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〜会議録(2015年2月23日予算委員会)〜
○小川委員 民主党の小川淳也でございます。
まず、きょうは、お忙しい中、日本郵政の西室社長にお越しをいただきました。西室社長、大変お忙しい中御出席をいただきまして、ありがとうございます。お礼を申し上げます。
郵政事業をめぐりましては、来年、株式上場、そして海外事業の買収、海外展開ということで、大変大事な時期を迎えておられることと思います。きょうはその点もぜひお聞きしたかったんですが、ちょっと時間の都合もございます、もう一点のテーマに限ってお聞きしたいと思います。
ちょっと私は驚いたんですが、安倍総理が計画しておられる戦後七十年の新たな談話について、有識者懇談会の座長を務められるという報道がございました。
ちょっと調べましたけれども、特段、西室社長が歴史観やあるいは憲法観等々について積極的な御発言をされているということも過去にないようでありますし、今回、どのような思いでこの政治的なテーマ、極めて政治的なテーマを引き受けられるに至ったのか、そこら辺のお気持ちをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○西室参考人 西室でございます。
今の御質問でございますけれども、まず、私、座長はまだ引き受けておりません。指名されたということで、それをお受けするということを申し上げたところでございます。(小川委員「どういった心境で、どういうお気持ちで」と呼ぶ)
○大島委員長 小川君、そこでごそごそと言わないで。質問をもう一度簡潔に言ってください。
○小川委員 大変恐縮でございます。できるだけ移動を最小限にしていただけるように、委員長も御配慮いただけたらありがたく思います。
今、郵政事業は、株式上場等々、大変重要な時期を迎えていると思います。そこに当たって、この難しい政治問題に関する有識者懇談会の責任者を務められるということは、非常に私は意外な思いで受けとめているんですが、そこらあたりの経緯なり心境なりをまずお聞きしたいということでございます。
○西室参考人 まず、座長はまだ引き受けたつもりはございませんし、これは、この前の官房長官からの御発表にもありましたように、互選で、二十五日の最初の会合で決めるということになっております。
ただ、委員ということでのお話はございましたので、これについては極めて前向きにやらせていただくつもりで引き受けさせていただきました。
○大島委員長 よろしいですか。まだお聞きになりますか。
○小川委員 御答弁が続くようであれば、もう二、三、ちょっとお聞きしたいことがございますので、もし可能であれば、お許しいただければ、このまま。
○大島委員長 それでは小川君、簡潔に。
○小川委員 率直に申し上げまして、今、地元で、例えば郵政の社員の方々あるいは局長会の方々、この間、郵政事業というのは大変政治に翻弄されてきた十年でございましたので、今まさに、経営に専念をし、株式上場に備えるということを、もしかしたら社員の方々は望んでおられるのかなという印象を私自身は受けとめております。その中でこれを引き受けられるということは、それなりの覚悟なり思いがあってのことと想像いたしております。
そこで、端的にお尋ねいたしますが、五十年の村山談話、六十年の小泉談話、過去の遠くない一時期、日本は国策を誤ったという表現、それから、植民地支配と侵略という言葉、これらに対する痛切な反省と心からのおわびという表現がございます。これは西室社長の心情にどのような感情を及ぼすのか、これは共感される表現かどうか、その点。
○西室参考人 ありがとうございます。
今の御質問は二つあると思うんですね。基本的には、郵政の社長をやりながらこれが引き受けられるかということでございます。
私は、郵政の社長をやりながら、いろいろな仕事のお手伝いはずっと続けてやらせていただいておりました。そして、昨年の暮れぐらいからこの十八日までにいろいろなことを発表いたしました。その前段階で実は体調を崩して、これはとても郵政も務まらないかなと思った時期もありますけれども、幸いにして体調は復活いたしましたので、極めて前向きにこの仕事は引き受けさせていただく。
今、そこに私どもの発表の肩書が書いてあると思いますけれども、日本国際問題研究所会長というのがございます。これはもう既に三年目になります。
御承知だと思いますけれども、日本国際問題研究所というのは、日本の外交を中心にした政治全般にわたってのシンクタンクでありまして、それで、シンクタンクとしてはアジアで第一位の評価をいただいている。世界で十三位、アジアでは断トツの一位のシンクタンクです。
ここの実際の運営は、もちろん理事長の野上さんがやってくださっておりますけれども、私は節目節目にこれをお手伝いしているということで、全般的な知識については欠ける点はないとは思っております。
ただ、政治信条をここで申し上げるという立場にないというのは、これは議員おわかりのとおりだと思いますけれども、まだ会議も始まっていないという状況において、予断を持って政治信条その他をここで発表するなどということは、私としては絶対にできないなというふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。
○大島委員長 よろしいですか、もう。
○小川委員 これでもう最後にいたします。もうお尋ねはいたしませんので。
きょうの時点での早々のお出ましに、まず敬意を表し、感謝を申し上げ、そして、信条を軽々に申し上げられないということについても一定理解いたします。
しかし、昭和十年生まれでいらっしゃって、恐らく物心ついたときが戦争のさなかでいらした、そういう経験を踏まえても、今、国民の全部とは言いませんが、この七十年談話に向けてはいろいろな関心なり心配なり不安なりもございます、そのあたりをぜひ上手にコントロールいただけるようにお願い申し上げまして、質問を終えたいと思います。
○西室参考人 ありがとうございます。
それはそのとおりに思っております。
リストをごらんいただくとよくわかりますように、私が一番最年長でございます。つまり、私は終戦のときに小学校四年でございました。物心ついてしばらくの間、戦前それから戦中のその苦しい時期というのを実体験しております。そういう意味では、年寄りとしての貢献というのは一つできると思いますし、私が今まで積み上げてきた経験はそれ以外にも広範囲にございますので、ぜひともお役に立てると思っておりますので、今後とも、御指導をよろしくお願いいたします。
○小川委員 大変御協力をありがとうございました。どうぞ、もうこのまま御退室いただいて結構でございます。ありがとうございました。
続いて、きょうは、閣僚の皆様おそろいの中、大変心苦しい思いもございますが、中山外務副大臣が国際会議からお帰りでございます。特に、この国際会議に対する関心ももとよりでございますが、何よりも、あの緊迫した情勢の中で、現地で対策本部長を務められたということでございます。まだこうした機会は設けられていないと思いますので、いろいろ言えること言えないことがあると思いますが、一定の説明責任を国民の皆様に対して果たしていただきたいということで、少しお尋ねをさせていただきます。
まず、先般の過激主義に対する関係閣僚国際会議、これは私、非常に評価している点がございまして、新たに一千五百五十万ドルの新規支援を表明されました。そこに対しては、対テロ法整備の強化等テロ対処能力向上のため国際機関を通じ新規支援を行うと、極めて穏当で的確な表現をとられた、このことは、私は、一つ、いろいろな経過を踏まえた上で善処されたというふうに受けとめております。
その点に対する評価をまずお聞きしたいと思います。
○中山副大臣 今回の会合は、ISILを初めといたしますテロ組織の活発化の一因として国際的な関心が高まっている暴力的過激主義に関するもので、ケリー米国務長官による主宰のもと、開催をされました。
同会合におきましては、七十を超える国及び国際機関が一堂に会し、暴力的過激主義対策としてそれぞれが実施すべき措置や今後の協力について活発な議論が行われたことは、国際社会がテロに屈しないとの姿勢を示すものとして高く評価をしております。
私は、日本としての責任を毅然として果たしていくことや、各種国際テロ対策支援を行っていくことを強くアピールさせていただきました。そしてまた同時に、邦人殺害テロ事件に関して、日本からも謝意を表明申し上げた次第であります。
テロに対抗する手段は、実力行使のみではないとのことであります。
先般、岸田外務大臣は、邦人殺害テロ事件を受けた今後の日本外交を発表し、テロ対策の強化、そして中東の安定と平和に向けた外交の強化とともに、過激主義を生み出さない社会の構築の支援を打ち出し、包括的なアプローチをとっていくこと、今先生の御指摘どおり表明を申し上げた次第であります。
日本としては、安倍総理が申し述べられました中庸が最善を実践するために、過激主義を生み出す素地となる要因を排除していく取り組みとして、例えば、職業訓練そしてまたその支援をすることにより若者の失業対策を促進したり、社会の中の格差を是正する取り組み、また、日本の強みを生かした高等教育の支援を実施してまいりたい。さらには、例えば宗教指導者の招聘等を通じまして人的交流を拡充することが、過激主義を生み出さないために重要と考えております。
○小川委員 ISILと日本政府との直接交渉はなかったというふうに官房長官は表明しておられますけれども、現地ではISILとの交渉チャンネルは存在したんですか。それとも、そもそも存在しなかったと。
○中山副大臣 過去にも官房長官も答弁に立たれておられますけれども、日本はテロには屈しない、そしてまたテロとは直接交渉しないということで、私ども現地の対策本部におきましては、東京の指示に基づいてしっかりと対応をさせていただいたということであります。
○小川委員 ISILとの交渉チャンネルはなかったということでいいのか。それから、報道等によりますと、ヨルダン政府からの情報にほとんど頼り切りといいますか、事実上そうだったんだろうなと想像いたします。それ以外に、部族長、それから宗教指導者、今まさにお触れになられましたけれども、このあたりとの接触チャンネルというのは十分存在したんですか、現地では。
○中山副大臣 お答え申し上げます。
この点に関しましては、さまざまなルート、そして、宗教指導者、部族長等を通じましていろいろと対応を行ったということであります。また同時に、機微に触れる問題でもございます。そういったことも踏まえて、私からは、相手のいることでもございますので、答弁は差し控えたいと思います。
○小川委員 具体的に、最近報道にもございますが、ヨルダン政府側の交渉役だったというふうにISIL側が公開をした、イスラム厳格派指導者アブムハンマド・マクデシ氏の存在は認知していましたか。
○中山副大臣 私の方は承知をいたしておりません。
○小川委員 それは、知らないということですね。知らなかったということですね。
○中山副大臣 報道等ではいろいろ出ておるようですけれども、私の方は承知をいたしておりません。
○小川委員 今になってああいう形で報道もされておりますが、当時、これも想像でなかなか物を言えませんけれども、相当程度ヨルダン政府に頼らざるを得ない状況、そして、その交渉役の存在そのものに対する認知も必ずしも十分でないというふうに想像される答弁であります。
一月二十日以前、既に現地には対策本部が設置をされて半年以上たつころだと思いますが、それ以前の大使館での状況についても十分レクチャーを受けられ、状況を把握されたと思いますが、一月二十日以前の対応について十分だったと感じておられるかどうか。その点、ちょっと御答弁いただきたいと思います。
○岸田国務大臣 済みません。御質問が体制全体の話ですので、私の方から答えさせていただきます。
一月二十日以前の体制が十分であったかという御質問でありますが、一月二十日以前の体制におけるポイントは、一月二十日の段階で、ISILと目される関係者から映像が公開されたということがありました。ですから、一月二十日の以前の段階においては、人質拘束事案である可能性が否定できないという状況の中で、まずお二人の安全を最重視しなければならない、特に秘密の保持を心がけなければならない、そういったことから静かな形で対応するということが、一月二十日以前においては大変重要なポイントとして指摘をしなければなりません。
こういったことから、先日来何度か答弁の中でもお答えさせていただきますが、現地対策本部においては、従来の、シリア大使館そしてヨルダン大使館のイスラム、アラブの専門家を中心に体制を整え、そして、トルコですとかあるいは周辺国に対しましては、外務省本省、他の在外公館、あるいは警察庁から出張ベースでさまざまな働きかけを行い、情報提供を求めてきた、こういった対応をとった次第であります。
一月二十日の段階においては、今申し上げました観点から、最善を尽くし、体制を整えたということであります。
○小川委員 出張ベースでいろいろと体制をということでございますが、いただいた資料ですと、八月から十一月にかけてヨルダン大使館の配置は減員になっていますよね。このあたりも含めて、今、現地の中山本部長、中山副大臣にお聞きをしております。
時間もあれですので、あわせてお聞きしますが、副大臣、帰国後、十二日の副大臣会議で、反省点はいろいろあるんだというふうに御発言になられたようでありますが、どういった点について反省点があるとお考えでいらっしゃいますか。
○中山副大臣 お答え申し上げます。
副大臣会議で、私からは、反省点があるという言葉は一回も使っていません。それよりも、我々、現場のことで、現場の目線で見て、これからしっかりと情報を共有するべき課題があるということを副大臣会議で、私、申し述べました。
○小川委員 情報を共有すべき課題がある。それは、誰と誰との間ですか。コミュニケーションが不十分だったということですか。
○中山副大臣 副大臣会議でございますので、副大臣のレベルで、各省庁をまたぐような問題、特に、今回の対応というのは、警察庁のTRT―2と言われる、いわゆるテロ対策のユニットの皆様もすごく頑張っておられました。そういったことも踏まえて、省庁横断型で対応しなければいけない問題が多々ございます。
副大臣会議というのは大臣を補佐する副大臣が各省庁から集まっておられますので、その点に関して、今後こういった問題を二度と起こさない、そしてまたこういった不幸な結果を生み出さない、そのためにしっかりと情報共有するべきだと副大臣の立場として考えて、世耕副長官から発言を促されましたので、私の方はそのようにお答えをしたということでございます。
○小川委員 なかなか私どもとしても、正直、情報が限られている中でありますので、ここはひとつ、大衆紙等も含めて報道で目にすること等で、一つ一つとはまいりませんが、副大臣に直接確認をさせていただかざるを得ない面もございます。その点はお許しをいただきたいと思います。
その上で、今、反省点、課題ということでございましたが、一人目の湯川さん殺害後、その取り組みの改善点を協議した、協議して本省に報告しようとしたという報道も一部にございました。これは事実でしょうか。そして、実際に本省に報告したのかどうか、そのあたりもお聞かせください。
○中山副大臣 日々、現場では、そのシチュエーションというのが時々刻々と変わるわけであります。その都度に、必要に応じて適宜、外務大臣そして官房長官を含めて、東京の方とは必要な連絡というものを常に、情報更新という意味からも行っておりました。
○小川委員 今度は、副大臣御自身の、日本におられたときの情報掌握についてもちょっと確認させていただきたいと思います。
八月に湯川さん拘束と思われて以降、その後、九月に副大臣に就任しておられます。一連の現地対策本部の設置を含めたこの拘束事案の発生については、副大臣はどの時点で認識されたのか。
それから、十二月三日には、後藤さんの御夫人に対する身の代金の要求メールが来ているようです。しかし、この日は衆議院選挙公示日の翌日でございまして、副大臣の活動を確認させていただきますと、地元で街頭演説の最中でありました。この三日の時点で、副大臣は、危機管理上、こうしたことは把握をしておられたのか。
そして、官房長官は、先ごろ予算委員会で、十二月十九日に後藤さんの身柄拘束を、確証を得たという心証について述べておられます。この十二月十九日という日付は副大臣の頭にあったかどうか。
このあたり、日本におられたときの情報把握について御答弁いただきたいと思います。
○中山副大臣 委員も御指摘のとおり、昨年九月に、私、外務副大臣を拝命して以降、適時適切に事件の詳細について報告を受けておりました。
○小川委員 官房長官ははっきり答弁されていますから、副大臣もはっきり、どの時点でということぐらいおっしゃれると思いますよ。御存じなかったら御存じないで御答弁されてもやむを得ないかもしれませんが、もう少しはっきり御答弁してください。
あわせて、現地で報道対応しておられました。日本にいる身としては、固唾をのむような思いで副大臣の御発言に注目をいたしておりました。しかし、確認したところですと、これは公式のブリーフでもなく、また会見でもない、ホテルや大使館への出入りの際の非公式なぶら下がりのみだということのようであります。
かつて、ペルー大使公邸襲撃事件の際には毎日責任者がブリーフを行っていたというような記録も外務省にはあるようでありますが、なぜもう少し丁寧な公式の発言をメディアに対してきちんとされなかったのか。いかがですか。
○岸田国務大臣 ただいまの質問も全体の体制にかかわる質問ですので、私の方からお答えをさせていただきます。
今回の事件の対応につきましては、お二人の邦人の人命が危険にさらされる中で、対外的な情報発信、まずは一元化することが重要であるということを強く認識いたしました。この情報の一元化という観点から、本国で官邸を中心としてしかるべき対応をするというのが、情報発信における政府の基本的な方針でありました。
よって、中山副大臣には、現地対策本部における本部長として、現地対策本部におけるオペレーションの指揮をとることに集中してもらった次第であります。
こうした中で、中山副大臣は、一月二十一日からほぼ毎日、オペレーションの説明等を記者に対して行う、質問への応答を行った、こういった対応をとったと承知をしております。
○小川委員 ここから先、大衆紙の報道ですので非常にお聞きしにくいことも含めてでありますが、一部に大変厳しい評価が報道されているようです。日本食が欲しいから米を送ってほしいと要請したとか、一時電話がつながらなくなって連絡がとれないとか、あるいは、あいた時間を見て日本の議員に電話しているとか、このあたり、報道されていることは事実ですか。
○中山副大臣 まずは、現地対策本部長としてお二人の御生還をかなえることができなかったこと、これは、まことに力不足であり、現地対策本部長を拝命した者としては残念のきわみでございます。お二人の御冥福を衷心よりお祈り申し上げる次第であります。
また同時に、先生から御指摘のあった一部雑誌等の報道は、全く事実無根であります。
自分といたしましては、現地対策本部長として着任した際に、この対策本部の部屋の中には国会と同じように傍聴席があって、そこに国民が二十四時間座って見てくれている、国民に聞かれても恥ずかしくないことをしっかりとこの部屋の中ではやってくださいと、みずから、対策本部長着任の時点で、役人の人たち、現場の対策本部のメンバーには私からお話を申し上げた次第であります。
したがいまして、それをまさに実践して、国民の皆様方に見られても恥ずかしいことは一切なかったということは、この場をおかりしてはっきりと申し上げておきたいというふうに思います。
そして同時に、その上で、東京の指示に従って誠実に職務を遂行したということであります。
○小川委員 当然、そう期待したいところでございます。
それ以外にも、極端な話でありますが、外務大臣から発言を慎重にするようにという指示があったとか、あるいは、官邸では交代論までささやかれたというような話もございます。
このあたりについては極めて、そういう報道があったこと自体、残念なことだと思いますし、副大臣のフェイスブックを拝見しますと、あの緊迫した状況の中で、御自身の取り上げられた新聞やあるいはテレビの画面が連日のようにアップされていくんですね。これは、固唾をのんで見守っている人々からしても、何の意味があったのか、どういう効果があったのか。副大臣、このあたりも少し、事の緊迫度からすれば今後善処すべきだと思いますが、いかがですか。
○中山副大臣 まず、一連の週刊誌、夕刊紙含めて、例えば、今委員からも二回御指摘がありました、電話がつながらないとか、私がテンパって電話を切っていたとか、そんな指摘があったようでございます。
しかし、与党を経験された民主党だったら御理解いただける、小川委員も政務官をなさっておられたので。そのとき秘書官がおられましたよね。現地対策本部に、そこに黒縁の眼鏡をかけている秘書官が二十四時間私と一緒に動いていました。仮に私が、電話が電池が切れたり、万が一切るようなことがあっても、あそこにいる秘書官が、本省からの連絡等含めて、重要な電話というのは必ずつながるようになっています。
したがいまして、非常に、そういった指摘というのがいかに常識的に考えて当たらないかというのは、この今のQアンドAを聞いていただいている方にはよく御理解をいただけるんじゃないかなというふうに私は思います。
その上であえて申し上げますけれども、そういった媒体で、週刊誌、夕刊紙等で発出されていることというのは、私は、一体中身がどうなのかということ。
そして、私に、例えばある雑誌は、期限までに返事がなかったというようなことを指摘されていますけれども、私、一番ショックだったのは、日本人の湯川遥菜さん、そして後藤健二さん、お二人がああいった不幸な結果になって、そしてまだ現地対策本部は動いていたんです。ムアーズ・アル・カサスベ中尉、ヨルダン側が非常にアブドラ国王の御指導のもとで御協力いただいている中、現地対策本部の思いは、その中尉の命も何とか守りたい、そういう思いだったんです。
だけれども、まさにその本部がまだ動いているときに、そこへそういったメディアから質問状が来る、それに対して、私たちが現場で逆に対応しなきゃいけないということもありました。
私どもの緊張感というものが御理解をいただけたら、逆に、時間は今たっていますけれども、ありがたいなというふうに思います。そのぐらいみんな集中して、現地の対策本部はみんな頑張っていました。御理解をいただきたいと思います。
○小川委員 副大臣、本当に大変な御苦心の中にあられたことと思います。ただ、こうした形でいろいろなことが出ること自体は、残念だとやはり受けとめていますし……(発言する者あり)いや、それはそうだと思いますよね。ブログへのアップの仕方も含めて、やはり事態の緊迫度からいえば、御自身の反省点もあったのではないかというふうに私自身感じます。
かねてから、官房長官、検証委員会でさまざま議論されるということをお聞きしております。
予算委員会では、総理が果たして公邸にいるべきではなかったのかという議論、それから官房長官が選挙応援に行かれていたことについての議論、そして、残念なことではありますが、副大臣に関してのさまざまな、誹謗中傷含めてでありますけれども、いろいろな報道。
この検証委員会で、官房長官は、政治家の行動なり言動は検証の対象ではないというふうに御答弁されているようでありますが、これら含めてやはり検証する必要があると思いますけれども、その点、いかがですか。
○菅国務大臣 まず、いい機会ですから、総理、官房長官が不在だったということでありますけれども、私は岡田委員にも申し上げたんですけれども、内閣法において、官房長官が不在のときは、内閣官房長官の定めにおいて、官房副長官はその職務を代行するという規定があったわけです。ですから、それに基づいて参議院議員の官房副長官の世耕議員にお願いをしたわけでありますし、あらゆる事態に対応できる体制はしっかり整えさせていただきました。
そして、総理、官房長官が出張中も、常に、緊急事態発生の際の緊急連絡体制、これは電話、衛星電話も含めてですけれども、それはそういう形で万全を期していたものでありまして、官邸側の指揮体制に何ら問題ないということも前回申し上げたところであります。
それで、今回の検証委員会ですけれども、杉田官房副長官のもとで、今回の事件の対応について、実務者が参加をして検討を行ってもらいたいというふうに思っています。さらに、この検証委員会には、中東地域あるいは危機管理についての専門家の有識者の皆さんに御参加をいただいて、御意見も伺うという形にしております。そして、こうした有識者の皆さんからいただいた御意見等も、最終的にこの検証に反映をさせていきたいというふうに思います。
それと同時に、政治家の件でありますけれども、この検証の過程で、個別特定の役職にある者からヒアリングを行いたいということであれば、それは、政治家は、検証委員会にそうした要望があれば出向いて説明する機会をつくりたいというのは、これはある意味で当然のことだというふうに思いますし、総理も国会で答弁されておりますように、総理のエジプトで行ったスピーチ、これもその対象にするということも既に申し上げております。
○小川委員 ありがとうございました。
官房長官、ただ、一点、官房副長官への職務代行でございますが、岡田代表は、法律の議論をしたのではなくて政治の議論をしたんだと私は思います。その点からは、やはり振り返っていただきたい点があるということは一言申し上げたいと思います。
もうあと三分ですので、総理に一つだけ御答弁いただきたいと思います。
こういう状況の中ですけれども、やはり切れ目ない安全保障法制の整備に関しては、極めて慎重に議論を進めていただく必要があると思います。
先週末の段階で政府・与党の協議が始まったというふうに報道を通して承っておりますが、その中で、恒久法、恒久法となれば国会の一件審査はなかなか及びません。
それから、周辺事態法からは周辺事態という地理的な概念、制約を取り払うというような議論、さらに、米軍支援に限定してきたはずの支援を他国の軍隊も対象にする、そして、武器弾薬の提供や戦闘発進準備の航空機への給油も検討対象に入れる、いつでも、どこでも、誰とでも、何でも協力するということになりますと、これはちょっと、これまでの積み重ねてきた法制からしますと、余りにも一足飛びに議論が進んでいるようにお見受けをいたします。
総理、この点は、極めて、政府・与党協議のみならず、国会でも慎重な御議論をいただきたいと思いますけれども、御答弁いただいて、終わりたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今委員が、いつでも、誰でも、どこでも、何度でも。そんなことは全くないわけでありますから。そういうお話を伺うと、今まで国会で審議をしてきたことは一体何なんだったんだろうという気持ちになるわけでありまして、武力の行使については、新三要件、極めて厳格なものが決まっています。
それと、そもそも安保法制については、これから、今まさに与党において協議が始まっていて、法律ができたものについては国会で当然御審議いただくことになります。その中において、自衛隊を出す場合には、基本的に、今まで国会の承認を得ているということになっているわけでございます。
こうした安保法制というのは、やはり真面目な議論が必要であって、レッテル張りとかデマゴギー的なことは控えるべきだろう、こう思うわけでございまして、今後とも小川さんらしい緻密な御議論をいただきたい、このように思うところでございます。
○小川委員 特に集団的自衛権の行使については、イラク戦争、アフガン戦争には総理は行かないとおっしゃっている。その点に関して、ぜひ改めて時間をいただいて、詰めた議論をさせていただきたいと思います。
きょうは時間ですので、終わります。ありがとうございました。
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