民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(4月14日総務委員会)〜

○赤松委員長 次に、小川淳也君。

○小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。

 大臣、きょうは近しく議論をさせていただき、大変光栄でございます。
  まず、先週末、十五兆円に及ぶという補正予算、景気対策が発表されたようであります。総務大臣、総務省はどういう役割を果たすんですか、あるいは地方自治体に対してどういう負担を強いるんですか、お答えいただきたいと思います。

○鳩山国務大臣 地方が元気にならなければ国が元気にならないというのは、私どもの考え方でございますし、麻生総理の不動の信念でもあります。

 最近はワイズスペンディングということが盛んに言われておりますので、今回の新しい経済対策では、まず賢いお金の使い方である、それから、メッセージ性があって国民にわかりやすい、そして地方が経済対策を実施しやすいというような条件で取りまとめられたわけでございます。
  一番は、公共事業等を追加していく場合には地方負担を軽減させなければならないわけで、地方だって全部予算を組んでいまして膨大な補正予算債なんというわけにもいかない、公共事業について地方が十分に乗ってくるというか喜んでやってくれるような、そういう方法を考えるために一・四兆円のお金が準備されているのが一つ。
  もう一つは、二次補正のときの六千億円は地域活性化・生活対策臨時交付金という非常に使い勝手のいいものであって、地方の実情に合わせてお使いをいただいた。この六千億を、さらに金額を拡大して約一兆円のもの、つまり、名前としては地域活性化・経済危機突破みたいな、そういう名前で交付金をつくる、これが大きなことでございます。
  それからもう一つは、エコポイントという制度を活用したデジタルテレビ購入支援という形のもの、それから、ブロードバンドゼロ地域の解消や、携帯電話が、うちの近くにもあるんですが、やたら切れるところがありますが、こういうことの解消、これに補正予算を組むのであればお金をつぎ込んでいただけるようにする予定でございます。
  それから、この間の北朝鮮のミサイルに関連してJアラートというのが注目されましたけれども、このJアラートがまだ自治体に対する普及率が非常に低いので、これを一気に整備できるように補正予算を使ってやっていきたい、こう考えております。

○小川(淳)委員 本題は、もちろん予算委員会なり関連法案の質疑の中で議論をさせていただきたいと思いますが、まさに、昨年の景気対策の中で、今、各自治体は定額給付金で大変な事務に追われているさなかであります。景気対策の実施に当たって、こういった理不尽な形で地方に厄介なところだけ押しつけるということがないようにぜひお願いしたいと思います。

 また、先ほど大臣は賢い使い方ということをおっしゃいました。本格的な審議の前に幾つか指摘だけさせていただきたいと思います。
  家電や自動車、住宅に関する購入支援というのは、単なる需要の先食いに終わる可能性が一方にあります。そして、子育て応援のための手当は、一年限りではほとんど意味がないと思われます。私たちは、恒久的な措置を主張しています。それから、農業や雇用や医療、介護にも力を入れる。後ほど議論したいと思いますが、高速道路を、千円ではなく、私たちは無料化を主張しています。千三百カ所の料金所に一万五千人の料金徴収人員、これらを含めて、千円とはいえお金を取る考え方と無料化には大きな理念の違いがあります。やはり今必要なのは、地方負担金の議論もしたいと思いますが、まさに理念であり、将来に対する展望。
  単に金額が大きい、お金があるから地方が乗ってくるという考え方では済まないと思いますので、冒頭指摘だけさせていただき、本格的な審議は予算委員会や関連の法案審議にゆだねたいと思います。
  もう一つ、最近の報道で少し気になりましたのでお尋ねいたしますが、簡易保険の不払い問題。
  まさに公社時代の四年半、全部で一千二百五十万件のお支払いの中に不適切な支払いあるいは未請求の放置、こういうものが相当な割合で含まれていることが既に明らかになっておりますが、総務大臣、先週、既に会見で何かおっしゃっているという報道も目にしておりますが、まず監督責任について一言いただきたいと思います。

○鳩山国務大臣 郵政というのは、郵貯、簡保、もちろん郵便事業、窓口を入れて一つのすばらしい文化を形成してきたわけです。もちろん、国というバックがあったとはいえ、きめ細かなサービスもあったし、ネットワークもあったし、そういう国民の信頼の中で特定郵便局長さんたちにも活躍していただいたし、一つの文化である。この文化は、国民の信頼をバックにした文化であるとずっと申し上げてきたわけでございます。

 したがって、かんぽ生命の不払い事案、つまり、払ったけれども正当に払っていない、特約等の見落としとかいろいろあるんだと思います。これがきちんと処理できないと、まさに国民の信頼を失う重大な事態になりますから、私としては、みずからの責任において、できる限りのことをやり、あるいはやらせるということを申し上げたわけでございます。
  とりわけ民間の生損保の不払い事案が明らかになってきたときから、既に報告徴求を何回か繰り返してきているわけでありましょう。たまたま、私、一年前、法務大臣をやっておりまして、保険業法ではなくて保険法の改正というのをやった。つまり、商法典から保険の分を全部抜き出して、保険契約者や被保険者や保険金受取人に有利になるような法改正をした。これはやはり不払い事案があったからなんですね。
  そういった意味でいえば、今回の問題は決して甘く見てはいけないわけで、今委員おっしゃったように、確かに千二百五十万件郵政公社時代に支払ったものがあって、これがいろいろな見落とし等があってきちんと支払いができていないのではないかというので、総点検を開始したのが昨年の七月からだと思います。
  来月中あたりには全部のコンピューター入力は終わるわけでございまして、したがって、目で突き合わせて、機械による突合じゃなくて、目で見て突き合わせていかなくちゃならないものが二百四十万件プラスアルファになるでしょうから、どれぐらいなんでしょうか、二百六十万件とか七十万件になるのかどうかわかりませんが、これをとにかく、既に作業は開始されておりますけれども、ことしの七月ぐらいから、順次お客様にもっと受け取れるお金がありましたよというような連絡をしていこうと考えておりまして、その総数が民間生損保の例の数字を当てはめると八十万件ぐらいあるのかな。
  こういう形になっておりますが、これは私の責任は重大だと思っておりまして、私は公社時代に総務大臣をやっておったわけじゃありませんが、問題がこういう形で明らかになっている以上は、私の責任あるいは使命は重大だと思って対処してまいります。

○小川(淳)委員 日本郵政の西川社長が、調査を表明されたのが二〇〇七年の五月であります。実際に調査を開始したのが昨年の夏。ですから、当初の表明からいいますと、二年近くになろうとしています。
 きょう、かんぽ会社にお越しをいただきましたが、これはなぜこんなに時間がかかっているんですか、いつまでに明らかにするんですか、こういう不払いなり未請求の放置が生じた理由は何ですか。

○山下参考人 まずお尋ねの第一点目、なぜ時間がかかっているかということでございますけれども、今先生御指摘のとおり、平成十九年五月に、当時の西川総裁から、準備期間を経た上で保険金の支払い点検に関する取り組みを実施することを公表いたしまして、総務省に六月にその旨御報告しております。

 ただ、当時は平成十九年十月の民営・分社化の実施に万全を期す中で並行して取り組んでおりましたので、支払い点検等の準備作業を本格的に開始しましたのは、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構より受託を受けてかんぽ生命が実施することとした民営化後でございます。
  十九年十月の民営化直後に、私を責任者とする支払サービス改革推進本部を立ち上げまして、体制整備を進めますとともに、二十年一月までに公社期間中の保険金等のお支払い請求のありました事案、約千二百五十万件を対象に点検を行うことを内容とする点検計画を策定しまして、総務省に御報告しております。
  その後は、要するにシステムを構築して、千二百五十万件ですから手でやるわけにはいかないので、まず事務フローを決めて、その千二百五十万件を機械でやる、そのシステム化に物すごく時間がかかっておりまして、先ほど七月と大臣からございましたけれども、それは、そのシステム構築する時間をかけて、そこから始まったということでございます。
  それから、第二点のお尋ねのございます支払い漏れの原因ということでございますが、支払いの検証結果を待ってその詳細な発生原因を特定していかなきゃいけないわけでございますけれども、民間の例等を見まして、現時点で大きく二つの原因が想定されるというふうに考えております。
  一つは、事務ミスでございます。例えば、お客様から保険金支払い請求をいただいて、本来十九日の退院日を十七日というふうに読み間違えて、二日分少なく払うケースなどがございます。
  もう一つは、お客様からの請求に基づいてお支払いをするという、いわゆる請求主義に基づいて事務処理をしてきたことによるものでございます。例えば、お客様から入院保険金の請求をいただいてお支払いを行った事案において、入院証明書を見ますと、詳しい手術内容の記載ではないんですけれども、手術を受けた旨の記載があるにもかかわらず、ですから、本来は、お客様の立場に立てば、その際に事実確認を行って、お支払いができるかどうか確認すべきところを、それができておらず、場合によっては不払いになっている可能性があるということでございます。
  こうした二つの原因が現時点では想定できると考えております。

○小川(淳)委員 これはいつまでですか。いつまでに全容を明らかにして、対処し終えるんですか。

○山下参考人 支払い点検作業につきましては、今大臣から御説明ありましたけれども、現在、システム処理を行うために必要な支払い関係書類のイメージ化、データ入力、これが大変でございまして、千二百五十万件を倉庫から引き出してきて、それをイメージ化、データ入力しまして、機械による点検の工程が最終段階に来ております。

 引き続き、派遣社員、かんぽ生命の社員の目視による点検を進めている段階でございます。今後、かんぽ生命の社員による最終的な点検並びに支払い決定を行う作業を順次進めてまいります。
  お客様への御案内につきましては、現在のところ平成二十一年七月を目途に、点検結果の確定の都度、準備ができたものから順次開始することとしまして、平成二十一年度末までの終了を目標としております。
  こうした点検の進捗状況につきましては、五月までに、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構を通じて総務大臣に御報告することとしておりまして、それと同時に対外公表を行う予定としております。
  弊社といたしましては、総務大臣からいただいた御指示等を踏まえまして、点検結果の早期確定に向けて全力を尽くすとともに、お客様への御案内や追加支払い等に全力を尽くしてまいりたい、そう考えております。

○小川(淳)委員 確かに、数が膨大ですから、ある程度の時間は必要なんだと思いますが、機械点検はもう八割方終了しているというような報道発表もあるようですので、適宜、中間報告なり情報の発信に努めていただきたいと思います。

 関連して、きょうは金融庁にもお越しいただきましたので、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
  二〇〇五年から二〇〇八年にかけまして、損保会社や生命保険会社に対する不払いや不適切な支払い、あるいは支払い漏れ等々に関連して、相当な件数の業務停止命令あるいは業務改善命令等々を発しておられます。それとの関連でいいますと、今回のこのかんぽ会社の不払いはどう取り扱うんですか。金融庁のお立場から御答弁いただきたいと思います。

○三村政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁におきましては、旧日本郵政公社の時代でございますけれども、日本郵政公社法に基づきまして、総務大臣からリスク管理分野の検査権限の委任を受けまして、平成十五年四月から十九年九月までの間に五回検査を実施しております。
  この間の不払いの事例等につきましては、基本的には総務大臣の方で適切に対応されるということになっておりますので、金融庁としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。

○小川(淳)委員 検査に入っているんでしょう、金融庁。検査に入っているんでしょうから、これは事務ミスだと言っているんですよ、これは何も言えないでは済まないんじゃないですか。いかがですか。

○三村政府参考人 一般論で申し上げますと、保険会社については、その取り扱う商品内容でございますとか、保険契約者の数でございますとか、収入保険料あるいは支払い保険金等の規模などに応じてその事務処理体制というものはいろいろ異なってまいりますので、一概に申し上げることは困難でございます。

 いずれにいたしましても、その規模、特性に応じました適切な顧客保護管理体制、あるいはオペレーショナルリスクの管理体制といったものが構築されることが重要であるというふうに考えております。

○小川(淳)委員 では、いつといつといつ検査に入ったのか、事実だけ下さい。

○三村政府参考人 申し上げます。

 平成十五年の十一月十九日に予告をいたしました検査、平成十六年八月十八日に予告をいたしました検査、平成十八年一月十六日に予告をいたしました検査、平成十八年十月四日に予告をいたしました検査、それから平成十八年十一月十三日に予告をいたしました検査、計五回でございます。

○小川(淳)委員 この間、民営化の過程をたどったわけですから、金融庁としても難しいお立場はあるでしょう。しかし、大変強い姿勢で臨まれましたね、民間の生命保険、損害保険会社に対しては。これは推測で物を言うのははばかられますが、恐らく民間の生損保に比べると意図的な支払い拒否等は少ないんでしょう。しかし、一方で、事務処理のミスとかこういうことに関しては、官業で長らくやってきたわけですから、より厳しい姿勢なり対処が求められる局面がこれから出てくると思いますよ。審議官、ずっと下を向いておられますけれども、民営化されたわけですから、そういう目でぜひごらんいただくことをお願いしておきたいと思います。

 これに関連して、最後に、この簡保に関する書類の保存期限は五年間という社内規程があるとお聞きをしております。
  一方、西川社長が調査を表明されたのが二〇〇七年の五月、公社化して以降の二〇〇三年の四月から二〇〇七年九月の一千二百五十万件については今調べておられる。
  公社化以前、二〇〇二年の支払い分で保存期限の五年に満ちていないものについては書類を破棄したという報道がありますが、これは事実ですか。

○山下参考人 お答えいたします。

 私どもは、法令に基づいてそういう書類の保存期間等についてルールを定めておりまして、それに基づいて厳正に対処しております。ですから、今御質問のようにルールに違反して何かを処理したとかいうことは全くございません。そういう意味では、要するに公社期間中、前のところについては、既にルールに基づいて処理した部分と残っているもの等がございます。  それから、五年というのも、書類によってそれぞれ異なっております。

○小川(淳)委員 では、書類は残っているんですね、五年分は、二〇〇二年の支払いについて。二〇〇二年度の支払い分について、書類を破棄していないんですね。

○山下参考人 ですから、ルールに基づいて実施しておりまして、二〇〇二年とおっしゃいましたか。(小川(淳)委員「二〇〇二年度分」と呼ぶ)それについては調査しないとわからない部分がございますけれども、ルールに基づいてやっているということでございます。

○小川(淳)委員 繰り返しになりますが、確かに、ここ何年か法人形態がころころ変わっていますから、ルールの変更とかいろいろあるのかもわかりませんが、これは顧客の側から見ると関係ありませんからね、お客さんの側から見ると。

 もしそれが調査できていないなら、これは報道がひとり歩きしているならそれで結構ですし、書類がないということになると、たどれないわけでしょう。その点、また整理してぜひ御報告をいただきたいと思います。(発言する者あり)  おわかりでしたら、どうぞ。わからなければ、ちょっと時間を置いて、整理して御回答いただきたい。

○山下参考人 五つのサービスセンターでやっておりまして、基本的には、今申し上げましたようにルールに基づいてやっていますので、今、そういう意味で、総務省さんからも御指導をいただきながら全体でもう一遍確認をしているところでございます。

○小川(淳)委員 簡保の問題については、大臣にも以後引き続き注意深く監督をお願いしたいと思います。
 ちょっと時間の都合で、もう二、三お尋ねしたいことがございますので、簡潔な御答弁にぜひ御協力をいただけたらと思います。
  もう一つ、ぜひ最近の話題でお聞きをしておきたいのは、地方の直轄負担金のあり方の問題であります。  まず、八日、これも報道で知りましたけれども、総務大臣、国土交通大臣、農水大臣が、関係する各県の知事を交えて地方直轄負担金に関するあり方を議論したという報道がございました。これも報道ベースですが、議論になった内容は、情報開示の徹底が一つ、維持管理に関する負担金の廃止が一つ、直轄事業そのものの縮小、廃止が一つ。
  この三つぐらいが大きく議論されたということですけれども、私は、ぜひ総務大臣には農林大臣なり国土交通大臣とは違う立場でこの件で御活躍をいただきたいと思いますが、どのような立場でどういう趣旨の御発言をされたのか、お聞きをしておきたいと思います。

○鳩山国務大臣 知事の方が数名、何名だったか正確に覚えておりませんが、お見えになって、国土交通大臣が主催する形で、私と石破農水大臣が参加をして、意見を述べた後、もちろん麻生知事会長から話があって、それぞれの知事が全員発言されたんだと思いますが、私は公務の関係で、最後の最後までいたわけではありませんで、三、四人の知事さんの発言は聞かないうちに退席をいたしました。

 ですが、私が申し上げたことは、今委員がおっしゃったことと等しくて、地方分権を担当する者として、地方分権というと、すぐ国の出先機関がどうなるのということの方が行革的観点で話題になりやすいけれども、地方分権というのは本来国の権限と事務や事業を地方に移していくことであって、同時に財源も人も移すということなんだろうと思いますと。そういった意味でいえば、直轄事業を見直して、これを徹底して減らす。だから、例えば河川でいうと、二つの県にまたがればすぐ直轄だというふうになるけれども、要するに国やその地方を代表するような大河川だけが国直轄であって、あとはみんな都道府県に権限を移したらいいのではないかと。道路も同様であると。直轄事業を減らすということが地方分権の大きな柱であるということが一つ。
  それから、これも今委員がおっしゃいましたけれども、維持管理に関して、地方管理、都道府県管理の国道等は、維持管理は全部都道府県であって、国は一円も出していない。ところが、直轄事業は建設のときに三分の一地方に負担させるだけでなくて、維持管理においても負担をさせているから、これはなくすべきものであるということを私は申し上げました。
  それから、人件費、退職金、あるいは庁舎、出張所の建物等に関して、大体ろくに説明もしないで都道府県に負担をさせてきたことが大問題であって、本来、こうしたものは直轄の負担分からは外すべきが原則ではないかというようなことを私は発言したんです。
  ですから、知事さん方は、総務大臣の言うことは、我々にとってみればそれが実現すれば満額回答みたいなものだというような発言が多かったかと記憶いたしております。

○小川(淳)委員 総務大臣には大変力強い御答弁をいただきましたので、ぜひその方向でお取り組みをいただきたいと思います。

 少し概要だけ確認したいと思います。  残念ながらこの問題は、大変残念ながらなんですが、香川県議会において新年度の予算を審議する中で、庁舎、国道事務所の建設費用が道路の事業費の中に紛れ込んでいたということが明らかになったのが発覚のきっかけでありました。その関係もございますので、あえて総務大臣にも御確認いただきたいと思いますが、委員長のお許しをいただいて資料をお配りさせていただいていると思います。
  一枚目をごらんいただきたいと思います。
  これは、平成十九年の五月三十一日、四国の地方整備局長から香川県知事あてに、直轄事業計画の今年度分だということで通知をされた、その通知の別紙であります。抜粋ですので、全三枚のうち一枚だけコピーをしてお配りさせていただきました。上から、国道十一号線高松東道路を筆頭にずらっと事業が並んでおります。その横には、箇所名、事業規模、事業費、香川県の負担額ということであります。
  きょう、国土交通省にもお越しいただきましたので、お尋ねをいたしますが、例えば一番上の国道十一号高松東道路は、事業費が一億、香川県の負担額が三千三百万、事業内容の中には琴電長尾線の立体事業と書いてあります。これは確かに便利になりました、立体交差が進んで。この中に国道整備、国道事務所の事業費、建設費はどのぐらい入っているんですか。

○広瀬政府参考人 お答えいたします。

 先ほど先生の方から御指摘のありました国道十一号高松東道路は、事業費一億円のうち、工事費、用地費等は八千万円でございます。

○小川(淳)委員 国道事務所の建設費用なり人件費がどのぐらい入っているかとお聞きしています。

○広瀬政府参考人 失礼いたしました。

 国道事務所の建設費、いわゆる営繕費でございますが、営繕費は一千三百万円、それから人件費等の事務費は七百万円でございます。

○小川(淳)委員 大臣も、これは資料をごらんいただいて、なるほどと思っていただけると思うんですが、事業内容のところには、まさか国道事務所の建設費なり、そこで働いておられる国家公務員、国道事務所の職員の人件費が入っているとは思わない、思えないつくりになっております。

 ちなみに、整理をいただきましたのであえて御紹介したいと思いますが、これはほんの一部の抜粋でありまして、香川県に対して通知をされた全体事業費が全部で八十億前後です、八十億。そのうち、国道事務所の建設費用が約十億、そこで働く方々の人件費を初めとした事務費が七億というのが今回整理をお願いした結果いただいた数字でありまして、この例に漏れず、すべての事業費の中に案分してこれが込められているというのが実態であります。
  そこで、国交省にはもう少しお尋ねしたいと思いますが、平成九年の地方分権推進委員会の勧告を受けて、逐次こうした負担金に係る事務費の取り扱いについては見直しを進められてきたはずであります。平成五年には、この負担金の中から職員の赴任旅費や航海日当食卓料等々を除いた。逆に言えば、こんなものも入っていたわけですね。あるいは休職者の給与が平成十一年に外された。失業者の退職手当等々も十三年に外された。逆に言えば、繰り返しますが、こんなのも入っていたということです。
  それでお尋ねします。
  平成十六年度から事務費分は明記するんだというルールを中でつくられたんでしょう。平成十七年度から事務費の中で人件費についても特出しして明示するんだというルールを省内でつくられていると思いますが、なぜこれは徹底されていないんですか。

○原田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、平成十六年に負担金の中で事務費分について明記をするように、それから十七年度に事務費のうち人件費について明示をするようにということで、これは文書ではございませんが、各地方整備局に徹底をしております。
  例えばで申し上げますと、予算成立後四月一日付で、負担金の内訳を例えば河川で申し上げますと、河川別に負担金の内訳を御通知申し上げておりますが、実は、個々の河川別に事務費は明記をしておりませんで、河川トータルの額として事務費を明記している。先ほど御質問ございました、例えば道路で申し上げれば、道路の路線ごとに人件費が幾ら、あるいは営繕費は幾らということは通知をしておりません。河川事業トータルあるいは道路事業トータルとして、事務費が幾ら、その中で人件費がどれぐらいの割合を占めるというような通知をしております。

○小川(淳)委員 今まさにごらんいただいた二十年度の通知がこういう状況ですからね。している、しているという一方的なお答えでは、これは地方に届かないと意味がないんでしょう、指摘をするとともに、もちろん善処をお願いしたいと思うんです。

 最後に、これは見直す、見直すと盛んにおっしゃっています、大臣も先ほど景気対策の中でできるだけこれは地方が乗ってくるように金の工面をしたいという趣旨のことをおっしゃった。確かに、それはそれで大事でしょう。地方の声は、もちろんお金がないからこういう問題が出てきているし、お金が欲しいというのも本音だと思います。しかし、説明責任をしっかり果たしてくれ、納得して払わなきゃいかぬものなら払わせてくれというのが本当の声だと思います。
  そこで、どちらから御答弁いただいてもいいんですが、これはいつまでにやりますか。国交省は省内に既に検討チームを立ち上げるか何か具体的なアクションを起こしているんですか。いつまでにこの新しい仕組みなり説明責任を果たす仕組みを構築するのか、その点、御答弁いただきたいと思います。

○原田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生の方から知事会でのさまざまな知事さん方の御意見の御紹介をしていただきましたけれども、我々国土交通省としましては、こういったさまざまな意見を踏まえまして、できることから検討を進めて、改善すべきものは改善するという姿勢で取り組んでいきたいと思っています。
  特に情報開示の問題につきましては、知事会から早急な対応を求められております。知事会の方で、この会議の終了後、会見をされておりまして、五月末までに例えば二十年度分の細かな内容をということもおっしゃっております。できるだけそういう御要望にこたえるべく、情報開示の問題についてはできるだけ速やかに具体的な改善策を取りまとめて地方整備局で実施できるようにしていきたいというふうに考えております。

○小川(淳)委員 できるだけ速やかにやれるところからやる、これは当たり前です。

 では、事実関係だけ答えてください。  国交省内に既にこういう制度のあり方を見直すための検討チームは立ち上がっているのかどうか。もう一個は、目標はいつですか。もう一回お聞きします、いつまでにこういう結論を出すんですか。

○原田政府参考人 直轄事業負担金の問題は、情報開示の問題から、いろいろな制度論から、さまざまな局面の問題がございます。

 先ほど申し上げましたように、情報開示の問題につきましては、知事会から五月末というような期限を設定されておりますので、我々としては、それに間に合わすべく努力をしていきたいと思っています。
  それから、検討チームを立ち上げているかということでございますが、これにつきましては、特に検討チームというのは立ち上げておりませんけれども、官房の関係する課、あるいは直轄事業でございますので、道路、河川等々関係する部局が一緒になって、省を挙げて今さまざまな角度から検討しておるというところでございます。

○小川(淳)委員 おっしゃったとおり関係各課にまたがるんでしょうから、本気になれば、私もかつて中央官庁で勤めさせていただきました、当然検討チームとか検討会とかいうのが立ち上がるのが、多分本気になったときの一発目、最初の一歩なんだろうと思います。そこはぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思いますし、総務大臣には先ほどおっしゃった立場からぜひ働きかけをお願いしたいと思います。

 関連して、こうしてつくられた道路、あるいは高速道路ですから少し別かもわかりませんが、ぜひ総務大臣には、地域の振興ともかかわりがあると思いますので、この残りの議論をお聞き届けいただきたいんですが、先月から地元の瀬戸大橋も千円で通れるようになりました。ETC設置車両に限定した公共料金のこれだけの割り引き、一方でETCを設置していない方には大変酷な状況をつくり出した。このことに対しては、私は大変違和感を感じております。
  報道を通じてもこういう声があります。国費を使った景気対策なんだからだれでも恩恵を受けられるように値下げすべきだ、ETC限定は公平ではない。あるいは、勤務の都合上、休みになるのは私の場合平日だ、全く得した気になれない。こんな声が国民の間にあります。
  時間もありますのでまとめてお尋ねしますが、今回、なぜETCだけなんですか、なぜ週末だけなんですか、なぜ自家用車だけなんですか。真に景気対策というなら、トラックや観光バスこそ入れるべきだと思いますが、なぜトラックや観光バスを外したんですか。  以上、三点お尋ねしたいと思います。

○広瀬政府参考人 お答えいたします。

 今回の料金引き下げは、まさに経済対策として実施するものでございますが、まず、なぜETCに限定しているのかということにつきましてお答えいたします。
  今回、いろいろな時間帯を区切って、あるいは曜日を区切っての割り引きということを行っております。これをETC限定といたしましたのは、ETCの活用が料金所の渋滞を大幅に緩和いたしましてCO2の削減にも寄与する、あるいは地域にもそういった恩恵をもたらすといったことから、ETCに対象を絞ることがある程度合理的であるということ。それから、限られた財源の中で地域活性化等の政策課題に対応するためには、曜日、時間帯等に着目した弾力的な料金の額の設定をする必要がありますけれども、そのためにはETCの活用が効率的である、こういった理由からETC限定にしております。
  それから、なぜ土曜日、日曜日かということに関してでございますけれども、先ほど申し上げましたように、今回の高速道路料金の引き下げにつきましては、観光振興や物流効率化という政策目的から実施するものでございます。国の限られた財源の中でこれを実施するためには、先ほど申し上げましたように、曜日や時間帯など高速道路利用実態に着目し、めり張りをつけた引き下げとする必要がございます。このため、観光振興の観点からの引き下げにつきましては、高速道路の観光目的といたします交通、普通車以下でございますが、こういったものが休日は一日当たり約百六万台、これに対しまして平日は一日当たり約三十九万台といったように、休日に多くの方が高速道路を観光として利用されることから、土日祝日を対象としております。
  それから、なぜ普通車だけであるのかということに関してでございます。  今申し上げましたように、観光目的ということで、まず普通車を対象にさせていただいております。では、トラック、バスに対してはどうなのかということで、冒頭申し上げましたが、今回の料金引き下げに、観光振興のための休日割引で約二千五百億円ほど見込んでおります。それから、物流効率化のための平日割引で同じく二千五百億円ほど見込んでおります。こうした財源の中で、それぞれ、休日は普通車以下を対象に上限料金千円をセットさせていただきました、また、平日はトラック等も含めまして全車種を対象に全時間帯で三割引き以上の料金引き下げを実現している次第でございます。
  なお、観光バスにつきましては、今準備を進めておりますけれども、事前登録制で七月から同様の三割引きといったような割引を実施する予定でございます。

○小川(淳)委員 総務大臣、もしかしたら御存じだと思うんですが、これはお聞きしていると時間があれですので、ちょっと申し上げます。ETCの設置は、現在、全車両八千万台のうち三割だそうです。トラックとかバスは統計がとれましたか。トラックは九割ぐらいついているんでしょう。バスはとれましたか。

○広瀬政府参考人 全日本トラック協会にはヒアリングいたしました。その結果、トラックの約九割は既にETCを装着しているとのことでございます。

 また、日本バス協会にヒアリングしたところ、高速道路を利用しているほとんどのバス、したがいましてあくまで高速道路を利用しているバスでございますが、これは既にETCを装着しているとのことでございます。

○小川(淳)委員 大臣、お聞きのとおりでして、これも見方によっては、ついているところはいいや、ついていないところに一生懸命つけさせようととられかねない制度設計で、これは本当に景気対策ですか。そうとられかねない制度設計になっています。

 道路整備特別措置法という法律がある。二十三条には料金の額の基準という規定がある。その四号に、高速道路の料金は「公正妥当なものであること。」。それはそうでしょう、全国民の税金が入るわけですし、利用者の負担が一律に求められているわけですから。
  例えば鹿児島から青森まで行くと、料金は四万円でしょう。ところが、ETCをつけたら二千五百円。これが二酸化炭素が減りますとかなんとかで説明できますか。これだけの格差。例えばNHKの受信料あるいは電気料金を口座振替にして割り引きになる額は、大臣は御存じないと思いますが、五十円ですよ。こんな四万円の料金が二千円になりますみたいなものが、本当に今おっしゃったような観光だとか環境対策だとか、そんなことで説明できるとはとても思えない。
  最後に、参考までにお配りした資料の二枚目をごらんいただきたいと思いますが、まさにこのETCを推進している道路システム高度化推進機構の決算の資料であります。これは十九年度の決算。
  かぎの使用料というのは、大臣、こういうことです、カードを買った人から一枚九十円取っています。セットアップの収入というのは、車載器一台当たり五百円取っています。これが積み上がったのが、予算で十億、決算で十四億。セットアップは大体二十億。ところが、事業費支出をごらんいただきたいと思うんですが、実際にかかったかぎの発行事業は予算でも五億、決算なら二億。セットアップの費用は決算でいえば十億。
  そこで注目していただきたいんですが、事業活動の収支差額というのが最後にあります。これは年間決算ベースで二十億ぐらいもうけているんですね、この財団は。
  漢字検定協会が最近問題になりました。どのくらいのもうけで理事長が辞任したか、御存じですか。総資産が大体七十億、年間の余剰利益が五億で、理事長辞任です。この道路関係の機構は、年間十億、二十年の予算を見ると十五億のもうけが出る計算になっている。財産について申し上げれば、現在既に正味財産五十七億。今申し上げたような背景からして、こういう批判に耐えられるか。これだけの高い料金を取って、これだけ露骨な形で普及策をとって、財団がこれだけ大もうけしている。
  総務大臣、実は公益法人の所管は、改革という点では内閣府なんでしょうが、総務省です。総務省の官房管理室というところで公益法人をずっと見てこられた経緯があろうかと思いますが、時間がありませんので、最後に大臣からこの点の御見識をいただいて、質疑を終えたいと思います。

○鳩山国務大臣 実態がわかりませんから何とも言えませんが、こういうことで事業活動収支差額が十九億四千五百九十四万も出ているわけでございまして、こうした巨額ないわば利益が出るのが正しいかどうか、それはそうした観点で、今内閣府に担当は移っておりますけれども、私なりに興味を持って見ていきたいと思います。

○小川(淳)委員 ありがとうございました。

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