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〜会議録(2014年4月8日科学技術イノベーション推進特別)〜
○小川委員 民主党の小川淳也でございます。
大臣所信に関連をいたしまして、御質問申し上げます。
きょうは、理化学研究所の野依先生、大変お忙しい中、また、一連の騒動への対応で大変お忙しいことと思います。委員会への御出席に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。
まず、現在の科学技術をめぐる情勢については、大臣も御想像のとおり、このSTAP細胞をめぐる真偽のほどなり、また、その手続に対する国民の疑念、関心が最大のものではないかと思います。
大臣に、この点、受けとめをお聞かせいただきたいと思います。
○山本国務大臣 今、小川委員の方から御指摘になりましたSTAP細胞に関する論文については、四月一日に、理化学研究所の調査委員会の最終報告がなされました。調査対象の六件のうち二件について捏造と改ざんという不正行為があったという内容であって、科学技術担当大臣としては大変厳しく受けとめております。
理化学研究所については、優秀な研究者がすばらしい活動を行い、世界最高水準のインフラを有するすぐれた法人であるというふうに認識をしております。こうした理研において、従来の生物学の常識を覆す結果として公表された論文中に不正があったと認定された、このことを極めて残念に思っております。ただし、今回の件で、寝食を忘れて、日夜、革新的な研究に取り組んでいる若手研究者のチャンスを奪うようなことがあってはならないというふうにも思っています。
理化学研究所においては、国民に不信感を持たれないように、ガバナンス、それから危機管理マネジメント、これもやはり世界と比べて一流であることをしっかり証明していただくということだと思います。一日も早く信頼を回復すべく、全力で対応に取り組んでいただきたいと思います。科学技術担当大臣として、理研のその後の対応を十分に見きわめてまいりたいと思います。
なお、委員御存じだと思いますが、四月一日からSTAP現象の検証についても取り組みを始めたということでありますので、科学的にきちっと検証がなされるということを期待しております。
○小川委員 大臣は、厳しく受けとめておられる、あるいは高い関心を払っておられるという御答弁でございました。
所信演説の中で、日本の科学技術の信頼性の確保、向上に関する言及がない。時節柄、そういった言及があってもよかったのではないかという点をちょっと指摘したいと思います。
それから、あわせて、これは通告外ですので、お感じになる範囲で結構です。
日本の科学技術に対する国民の信頼度はどの程度かという統計調査がございます。余りクイズのようになってもいけませんので、ここは御紹介した方がいいかと思いますが、直近、二十四年の調査で六六%だそうです。現在、高いと言われている内閣支持率よりさらに高い。国民の日本の科学技術に対する信頼度が高い。原子力災害の後、若干低下し、その後、回復傾向にあったようです。
しかし、このSTAP細胞をめぐる騒動の後、どういうふうに数字が変化しているか、大変興味深いところですが、データはありません。文部科学省の方で調査をされているようですので、大臣にも御関心をお持ちいただきたいと思います。
野依先生にお聞きいたします。
国民の科学技術に対する信頼は意外と高いんですね。意外とと申し上げると失礼ですが、七割近い、大変高い水準であります。
一方、同様の調査で、大変興味深いというふうに私はお見受けしていますが、専門家に今度聞きます。国民は科学者を信頼していると思うかと専門家に聞いた場合、数字がぐんと下がりまして、四割台前半に落ち込みます。私は、この数字を見てちょっと意外でした。国民は科学技術に対して高い信頼を置いている。しかし、科学技術者自身が、自分たちが信頼されているかどうかについて、必ずしも高い自信を持っていない。
科学者として、大変大きな業績、功績を残された野依先生であります。ノーベル化学賞を受賞された際には、私も、日本国民の一人として、大変誇らしく、本当にうれしかったことを鮮明に記憶しております。そういう研究者としてのお立場からの御見識もいただきたいですし、理化学研究所という大変大きな組織をまとめられる管理者であるというのは、また、違った御苦心、御苦労がおありだろうというふうに拝察をいたします。
今私が申し上げた観点、専門家の立場から見た国民の科学技術に対する信頼、そして今回の一連の騒動、特に、不正があった、捏造、改ざんがあったと認定されたわけでありまして、その不正を防げなかった背景について、研究者として、管理者としてどうお考えになるか、お述べいただきたいと思います。
○野依参考人 先ほど大臣からもお話がございましたように、今般、理研の研究者が発表いたしました論文の不正問題が科学社会の信頼を損なう事態を引き起こしていることは、大変申しわけなく、おわびを申し上げたいと思います。
今回の事態は、研究者本人の倫理観の欠如、共同研究における著者間の責任分担の不明確さ、研究所の組織としてのチェック機能に改善すべき点があったことなど、複合的な要因によって生じたもの、そういうふうに認識しております。
したがいまして、こうした問題が再び発生しないように、外部の先生方の御意見も伺いながら、再発防止策を早急に取りまとめ、そして、組織として必要な対応を確実に行うとともに、高い規範を再生した上で、科学技術・イノベーションへ貢献するという理化学研究所の責任を果たしてまいりたいと思います。
今お尋ねの研究社会に関するものでございますが、研究者と一般社会の対話がもう少し必要じゃないかと思います。その上で、研究者あるいは科学技術に携わる者は社会に対して何をするかということを、もう一度確認しなければいけないと思っております。
かつて、科学は知識をつくる営みでありました。しかしながら、最近は、社会の中の科学、社会のための科学ということが大変大事になってきておりますので、今後とも、科学者、技術者たちは一般社会と対話をしながら、みずからが何をすべきかということ、特に若い人たちは対話を通して自分たちの持てる力を十分に発揮していく、そういうことが必要ではないかと思いますので、一般社会からも激励をしていただきたい、そういうふうに思っております。
○小川委員 大変真に迫る研究者ならではの御答弁、ありがとうございました。
もう少し私も、きょう、国会の場であります。それから、理化学研究所という大変権威ある機関の内部で何が起きていたのか。事実の検証はまだ待たねばならないところがあろうかと思いますが、少しトップの口から率直に感じておられることをお聞かせいただきたい、そういう趣旨で御質問申し上げます。
私は、STAP細胞発見の報道に接しましたとき、ことしの年明けだったと思いますが、大変強い衝撃、大きなインパクトを感じました。これまで万能細胞については、高い技術なり大変な遺伝子操作なり、ちょっと素人からは及びもつかない領域の世界の話だと思っていたわけであります。しかし、圧力をかける、あるいは酸に浸す、もし不適正であれば訂正していただきたいと思いますが、そういう極めて素人からも理解可能な過程を経て細胞が初期化するというのは、大変衝撃的なお話でありました。
しかし、逆に一方で、危機的な状況下で細胞が初期化に向けた運動、変化を起こすというのは、生命の神秘であり、また、生命力の多様さであり、強さであり、大変な可能性を秘めた発見なのか、しかも、それが三十代の若い女性、割烹着も話題になりましたけれども、ああいうセンセーショナルな表現とあわせて国民に大きな衝撃を与え、訴求力を持ったわけであります。
当然、理事長は、世の中で公になる前に、相当、事実関係なり、あるいは研究の成果としては御存じだったと思いますが、その事実関係、そして、それに対してどういう感想を持たれていたか、発表前の話でありますけれども、理事長御自身の体験から率直にお述べいただきたいと思います。
○野依参考人 私が研究者、当事者たちから話を聞きましたのは、発表の数日前、一週間以内でございます。笹井副センター長、小保方さんの二名からその研究成果を聞きまして、まさに衝撃を受けたところでございます。それ以前には全く聞いておりませんでした。
○小川委員 私ども一般がそうであったように、理事長といえども、いささかの疑い、いささかの懸念も持たずにその発表を受けとめたということでよろしいのかどうか。
そして、あわせて、理事長の最近の国会での御答弁、また本日の御答弁を拝見していても、やはり組織として、構造的な問題として考えていく必要性はお認めになっておられますが、同時に研究倫理の問題である、あるいは、こうした分業体制による共同研究を性善説でやっていいのかどうか、人の資質、研究者の倫理観という極めて厄介なものについても言及せざるを得ない。つまり、組織の構造、チェック機能の問題と研究者の個性、キャラクター、倫理観の問題、両方に言及しておられるわけであります。
その意味で、今、お聞きになった時点で、いささかの疑念も、いささかの懸念もお持ちにならなかったのかどうかが一点。そして、今回、渦中の人であります小保方ユニットリーダーの研究者としての個性、倫理観に触れざるを得ないとすれば、理事長は以前から面識があったのか、あるいは、その発表、報告を受けた際にどういう感想をお持ちになられたのか、率直にお答えいただきたいと思います。
○野依参考人 このSTAP細胞の論文は、ネイチャー誌という世界に冠たる雑誌に載っておりまして、そこに掲載されるというのは、さまざまな審査を経て掲載されるわけでございます。そこで掲載されたこと、それから、それをリードする笹井副センター長を初め、大変立派な実績のある研究者がリードしてきたということで、全く疑いは持っておりませんでした。
それから、研究不正全体の問題につきましては、これは世界的に蔓延するゆゆしき問題でありまして、私は、それまでに随分憂慮してきたところでございます。私は、研究者社会全体として、研究論文のチェック体制を初め、大いに改善すべき点が多いかと思います。
理化学研究所では、文部科学省が定めました研究活動の不正行為への対応のガイドラインを踏まえて規定を整備し、不正の防止に取り組んできたところでございます。しかし、不正が起こったということに大変衝撃を受けております。
今おっしゃったように、倫理教育が非常に大事だというふうに思っております。もちろん、チェック体制ということも大事でありますけれども、倫理教育が非常に大事である。
理化学研究所には、千九百人ぐらいの研究者がおりまして、研究系の職員を入れますと二千八百人おります。彼ら、彼女たちの経験、教育、あるいは文化、そして倫理観というのはまちまちでございまして、これを取りまとめていくということは大変であるけれども、とにかく倫理観を高めていく、これがまず一番大事だろうと思っております。
山本大臣がおっしゃいましたように、やはり、若い人、女性、外国人、そして民間の方、多様性を研究所が保っていく、獲得していくことは、科学あるいは科学技術を振興する上で非常に大事であるということでございます。何とか今後は、彼らの力を十二分に発揮し、かつ、不正をなくすということで努力をしてまいりたいと思っております。
○小川委員 理事長には最後のお尋ねです。
研究者の倫理観、これは研究の世界に限らずだと思います。あらゆる職業世界においてこの倫理観というのが基本にありませんと、最近、きのう、きょうも政界でも大変大きな事件がございましたし、これは、あらゆる専門分野、あるいは社会人としての基本にかかわる問題だろうと思います。だからこそ扱いは難しく、一言で指導、教育と言っても、なかなか事は簡単ではないというのが真相ではないかと思います。
最後に、理事長に、今回、一年ぐらいかけて検証をみずからの責任において進められるということに対しての決意をお述べいただきたいと思いますし、あわせて、倫理観というのは、長年研究に携わられてきたお立場から、これは昔からある問題ですか、それとも最近の若い人特有の問題ですか。背景には何があるんですか。成果を急ぐのか、成果を求められ過ぎるのか、期限、お尻が切られているのか。
その背景についてどうお感じになるか、これは若い研究者に特有の問題なのか、そして今後の再発防止に向けた責任者としての決意、あわせてお述べいただきたいと思います。
○野依参考人 STAP現象の科学的な検証というものは、第三者によって追試されて初めて証明されていくものでございます。まずはそこで、昨日公表いたしましたように、理研の研究者がその厳密な検証を試みるとともに、外部機関の研究者による再現実験に積極的に協力し、また必要な情報を提供するための体制の整備を進めてまいりたいと思います。
昨日も発表いたしましたように、順調にいっておおむね一年を要するというふうに見込まれております。また、検証実験の状況につきましては節目ごとに公表いたしますとともに、理研内外を問わず研究者からの問い合わせに真摯に対応するなど、第三者による検証あるいは研究についても支援をしてまいりたいと思います。
倫理観の問題については、私ども、今回のことは研究社会で起こったことでございますので、申し開きをするつもりは毛頭ございません。謙虚に承らなければいけないと思っております。しかしながら、この問題は、やはり社会一般に蔓延する問題ではなかろうかと思っております。研究者といえども社会の一員でございますので、そういう影響を受けているのではないかと思います。
社会的な背景はいろいろあろうかと思います。研究社会におきましては、研究費獲得の競争が厳しいこと、あるいは職業を得ることの競争の厳しさ、さまざまなことがありますけれども、それはやはり言いわけにはならないのではないかと思っております。
倫理観というものは、やはり社会に存在する者として当然守らなければいけない共通の価値観だと思っております。とにかく、さまざまなことに誠実に対応していくということが、一番大事なことではないかと私は思っております。これは、研究者になってからでは若干遅いのではないかと思っておりまして、幼少期から倫理観を植えつけていく、そういうことが大事じゃないかと思います。
日本は、やはり倫理観は比較的高いと私は思っております。先ほども申し上げましたように、研究社会でなくとも、さまざまな社会でグローバル化が起こっておりますし、さまざまな文化的、教育的背景を持った、違った倫理観を持った人たちが集まってくる時代にどういうふうに対応していくか、これは、社会全体でやはり考えていかなければいけない問題ではないかと思っております。
○小川委員 ありがとうございました。
引き続き大変困難な状況におられるというふうに想像いたしますが、まずは今回の真相の究明、そして、私、個人的には、STAP細胞の真偽、存在そのものについては、いまだ期待感をつないでいる立場であります。そういったことの真偽のほど、最終的には理化学研究所の信頼回復、そして日本の科学技術全体に対する信頼感、こうしたものへの御貢献を心よりお願い申し上げまして、御出席をいただいたことのお礼にかえさせていただきたいと思います。
どうぞ、理化学研究所の関係者の皆様は御退席いただいて結構です。ありがとうございました。
大臣、引き続き、日本の科学技術全般について、少し違った観点からお尋ねいたします。
世の中には、科学の名を付した商品開発、あるいは販売勧誘といったようなものが多々見られます。大臣の直接の所管ではないと思いますが、あえて、日本の科学技術全体に対する信頼という観点から、少し範囲を広げてお尋ねします。
大阪大学に、菊池誠という専門の先生がいらっしゃいます。私は、地元で消費者相談に当たっておられる方から依頼を受け、この問題について考えております。この大阪大学の先生の御指摘、御主張なんですが、例えば、血液型が本当に人の性格に大きな影響を与えるのかどうか。日本には、迷信にも近いような血液型信仰というのがあると思います。それから、マイナスイオンは、さまざまな電子製品を初めとして、健康にいいということが言われたりします。それから、私も初めて聞くものも多いんですが、ホメオパシー、波動、水の結晶、あるいはゲルマニウム製品なんというのもありますね。それからEM菌。実際に真偽のほどがどうなのか、科学的にどうなのか、必ずしも明らかではない。
それは、効果がある面もあるのかもしれません。誇張がいけないということかもしれない。この辺、非常に曖昧でありますが、直接の御担当分野ではないとはいえ、日本の科学技術全体の信頼を預かる立場から、こうした問題の存在について、御関心のあるやなしや、あるいは今後注意を払っていただけるかどうか、この点について御答弁いただきたい。
○山本国務大臣 私は科学技術・イノベーション担当大臣でございますので、あらゆる分野の科学技術にはもちろん関心を持っております。ただ、委員も御存じのとおり、消費者問題は私の担当ではありませんので、科学技術担当大臣としての立場から今の御質問にお答えをしたいと思います。
科学技術・イノベーション政策を国民の理解と信頼と支持のもとに進めていく、先ほど御紹介があった文科省の調査もありましたけれども、この信頼のもとに進めていくためには、研究開発活動、期待される成果、それから科学技術の現状と可能性、その潜在的リスク等について、国民、政府、研究機関、研究者との間で認識を共有することができるように、双方向のコミュニケーション活動等をより一層積極的に推進していく。この双方向のコミュニケーション活動が、やはり私は鍵だというふうに考えています。
そのためには、研究者による科学技術コミュニケーション活動、科学館や博物館におけるさまざまな科学技術に関する活動等を、これまで以上に積極的に推進する必要があるというふうに考えています。こうしたことによって、科学技術に関する知識を適切に捉え、柔軟に活用できるように、国民の方々の間の科学技術リテラシーの向上を図る、これが極めて重要ではないかというふうに考えております。
○小川委員 ありがとうございました。
今は、科学技術の御担当の立場から御答弁をいただいたわけであります。
一方、消費者行政を預かる立場からも、この問題には大いに関心を持っていただき、情報収集、注意喚起等も含めて充実した対応をお願いしたいと思いますが、その観点から御答弁をいただきたいと思います。
○岡田副大臣 小川委員の御指摘は大変重要であると考えております。
私どもも、国民生活センターにおきまして、その効果や効能が疑わしいものもあるといったことについては、消費者に対する注意喚起をこれまでも行ってきたところであります。一方で、地方公共団体の消費生活センターにおいても、このようなマイナスイオンとか、あるいはゲルマニウム使用の商品とか、そういうものにつきましては、消費者からの相談の受け付け、情報提供を行っているところであり、今後とも、消費者がどこに住んでいても質の高い相談を受けられる地域体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
一般消費者に優良であると誤認されるような表示は、御承知のように、景品表示法で規制を行っているところでありますが、引き続き、不当表示に該当する事案に接した場合には、同法に基づき厳正に対処してまいりたいと考えております。
いずれにしても、これらの相談を受けられる地域体制の整備、景品表示法の執行の強化のため、消費者安全法による消費生活相談員の質、量の確保、そして消費生活相談員の職の法定化、景品表示法による監視指導の強化等を内容とする不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案を今国会に提出しているところであり、これからもさらに、委員御指摘のように頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小川委員 ありがとうございました。
ぜひ、地元といいますより全国各地でこの消費者相談に当たっておられる方々の声を吸い上げる努力、それから、消費者相談業務のそういう観点からの充実にはこれまで以上にお力を注いでいただきたい、このことをお願い申し上げたいと思います。
残り少ない時間になりました。
大臣、きょうは、私自身、大臣がお述べになった各所掌分野で、科学技術に関連して個人的に関心を持っている分野が多々あります。
例えば、香川県では、香川大学が希少糖という食べても血糖値が上がりにくい糖を開発しまして、これはやがて全国区になるのではないかというようなことを言われたりしています。
それから、大臣がお述べになられました宇宙政策については、準天頂衛星によるGPS機能、これは革新的に変わると思うんですね。
それから、ヴァージン社は、民間宇宙旅行を開発しようとしていると言われています。こんなものもジャパン・ブランドで、ぜひ宇宙旅行、今は限られた宇宙飛行士の方々だけに開かれた世界でありますが、素人も含めて、日本がその最先端を開くということもあっていいんじゃないかと思います。
それから、IT政策について言えば、ロンドン・オリンピックがかなりIT分野で、史上最大のITオリンピックだったと言われています。東京オリンピックに向けた決意もお聞きしたいと思っておりました。
そして、著作権、知的財産戦略でありますが、どうも事前に事務的にお聞きしたところ、日本のコンテンツ、番組の海外展開と比べますと、韓国の番組は二倍から三倍ぐらい進出しているということであります。この辺についてもぜひお聞きをしたかった。
そして、原子力行政については、将来的な核融合による発電の可能性、こういったことについてもお聞きをしたかったわけであります。
残念ながら、大臣、最後にこれだけお聞きします。各省の皆さん、それぞれ御準備をいただいて、直接のお尋ねができないことはお許しいただきたいと思いますが、この質問をそれぞれの分野についてしようとしたときに、これは何省です、これはこっちの省です、あれはそっちですという事務的なせめぎ合いなりが依然起きたわけです。
大臣は、科学技術予算全体を主導される、そして司令塔機能を強めるんだというのが今回の所信の中での決意表明でありました。しかし、予算の構成を見ても、約三兆六千億の科学技術予算、しかし内閣府が直接所管しているのはわずかに数百億ですか、こういったことも含めて、今、内閣府の改革論議も進めているというふうにお聞きをしております。
指導力の強化についてどうお考えになるか、内閣府改革との関連も含めて大臣の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○山本国務大臣 今、委員御指摘のあった科学技術関係予算の主導ということですが、これは総合科学技術会議が司令塔機能を発揮してきた重要な取り組みだと思っています。
昨年から、私を議長とした関係府省の幹部職員から成る予算戦略会議をつくったり、あるいは、きょういろいろ議論が出ていますが、SIPとかImPACTで総合科学技術会議が目ききできる予算の枠をつくったり、いろいろなことをしながら司令塔機能の強化に努めてまいりました。
小川委員はやはりその間の事情を本当によく御存じだなと思って、今、御質問を聞いていたんですが、司令塔機能強化については、内閣官房の方でも例えば見直しをするとか、あるいは、これからだと思いますけれども、党の中でもそういう議論がある、そういう流れになっていくと思いますが、いち早く私のもとに、六つの司令塔を担当しているものですから、その間で司令塔連携・調整会議というものをつくって、各省のトップを集めて今いろいろな議論をさせていただいているというふうに思っています。
もう長い答弁を読む時間はないんですけれども、一言で言うと、内閣府の整理しなければいけない業務というのはあると思うんですが、私はやはり、国家戦略を省庁の枠を超えてしっかり練り上げていく、実施していくという内閣府の役割は非常に大事だと思っています。
きょう本当はいろいろと御質問をしていただきたかったんですが、今、小川委員の方から言及のあった、五つか六つの成長戦略に直結する政策を担当している司令塔、それぞれの機能が大事だと思っていますので、総合科学技術会議の司令塔強化とも相まって、こうした司令塔の強化、それから連携のあり方についてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○小川委員 ありがとうございました。
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