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〜会議録(10月8日総務委員会)〜
○赤松委員長 次に、小川淳也君。
○小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。
鳩山大臣、きょうは大変論戦を楽しみに参りました。非常に存在感のある方でいらっしゃいますし、また、かねがねいろいろな御発言、非常に刺激的な、楽しみに参っております。
まず、いみじくも大臣おっしゃいました、きょう、一昨日からの補正予算の審議、きょうまさにこの後衆議院を通過しようとしているそのときに、終わり値で申し上げます、九百五十二円下落いたしました。九%以上。日経平均終わり値で九千二百と三円。こんな下げ幅、私見たことがありません。地方経済、地域経済、地域の景気、責任を負われる、また経済財政諮問会議の担当大臣として、御見識をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 少なくとも補正予算を提案する、あるいはその前に、総合経済対策をつくった時点にはまだこのリーマンの話はなかったわけで、そこから激しい変化があって、一たん落ちつくのかなと思ったらこのような形で、きょう、史上最大かどうかわかりませんが、日経平均が下げる。恐ろしい激変で、これは、まず日本の経済をどうするかということを真剣に考えなくちゃいけない。
日本の金融機関は、アメリカの金融機関よりも先にさまざまな経験をしたから体質が強くなっておりますけれども、実体経済にどんどん響いていくと、えらいことになると思います。
○小川(淳)委員 ありがとうございました。
一つには、深刻に受けとめる必要があろうかと思います。もう一つには、国内の特に投資家に対して冷静な対応を呼びかける必要があるでしょう。
そしてもう一つには、アメリカに始まったマネーゲームが実体経済を振り回す。本当に我々は、一般の庶民の暮らしですよ、本当につつましく暮らしておられる方々がこういうことに一回一回振り回される。もういいかげん、このマネーゲームを中心にした、金融経済が実体経済を振り回す、しっぽが体を振り回す、こういう経済との決別といいますか適正な関係、そろそろ考えていく時代に入っていくんじゃないかと思います。
参考までに申し上げます。きょう、これは九%以上の下落ということは、恐らく、きょう一日で三十兆円、東証株価の総額でいえば三十兆円、国民の財産が毀損しています、見かけ上です。ことし年初来きのうまでで百六十兆円。福田総理が辞任されてから二十兆円、麻生内閣が誕生してから六十兆円、きょうの三十兆円と合わせて約百兆円、国民の富が毀損しています。
そういう中にあって、大臣、今回の補正予算、総額で一兆八千億、見かけ上ですね、実質一兆円。単純比較はできませんよ、単純比較はできませんが、このボリュームだけは、国民の富が年初来二百兆円近く毀損している中での一兆円の補正予算を議論しているということに関しては、改めて認識をお願いしたいと思います。
これは個別に中を、全部時間内に申し上げるわけにいきませんから、少し気になっているところだけ確認します。
まず、年金記録、これは大きな問題ですね。二百四億円の補正予算を計上しておられます。きょう、厚生労働省にもお越しをいただきました。記録の解明、どんどんこれは進めていただかなければなりません。最後、紙台帳に当たるしかないわけですね。
全国の第三者委員会、大臣、所管ですよ、年金記録の第三者委員会、春先まで三千件ぐらい記録の訂正をあっせんしていました。この秋、一万件。しかし、大臣、ここを注意してください。一万件認められている一方で、一万四千件拒否されていますからね。第三者委員会は、そもそも証拠のない人のための機関であったはずが、非常に厳しく証拠を求める方向へ移行しつつあります。この点はぜひ注意深く警鐘を鳴らしたいと思いますが、地元の第三者委員会を含めてこういう声がありますので、社会保険庁、これだけ確認させてください。
紙台帳に当たるしかありませんが、マイクロフィルムになっているもの、これに、第三者委員会に社会保険庁から貸し出しをした端末からマイクロフィルムへアクセスできない。紙で元台帳を請求すると、他県のものも含めて一月近くかかるということがあります。これは早急に対応をお願いしたいと思います。これが一点。
もう一つ、社会保険庁から貸し出しをしている端末、すべて有期契約で、一年前後だそうです。これはリース期間が終わったら、貸し出しの期間が終わったら引き揚げられるんじゃないかと第三者委員会あるいは社会保険労務士会、不安に思っています。それはないこと、この二点、確認させてください。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
二点御質問をちょうだいいたしました。
まず二点目から申し上げますと、要するに、リースの契約期間が一年間である、それがその期限を迎えた時点ですべて引き揚げられるのではないか、こういう御趣旨だったかと思いますけれども、私ども、年金記録の解明、統合、これは是が非ともやらなければいけないというふうに思っておりますので、一たんそういう形で期限が来ましょうとも、そのときの状況に応じてこれは適切に対応したい。したがって、現時点において、引き揚げるというような考え方は一切持っていないということを明言させていただきたいと思います。
それから、私ども、現在、中央それから地方の第三者委員会の方に、御要請もございまして、百四台のウィンドウマシンを貸与させていただいております。このウィンドウマシンからのマイクロフィルムへのアクセスでございますけれども、大変恐縮でございますけれども、使用しております回線のいわば処理容量、これが小さいタイプのものでございまして、したがって、マイクロフィルムといった非常に情報量の多いものへのアクセスはできない仕様、オンラインの記録は見ることができますけれども、そういうような仕様になっております。
これをそのような大きな容量のものにかえるとすると、これは専用回線を改めて引き直すということになります。これはこれで、厚生労働省のいわば回線のネットワークシステム、これを組織の外の、省外の組織とつなぐという観点からの検討も必要になってまいりますものですから、大変恐縮でございますけれども、そういう観点からの検討も、技術的に可能かどうか、そこは考えさせていただきたいというふうに思っております。
○小川(淳)委員 簡単だとは思いません。簡単だとは思いませんが、最近、PDFファイルですか、さまざまな文書、ドキュメントに、インターネットを通じて、回線を通じてアクセスするというのは当たり前の時代ですから、これはぜひ引き続き鋭意検討をお願いしたいと思います。
大臣、本題に入ります。
この補正予算、既に予算委員会で審議されているところでありますが、この年金記録あるいは原油高対策等々、さまざまな数字が込められておりますし、私どもこれは賛成しましたので、一つ一つ効果を発揮するように、あとはもうこの年度はそんなにありませんが、半年ありませんが、着実な執行に努めていただくように、衆議院としてはお願いするということかと思います。
本題に入ります。
この地方税等減収補てん臨時交付金、こういうことですね。ことし、暫定税率が失効いたしました、一カ月間。これによって地方財政に、六百五十六億円ですか、収入不足が生じた。これを交付金という形で埋めたい、埋められるというのが今回の提案の趣旨と承りました。
大臣、ここは二通り私はあろうかと思うんですが、六百億円の歳入の欠損、これは、たかが六百億か、されど六百億か。ここまで法案化して予算化して配らないと自治体の財政運営は困るんですか。そういう御判断ですか。
○鳩山国務大臣 私はかつて東京を選挙区とする議員で、二十五、六年やっておったんでしょうか、そして、福岡六区というところに移ってちょうど三年たったわけでありますけれども、それは市もあれば町もあるわけでございまして、地方の非常にくたびれている姿というのがひしひしと感じられますし、それこそそれぞれの首長さんたちが、あともう少し、ちょっとでもお金があればということをいろいろおっしゃっているところを考えますと、この六百五十六億というのはたかがではないなというふうに思います。
○小川(淳)委員 まさにそこは判断の分かれるところだろうと私は思います。
地方財政規模、大臣御存じのとおり、約百兆円ですよね。六百億とは、百分の一の百分の六です、万分の六。これをわざわざ法案化して、いろいろ事情はあったんでしょう、地方に配るということをしなければ、それは地方の立場からすればお金はあるにこしたことはないですよ。しかし、私が問題にしたいのは、こういう体質、小さな親切は大きな迷惑じゃないかと、私は地方財政に関してはそういう意見を持っているわけです。そういう見解を持っている。
では、大臣、重ねてお尋ねします。
これは道路財源の閣議決定。当時、四月、五月大変すったもんだいたしました。きょう委員長のお許しをいただいて資料をお配りさせていただいているかと思うんですが、閣議決定の中身に、「暫定税率の失効期間中の地方の減収については、」「国の責任において適切な財源措置を講じる。その際、地方の意見にも十分配慮する。」これは閣議決定の内容です。
これを受けた、七月の十八日、全国知事会の道路財源対策本部から要望が上げられていますね、総務大臣。地方債の対応ではなくて特例交付金によって補てんしてくれ、約六百六十億。これが今回の対応につながっている。
もう一つ、ガソリン税の四分の一は地方道路整備臨時交付金として地方に配ることが決まっているんでしょう。これ、約三百億についても、当初予算額の全額に相当する額を措置せよと、これは全国知事会から要望が上がっていますが、こっちの方、これはどうなったんですか。財務省でも国土交通省でも結構です。
○西脇政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘の、本年度の地方道路整備臨時交付金につきましては、暫定税率が一カ月間失効するということに伴いまして揮発油税収の減収が見込まれましたことから、機械的に約三百億円を留保して公共団体に配分しておるところでございます。
この交付金、非常に、道路整備を進めるために重要な予算でございますし、地方からの要望ということは承知しておりますが、今後、この留保分の取り扱いにつきましては、この交付金による事業の進捗状況とか、あと税収全体の動向、あと制度が持っております趣旨、そんなものをさまざま踏まえながら、引き続き関係機関と調整してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○小川(淳)委員 大臣、今国交省のをお聞きのとおりです。三百億については、今後の税収動向とか事業の執行状況を見きわめるというのが国交省の答弁。
もう一つお尋ねします。国にも、ガソリン税の暫定税率が失効した影響で欠損が生じていますね、一カ月分。これ、国の、補正予算では今回どう対応したんですか、あるいはしていないんですか。
○田中(一)政府参考人 お答えいたします。
国の税収の見積もりについてのお話でございました。
国の税収につきましては、既に判明しております課税実績だけではなくて、今後の経済動向等も考えながら、これにも左右されることでございますので、進行年度の国の税収の補正を行うかどうかについて、これを総合的に勘案して、年度を通じまして一体的に取り扱うべきものだというふうに考えておりまして、今回の補正予算では、揮発油税収を含めて税収の補正を行っておりません。
○小川(淳)委員 大臣、これもお聞きのとおりです。国は約一千億近い欠損、これは今後の税収動向、経済動向を見きわめると言った。国交省は、臨時交付金の三百億、これも今後の事業遂行等見きわめると言った。これは一つのあり得る見解なんですよね。
大臣にお尋ねします。
これは六百億、私は百分の一の百分の六だと申し上げました。一万分の六、地方財政全体からいえば。これを手とり足とり、小さな親切を込めて法案化して補正予算に組み込んで配る、これが大事だと今大臣はおっしゃった。そのお立場からすれば、三百億、絶対に措置しろと今回の補正予算で主張すべきではありませんでしたか、国交省に対して、あるいは財務省に対して。逆のお立場なら、これは後ほど議論したいと思いますが、逆のお立場なら、六百億ぐらい、自治体に、迷惑はかけたけれどもこのぐらい何とかするだけの財政規律を持ってくれと総務大臣として言わなきゃいけない。これはどっちですか。整合性をとる立場としてどうですか、総務大臣。
○鳩山国務大臣 私も突然総務大臣になりまして、正直言って、ちょっと予想していた場所と違ったものだから、それはにわか勉強しているところもありますが。
ただ、いわゆる六百五十六億円問題というのを知って、これは閣議決定もある、そのころ私は法務大臣として内閣にいたんだと思う、そのときにやはり一番最初に感じたのは、どうも国から来るいわゆる補助金の方は、予算ベースで五千五百八十一億円となっていますが、これは国の直轄事業を減らすことによって地方の方は減らさないらしい。これはいいんですが、今あなたがおっしゃった、ガソリン税の四分の一はどうなんだ、これは減っちゃうじゃないか、三百億か、何とでもとらにゃ地方がかわいそうじゃないかというふうに大騒ぎをしたわけですが、そのときには既に補正予算やこの法律はこういう形になっておりましたので、これは三百億も、たかがじゃなくてされどというふうに思っています。
○小川(淳)委員 これは大臣、お気持ちはわかりますよ。しかし、閣僚の矜持として、過去がどうだったとか、いつ就任したとか、そういうことはおっしゃらないのが多分一種のルールでしょうね。総務大臣として今後の対応をお聞きしているわけですから、そういう御答弁は、失笑が出ていますけれども、これじゃ済みませんよ。しっかりした御見識をいただきたいと思います。
もう一回整理しますけれども、今おっしゃいました、三百億絶対なら、それでいいわけですね。しかし、さっき申し上げた、小さな親切は大きな迷惑だ、迷惑になり得るということを私は申し上げたい。
これから地方財政の運営に当たられますからあえて申し上げたいのですが、ことし一月、この総務委員会で、十九年度補正予算の関連法案の審議がありました。その理由は、一兆円税収見積もりを下回ったからです。一兆円税収見積もりが下回れば約三千億、三〇%ですから、地方交付税にはね返りがあるわけですね。しかし、地方財政当局は、交付税については十一月にもう配り終えていますと。三千億、これは自治体に返してくれなんて言えませんということで、増額補正をやるわけです。増額というか、当初どおり配りますという補正予算を上げてきた。その三千億の財源、翌年分から持ってきますという話ですよ、総務大臣。
これは、またよく地方財政運営に当たって御認識をいただきたいんですが、バブルが崩壊するまで地方の借金というのはわずか五十兆円でした。現在二百兆円。国も一緒のような状態です。しかし、さまざまな理由をつけて国は地方に対して景気対策等々つき合わせてきた。借金してどうぞやれ、その借金の返済金は交付税で面倒見てやるからと言い続けてきた。その交付税の総額たるや、かつて二十兆円を超えた時代がありました。しかし、今や十五兆円から十六兆円。地方にしたら、これは詐欺に遭ったようなものですよね、総務大臣。
つまり、本題に戻りますが、地方財政計画の性格をどうするか。地方財政計画で約束したから、わざわざこんな六百億程度、法案までつくって、交付金で配りますという小さな親切はいっぱいやっている。しかし、ありもしない空手形を切って、翌年から翌々年から金を持ってきます、安心して借金して使え、これは最終的には大きな迷惑でしょう。財政規律が働くような地方財政の仕組みに抜本的に変える必要があると思いますが、大臣、御見識をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 三位一体改革というのがありましたね。あのときに単に補助率を下げただけのものが幾つかありますね。私は義務教を二分の一から三分の一にする、最初は何か小学校だけじゃなくて中学校だけやるとかなんとか、わけのわからぬことをやった。とにかく補助金を四兆円減らすんだということで騒いだ。私は意味がわからなかったんです、実は。だって、補助率下げるだけで、二分の一から三分の一にしたって、それは義務教育というのは、それこそユニバーサルサービスで、広くあまねくどこでもきちんとやらなくちゃならないことだから、そんな補助金の削減というのは全く意味がないんじゃないのと私は論陣を張った方だったと思うのです。
結局、補助金が四兆七千億減っていく。しかし一兆円ぐらいはスリム化対応だ、交付税で七千億ぐらいかということで、ここの計算もちょっと怪しい。本当だったら単純に補助金を五兆円切ったら税財源を五兆円という、これがイコールフッティングでちょうどいいんじゃないかと本当は思う。そのときにいろいろな理由がくっつけられて、交付税が五兆一千億か、削られたことが、やはり自治体の長の方にしてみれば決定的に響いているということは随分おっしゃる。さっきあなたがおっしゃったように、かつて二十兆あったものが十五兆になっていくプロセスというのは、そこの交付税の激減があるわけですね。これが三位一体という中でなされた。この後遺症は何とかせにゃならぬと思って、どういう工夫があり得るかわかりませんが、根本的に言えば地方の自主税源をふやす以外にないんではないかと思っておりますけれども、私はそんなふうにとらえております。
○小川(淳)委員 大臣、のっけから厳しいお尋ねなんですけれども、とにかく小さな親切は最終的に大きな迷惑になる可能性がありますよ、これはたくさんの自治体との関係で言えば。その点、ぜひどこかに置いていただいて、今後の地方財政運営に当たっていただきたい。
もう一つ、この法案に関して、私は見逃せない論点があると思っていますが、法案の第七条、この交付金、六百億余りの交付金は、道路にしか使えないと書いてある。これは大臣、この交付金の財源は、ガソリンを入れた人とか自動車を買った人じゃないでしょう。一般の方が一般に払った一般の税金が込められたはずなんですが、これを道路にしか使えないとあえて縛ることの、論理的な根拠と政策的な意味合い、お尋ねしたいと思います。
○鳩山国務大臣 これはやはり閣議決定によって政治的に決められたものだろうと思うわけで、それは一月分、六百五十六億円の穴があいたときに、これは当然各自治体は道路関係のものとして当てにしていたものが、上乗せ分が入ってこなくなったわけだから、その分を埋めてあげようという形で、その財源、今度お渡しする交付金は道路に使ってくれというふうにしたんだと。これは確かに、理屈からいえばそういう理屈もあろうかと思いますが、あのときの閣議決定で、これは平成二十年度に限った措置でありますし、また、来年度からは一般財源化しますのでこれはまた大きな変化があるだろうと思いますが、二十年度に限った今回の措置としては、やはり道路に使っていただくということです。
○小川(淳)委員 そういうことなんでしょう。私はあえて論理的な根拠と申し上げましたが、つまり、これは整理するとこういうことですね。
この六百億は、たかが六百億かされど六百億か、ここは依然議論が残ります。しかし、今大臣がおっしゃったように、道路財源に六百億の穴があいた、その穴だけは絶対に埋めなきゃいかぬ。ほかに使えたはずの六百億をそこへ持ってきたわけです。まさにこれはことしの国会で大きな、もうさんざん議論をいたしましたが、道路を最優先にしているわけでしょう。道路政策を最優先にしているわけですよ。道路の欠損だけはほかから持ってきてでも埋めなきゃいかぬ、道路の財源の穴だけはあかないようにということを、まさにこの法案の第七条は、長らくの道路を優先してきた、いや、この際、道路に使いたいところは使えばいいんですよ。これは我々のかねてからの主張。道路に使いたいところは使えばいい。しかし、わざわざ国が縛らなくてもいいでしょうという議論をしてきた。しかし、おっしゃってこられたのは、いや、これは自動車に乗っている人がガソリンに払うときに払った税金だ、自動車を買うときに自動車を買った人が払った税金だ、道路以外に使うのはおかしいでしょうという論陣を政府は張ってこられたわけです。
額は小さいですよ、六百億。しかし、構造的に道路財源に充てる論理的な根拠も薄い。道路を最優先してほかの財源を犠牲にしている。これは本当に、道路を最優先してきた古い政治の象徴だと思いますよ、この法案は。
ぜひその点、改めて、今大臣がおっしゃった一般財源化に向けた決意も含めて、御見識をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 私は、もちろん地元の道路に関してはそれはいろいろ一生懸命やりますが、決して道路最優先という発想で生きてきておりませんし、いわゆる道路族でも何でもないと思っております。
今回は、平成二十年度限りとして、もともと道路目的財源として当てにしていたものが穴があいたから、これは道路に使っていただくという形でこの交付金をお配りする。しかし、これは福田前総理の英断で、一般財源化を来年度からする。
私は、一般財源化するということについて、あのころは法務大臣という形で内閣におりましたが、私が受け取った感触はこうなんです。福田総理が委員会でおっしゃったかどうかわかりませんが、目的税でなくなるのだから、これは新しい税金になるんです、生まれ変わるんです、新しい税金に生まれ変わるということは、当然、税率も新しくいろいろな観点から考えるんですと。
これは大変な英断だと思うわけで、私は、そういう中で、暫定税率をどうするかという大問題もありますが、これは暫定税率というんじゃなくて、新しい税率をどこまでどうするかということで今度は考えるんでしょう。その税率の中で、環境のことも考えなくちゃいけないでしょう。環境税的色彩も帯びるかもしれない。さて、どう使うかというのは来年度からの最重要課題ですね。
○小川(淳)委員 道路財源の一般財源化は、大臣、強力に私は進めていただきたいわけです。予算委員会を拝見していて、これは私の直観ですけれども、麻生総理も、一般財源化と言う以上、二、三割はやはりほかに使わないとだめでしょうね。こういう直観的なことを言って政府にやらせるのが閣僚の務めですよ。それをやはりぜひお願いしたいと思うんです、大臣。
それから、きょう、内閣官房、国交省、お越しをいただいておりますが、時間の関係でまとめてお尋ねしますので、お答えください。
二十年五月の閣議決定、先ほど来話題にしています閣議決定の四項めで、道路の中期計画は五年とする、十年を五年に半減する、最新の需要推計を基礎にして新たな整備計画を策定する、この計画を二十年度道路予算の執行に厳格に反映する。これは五月の閣議決定です。
二十年度予算の執行に厳格に反映させるだけ、今の段階で新需要推計に基づいた新たな整備計画はどの程度進んでいるんですか。これを本気でどの程度進めようとしているんですか。途中経過を含めてお答えをいただきたいと思います。
もう一つ、この閣議決定の六項めに、これらの具体化、一般財源化等々を進めるため、道路特定財源等に関する関係閣僚会議を設置する。総務大臣はメンバーのお一人です。道路特定財源等に関する関係閣僚会議、これは一体いつ開催して、現在どういう経過にあり、どんな成果につながっているのか、この関係閣僚会議。
二点、それぞれ御担当のところからお答えいただきたいと思います。
○西脇政府参考人 前半の質問についてお答え申し上げます。
閣議決定しております基本方針には、まさに今委員御紹介のように、五年の中期計画を最新の需要推計を基礎に策定するということになっております。
この中期計画の策定に当たりまして、私ども、この基本方針に沿いまして、見直すべきものは見直すとともに、地域にとりまして必要な道路が何か、何を優先すべきかというような議論を丁寧に行うべきだというふうに考えておりまして、九月半ばから、道路行政の改善点も含めまして、国民各層とか各地方公共団体に対しまして意見、提案の募集をしておるところでございます。
今後は、これらの意見を踏まえるとともに、今お話がございました最新のデータを使っております交通需要推計がございます、これも今策定作業中でございまして、これを参考に精力的に議論を行いまして、遅くとも年内には道路整備の選択と集中の考え方を示します新たな中期計画を取りまとめたいという考えで、現在作業を進めておるところでございます。
○野村政府参考人 それでは、二点目についてお答えを申し上げます。
先生御指摘のとおり、五月十三日に、この道路特定財源等に関する基本方針を閣議決定するとともに、あわせて、その具体化を進めるためとしまして、道路特定財源等に関する関係閣僚会議を開催することについて、これは閣議口頭了解が行われたところでございます。これを受けまして、五月十六日、内閣総理大臣の主宰のもと、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、内閣官房長官が出席しまして、第一回会議を開催し、意見交換を行いました。そして、今後、年末の予算編成に向け、国民の理解が得られる具体的成案を得るよう検討を深めていくとされたところでございます。
現在は、関係府省におきまして鋭意検討が行われておるところと承知をしてございます。
○小川(淳)委員 時間が参りましたのでやめますが、大臣、今お聞きのとおりです。五月の十六日に関係閣僚が集まって、それっきりですよ、道路の関係閣僚会議。ぜひ大臣、先頭を切っていただいて、一般財源化に向けた議論をリードしていただきたい。そのことを改めてこの場をおかりしてお願い申し上げたいと思いますし、また、国交省さん、年内に新たな計画をつくれば、二十年度予算の執行に厳格に反映ですからね。この閣議決定の言葉の重みをぜひかみしめていただいて、今後の行政運営に当たっていただきたい。このことをお願い申し上げ、質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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