民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(6月30日総務委員会)〜

○赤松委員長 次に、小川淳也君。

○小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。

  時節柄、取り決めによりまして、ネクタイと上着の着用を御容赦いただきまして質疑に立たせていただきます。委員長にはお許しをいただきたいと思いますし、また、大臣、西川社長初め御当局の皆様にも、どうぞ遠慮なく上着の脱着を御自由にしていただければと思います。
  きのう株主総会を終えたということで、西川社長には、私どもの立場から申し上げますと形式的にならざるを得ませんが、続投にお喜びと御慰労を申し上げたいと思います。
  その上で、この問題、大変明暗を分けました。佐藤総務大臣に冒頭お尋ねいたします。
  西川社長の交代を主張された鳩山前大臣は、辞任という大変重い処遇を受けられたわけであります。西川社長はこういう形できのう続投が決まりました。この間の経過を閣内におられてどうごらんになりましたか。御自身の共感はいずれの側にありましたか。

○佐藤国務大臣 鳩山大臣に関しましては、本人から直接伺ったということではございませんので、私からどうこう申し上げるべきものではないのかなというふうに思います。また、閣内にあってどう感じたかということに関しましても、今私が申し上げるべき話ではないのかなというふうに思いますので、御勘弁をいただきたいというふうに思います。

○小川(淳)委員 お立場からすればそのようなお答えにならざるを得ない点は理解をいたします。
  私は、ずっとこの総務委員会で鳩山前総務大臣といろいろな議論をさせていただいてまいりました。その間の所感から申し上げますと、非常にメディアの耳目を集める方、集める方へと言動の流れやすい方だったというふうに拝見をいたしております。一方、西川社長は、この間さまざまな御答弁の中で、事の公益性に対する認識については御自身の認識不足を間々吐露されておられる。この両者を拝見いたしますと、ともに言い分があったのが今回の事の経過であり、てんまつではなかったかと思います。
  そこで、大変出過ぎたことを申し上げますが、やはり問題は麻生総理大臣のリーダーシップ。ここまで事がこじれる前段階で、事の重大性なり、またこじれた場合の影響の大きさなりをしっかりと予見なさって、早期の段階でしかるべき手だてを打たれるべきではなかったか。それがこの間の問題に対する私自身の所感であります。大変恐れながら申し上げさせていただきます。
  あわせて、西川社長に簡潔に御報告をいただきたいと思います。昨日の株主総会はどのような場でございましたか。時間、質疑の内容、また御自身が受けとめられた所感を簡潔に御報告いただきたいと思います。

○西川参考人 お答えいたします。

  株主総会は約二十分ないし二十五分程度でございましたが、私から、事業の概況等の報告、通常定められたものについて御報告を申し上げました。これに大部分の時間が割かれたかと思います。あとは、決議事項としては一件でございました。日本郵政の役員人事、これは九名の取締役全員が再任ということを御提案申し上げ、そして株主の御同意をいただいたということでございます。
  その中で特に株主から御指示があったのは、かんぽの宿等の譲渡問題につきまして、総務大臣から厳しい御指摘をいただき、改善命令をちょうだいした、そしてそれに対する改善、是正措置を講ずるということをお約束したわけでございます。これを着実に履行するようにという株主からの御要請がございました。
  以上でございます。

○小川(淳)委員 少し突っ込んでお尋ねしますが、西川社長は三井住友銀行で社長業、頭取をお務めでいらっしゃいました。そのときに経験された株主総会で受けとめられた緊張感、あるいは株主総会の時間、質疑の内容等々、そのときに受けられた感想と今回を比較すると、どういう違いがございますか。

○西川参考人 お答えいたします。

 株主総会の議長としての感想を申し上げますと、緊張感が強いということは銀行時代も現在も全く変わりはないと思います。
  ただ、銀行の場合は、大変大勢の株主が御出席になられまして、いろいろなタイプの株主がいらっしゃいますから、種々さまざまな御質問が出てまいります。これに対して一々お答えをするということでございますが、現在は、日本郵政は政府一〇〇%出資でございます、財務大臣お一人が株主ということでございますから、御質問等についても大勢の株主がいらっしゃるのとは随分違うということでございます。

○小川(淳)委員 銀行時代には大変シビアな株主総会を、また時間も恐らく長時間なんでしょう、乗り切られた社長の御経験に照らせば非常に形式的な二十分間の株主総会ということで、ずっとこの間、株主としての責任を十分果たしているのか、あるいは、株主の側からするガバナンスは十分きいているのかという議論はさんざんあったわけでございます。

 そこで、出席をされた財務省の中村理財局次長さん、お越しをいただきましてありがとうございました。やや失礼なお尋ねでありますが、財務大臣から数えて、序列という言葉が当たっているのかどうかわかりません、何番目の職責にあられるんですか。それから、こういう特殊会社の株主総会には次長さんがお出かけになるのが通例ですか。そして、国家国民、政府を代表して、これだけ、今回は特に政治的にも大混乱を招いた特殊会社に係る、非常に節目の株主総会でありました。こういう場において、次長さんのお立場で、さまざまな情勢あるいは政治状況等々を踏まえた高度な御発言をする立場にあられるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

○中村政府参考人 お答え申し上げます。

 序列が何番目かというのはなかなかあれですけれども、御存じのように、財務省設置法上、財務大臣がいらっしゃられ、その下にラインとしては副大臣がいらっしゃる。事務方としては、次官がおりまして、その下に理財局というのがございまして、理財局は局長がおりまして、私はその次の次長でございます。  それから、これまでのいわゆる特殊会社、政府出資会社に対する株主総会には、記録を調べた限りでは、いわゆる大臣、副大臣、政務官と言われる政治家の方が出席された例はございません。
  それから、議決権の行使に関しましては、財務省といたしましては、日本郵政株式会社の取締役の選任に関する決議の行使につきましては、これまで政府の方針に従って行使するというふうにお答え申し上げてきたところでございます。私としては、政府の方針に従って、財務大臣の代理として議決権の行使を行ったわけでございます。

○小川(淳)委員 通常、このような形で株主総会をやり過ごしてきたというのが実態だと思いますが、石田財務副大臣にもお越しをいただきました。

 副大臣、こうした特殊会社の重要な株主総会、これに限らずでありますが、きちんと大局的な判断、政治的な発言をみずからの責任において行うことができる大臣あるいは副大臣が責任を持って出席をすべきだ、私は今回の経過を見ておりましてそういう気持ちを抱いておりますが、副大臣、いかがですか。

○石田(真)副大臣 お答え申し上げます。

 今、中村次長の方から答弁をさせていただきましたように、財務省といたしましては、この議決権の行使については、やはり政府全体の中での方針どおりということでございますので、そのような形で行使をさせていただいたということであって、過去にも担当の職員として理財局の次長が出席をさせていただいておりましたので、そういう形で出席をさせていただいて、議決権の行使等を行ったということでございます。

○小川(淳)委員 総務大臣にもお尋ねしたいと思うんです。

 財務大臣が株主であるというのはどういうことですか。株主は政府ですか、それとも財務大臣ですか。  そして、定款の変更なり役員人事については、総務大臣御自身の認可が必要であります。そういうことからすれば、私自身の見方としては、多分政府が株主であって、財務大臣は職責上それを預かる側におられる。
  いずれにしても、重要事項の決定については、それぞれ所管のさまざまな法人がございますが、所管の大臣がいろいろな政策判断を含めて認可権を行使し、また拒否権を行使しということが求められるわけであります。
  そうしますと、こういう株主総会には、ひとり財務省関係者にゆだねるのみならず、所管の総務省、総務大臣、副大臣等々、関係の方が実際に出席をして、しっかりとしたガバナンスなり意見表明、権限の行使を実効あらしめるべきだと思いますが、その点、いかがですか。

○佐藤国務大臣 冒頭の御質問につきましては、私は政府というふうにお答えをせざるを得ないと思います。

 後段の御質問に関しましては、そうあるべきだと私も思いますが、いろいろな関連もございまして、今ここで申し上げるべき話ではないかと思いますが、よく調べた上で、どうあるべきかということも判断をしてまいりたいというふうに思います。

○小川(淳)委員 これ以上申し上げませんが、今回、これだけ話題になった株主総会で、あのような形で、まあ、報道ベースでしか見ることができておりませんけれども、わずか二十分、そして御発言の内容たるや、総務省とよく相談をしてくださいと言うにとどまっている。

 これを見ますと、今私が申し上げたような観点、所管の大臣がきちんと、あるいは名代でも結構です、責任ある立場、みずからの権限と責任において発言をすることのできる立場にある者がきちんと出席をする。そして、財務省においても、単に局次長さん、今大変失礼なお尋ねをいたしましたが、大臣、副大臣、政務官、事務次官、局長、次長と六番目ですか、こういう形で事務的に、形式的にやり過ごすというあり方については、今後ぜひ政府内で御検討いただきたい、そのことを強く申し上げたいと思います。
  西川社長に引き続きお尋ねをさせていただきます。  先週、私ども民主党を含め野党三党で、かんぽ問題を初めとした、この間のさまざまな問題について引き続き追及をしていくというプロジェクトチームの立ち上げがございました。
  かんぽ施設の売却。そして、JPバンクカードの業務委託先は御出身元の三井住友カードですか。池袋のヘルスプラザは非公開で、同じくグループ内と思われますが、住友不動産に売却。この間のこうした利権誘導、利益誘導ともとられかねないさまざまな事件、事象、そしてそれに対する追及、これに西川社長はどうお答えになるか、まず総括的な御見解をいただきたいと思います。

○西川参考人 お答えいたします。

 カード事業あるいは不動産活用等におきまして、いろいろな御提案を複数社、六社とか七社とか八社とか、これくらいの数字になると思いますが、御提案をいただき、それを審査する人が厳正に審査をしてそれぞれ決めておるわけでございまして、決してどこかのために利益誘導をするというようなことは、私は一切ないというふうに考えております。

○小川(淳)委員 もちろん、そうあっていただきたいわけでありますが、この間の事件、事象を見ておりますと、少なくともそういう疑念が生じかねない状況にあることは改めて指摘をしたいと思います。

 副大臣初め財務省の関係の方、お忙しいでしょうから、どうぞ御退席いただいて結構です。ありがとうございました。
  そこで、大変僣越ながら、我が党の鳩山代表は、仮に総選挙を経て政権交代が実現した折には西川社長にはおやめをいただく、そのような決意を既に公の場で表明をしているわけであります。このことに対して大変複雑な、あるいは不愉快な感情をお持ちかもしれません。ここは私としても心情はお察ししたいと思います。
  今のこの三井住友グループの関連で、二つお尋ねいたします。  一つは、現在、会長人事が議論されているようでありますが、この会長人事について、三井住友グループとの関連を含め、社長はどのような構想あるいは着眼点をお持ちか、それをお尋ねしたい。
  あわせて、この間、郵政の会社運営に非常に力を、また心を砕いてお務めであろうかと思いますが、退任された場合、三井住友グループへお戻りになる可能性というのはございますか。  この二つ、御所感をお尋ねしたいと思います。

○西川参考人 会長人事につきましては、これは取締役会でお決めいただくことでありますから、私からその人選について具体的に取締役会に申し上げることはございません。取締役会にお任せをするということでございます。

 それから、私が日本郵政を退任した後どうするのかということでございますが、これは、私は今は何も考えておりません。

○小川(淳)委員 取締役会にゆだねるという、一つの御見識だとは思いますが、取締役兼代表執行役社長ですから、そこは何らかの御見識があってしかるべきだと思いますし、この場でどこまで言えるかというのは確かに非常に微妙なところかと思いますが、その辺については、来るべきときに備えてしっかりとした御見識を改めてお持ちいただきたいと思います。(発言する者あり)

○赤松委員長 不規則発言は慎んでください。

○小川(淳)委員 そして、私自身、大変失礼なことを、僣越なお尋ねも申し上げましたが、西川社長のこの間のお務めぶりに対しては、非常にある種の敬意といいますか、そういう気持ちを持ちながらこの間の事業運営なりを拝見してきた、そういう気持ちが一方にあることも事実であります。

 その面から、この間のスキャンダラスな利権誘導、利益誘導的なお話と、また国会や報道機関の前でその釈明にばかり追われる姿というのは、拝見しているこちらの側も大変ある種不本意な部分がございます。その意味では、郵政事業そのものに関して、西川社長御自身の見識、あるいはこの間の御経験を踏まえられての御見解をぜひお聞きしたいという思いがかねてからございました。その点をぜひお尋ねしたいと思うんです。
  まず、民営化から二年近くたちました。この間、いろいろな御苦心、御努力がおありだったことと思います。準備会社時代の責任者を含めれば三年半ですか、郵政事業にひたすらかかわってこられた。その御経験からして、当初、どういうお気持ちで、どういう郵政事業のあるべき姿を描かれてこの大任をお引き受けになられたのか。想像するには余りあるところがあろうかと思いますが、その点をぜひお聞きをしたい。
  あわせて、きのう続投が決定したわけでありますので、この間、民営化から二年、準備会社から三年半、この間の時間の経過、また、さまざまな出来事がおありだったことと思います。続投を決意される、またお引き受けになられるに当たって、当初の気持ちからすれば何が変わったか、何は変わらないか、こういう大変大局的な御見解についてぜひお話をいただきたいと思います。

○西川参考人 お答えいたします。

 私が日本郵政社長の指名を受けましてお引き受けするときには、これはとてつもない大きな事業の、しかもこれを民営化という目的に向けて動かしていかなければならないということで、大変に大きな責任を感じて引き受けたわけでございます。
  私にも至らぬ点がございました。今から思いますと、いろいろな出来事で反省すべき点もあったと考えますが、私といたしましては、一たん引き受けた以上、民営化の土台をしっかりと築くことが私に与えられた責務であり、また果たすべき責任であると考えておるところでございます。
  以上でございます。

○小川(淳)委員 変わったところと変わらないところが恐らくおありなんだと思いますが、この間の実際の事業運営に照らして、幾つか具体的に絞ってお尋ねしたいと思います。

 まず一番目。この間の三年半の事業経営を踏まえられて、郵便事業は民間ビジネス、民営事業になじむ事業ですか。

○西川参考人 お答えをいたします。

 郵便事業は、何よりもユニバーサルサービスを堅持していくということが大命題でございます。このユニバーサルサービスを堅持するということになりますと、民営化会社は、これまでと申しますか、郵政省あるいは郵政公社の時代以上に経営の効率化というものをしっかりとやっていかなければ、このユニバーサルサービスを堅持していくということは難しくなる。
  こういうことでございますが、難しいからやれないというわけにはまいらないものでありますので、それはあらゆる手だてを考えながら、そして、誠実にそれを実行して、何としてもこのユニバーサルサービスを堅持するという覚悟で臨まなければならないものであろうというふうに考えております。決して民営化になじまないものではないと思います。

○小川(淳)委員 昨年の九月でありましたが、私ども民主党は国民新党さんと両党間の合意をしたわけであります。その要点は、株式の売却を凍結するということが一つ。そして、郵政事業の四分社化を見直すということ。これらについて両党間で合意をしたわけであります。

 私どもには郵政事業の経営の経験がありませんから、ぜひそこは西川社長のこの間の経営の実績なり経験を踏まえた、外からではない御意見をいただきたいわけでありますが、私自身は、郵便事業というのは果たして民営化、民営事業になじむものだろうかという大きな疑問を持っております。
  その理由はたった一つ、郵便料金が、手紙とかはがきに関しては全国均一料金だからであります。例えば、沖縄の最南端の島から北海道の最北端まではがき一通送っても五十円。東京都内、千代田区内ではがき一通送っても五十円。そこは全く採算を度外視して。まあ、どこの田舎のおじいちゃん、おばあちゃんも、遠くにいるお孫さんに同じ料金で手紙なり郵便を出すことができる。
  こういうビジネスモデルをとっている以上、私は、民営事業の顧客というのは、基本的に、そのサービスに係る経費の大きさに合わせて料金を負担するのがやはり原則ではないかと思います。全国均一料金を維持しようといった瞬間に、この郵便事業というのは、民間ベースで、採算ベースで事業を存続させていくのは非常に難しい境遇に置かれるのではないかと思います。その観点もぜひ考慮いただきたいと思います。
  二つ目。先ほど国民新党さんとの合意の中で四分社化の見直しという点を御紹介申し上げました。
  現在、ゆうちょ銀行と簡易保険、これについては分社化方針で明確に区分をされている、物理的にも板張りまでされている、こういう状況であります。一方、三井住友銀行初め、民間の金融界は逆の流れだと思います。銀行と保険の垣根を取り払って、お互いの相乗効果で顧客サービス、満足度をより高めていこうと、むしろ逆の方向にある。
  この間、現場からもさまざまな不満の声が社長の耳元にも届いているのではないかと思いますが、この銀行と簡易保険を分社化した状態について、社長自身はこの間の経営を踏まえてどうお感じか、お聞かせいただきたいと思います。

○西川参考人 お答えいたします。

 私は、銀行と保険というものはそれぞれ別の、全く異質のリスクをとる事業だと思いますので、これを一つの会社として経営するということは必ずしも適当ではないのではないかと思います。
  今、銀行は代理店として保険商品の販売をかなり力を入れてやっておるということでありまして、同じことがかんぽ生命の場合も、郵便局会社、郵便局が窓口となりましてかんぽ生命の代理店を務めておるということでございます。
  もともと郵便局会社は、そういう生命保険、かんぽ生命の代理店、それから銀行の代理店、あるいは郵便の窓口、これがその業務の中身でございますから、そういう格好になっておるわけでございますけれども、基本的に、銀行、保険業務を一体化ということは、これはやはり適当ではないのではないかというのが私の考え方でございます。

○小川(淳)委員 おっしゃったようなお考えはあり得ると思いますが、現場での板張りを含めて、不自然な分割、区分については、ぜひ見直しも含めて御検討いただきたい。

 最後に、例えば三井住友銀行の経営において、窓口業務を行う会社を分社化してここへ委託するということは、これは経営判断としてあり得ますか。

○西川参考人 お答えいたします。

 もともと銀行の場合は、これは外国銀行もそうだと思いますが、直営の支店をたくさん持って経営をしていくというスタイルをとっておりますから、どこかを代理店にしようという考え方というものはないわけでございます。例外的にそういった一部の業務を代理店に任せるということはあり得ようかと思いますけれども、メーンのところを代理店というわけにはまいらないんじゃないかと思います。

○小川(淳)委員 以上三点、私自身、個人的にも大変疑問に思うところでありますが、お立場を踏まえながらの御答弁をいただいたと思いますし、お立場ながらなかなか言えない部分も含めて、これは、国民にとって、利用者側にとってよりよい郵政事業の実現のためにぜひ引き続き御検討をいただきたいと思います。

 せっかくお越しをいただきましたので、この間のさまざまなスキャンダラスな論戦あるいは報道の発端でありました、かんぽ施設、二千四百億を投じてつくった七十施設、これが百億を下回るような価格で販売をされる予定だった、この魔法の取り決めが減損会計ということでありますが、これは金融庁の方に簡潔に御答弁ください。
  減損会計を導入した背景からして、これほどの、二千四百億かけてつくった施設が百億を下回るような価格になる、これは減損会計を導入された企業会計原則の側からすれば、この事実一つをもってどのように評価されていますか。

○岳野政府参考人 減損会計についてのお尋ねでございます。

 減損会計につきましては、もともと企業がバランスシートに保有しております不動産等の固定資産の時価が著しく低下したときに適用されるものでございますが、これを導入いたしました趣旨は、固定資産の収益性が低下することによりまして投資額の回収が見込めなくなった場合に、その価値の下落を適切に財務諸表に反映する、そういうことで企業の財務状況の的確な把握を可能とするために導入されたものでございます。
  こうした会計処理は、我が国のみならず国際的にも行われているものでございます。我が国におきましては、平成十四年八月にこういった減損会計のルールを企業会計に導入することを決めまして、十八年三月期から、会計年度で申しますと十七年度から企業会計のルールといたしているところでございます。
  こういった減損会計について、今回のかんぽの宿事業の適用についてこれまでさまざまな御意見、御指摘があるということは承知してございますが、今回の日本郵政さんにおかれます個別の事業の減損処理の結果につきまして、会計ルールを所管しております金融庁として何らかのコメントを差し上げることは御容赦いただければと存じます。

○小川(淳)委員 時間が限られていますので申し上げますが、もともとこの減損会計というのは、経済情勢の低迷に伴って不動産が過大評価されてはならないという立場から入った会計原則であります。

 しかし、今回問題になっているのは、これは過小評価されているんじゃないかということでありまして、私はこの観点からいえば、この企業会計原則というのは、過小評価するという原動力がどういうケースで働くか、やはり背任とかそういうことまで想定されてくるんだと思いますが、この企業会計の原則からいえば、ちょっと想定外のことが起きているということではないかと思います。その点からいえば、原価法、あるいは取引事例との比較法、そして収益の還元法、さまざまな算定方法があるとお聞きしていますが、もう少し細かい原則、規則を示すべきだと私は思います。
  この間、二千四百億投資してつくりました。現在、固定資産評価額は、なお八百五十億あります。この減損会計に言う二十年間のキャッシュフロー、二十年間の収益、この場合はマイナスです。郵政の場合はマイナス、かんぽの事業の場合はマイナス。しかし、本社機能で二、三十億赤字があるとお聞きしましたが、七十施設全部合わせても、過去を見て、大体十億から二十億。これは二十年分合わせても二、三百億ですよ。八百五十億から差し引いたって五百億の価値は残る。大変素人目でありますが、そういう計算をしても全く成り立たない、百億を下るような金額設定というのは。
  個別に見ましたよ、地元施設の不動産鑑定書。非常に計算方法の基準があいまいなだけに、いかようにでも設定されるやにお見受けします。もう少しこれは、企業会計原則とおっしゃる以上、こういう過小評価しているんじゃないかというようなケースについてもきちんと手だてできるような方策をお考えになるべきじゃないかと思います。指摘にとどめさせていただきます。
  大変恐縮ですが、時間の関係で、もう一つお尋ねをしたかった分野。  先週、国家公務員法の審議がスタートいたしました。一言で言えば、採用年次とか試験区分とかにかかわらず、省庁の垣根を取り払って有為な人材に幅広く活躍をしていただく、それは一つの方向だと思います。あわせて、国家公務員の再就職問題というのは、かねて国民から見て大変大きな疑念の的でありました。これを解消していくために官民人材交流センターをつくって、再就職、いわゆる天下りを一元管理していくという方向であります。  麻生総理大臣は、各省庁のあっせんをことしいっぱいでやめるんだということを既に表明しておられます。
  そこで、ちょっと資料との関連をごらんいただきたいんですが。お配りをさせていただいた資料をごらんいただきますと、各省庁が行った再就職のあっせん件数は、二回目に限って、佐藤大臣、これは総務省がお調べになったものであります、上から人事院の四件、内閣府の一件を初めとして、全部で二十九件。これは二回目のあっせんです。一回目は千八百七十二件ありますから、調査の上では、一回目の再就職あっせん千八百件余りに対して、二回目は二十九件と大変少なくなっております。
  しかし、本当にそうだろうかという問題が残るわけであります。これは私の感想です。この問題は、実は、あっせんをやめさせます、やめましたというその言葉じりだけが残って、実態が残る、盛んに再就職、再々就職を繰り返す実態が残りかねないという懸念を私は抱いております。
  それから申し上げますと、国家公務員の人事管理、人事行政の責任者であられる人事院は、みずから申告されました。二回目の再就職、わたりのあっせんは、平成二十年に三件やりましたとみずから報告されている。
  せっかくですから、これは人事院にお尋ねしますが、これ以外に私はこういう資料をあえていただきました。個人情報が満載ですからコピーしてまではお配りしておりませんが、十九年一月現在の人事院退職者の一覧、二十年二月現在の退職者の一覧、二十一年二月現在の退職者の一覧。これは、全員が今どこで勤務しているか、すべて時系列で整理された一覧表であります。恐らく、間違いなくこれが各省庁の人事課長あるいは官房長の引き出しの中に入っている。
  人事院から審議官にお越しをいただきました。私が今ここに手にしているこの資料、恐らく同じものをお持ちだと思いますが、その事実関係、そして、今ここで表明された三件のわたりあっせん以外に同様の事象があるのかないのか、お答えをいただきたいと思います。

○菊地政府参考人 お答えを申し上げます。

 人事院といたしまして、平成二十年に二回目の再就職のあっせんを行いましたものは、総務省の報告のとおり三名でございます。それから、平成十九年のあっせんで二回目の再就職をした元職員が一人おります。
  それ以外でという先生の御指摘でございますけれども、みずからのつてで再就職いたしました者や、個々人の能力で大学教官に職を求めた者などがいるというふうに承知しております。

○小川(淳)委員 もう時間ですから、佐藤大臣、現状だけお知りおきをいただきたいと思いますが、こういうOB管理というのは必ずやっています。精緻にやっています。そして、その中には、今具体的には御答弁なさりませんでしたが、申告した三名以外に、これは時系列で私は名簿を追いました、ほかに四名が再々就職、わたりをやっています。

 こういう現状で、時間があるときにぜひまた具体的に議論したいと思いますが、どういうケースをあっせんしましたというのか、あるいは、このケースはあっせんしていませんと言い切るのか、ここの境目は非常にあいまいです。ここをしっかり追及して現状把握をいたしませんと、麻生総理がせっかく、あっせんはやりません、ことしいっぱいでやめさせますとおっしゃったのに、現状は全く変わらないということもあり得るわけであります。
  今お聞きになった上で、この点に対する佐藤大臣の御所感をいただいて、質疑を終えたいと思います。

○佐藤国務大臣 先生の御趣旨はよく理解をさせていただきました。天下りはやらないという総理の御方針でございますので、この辺、境目がどうであるかということも含めてよく調べさせていただきたいというふうに思いますし、判断基準をどうしたらいいかということも含めてこれから考えてまいりたいというふうに思います。

○小川(淳)委員 ありがとうございました。

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