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〜会議録(2013年3月19日総務委員会)〜
○北側委員長 次に、小川淳也君。
○小川委員 民主党の小川淳也でございます。
久々に野党の立場から御質問させていただきます。大臣初め二役の皆様に、ぜひとも率直なところをお聞かせいただきたい。
本題に入るに当たって、これだけ大きな政変の直後です、三カ月たったとはいえ。大きく政権がかわった。これに関連して、大臣の政治的な御見識からまずお聞きしたいと思います。
率直に、政権復帰されて、いかがですか。率直な感想、所感をまずお聞かせください。
○新藤国務大臣 私も国会に来て十七年目になるんだと思います。小選挙区の第一回の当選組であります。そのときに、やはり政治改革があって、国を変えようじゃないか、こういう思いで、同志が皆さん来ました。今民主党の幹部になっている人たちも大体私と同じようなときで、一緒にやってきたんです。この国を変えなきゃいけないというのは、与野党を超えて、政治に携わる者の責任だ、このように思いますね。
そういった中で、私たちの改革がなかなか進められずに、結果的に、国民から、一度政権を交代してみたらどうだ、こういうことになって、民主党による政権交代が行われたわけであります。しかし、残念ながら、全てがうまく進んだとはなかなか言いがたい状態があったということであります。
そして、私たちは、その三年三カ月の野党のときに、再び政権に戻るためにはどうしたらいいんだと考えたわけではありません。私たちの役割は何だったんだ、自民党はどうあるべきなのか、そういったことを考え直したんです。そして、野党になって結局よかったことは、今までの自民党政治の連続性を断ち切ることができたと、私は内部にいてそう思っています。
自民党の反省すべきことの中で、変えなきゃいけないが、人間が変わっていないからなかなか変えられないことがあるのは事実なんです。そして、今まで政権が判断をして、内閣が出してきた方針がございます。これを変えるのには、今までの内閣の方針はどうなったんだと。外交も安全保障も経済もいろいろな意味で変えられない部分が、それをしがらみと言うならば、それでもいいと思います。しかし、それを我々は断ち切ることができたのが最大の成果だと思います。
そして、原点に戻って、立党の原点、独立自尊の国をつくる、頑張った人が報われる社会とする、家族を愛し、地域を大切にして、国家全体の中で一人一人の人間を考える、そして世界の平和に貢献する、こういう我々自民党の原点に立ち戻ろうじゃないかと。
こういう中で、必死にいろいろなアイデアを出しました。そして、野党にあっても、あの未曽有の大震災が起きたときには、七百項目のうちの五百項目を我々は提案いたしましたし、たしか七割以上の政府の法案に賛成をしてきたと思います。
ですから、この国を立て直すためにどうしたらいいんだという中で、昔の自民党ではだめだ、そして、現在の民主党ではなかなかうまくいかない、だから、もう一度新しい形を追求してみたらどうだというのが、今回の政権交代の、我々が政権を再び担わせていただくその原動力になっているんだと私は思います。
ですから、我々は、高揚感もなければ、もう一度、うれしいという気持ちはありません。そうではなくて、責任重大なんです。私たちならきちっと国を直せるといって、それで政権をとっても、それに結果が追いついてこなかったら、これはもう国民は政治を信頼することができなくなる。だから、私たちは今必死でやっている。政権をとるなんということは生易しいことではないし、皆さんも経験されたからわかると思うけれども、いいことだけではありません。むしろ大変な、厳しいことの方が多いわけです。
ですから、私は、この今の機会は、自民党がうまくいくかどうかじゃないですよ。ここで日本がこけちゃったら、日本政府がこけちゃったら、日本国民はもう将来の希望を失ってしまうんじゃないか、そういう危機感の中でしっかりと自分の役割を果たしていきたい、このように思っています。
○小川委員 私自身も含めて、私ども、今自問自答しています。あれは何だったのか、政権交代は。
大臣の言葉の中から、うれしくも何ともない、あるいは緊張感、緊迫感、そして自民党も変わろうとした、そういうお言葉を聞いて、ある意味、これは、どっちの政権がよかったか悪かったか、いろいろ議論はあるでしょう。しかし、政権がかわるということの緊張感なりダイナミズム、これそのものは極めて大きいということを共有させていただくということを前提に、少し議論させてください。
それで、ごめんなさいね、ちょっと時間がないので簡潔な答弁にぜひそれぞれ御協力いただきたい。
この点、若手、中堅の意見も聞いてみたい。私が個人的に敬愛しております柴山副大臣。この点、野党時代の経験は自民党に何をもたらしたのか。そして橘政務官。珍しく、自民党の議員でありながら、野党としてスタートを切った。この時代、本当に真摯な姿勢で、総務委員会で何度も御質問をいただいた、たくさん歌の御披露もいただいた。御答弁前に歌を御披露いただいても結構ですが。お二人、若手なり中堅なりの見識をちょっと述べていただきたい。
○柴山副大臣 過分なお言葉、ありがとうございます。
一般的な話をすれば、野党である以上、議員立法ですとか、あるいは委員会で質問などを通じて、批判的な目で政府の政策ですとか手順を外から検証することができたということが非常に大きな経験だったと思います。ですから、我々が政権に復帰したときに、それこそ民主党の皆さんが目指していた政治主導ということをしっかり意識するようになった。これが、かつての与党時代と違って、私は大きな前進ではないかなというように思っております。
私の所管でいえば、情報通信や郵政は日進月歩の分野ですから、それこそ外の目でしっかりと外部の人の意見あるいは民間の人たちの意見を取り入れるということが重要な分野です。ですから、野党の経験ということがそういう意味でも役に立っているのではないかというように思っています。
以上です。
○橘大臣政務官 小川委員にお答えいたします。
おっしゃるとおり、野党から始めさせていただきました。三年間、この総務委員会で皆さんにお世話になり、きょういらっしゃっている中では、原口議員、また小川議員、黄川田議員、福田議員から真摯な御答弁をいただいて、大変勉強になったと思っております。その問題意識をやはり生かして、私も今、柴山副大臣の下で、放送、通信、郵政という分野になりますけれども、また、この国の発展のために努力していきたいと思っています。
あわせて、皆さん方、今回、与党、野党かわっておりますけれども、その立場で、その質問席からどういうふうなことを質問したい、そうしたら、どういうことが問題意識か、これも私なりには自分の経験から理解できるところがございます。そして、皆さん方との議論を通じて、それを少しでも、やはりいいものは取り入れていくという、そういうことが政権として非常に大事だと思っております。これからも努めてまいります。
では、許していただいて、短く歌を詠ませていただいて、終わらせていただきます。
万葉集巻五、梅から桜の季節でございます、八百二十九番。
梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべくなりにてあらずや
これからもよろしくお願いします。(拍手)
○小川委員 一服の清涼剤をありがとうございました。
それで、大臣、私が今自民党さんを拝見していて非常に手がたい、手ごわいと感じるのは、一様に謙虚さ、そして恐れ、これは民意に対する恐れ、そして政権を運営するということの厳しさ、難しさに対する恐れを皆さんがわきまえておられると私は感じるから、ある意味敬意を持って、そして野党の立場からいえば手ごわい、手がたい、そういうふうに拝見しています。
坂本副大臣に具体的にお聞きします。
麻生政権、自民党の最末期です。前政権の最末期、総務省の政務官として勤務しておられた。現在副大臣として同じような仕事に返り咲いておられる。政務二役の仕事は何か変わりましたか、それとも何も変わっていませんか。
○坂本副大臣 一番感じますのは、中央と地方の格差、地方の疲弊、これがやはり年々厳しくなっているな、激しくなっているなというふうに思います。
それから、麻生政権時代にはまだ芽吹きばかりでありましたクラウドとかあるいはG空間とか、そして準天頂衛星とか、こういった新たな情報通信が出てまいりました。ですから、そういう中で、そういった過疎とか限界集落とか独居老人とかあるいは耕作放棄地とかそういったものに、新たなこの情報通信分野を組み合わせながら、新たな地方自治といいますか、過疎対策といいますか、農業対策といいますか、そういうものができる可能性が出てきたなという思いはしております。
ですから、広がる格差の中で、これまでとられてきた地域おこしあるいは予算、それと同時に情報通信等を使いながら、どれだけ均衡ある国土をつくっていくか、市町村をつくり上げていくか、これが一番変わった点であるというふうに思います。
○小川委員 政策的にもそうでしょう。副大臣なり政務官としての仕事ぶりは変わっているのかどうか、お聞きしたい。
柴山副大臣が、まさに政治主導を意識して仕事をしているとおっしゃった。よくも悪くもとあえて申し上げます。私どもの時代は、副大臣、政務官による、主宰する会議が山ほどあった。よくも悪くもとあえて申し上げます。
そして、余り知られていませんよ、大きくは報道されていない、きょう地方税法の改正案、審議対象ですけれども、税負担軽減措置の適用状況を明らかにしたのは初めてですよ。前政権時代につくった、いわゆる租税特別措置の透明化法を受けて、こういうことを整理した。それから、再三議論になっていますが、一括交付金。国、地方協議の場が法制化された。直轄事業の負担金のあり方、見直しましたよ。一部廃止した。義務づけも大幅に廃止した。地方議員年金、坂本先生に大変お世話になりました。破綻のおそれを来したことを受けて、廃止しました。そして交付税特会の借り入れ、皆さんがつくった借金だ。私たちは一千億返した。一千億ずつ返したって三百年かかりますよ。しかし返した。
随所に、未熟なところ、至らぬところは全て認めて、おわびもしなきゃいけないところもあると思う。しかし、しかかろうとした、意思を持った政府、政権であったことは間違いない。
その意味で、坂本副大臣にちょっとお聞きしますが、今、政務三役会議というのはやっているんですか。あるいは、この税法そして予算に、副大臣として、俺はここにすばらしく影響を与えた、俺が決めた、あるいは大臣と相談してここに決定的な影響力を行使したということは何かありますか。
○坂本副大臣 これは小川委員たちの政権のときの成果だと思いますが、役所の方が、役所主導ではなくて私たちにある程度任せてくれるようになりました。そして、自分たちが何をやるべきかということをやはり改めて自覚するようになりました。五つのミッションというものを大臣が言われて、それを総務省が取り込んで、五つのミッションでやっているのもそういうことであります。
副大臣会議、政務官会議、やっております。毎週やっております。そして、次は何をやるべきなのか、このことも話し合っております。同時に、それぞれの副大臣、政務官が勉強会をつくって、チームを立ち上げて、そしてこれからのやるべき仕事というものを話し合っているところです。
○小川委員 野党の立場からの質問でありながら、率直に、政権交代の意義そのものは自民党さんとしても非常に繊細な感覚を持って受けとめていただいたことに深く敬意を表し、心より感謝を申し上げたいと思います。
冒頭、余りこういうことに時間を使ってもしようがないんですが、ちょっとこの公の場であえて発言として残させていただきたい。野党の皆さんにもお聞きいただきたい。特に維新の会の皆さん含めて、東国原先生。
この政権交代の引き金を引いたのは、明らかに、〇三年の民由合併です。民主党と自由党の合併。それ以降、私たちはさんざんばらばらだという批判を受け続けた。現にばらばらだった。最後はばらばらになった。しかし、この政治に本格的な緊張関係をもたらすに当たっては、ばらばらだったことの無価値よりは、それでも一緒にいたことの価値の方がはるかにでかいと私は認識しています。
そこで、特に維新の会の皆さん、今ある種万能感があると思います。勢いもあるし、見ていてうらやましい。しかし、この選挙の中で、選挙制度の中で、本格的に政治に緊張感をもたらすには、野党は一緒に戦わなければなりません。いや、与党にすり寄られるなら別です。野党にいるなら野党が力を合わせないと、とても勝負にならない。
このことを体でわかるのに、小選挙区制度が入ったのが九六年。民由合併が成ったのが〇三年。七年かかっている。その間、四回国政選挙をやって、五回目でようやく一つになった。これぐらい国政で緊張感を持たせた状態をつくるというのは大変至難のわざです。そのことを、大阪で遠隔操作している人たちがわかるかわからないか私にはわからない。しかし、今申し上げたような、本当に政治に本格的な緊張感、正真正銘の緊張感をもたらすには、そういうことを、これは各党超えてだと思いますが、ぜひ国会にいるメンバーは理解する必要があると思います。
余りにも大きな政変の後でしたので、ちょっと各論に入る前にお尋ねをさせていただき、また、押さえさせていただきました。
その上で、もう再三皆さんがお尋ねになられていますから、大臣、ちょっともう辟易されるかもわかりませんが、私が、今自民党さんを見ていて謙虚さが見えるのが非常に手ごわいと申し上げました。しかし、今回の交付税法の改正、この地方公務員の給与削減に関しては、どこかちょっと思い違いがあるんじゃないかな、その謙虚さをややもすれば少し忘れかねないような横暴さ、あるいは場合によっては傲慢さ、あるいは一方的さをやや感じます。
我が党の奥野委員が、ラスパイレス指数という客観指標からアプローチした。私は、ちょっと法制的にお聞きしたい。
大臣の思いはわかりました。大臣のお手紙、東日本大震災、これは復興を頑張らなければなりませんね。それから地域経済の活性化、それもそうでしょう。消費税について国民の理解を得るために行財政改革をやらなきゃいけない、これもそうでしょう。大臣の思いとしては一〇〇%共感します。しかし、ここは法治国家であり、法制的なたてつけを常に意識しながら政策は実行してもらいませんと、私の思いがこうだからこうですでは済まない世界があります。
大臣、こういう形で地方公務員に対して給与の切り下げを要請する法的な根拠は何ですか。
○新藤国務大臣 これは、私たちは要請をしているわけでありますが、この要請の法的な根拠は、地方公務員法の五十九条、そして地方自治法二百四十五条の四に基づく技術的助言という形でお願いをしているということであります。
○小川委員 これは、技術的助言でできるほど簡単な軽い話ですか。大臣、いかがですか。
○新藤国務大臣 政権の運営方針は内閣で共有されます。そしてそれは、今回、日本再生のために、そういった形で、この公務員給与を、国に合わせて地方にも準じた形でお願いしようじゃないか、こういうことを閣議決定いたしました。それに基づいて、標準的な財政の算定基準を設けて、それに基づいた交付税を組んだわけであります。これは、政治の判断として、こういうことをお願いしたいということであります。
ただ、あくまでこれは要請であって、実際の給料の措置については、地方議会が開かれて、その中での議決を経て、条例を制定して行われるものであります。
○小川委員 大臣、閣議決定を支える法的秩序について聞いています。閣議決定したからいいんじゃない。閣議決定を支える法的な背景は何かと聞いている。いかがですか。
○新藤国務大臣 これは、あくまで、地方に対して国が指導的助言を行うことができる、こういう法律に基づいてやっているわけであります。
○小川委員 まさにそこはちょっと議論の残るところなんですが。
国家公務員の給与削減は、当然のことながら、特例法をつくりましたね。法律を改正したんですよ。地方公務員の場合、地方公務員は、大臣は任命権者ではありませんよね。知事、市町村長も大臣の部下ではない。しかし、大臣は、さまざまな権限、作用を通じて、彼らの地方自治行政に対して多大な影響力を行使し得る立場にある、法的に。しかし、公務員の給与に関しては、地方公務員法に規定がありますね。二十四条三項、地方公務員の給与は、生計費を勘案しなさいと書いてある。国の基準を勘案しなさいと書いてある。他の公共団体と書いてある。民間の給与と書いてある。
今回、どれですか。あえて法的根拠を求めれば、私はここしかないと思いますが、どれですか。
○新藤国務大臣 御指摘のように、まず、職員の給与の法的な根拠としては、地方公務員法の二十四条第三項、「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」このようにされているわけであります。
加えて、私たちは、今回、国家公務員の給与の減額を定めた臨時特例法の附則の第十二条において、「地方公務員の給与については、地方公務員法及びこの法律の趣旨を踏まえ、地方公共団体において自主的かつ適切に対応されるものとする。」というふうに規定をしています。
ですから、今回の要請は、これらの法律の枠組みを前提にして、そして防災・減災事業、それから地域経済の活性化、こういう日本の喫緊の課題、そして日本の政府が取り組む日本の再生について、必要な取り組みとしてお願いをしているということでありまして、地方公務員の給与についてのみの、別の立法措置というのは考えていない、こういうことでございます。
○小川委員 そこがまさに議論の分かれるところなんですよ。
それで、大臣、誤解を招いてはいけないので、私、ちょっと立場をはっきりさせていただきたいと思います。
きょうは、地方公務員の労働組合の幹部の方もおられる。私もいろいろ要請を受けていますよ。しかし、こういう時世にあって、公務員の給与を七%、八%、地方公務員について削減せざるを得ない、あるいはするしかない、あるいはするべきという結論については、大きな異論はありません。そういう立場で今質疑に立っています。
しかし、先ほど来申し上げていますように、結果の妥当が、あるいはおおむねストライクゾーンに入れば、どんな球を投げてもいいんだということにはならない。この国のルールであり、手続であり、法的な支柱であり、そういうことに対して詰め倒した議論をしてもらわないと、これは特に人件費にかかわることですから、私は異論を差し挟んでいる。
この二十四条三項の読み方ですが、地方公務員給与は国に準拠、いわゆる国準拠規定ですね。これは、臨時的に、震災対策で、国家公務員が給与を削減したら、そういうことも読み込むという趣旨ですか。いかがですか、大臣。
○新藤国務大臣 今回は、その法律の範囲であって、さらにそこに政権の判断が加わった。日本の現状を再生し、是正するために必要な政策は何かということで、政権として検討した結果、これは方針として出したものだということであります。
それから、誤解のないように委員にも御理解いただきたいと思いますが、国並みに七・八%の削減を要求しております。しかし、現状は、地方自治体が既に行革努力をしていて、国よりも、下げた国よりもさらに努力している団体もございます。そこには一切の、それ以上の努力を求めるものではありません。ですから、国が定めた基準にまだ届かない部分をやってくださいと。
ですから、例えば、今ラスパイが一一〇になっていたところは、そこから七・八削っていただきます。でも、例えば、今、地方自治体のラスパイが一〇四とかだったらば、それは四を削っていただければいい、こういうことであって、地方自治体の行革努力というものはその中に反映されるようになっているのであります。
それから、労働組合の皆さんが、いろいろな御意見がある。それは、自分たちの生活にしっかりと責任を持たなきゃいけないという意味において、その責任を果たされていることは、私は尊重したいと思います。しかし、では、この措置について、国民の間で、その存続する市町村の、その地域内の住民の方から、そういった声が私にはまだ届いてはおりません。
これは、国を挙げて、公務員を挙げて、この国の再生のために頑張るんだ、民間の経済を持ち上げようじゃないか、地域の経済を活性化させようじゃないか、こういう中で、今回は一回みんなで頑張ろうじゃないか、こういうお願いをしているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○小川委員 大臣、気合いもわかりました。思いもよくわかった。しかし、気合いで、思いで物事を進めていい国家の体制ではないと申し上げている。ですから、法律のしっかりした背景が必要だということを申し上げている。
ですから、水かけ論になっては時間ももったいないんですが、私は、結論として、これは地方公務員法の特例法を出すべきだ、法律を改正すべきだと。政治判断です、あるいは、さまざまな事情を勘案しました、そんな程度で要請できるほど簡単な話じゃない、そのことを指摘申し上げたい。
これは自主的なんですよね、あくまで。要請はするが自主的。ということは、言われたように、やったからといって何らメリットもなければ、言われたように、やらなかったからといって何らペナルティーもないということでいいですか。
○新藤国務大臣 当然ペナルティーというものはございません。しかし、これは地方交付税の基準財政需要額の中で給与の算定というのもありますから、それは公共団体が自主的に運用をされていくもの、このように思っています。
○小川委員 まさにそこなんですよ。
お手紙を出して、総務大臣として私の思いはこうだ、では、仮に百歩譲って、そこまではよしとしましょう。しかし、自主的だと言っている以上、やれば何らかのメリットがあり、やらなければ事実上メリットがないことをもってデメリットになって返ってくるという制度設計はおかしいと思いますよ。
リストラをこういう形で、公務員の頭数にせよ、人件費にせよ、抑制したら金を上げますというやり方は過去にやったことはあるんですか。いかがですか。
○新藤国務大臣 やってもメリットがない、今こういうお話がありましたけれども、これは何よりも、地方自治体がみずからの努力で財政再建と行政改革を行っていくのは、国が強制する前に、地方自治体がおやりになっていることでしょう。そして、それに対して今、国と地方が足並みをそろえていただきたい、こういう御要請をして、それを皆さんで、議会で判断して、その場合には条例を制定することになりますね、こういう制度に乗って言っているわけであります。
これは、地方が、国から言われて何かやるんじゃないんですよ。自分たちがやるのが当たり前じゃないですか。そういう中で、しかし、国家として、国の中でみんなで一律で頑張ろう、そういう要請をしているということであります。
ですから、これが何か地方いじめのように聞こえたならば、私は、それは地方自治体の皆さんは心外だと思いますよ。そんなことを言われるまでもなく、まず、そもそも自分たちが行革努力をしているわけなんですから。
行革努力をしたその反映は、地域の元気づくりという新しい事業を制定して、その中で、ことしだけじゃありません、この何年間かの人件費の削減と定員の削減努力に応じてまず均等配分した上で、さらに、頑張った自治体にはそれが反映されるように、行革努力が報われる、そういう算定をしてほしいというのは、これは自治体からの御要望でもあります。こういうものにも応えて私たちはそういう制度設計をさせていただいている、このように御理解いただきたいと思います。
○小川委員 事は人様の人件費という極めてセンシティブな、重要な課題ですよね。
それに対して、一定程度政府として要請をする、具体的に目標値を定める。何段階か進んでいくわけですよ。やったらやっただけ、これは言葉は悪いですが、国家公務員の平均給与、ラス指数に言う平均給与を下回れば、二千億円の分け前にあずからせますよという制度でしょう、今回の交付税法の改正案は。いやいや、やればやるほどその二千億円の分け前はふえますよ、やらなければゼロですよということでしょう。
これは、大臣の気持ちはわかる。要請したい内容も理解します。しかし、それを実現するための手法としては極めて品がないし、政策の執行をするに当たっての倫理観といいますか、そういうものについて議論の余地がある、議論が残る。このことは、今後も含めてでありますが。
これは、公務員の給与ももちろんそうなんですが、地方交付税法、地方交付税、これは、予算委員会で片山大臣、いい質問をされていますけれども、片山元大臣ですか。
大臣、地方交付税法を一回読んでみてください。第一条には、自治体が自主的に財産を管理する、財源の均衡化を図る、地方自治の本旨の実現、地方団体の独立性を強化することを目的とすると書いてある。
今回のリストラの成否に合わせた単位費用、これは基準財政需要額と言えるんですか。これは財政需要を合理的に測定したものですかという議論があるわけですよ。
地方交付税というのは、財政局の皆さんにも心してお聞きいただきたいと思いますが、非常に恣意的だという批判が常にある。不透明だ。これは自治体の財源ですか、それとも自治財政局の財源ですか。その辺、今後のことも含めて、心して制度設計に当たっていただきたい、大臣。
ちょっと通告外かもしれませんので、別にわからなかったらわからないで結構です。基本的な考え方にかかわる部分なので、その点だけ答弁いただいて終えます。
これは被災地もそうなんですね。例外じゃないんですね。これだけ職員が流された、昼夜分かたず働いている、被災地の自治体ものべつ幕なしに、給与を削ったら金をやりますよということになっているんですね。その事実が一つ。それから、地方議員、なぜ入らないのか。入っていないと私は聞いていますが、入っているなら入っているでいい。入っていないなら、なぜ入っていないのか。この二点、お聞きして終わります。
○新藤国務大臣 これは、被災自治体の皆さんにもひとしく要請をしております。
私も、心情的には極めて感じるものがあります。また、被災の自治体の市長さんや町長さんたちとは、私、直接お話ししてありますから、いや、それは、我々はと、こういう声もあります。しかし、その上でも、自治体においても、それでもラスパイを下回っている自治体もあるわけであります。行革努力というのは、被災自治体であってもお願いをしなければならない。最終的には、自主的な判断をみずからがおやりになることになるわけでありますが、我々としては、例外は設けてはおりません。
それから、地方議員の皆さんは、あえて今回の措置の中には含まれておりません。しかし、その町の運営に責任を持つ議会の議員が、みずからが自分の町の運営の状況を考えて、その中で対応されるものと私は思っております。
○小川委員 限られた時間ではありましたが、議論させていただきたかった論点、この中には、今後、大臣がさまざまな政策立案、実行されるに当たっても、ぜひ検証をしていただいたり、あるいは、頭の片隅で結構です、あのとき、ああいうことを言われたな、議論があったなということを今後ぜひ反映していただける機会を心から望んで、質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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