淳也でございます。

 きょうは、質疑者が私一人ということでございまして、心して御質問申し上げたいと思っております。

 まず、通告に従って質疑をさせていただくんですが、その前に、本日、沖縄県知事が上京されているようであります。大臣がお会いになる予定はあるのか、あるいは面談要請はあったのか、その点ちょっと確認させてください。

○中谷国務大臣  現在のところ、私まで面会を要請するということはございません。

○小川委員  あさってには菅官房長官が西普天間住宅地の返還に伴う式典に参加をされ、その都合により翁長知事と初めて面談するというようなことも報じられております。

 防衛大臣は、この式典への対応をどうされるのか、また、一刻も早く、再度の上京を待たれるというよりは、みずから沖縄をお訪ねになって、知事とのコミュニケーションを図られるべきだと思いますが、この点いかがですか。

○中谷国務大臣  四月四日の返還式は、防衛省並びに地元の自治体と共催して開催する予定でございますが、政府としては菅官房長官が代表して出られるということでございますので、当日私はその会には参加はいたしませんが、菅官房長官の方も知事さんとの面談も希望、調整をしているということでございます。

 沖縄県とは、政府全体としてさまざまなレベルにおいて話し合いをし、また理解を求めてまいりたいと思っております。

○小川委員  引き続き、沖縄県側とのコミュニケーションにしっかりと意を用いていただきたいということをお願い申し上げます。

 関連してもう一点だけ。きょうは外務省から政務官にお越しいただいています。ちょっと御担当かどうかは別ですので、お答えになられるかどうか。

 昨日の報道で、仲井真県政時代の元県政幹部を外務省の参与に採用された、それから、沖縄公庫の理事にも同様に登用されたということであります。これは私自身も、先般申し上げたとおり、個人的な経過、経歴によって非常に親しい方でございます。そういう意味では、非常に中央政治また沖縄県政に役立たれるということを御期待申し上げたいと思いますが、一方で、非常に沖縄県を分断しかねない人事ではないかというようなことも言われており、私も、その懸念に対しては一定理解する立場であります。

 この外務省参与に仲井真県政時代の元幹部を採用した狙いについて、お答えになれる範囲でお答えいただきたいと思います。

○薗浦大臣政務官  お答え申し上げますが、御通告をいただいていないということと、私の所管外、担当外でございますので、つまびらかにはできませんけれども、いずれにしても、省内全体として我が省の多面的な仕事にプラスになる方を、総合的に判断をしてお願いをするということでございますので、そのように判断をしてお願いをしたということであろうと思います。

○小川委員  ひとまずこの点についてはその御答弁で承っておきたいと思いますが、さまざま、政治問題であり、政治案件でありますので、臆測も含めて、いろいろと議論が起き得るということについては改めて御認識をお願いしたいと思います。

 それでは、防衛調達に関してお尋ねをいたします。

 まず、さきの審議におきまして、非常に、財政民主主義の立場から極めて大きな例外であるという議論、それから財政規律の観点からも長期的に制約しかねないという議論がございました。

 きょうは、お忙しい中、財務省から政務官にお越しをいただいております。今回のこの例外を認められた立場から、財政当局の立場から、何をどう評価して、あるいは期待をして、今回の異例の特例措置を講じることになったのか、その点、御認識をお聞きしたいと思います。

○大家大臣政務官  お答えいたします。

 財政法は、将来にわたる財政の弾力性を阻害することがないように、債務の負担による契約の年限を五カ年度以内と定めているところであります。

 しかも、この年限は安易に延長されるべきではないということでありますけれども、今回のこの法案について言わせていただくと、財政の硬直化を避けつつ、経費の削減に役立つという特別な事情が認められますので、この年限を延長しても財政法の趣旨に反するものではないというふうに考えています。

 具体的には、自衛隊が使用する装備品等を見てみると、防衛省のみが調達を行っており、毎年度の調達数量も少数であることから、スケールメリットが働きにくく、計画的に事業を進めることが難しいという特殊事情を有しています。

 このような中、今回の特例を講じることによって、契約締結先の企業において、装備品の製造に必要な部品、材料の大量発注、加えて、設備投資や人的投資について長期間を見据えたより計画的な対応が可能となる。これによって、スケールメリット等を働かせることができることになり、質の高い防衛装備品等を財政面から見ても効率的に調達することが可能になるというふうに考えています。

○小川委員  計画的調達、それからスケールメリット、効率性という御答弁でございました。

 では、ちょっとお聞きしたいんですが、こういう財政法の特例については今回が初めてではありません。平成十一年のPFI法、平成十四年の排出権取引法、十八年の市場化テスト法、そして十九年の省エネ改修法、四つの例があるようであります。

 これは既に、古いものでいえば平成十一年ですから、創設から十六年たっている。この十六年間、こうした財政法の特例を設けたことによって、今まさに政務官がおっしゃった計画的でスケールメリットをきかせた効率的な調達は、果たしてこの四法で可能になったのかどうか、その効果測定をどう具体的にしておられるか、その点、御答弁いただきたい。

○大家大臣政務官  お答えいたします。

 一般論として、制度設計を行うに当たりましては、まず立法目的があります。そして、その手段として、必要な制度設計を行っていくことになります。

 例えば、先生御指摘のPFI法におきましては、財政法の特例として最長三十カ年度までの契約を可能としていますが、これは、PFIの促進を図るという目的がまずあります。その中で、その制度を実際に機能させるには長期契約の締結が不可欠というふうになっています。すなわち、PFI事業を実施する民間企業との間では、長期にわたる安定した契約を締結しなければ民間企業の受け手がなく、制度として機能しないであろうということを考慮して認めているものであります。

 このように、これまで五カ年度を超える契約を可能としている制度を設けてきた趣旨は、PFIを推進するということであったり、先ほどありました市場化テストを導入する等のそれぞれの目的があって、これを実際に機能させるためには長期契約の締結が不可欠であるということであります。契約の長期化そのものによる経費削減を狙ったものではありません。

 一方、現在御審議いただいている法案は、契約の長期化そのものによる経費削減を狙いとしている点において、本質的に違いがあるということであります。

 もちろん、PFI事業と市場化テストについても、財政の効率化や経費の削減という側面はありますけれども、これは契約の長期化そのものから得られる効果ではなく、あくまでもPFI事業や市場化テストそのものを推進したことによる効果であって、その具体的な成果は、所管の省庁において、内閣府において検証されるべき事項であるというふうに考えています。

○小川委員  政務官、恐縮ですが、ちょっと不十分な御答弁だと思いますよ。今の御答弁だと、たとえ調達コストがふえても、法目的遂行のためにはやむを得ないとまで聞き取れる御答弁であります。そもそも、これは、PFIにしても市場化テストにしても、行政の効率化なり国政の無駄の排除なりということのために法律があるわけですから、私は、今の御答弁は不十分だと思います。

 財務当局として、こういう財政法の財政規律なり財政民主主義の例外を設けるわけですから、きちんと効果測定を具体的にしていくというふうに御答弁されるべきだと思いますが、もう一回御答弁ください。

○大家大臣政務官  もちろん、先生御指摘のような観点は重要だというふうに考えています。また、政府として効果を検証していくということは、もちろん、これもまた加えて重要な点であります。

 財務省としてはそのように考えています。

○小川委員  今回、中谷大臣にも御注意をいただきたいのは、五年間の時限立法なんですね。五年後に、恐らくこれは、本当に成果を生んだのか、あるいは弊害はなかったのかということを極めて検証しなければならないタイミングが早期にやってきます。という意味では、重ねてになりますが、財務当局からのきちんとした効果測定と、そして防衛省の側が果たすべき説明責任、この点については二重、三重にしっかりとチェック機能をお互いの目で果たしていただきたい、そのことを改めてお願い申し上げたいと思います。

 財務政務官、どうぞ御退出いただいて結構です。

 それでは、この長期契約ももとよりなんですが、そもそも、この防衛調達に関しては、かなり私は、ちょっと表現が難しいんですけれども、ある意味鬼門だと思うんですよね。過去、この不祥事をめぐって閣僚の辞任騒動もございました。

 ちょっと防衛大臣、ここ最近の主な防衛調達をめぐる事件をみずから振り返っていただきたいと思います。事例を含めて。

○中谷国務大臣  我が国の防衛調達品につきましては、市場が防衛省のみに限られておりまして、もう一方で、一般的な民生品と違って、特殊かつ高度な技術、そして性能、設備が必要となっておりますので、非常に限定された中で行わなければなりません。

 過去、いろいろな不祥事がありまして、その都度都度に再発防止と新しい仕組み等を勘案いたしまして、今回、防衛装備庁を初めとする制度をつくりますと同時に、こういった監察や監査、また不祥事の防止、そういった所要の措置も講じておりますので、厳正にこういった調達が実施できるように努めてまいりたいというふうに思っております。

○小川委員  大臣、それは次にお尋ねする予定だった質問なんですけれども。

 まず、みずから振り返っていただきたい防衛調達に関する不祥事、大きなもので、では私の方から申し上げますが、平成十年の調達実施本部の水増し請求、そして、それに関連をした天下りの問題。当時、額賀防衛庁長官は、この件で参議院で問責決議を受け、辞任をした。そのときには与党の一部からも賛成に回った政党が見られるということも含めて、大変大きな政治的な事件でございました。

 その後、平成十七年、十八年だと思いますが、当時の防衛施設庁による官製談合事件、これも非常に大きな事件でありました。その後、組織改革につながっているわけであります。

 さらに、その後は、守屋元事務次官の収賄事件。これも大変大きな衝撃でございました。

 そして、最近までやまらないのが水増し請求であります。これは何年かに一回と言っても過言ではないと思いますが、必ず大きな問題になり、そしてそれが、組織改革にはつながるものの、今回もこの後、設置法の議論に入るんだと思いますが、防衛装備庁ですか、こうした組織改革が必ずしも文化や慣例を含めた抜本的な改革にはつながっていないということを繰り返してきたのが防衛調達の世界であります。そして、その背景には、まさに大臣がおっしゃった、極めて専門的な調達であり、市場は限られ、そして提供する側の企業も限られているというような特殊な背景があるだろうと思います。

 現在既に、この法案をめぐって、附帯決議にどういう内容を盛り込むのか、理事間での協議が進んでいるというふうにお聞きをしておりますが、調達の透明性の確保、それから縮減される経費の推計額、適正な調達価格算定能力の向上、そのための体制や制度の整備、これらも大きな課題だと思います。後ほどこれもお聞きしたいと思いますが。

 まず、全体像として、この防衛調達、例えば決算が出ている直近のものでいえば平成二十五年度、件数にしますと四万二千件余り、金額ベースで二兆三千億円。これをちょっと契約形態別にお聞かせください。この総額、総件数のうち、一般競争入札、指名競争入札、随意契約、それぞれどういう構成になっているのか、御答弁いただきたいと思います。

○吉田政府参考人  お答え申し上げます。

 平成二十五年度の防衛調達における契約方式別の件数及び金額でございますが、一般競争入札が、一万六千七百件でございまして、割合にして三九・七%、金額にして四千六百億円でございまして、一九・五%でございます。指名競争入札が、約九百件で、割合にして二・一%、金額にして五百億円で〇・一%。随意契約が、件数にして二万四千四百件で、割合にして五八・二%、金額にして一兆八千五百億円でございまして、割合で申し上げますと七八・四%となってございます。

○小川委員  大臣、お聞きのとおりでありまして、何と、随意契約が件数ベースで六割、金額ベースで八割という構成であります。額そのものも巨額ですから、やはりこういうところにも、極めて特殊な世界であるということが如実にあらわれている。

 だからこそ、この契約のあり方なり、また、防衛当局の算定能力を含めて、体制を含めて強化をしなければなりませんし、同時に、関連企業との癒着といいますか、非常に親密な関係についても改めて整理をする必要があるのではないかと思います。

 そこで、ちょっと時間の限りもありますので、二、三、具体的に大臣の決意をお述べください。

 一つは、今、契約形態別にそのシェアを御答弁いただきました。私は、加えて、落札率はどうですかとお聞きしました。一般競争入札ではどうなのか、指名競争入札ではどうなのか。ちなみに、一般競争入札をとりましても、後ほど一点お伺いする予定ですが、一者応札が三割なんですね。一般競争入札であっても一者応札が三割です。それほどに特殊です。そして、落札率は全体でどうですかとお聞きしました。一万件以上あって、とてもあすの答弁にはたえられないというのがきのう現在のお答えでした。

 これは、防衛省として、落札率はどういうふうに変遷していっているか、極めて丁寧に慎重に監視し、チェックすべきだと私は思います。言われてやるのではなくて。そのことに関して大臣の御決意をお聞きしたい。

 加えて、防衛装備の調達に関連する資料を昨日いただいたんですが、防衛費が約五兆円前後と目されるイギリスやフランスとの比較で申し上げますと、この装備調達にかかわっている人員が、日本の場合は二十四万人中千八百人、ほぼ同じ防衛費を要しておりますイギリスの場合が十七万人の軍人のうち一万六千五百人、フランスが二十二万人のうち一万五百人。桁違いなんですよ、装備調達に充てている人員の厚みが。

 この金額と契約の特殊性に鑑みて、極めて、今回の附帯決議でも議論されているようですが、体制整備なり能力開発には大きなエネルギーと資源配分を用いるべきだと思います。この点に関する御決意を二点目にお聞きしたい。

 そして、三点目。ちょっと重ねることをお許しください。

 綿々と続いている水増し請求についてでありますが、防衛省は定期検査を行っているようであります。ほぼ六十名の体制で、五年に一回は各企業に検査に入りたいという意向のようでありますが、その内実を見ますと、二十カ所余りは定期調査で事前通告のある調査です。十件だけが通告なしの抜き打ちの臨時調査であります。この点、会計検査院からも、抜き打ち調査をしっかりやるべきだという指摘がなされている。この調査の資源配分に関しても、抜き打ち調査を圧倒的にふやすべきだと思います。

 三点、お尋ねをいたしました。それぞれ大臣の決意にかかわる部分でありますので、積極的に、前向きに御答弁いただきたいと思います。

○中谷国務大臣  抜き打ち調査につきましては、御指摘のとおり、公平性また透明性を図る意味からもこれは重要なものでございますので、そういうものはふやす必要があるのではないかと私も思っております。

 それから、防衛装備関連の業務の人員配置。各国とも比較をされておりますが、現在のところ、この職員数につきましては、一概にお答えするのは困難でございますが、装備政策の企画立案、プロジェクト管理、研究、また調達の取得関連の業務に従事している職員数は約千八百人となっておりまして、外国と比べて確かに少ないと考えておりますが、今後、防衛省としては、拡大する装備行政に適切に対応するために、これらの取得関連部門を防衛装備庁として集約、統合して、防衛省としての業務の効率化や調達に係る能力向上等は図ってまいりたいと思っております。

 あと、再発防止また公平性につきましては、各事案が発生しましたので、その都度に改善策、対策を講じておりまして、御指摘の調達実施本部の事案を受けて、相互牽制をできるような組織体制、外部からのチェックの調達審議会の設置、また、防衛施設庁の談合事案を受けまして、閉鎖的な人事管理制度の見直し、また、監査監察の体制ということで防衛監察本部を設置いたしました。また、守屋次官の収賄事件を受けまして、職員の法令の遵守の強化、また、三菱電機を初めとする過大請求事案を受けまして、違約金の見直し、御指摘のあった抜き打ち調査の導入、企業の法令遵守の強化など、さまざまな防止策を講じておりますけれども、これが機能できるように、さらに監視体制を強化してまいりたいと思っております。

○小川委員  落札率、ちゃんと定期的に見てください。お願いします。もうここで指摘されるまでもなく、みずからの目で。

 それから、体制強化とあわせて、もう一点、先ほども申し上げました関連企業との癒着の問題、天下りの問題であります。これも、直近、拝見して、余り事態が改善しているようには見受けられません。

 これも時間の関係で指摘にとどめたいと思いますが、三菱重工業を初めとした例えば契約締結上位二十社、約四十名近いOB職員が再就職しているようであります。

 それから、ちょっと気になる存在で、防衛基盤整備協会という財団法人がありますね。これ、たくさん役員がいるんですよ、二十六名。このうち、非常勤を含めて十三名が中央官庁の天下りであり、九名は防衛省のOB、自衛隊のOBであります。かなりここはワンクッションになっているんじゃないかというふうにも見られかねない団体であります。

 業務も、ちょっとホームページを拝見しますと、どうかと思う業務がありますよ。「煩わしい防衛調達手続きから解放致します!!」「競争参加資格申請、契約書作成、」等々の「支援業務を行っていますが、本事業はこれらの業務に加えて、原則全ての手続きをパックにしてお引き受けするものです。」「弊協会には、長年防衛調達に携わって参りました職員が多く在籍しており、卓越した見識により、あらゆる手続きを先行的かつ的確に処理できるものと確信しております。」これ、煩わしい防衛調達手続にしているのは防衛省の責任じゃありませんか。

 こういうふうに関連の団体に言わしめていること自体、私は極めて改善を要すると思いますが、大臣、これは善処いただけませんか。

○中谷国務大臣  手続につきましては、累次の不祥事事案等が発生しましたので、それのあり方を厳正にしたために、非常に複雑で、非常に手続的にいろいろな過程が必要であるというふうになっているというのが現実ではないか、委員の御指摘のとおりでございます。

 ここで、防衛基盤整備協会というのは内閣府によって事業認定を受けた公益財団法人でありまして、防衛省では個々の事業内容については承知をいたしておりませんが、このような支援業務を防衛基盤整備協会が実施したとしても、防衛省としては契約相手方の手続の適正化について通常どおり厳正に審査、確認を実施しておりますので、不正の温床になることはないと考えております。

○小川委員  大臣、形式的に内閣府に移ったのは事実です。しかし、御答弁ぶりは、形式的にはそうだけれども、業務上極めて関連の深い団体であり、私どもとしてもしっかり見ていきたいというふうに御答弁されるべきではありませんか。私は、そこに大臣の当事者意識なり、今回法案そのものは長期調達に係るものでありますが、防衛調達そのものの特殊性と、過去累次にわたって引き起こしてきた不祥事と、そしてそれが、たび重なる組織改革にもかかわらず、根本的には治癒されない、そういった問題点を根深いところから指摘しているわけであります。

 これは、形式的に内閣府に移ったとかそういうことは仮にあるにせよ、引き続き、大臣の極めて大きな当事者意識が求められる問題だと思います。

 重ねて二点、お尋ねいたします。

 かつての調達実施本部事件の後、防衛調達審議会というものが設置されました。ここで、約何万件にも及ぶ防衛調達のうち、事務的にお聞きしたところですと、年間百件程度、個別に抽出してサンプル調査をして、その調達が適正であったのかどうかを議論しているようです、外部の目を入れて。これ自体は件数は極めて限られています。私は、もっとふやせればその方がいいと思う。が、取り組み自体はいいことですよ。なおかつ、その議事録をホームページで公開している。ですから、私もアクセスできる。

 その中で二点、ちょっと気になる表現がありましたので、御答弁ください。

 一つは、昨年、二十六年十一月十九日の防衛調達審議会の議事録です。どうも年度末になって予算が足りなくなった。したがって、発注に際して、予算が足りなくなったことによる調整額を差し引いて予定価格をつくりましたという当局の説明がある。これはおかしいじゃないかと外部の有識者が指摘している。

 これは、私は、極めておかしな、もしこんなことが長年行われてきたとしたら、防衛調達独特の、特有の慣習だと思いますよ。予定価格というのは極めて、少なくとも建前からいえば、きちんとした原価の計算なり利益の積み上げなり、物理的、機械的、客観的に計算されるべきものが予定価格です。それを予算があるなしによって調整額をかますということ自体が極めてあしき慣習だと言わねばならない。

 そして、私は、水増し請求の背景にあるのはこういう文化だと思いますよ。予算が足りなければ、調整額という名のもとに発注額を減らしてもらう。一方、予算が潤沢にあれば、鉛筆をなめて水増しということも可能になる。お互いにそれを、もたれ合い、なれ合いの中でやっている。

 したがって、この調整額については直ちに、発注慣行上、廃止をしていただき、仕様の見直しなり、本来あるべき予定価格の再調整ということを取り入れていただきたい。大臣、この点が一つ。

 もう一つ、二十六年十二月の議事録には、ここまでのところ、防衛調達は極めて特殊だという話をしてきました。しかし、首をかしげたくなるのは戦闘食の調達です。サンマのかば焼き、保存試験に合格したのが一者しかいない。おかしいじゃありませんか。サンマのかば焼きですよ。これも、条件の定め方あるいは発注の仕方を含めて、大いに反省をし、改善、善処すべき点が多々あるんじゃないかと思います。

 この調整額とサンマのかば焼き、二点、御答弁いただきたいと思います。

○中谷国務大臣  まず、調整額につきましては、御指摘のとおり、予定価格の算定に際しては基本的には生産費用を適正に反映したものとすべきでございまして、計算価格が予定額を上回った場合には予算の増額措置または仕様の変更等を行うことが適正と考えております。

 このため、今後は、防衛調達審議会の指摘も踏まえまして、いわゆる調整額により計算価格を減額調整することがないよう、計画的に予算を執行し、予算の増額措置または仕様の変更等の検討を余裕を持ってできるように、省内関係部署に改めて周知をしたところでございます。

 サンマのかば焼きにつきましては、これは陸上自衛隊の野外訓練において隊員に支給する食品でありまして、御飯、おかず等をセットにしたレトルト商品であります。本品の入札に参加するためには十六カ月の保存試験に合格しなければなりませんが、新規参入するためには、初度費用をかけて商品を製造し、保存試験の結果が出るまで長期間待たなければならないため、参入しづらいという状況がございました。

 調達審議会から競争性を高めるための方策を検討すべく御意見をいただき、検討の結果、試験方法を見直して、一カ月間へ短縮することにいたしましたので、これにより、保存試験の申し込みが容易となることから、保存試験合格者がふえて、競争性が高まるものであるのではないかと考えておりまして、委員の御指摘もまさに大事な御指摘でございますので、幅広くこれから参入できるように工夫したいと思っております。

○小川委員  比較的明確な御答弁をありがとうございました。極めて、善処、改善、しかも直ちにできることを含めて、ぜひ大臣のリーダーシップを発揮していただくことをお願い申し上げ、重ねてになりますが、防衛調達、長期調達もそうですし、また調達そのものにさまざまな課題があるということを申し上げて、この点についてはひとまずおかせていただきたい。あとは附帯決議等に委ねたいと思います。

 残りの五分間、大変お忙しい中、それぞれ国交省、外務省からお越しをいただいておりますので、広い意味での安全保障という観点から少しお聞きさせてください。

 まず、国交省にお聞きしたいのは、先般のドイツにおける、まあフランス領内における航空機の墜落事故に関連してであります。

 この事件については、もちろん真相究明はいまだ完全には行われていないという前提には立ちたいと思いますが、しかし、おおむね、副操縦士の極めて私的な動機による殺人行為、破壊行為と言っても過言ではないと思います。

 こうした操縦士の悪意、故意による事故あるいは事件を今後どこまで想定すべきか、極めてこれは大きな課題を日本の航空行政に対しても投げかけているというふうに受けとめるべきだと思います。特に、オリンピックを控え、また観光立国を標榜し、そして各地でさまざまなテロ事件が頻発しているということを踏まえればなおさらであります。

 そこで、端的にお尋ねします。

 欧州の航空当局、航空会社で既に議論されているようでありますが、操縦室に常時二人人員を確保すべきであるという議論が行われているようであります。私自身も、これは大いに参考にすべき議論だと思います。日本の航空当局として、この点について現時点でどういう認識、考えを持っておられるか、その点をお聞きします。

○うえの大臣政務官  お答えします。

 原因の特定につきましてはまだ十分になされていないという前提でございますけれども、委員御指摘のとおり、この事故を踏まえて、我が国としてどう対応していくかというのは非常に大切な問題だと認識しています。

 一般論でありますが、我が国の操縦士につきましては、定期的に行われます航空身体検査に合格することが必要でありまして、この航空身体検査は、国が指定する指定航空身体検査医においてのみ実施することができます。国は、この指定医から航空身体検査の結果について報告を受けております。また、航空会社についても同様でございます。こうしたこと、あるいは、航空会社が独自の産業医を使って、精神面を含む操縦士の心身の健康状況について適切に確認をしているというのが現在の取り扱いになっております。

 そうしたことから、我が国として、精神面を含む操縦士の健康状態につきましては厳しく管理をしておりますので、直ちに安全上重要な問題が生じる可能性は低いというふうには認識はしております。

 ただ、一方で、今回の事故等もございますので、国交省といたしましては、今回の事故に至った背景あるいは要因等につきまして、各国当局あるいは国際民間航空機関等の動向につきまして引き続き積極的に情報収集に努め、今御指摘のあった操縦室常時二名配置等々、さまざまな方策につきまして早急に検討していきたいと思っています。

○小川委員  ちょっと、過去にはなかなか想定しなくていいような、あるいはすべきでないような事態も含めて、極めて高い危機管理が求められるんだということを今回突きつけられたわけでございまして、改めて対応をお願いしたいと思います。

 最後に、アジアインフラ投資銀行についてであります。

 きのう時点で参加五十カ国ですか、ロシアやブラジルも含めて。G7、G8も完全に割れている。私は、ちょっと日本政府として、アメリカがああいう姿勢なので、たかをくくっていて、大丈夫だろうという慢心、油断があったのではないかというふうにお見受けします。なおかつ、ここまで出おくれ感が強くなりますと、非常に危機感、場合によってはこれは外交敗北、アメリカのヨーロッパに対するグリップも極めて脆弱化しているということも含めて、非常に私は懸念しております。

 三月三十一日が創設メンバーの登録期限ということでありますので、既にその期限が切れているわけですが、その点も含めて、これはどうも、報道によれば、総理は与党に対して議論を指示したという報道もありますよ。与党側の公明党の代表も、極めていろいろな角度から議論すべきだということをおっしゃっている。ちょっと出おくれ感が強くなり過ぎているのではありませんか。

 外交当局として、この間の経緯また今後の対応をお聞きして、質問を終えたいと思います。

○薗浦大臣政務官  お答えを申し上げます。

 本件AIIBにつきましては、我が国政府の立場は一貫しておりまして、まず、中国側に対して、公正なガバナンスというのが確立できるのかということ、特に、加盟国を代表する理事会がきちんとした形で個別の案件を承認できるのかということ、それから、いわゆる債務国に対して債務の持続可能性を無視した貸し付けを行うことにならないかという質問、問い合わせを累次行ってきております。これに対して、まだ我が国に対して回答をいただいていないという点が一点。それから、参加した場合に、四桁億円、一千億円単位での我が国の拠出金が必要になるということから考えまして、極めて慎重な立場を今までとり続けてきております。

 ただ、諸外国との連携ということでございますけれども、今御指摘をいただきましたアメリカだけではなくて、英国を初め関係国ともいろいろな話をさせていただいておりまして、事前にしかるべき形で通告をいただいているということでございます。

 いずれにしても、中に入ってガバナンスに関与をするのか、外からさまざまな形でアプローチをするのかということに対してはさまざまなやり方があろうかと思いますけれども、問題意識を関係各国と共有をしながら、引き続き対応してまいりたいというふうに考えております。

○小川委員  時間ですので終わりますが、いずれにしても、緊張感を持った対応をお願いしたいと思います。

 ありがとうございました。

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