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〜会議録(2013年3月21日総務委員会)〜
○北側委員長 次に、小川淳也君。
○小川委員 民主党の小川淳也でございます。
大臣、まず冒頭、ごめんなさい。大変、個人的に大臣は大好きです。非常に、御答弁っぷり、閣僚っぷり、すばらしいと思います。ただ、午前中のやりとりの中でどうしてもちょっと気になったので、一つだけ、あえて通告せずに。言い間違いであれば訂正していただきたいですし、認識が違うのであれば正していただきたい。
みんなの党の佐藤委員の御質疑の中で、交付税が地方をコントロールしているのではないかという指摘に対して、そうではない、交付税は、機関委任事務を初めとした、国の法律に基づく事務を標準化して経費にしているので裁量の余地はないんだという答弁をされました。
これは、単に言い間違いであれば訂正していただいたら結構です。もし御認識が違うのであれば、これはきょうでなくて結構ですが、違うことを次回の委員会できちんと御説明いただきたい。
○新藤国務大臣 私が申し上げたのは、全てがそうだとは申していないですよ。そうではなくて、機関委任事務だけじゃなくて、法定で定められたもの、標準財政需要は、法律で定められたいろいろな需要が発生している。ですから、そういうものがかなりの部分を占めるから、恣意的に交付税でもって地方をコントロールする、そういうようなことで交付税が使われているわけではないんだ、こういうことを申し上げたわけであります。
○小川委員 こういう場でこれ以上あれですけれども、一度ちょっとこれはきちんと御認識をいただくように、橘先生を初めとして、きちんと。次回で結構です。
それでは、NHKの予算についてお伺いいたします。
松本会長、二年間、前政権下以来、本当に大変困難な職務に当たっていただきました。深く敬意を表したいと思います。ちょっと二、三の観点から、この二年間を振り返って、御自身の御見識をお伺いしたいと思います。
鉄道会社の経営と公共放送の経営は何が同じですか、何が違いますか。そして、外からお入りになった。仕事がわからない反面、しがらみがない。人もわからないが、そういう意味でもほかでの経験を生かすことができる。外から入られた会長としていかがか。最後に、経営委員会という、鉄道会社、JR、民間の会社にはなかなかない組織があります。最高の意思決定機関であり、協力提携機関であると同時に、緊張関係にある。
この三点、鉄道と公共放送、そして外から来た、そして経営委員会という存在がある。これは、第一次安倍政権のもとでは、古森経営委員長との間で、非常に執行部はいろいろな緊張関係がありました。こういうことも踏まえて、現在うまくやっておられるのかどうかも含めて、ちょっと所感をいただきたいと思います。
○松本参考人 お答えいたします。
鉄道とよく似たところは、やはり公共放送、公共的な使命ということですね。そして、たくさんの、鉄道でいえばお客様、放送でいえば視聴者の方々を相手にいろいろな仕事をしていく、こういうことだと思います。そういう意味では、鉄道ではそれを安全というふうに基本の価値観を定めております。それから、放送の場合ですと、やはり公平公正それから信頼というような事柄が基本になるというふうに思います。違うところというふうに今度は申しますと、鉄道の場合は、列車を走らせるという、一つのダイヤでみんなが集中する、放送の場合は並行で発している、こういうことであります。しかし、トータルとして仕事の質というものは似ているところがあるというふうに思います。
それから、外から入った感じでありますけれども、やはり人の人材集団としては、知的労働集約集団という形で、一人一人は能力が高いというふうに思います。しかし、その能力が組み合わされて組織全体として発揮されているかというと、さらに発揮する余地があるというふうに考えます。
それから、経営委員会との関係でございますけれども、これは、私は所与の条件というふうに考えております。したがって、そういう条件でそれぞれの立場、位置づけが法律づけられていますので、そこでお互いの立場を生かしながら、そして、トータルとしては、NHKの経営とか方向性というものを決めるわけなので、方向は一緒だというふうに感じて、いろいろな場を通じて意思交換をしております。
○小川委員 ありがとうございました。
私のような若輩が申し上げるのもあれですが、やはり公共性と採算性、そして視聴率と質の高さ、こういうものの苦闘、苦悶の中からこそ、NHKさんというのはいい番組をつくられてくるんだろうなと思いますし、私も本当に大好きです。年齢を重ねるごとにNHKというのは好きになるものだなというふうに最近よく感じるんですけれども、ぜひ御活躍をいただきたい。
そして、ことしの予算でやはり一番特筆すべきは、受信料の引き下げでしょう。それが平年度化する。契約一件あたりですと百二十円ですが、これが全体では二百億余りになる。これはいかにカバーしていくのか。これもちょっと極めて簡潔に御答弁をお願いします。
○松本参考人 収入が減るということですので、それをカバーするというのは、トータルとして赤字にしてはならない。収支均衡です。したがって、収入をいかに上げるか。それから、経費をいかに削るかということです。
収入については、我が社は、副会長以下、プロジェクトチーム、全組織を挙げて、全員野球でこれを上げていこうというプロジェクトを組んでおります。これは、今成功して進んでおります。
それから、経費の減は、これは人件費を含めそういうところを縮小していく。しかし、先ほど言いましたように、災害に関するものは減らさない、むしろふやす、こういう形の中で予算を組むということですので、かなりいろいろ議論はいたしましたが、そういう予算をつくっております。
○小川委員 おっしゃるとおり、経費を減らすか収入を上げるかしかないわけですよね。その収入を上げる方は、どう頑張っても収納率七五%でしょう、七五%前後。イギリスのBBCが九四%ですから、払っていない人たちに対して、これは本当に不公平が生じています。そのことは言うまでもないことだと思いますが。
それから、これもかねてから言われていますが、ワンセグとかカーナビで見ている人が最近多いですから、こういうのをどうしていくのか。これはもしかしたら、もっと思い切って引き下げて薄く広く取るというのも、ひょっとしたら選択肢の一つかもしれません。
それから、最近は、四千件近い民事申し立て、訴訟も辞さずということで積極的にやられている。これも私は、公平性を担保するためにも断固やるべきだろう、そう思います。それから、震災対策ももちろん頑張っていただかなければならない。
しかし、人件費については若干危惧しているところもありまして、昔一万七千人ぐらいいた協会の職員の方が今一万人前後。しかし、世の中の実勢と大体合う数字だと思いますが、数千人単位、恐らく三千人ぐらい、どうでしょう、派遣、パート、アルバイト。非常に日本放送協会内部の雇用も流動化をし、不安定化しているということがあろうかと思いますので、公共放送体にふさわしい雇用体系、これについてはぜひ御留意をいただきたい。その点だけちょっと申し上げたいと思います。
そして、収支の改善とあわせてなんですが、NHKさんが非常に国民にとって身近な放送局になるというのも一つの命題だと思うんですね。
私も好きなんですけれども、例えば「のど自慢」とか「おかあさんといっしょ」とか、視聴者参加型番組というのがたくさんあると思います。事前に教えていただいたものですと、全国で、地域で実施しているものが六百本余り、放送センターで実施しているものが五百本余り。
私、代表選手は年末の紅白歌合戦だと思うんです。こういう仕事をしていながらなんですけれども、大みそか、家族で見るのをすごく楽しみにしています。視聴率は四〇%ですから、今のこの時代にあって怪物ですよね。しかし、こういう視聴者参画公開型の番組で、どうやってその参加者を決めているのか。
ちょっと気にとめていただきたい数字がありますので、これはお聞きする形で明らかにしたいと思いますが、紅白歌合戦、何人入れるんですか。そして、それはどうやって選んでいるんですか。何人応募してきているんですか。有料ですか、無料ですか。
○上滝参考人 上滝でございます。お答えいたします。
平成二十四年度の応募者数は百十七万一千四百二十七通でありました。このうち当せん数は千三百二十四枚。当せん一枚につき二人まで入場可能ということで、もちろん無料でございます。
○小川委員 お聞きのとおりでありまして、代々木のNHKホールは入れるのが三千人弱ですよね。千三百枚、当たり券を出している。これに対して百十七万枚の往復はがきが来ている。もちろん、複数の人が出すわけですから、一人当たりではありませんよ。しかし、あえて単純計算すると、一人当たり八百八十六枚出している計算なんです。金銭換算すると、八万八千六百円ですよ。往復はがきをどうやって印刷しているのか、手書きしているのかは知りません。
それで、ここで申し上げたいのは、いろいろな番組があるわけですよね、もうちょっと参画の機会を広げて、そして多少なりとも入場料なり応分の御負担をいただきながら、経営も改善し、そして参画の機会も広がるということがあり得るのではないかと私は思う。
例えば紅白歌合戦、あんな番組はありませんよ。一年間活躍したアーティストをあれだけ並べて、数時間のうちに生で全部見せます。それをあの小さいホールでやるからこういうことになるわけでしょう。形式的には機会均等ですよ。しかし、武道館でやれば一万人ですか。東京ドームでやれば五万人。一人一万円取ったって、数億の話ですよね。
こういうことも含めて、昔から伝統的にやってきたこと、それはそれでいいと思いますよ。しかし、イベントがあれだけ人気のある、中身のあるものなんですから、もっと多くの人に生で見てもらうこと自体が公益性に資する。そして経営にも資する。そして、一人当たり八百枚以上のはがきを出させて、当せんはがきが数十万円でネットで売られているなんという状況を放置することは、形式的には機会均等であっても、実質的には社会正義とは必ずしも言えない。
この点、会長の御認識をいただいて、質疑を終えます。
○松本参考人 紅白歌合戦が大変人気のある一つのコンテンツであるということは、おっしゃるとおりでございます。
そういう意味で、応募の方法とかそういうことについては、そういう疑義のないように努力をしているところでございます。それからまた、こういうことを一つの機会としてビジネスにしようという方もおみえになるようなんですけれども、そういうことについても、そういうことのないように私どもの方からも重ねて要請をしているようなところでございます。
そういうことを含めて、紅白歌合戦が国民的な一つの年末の行事ということでさらにしっかりとしたものに根づくよう、努力していきたいというふうに思います。
○小川委員 ありがとうございました。
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