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〜会議録(2014年2月4日議院運営委員会)〜
○逢沢委員長 次に小川淳也君。
○小川委員 民主党の小川淳也と申します。
立花候補におかれましては、きょうは御出席をいただきまして、ありがとうございます。
また、大変な重責をお引き受けになる意欲、決意に対して、心より敬意を表したいと思います。我が党としては、まだ賛否は今後の検討でございますが。
経済団体でのお勤めが長かった。そして、第一次安倍政権のもとで国家公務員制度改革に取り組まれた、非常に政権との良好な関係をうかがい知る御経歴でございます。
一方、最近のNHKの会長発言にもございましたとおり、人事院も、みずからお述べになったとおり、極めて中立公正、第三者的立場から職務に御精励いただく必要がございます。
その観点から、少し総論になりますが、現政権の成果あるいは課題、ちょっと多角的にお尋ねしたいという意味でいえば、むしろ、懸念される点や課題と目される点について、臆せず、率直に、お述べになれる範囲で評価をいただきたいと思います。
○立花参考人 正直言うと、非常に難しい問題で、また、個人的な発言といっても、なかなかそれが通じない場合もあろうかと思いますけれども、お許しいただいて。
今の安倍政権の経済政策によって雰囲気ががらっと変わってきたことは、身の回り、私の女房なんかに聞いても、非常に雰囲気が明るくなってきたということを言いますので。普通の、一般の暮らしをしている人たちから見ると、一年間でがらっと雰囲気が変わったと。
総理が強調しておられる三本の矢、大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして、民間投資を惹起する成長戦略。問題は、この三番目の矢が本当にきくのかどうなのか、あるいは、これまでの焼き直しじゃないのかどうなのかという点ですね。
この辺は、マーケットから非常に厳しく見られる、これからも見られ続けるんだろうと思いますので、ぜひこの成長戦略の三番目の矢を中身のあるものにしていただくことがこれからの課題ではないかなというふうに、全く個人的には、そう考えております。
○小川委員 難しいお尋ねでしたけれども、よい答弁をいただきまして、ありがとうございました。
国家公務員制度改革についてお尋ねします。
私自身、実は中央官庁の出身者でございまして、先ほどの鈴木委員のお尋ねにも、共感するところ大でございました。
そこで、みずから取り組まれた、再就職あっせんの禁止や官民人材交流センターの設置にかかわる制度改革、国家公務員制度全般に、どういう課題意識を持ち、それを突破するために御自身は、どういう指導力、リーダーシップを発揮されたか、その点について、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○立花参考人 正直言うと、これも本当になかなか難しい問題で、必ずしも考え方が十分整理できておりません。
私が民間で仕事をやっていましたときの、まさに天下りの問題ですが、これは、個別の役人がけしからぬというよりも、やはり、そういった押し出されている方々、そういった仕組みに問題があるわけでございまして、したがって、ある意味では、人材の無駄にもなるわけです。
官民ともに長年課題だったものが、橋本行革以来、中央省庁の改革以来、公務員制度改革は、ずっと宿題として先送りされてきたわけです。
言うなれば、ハードの、一府二十二省庁から一府十二省庁に、ああいう中央省庁改革、入れ物を変えるというときに、それを構成する人の改革も当時必要だったわけですが、それは、現実にそれに携わっている方々が、生活している方々が非常に多くおられるだけに、また、政治も与野党によって意見が異なる、また、世論の中でも意見が違うということだけに、なかなか難しい。
ですけれども、一応、再就職については、役人が自分の先輩のお世話をするということは、これはだめだということではっきり決まっていますし、また、それを監視する組織もできていますので、まずは、これをきちっとやって、国民にその実績を示していくことが非常に大事でしょう。
それから、もう一つは、公務員制度改革で、私も事務局長を経験しましたけれども、各省それぞれ意見が異なる方々がおられて、私も本当に自分の実力のなさを毎日毎日思い知らされたものです。
つまり、事務局の中で話していたことが全部、時間もたたないうちに霞が関に知れ渡るというようなことで、私はそういう方針でよしとしてやってきたわけですけれども、役人の方から言わせると、必ずしもそれがいいやり方かどうかということで、私自身、批判されたことがございました。
いずれにせよ、この公務員制度改革につきましては、今回四度目の挑戦ということになるものですから、何とか国会での御審議でひとつけりをつけていただいて、そのけりをつけた上でまたさらなる改革に踏み出していくというスタンスも必要ではないかなという感じもいたします。
○小川委員 率直な御答弁というふうに受けとめたいと思います。
現在議論されている国家公務員制度改革は、与野党間でもちろん大きな違いもあります。一方で、いずれも人事院に対して大きな変革を迫るものであり、もし国会の同意を得られて御就任された暁には、大変な激動の中、難題に取り組まれるということだと思います。
その上で、我が党としての立場を少し明らかにして、最後のお尋ねにしたいと思います。
民主党は、国家公務員といえども労働基本権を回復し、自律的な労使関係の中で勤務環境の改善を図るということを、基本的な立場、旨といたしております。その延長線上には、当然、労働基本権の制約の代償である人事院、その機能や存在意義については根本から問い直すということが基本であります。
この我が党の考え方に対して、もちろんこれは、短期間で見るか長期的な理想像で見るか、さまざま見解はあろうかと思いますが、現時点で、これもお述べになれる範囲で結構ですが、この見解に対する御所見をいただいて、終わりにしたいと思います。
○立花参考人 私は、これも、私のこれからの行動にかかわる非常に大事な御指摘と思って受けとめさせていただいたわけですが、恐らく、世界どこでも、この公務員人事について、いわゆる成績主義ですとか平等の取り扱いですとか公平の原則だとか、こういったものは、どの組織にも当てはまるような、人事管理の公正さ、人事行政の公正さというのは、これは変わらない。
ましてや、これから公務員制度改革のもとで内閣人事局ができる、そこで、政治的な、官邸の意向が強く反映された人事になるということであればあるほど、逆に、その人事の説明責任、正当性といいましょうか、公正さといいましょうか、そこを確保する機能が問われるわけで、そういう機能を果たしてきている人事院の役割、職責は、これからも、引き続き変わらないと思っております。
それから、二つ目の御指摘で、労働基本権の問題でございます。
これは確かに、基本法の十二条で、基本権付与について、これも与野党修正で合意されて、そのメリット、デメリットを総合的に勘案して、国民に示して、その理解を得て措置する、そういう趣旨のことになっていると思いますけれども、残念ながら、その全体像がきちっと示されて、国民の理解を得る段階まで来ているのかどうなのかというと、まだまだその段階ではないんじゃないのかなと。
民主党が議論されたときに、これも民主党政権のもとで二回出されたわけですけれども、必ずしも国民的な議論が進まない。
どうすれば進むことができるのかという点について考えないといかぬと思いますけれども、人事院も、基本的には、内閣の所轄にあるとはいえ、独立性の高い第三者的な委員会でございますので、やはり国会の御意思を、基本法が国会の御意思なわけですから、この基本法を踏まえて、それから、今内閣が提出されておられます法案がどういう決着がつくのか、それも見定めた上できちっと議論していく課題かなというふうに存じます。
○小川委員 ありがとうございました。
きょうの御答弁ぶり、御答弁内容を踏まえて賛否については検討させていただきますが、それにかかわらず、御活躍をお祈りをいたしまして、お礼にかえさせていただきます。ありがとうございました。
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