民主党 衆議院議員 小川淳也
TOP事務所案内お問合わせリンク
ビデオメッセージ
小川淳也の国会での本格論戦
映像・報道他

映像生の声等新聞掲載等テレビ等書籍等ポスター

淳也ブログ 活動報告 応援のお願い小川 淳也へのネット献金はこちら 過去の活動報告
ケータイからもブログを ご覧
いただけます!
http://blog.m.livedoor.jp/junbo_blog/
ごあいさつプロフィール政策・理念トピックス会報誌

トップ衆議院TV

〜会議録(2月26日総務委員会)〜

○小川(淳)委員  諸先生方には大変有意なお話をいただきまして、どうもありがとうございました。 民主党の小川淳也 と申します。

 きょうは特に道路が大きな話題になっておりますので、その観点からお伺いをしたいと思います。

 まず、五十嵐先生、きょうはありがとうございました。中央政府から全国の自治体、そして与党のさまざまな政治勢力、三万人、四万人近いと言われる地方議員、猫もしゃくしもといいますか、道路道路と言い続ける中で、私は、学術界がもっともっと客観的な議論を発信していただいていいんじゃないか、何か遠慮が見えるんじゃないかという気がして、懸念をしております。それからいたしますと、五十嵐先生、まことに胸のすくような、立場を鮮明にされた明快な御主張、非常に心強く、お顔の構えを拝見しておりましても、信念に裏打ちされた非常にすばらしい御意見をきょうはいただいたなと。そのお立場から、率直に、まず五十嵐先生にお尋ねいたします。

 日本の道路整備は、ここにいただいたメモの中に「過剰な道路」というような表現もございますが、同感でございます。既に、道路の新設という意味でいえば、もちろん部分的なまだら模様はあるでしょう、あるでしょうが、先進各国と比較してもほぼ整った、あるいは飽和状態にあるというふうに私自身認識をしたいと思っておりますが、先生の御認識をお尋ねいたしたいと思います。

○五十嵐参考人  自動車については、先ほど申し上げませんでしたけれども、二つの観点から、少し哲学的にも考える必要があるだろうというふうに思っています。

 一つは、このまま自動車社会を延長することが果たして日本国民全体にとって有益なのかどうかということであります。自動車の社会的費用については既に学術的にも有名な論文がありまして、やはり自動車社会については、環境その他いろいろな面から見直す必要があるというふうに言われておりまして、先進欧米国社会では、自動車社会からの脱却ということが大きなテーマになっています。持続可能な社会とか、あるいはハンディキャップの人たちにとって優しい町とか、あるいは環境の関係から、自動車社会については非常に大きな反省が生まれているということであります。

 日本について考えますと、御承知のとおり、明らかに日本の人口は減りますし、高齢者がふえてまいります。その際、五十数兆円も使ってさらに、今まで恐らく、道路は十二次計画がありまして、今のまま延長すると十四次になると思いますけれども、数百兆使ってきて、なおまだ道路が足りないというふうにはほとんど信じがたいほど、道路、もっと別の言葉で土建国家になっていて、これをまた十年続けるというのは、言葉は少し手厳しいと思いますけれども、かなりクレージーな計画ではないかと思います。もっと自動車に依存しない、都市内部では、ライトカーといいまして、環境に優しい電車などを考えて、将来の道路社会からの脱却を考えるべきであるというのが一つです。

 二番目は、裏返しでありますけれども、まちづくりにかかわっておりまして、今も地方の格差の問題がありましたが、果たして道路をふやすことで地方自治体が元気になるのかどうかというのも、先ほどちょっと申し上げましたけれども、やや過剰な幻想じゃないかと思います。道路ができればできるほどよくなるという一面も確かにありますけれども、一方では、非常に速いスピードで通過するということが起きております。観光地等々ではほとんど日帰りできるとかといったことがありまして、道路は必ずしも経済効果を生まない。もっと地域の独自性のある文化とか歴史とかということについて親しみたい、あるいはそういう商品、あるいはマーケットを考えてまちづくりをしたいというのが、全国の地方自治体のあるべき道であると私は思っています。

 先ほどちょっと学術的な問題も出ましたけれども、つい最近まで地方分権というのが非常に強く全体的に主張されておりまして、いろいろな有名知事さん方も地方分権を言っておられたんですけれども、今回は、なぜか急に、何人かの先生方を除きまして、全部道路特定財源に集中しているというのは、学問的立場からも極めて遺憾であると私は考えております。

 道路特定財源は、まさに中央集権構造の中枢中の中枢だと考えておりまして、これに十年間依存しながら、片一方で地方分権を言うというのはどういうことかと私は思っておりまして、これは全国都道府県知事及び首長さん及び地方分権を支持してきた学者あるいはマスコミ等についても猛省を促したいと私は思っております。

 以上です。

○小川(淳)委員  改めて、胸のすくような御意見、意見表明を賜りまして、ありがとうございました。

 全く同感でございまして、例えば、ヨーロッパ先進諸国と比較しても、もう既に総務委員会でも議論になりました、単位面積当たりで見ると二倍も三倍も道路が整備されている、国土面積二十五倍のアメリカに対してその半分近い道路予算を使っている。こんな国は一体、道路をつくること以外に何か道路工事をやる目的があったんじゃないかと思わざるを得ない。その構造を今後も放置するのか、ここで方針転換するのか、そういう境目に来ているという認識でおります。

 その点、先生が後半、地方分権との関係をおっしゃったことは、非常に的を射た極めて重要なポイント、まさにここ総務委員会で議論すべき課題だという観点からお尋ねをしたいと思います。

 私たちの主張は、これは難しいんですけれども、道路もあればあるにこしたことはない、しかし、他の資源配分との兼ね合いの中で本当に必要かどうかという議論が今まさに求められている、その意味では、道路政策を他の政策と対等な競争関係に置くべきだという主張を私たちは今しているわけです。

 潮谷知事、きょうはようこそお越しくださいました。ありがとうございます。社会福祉の現場からさまざまな御経験を積み重ねて、そして熊本県政を大変難局の中、二期八年にわたってお務めになられ、間もなくそのお務めを終えられようとしておられる。まず率直に、このことには心から敬意を表したいと思います。

 冒頭お尋ね申し上げます。二期八年、振り返っていただくにはまだちょっと早いかもわかりません。もちろん、一月ちょっと残っております。知事は、熊本県知事として、分権的、自立的、みずからの判断で県政を運営してこられたかどうか、また、こられる環境にこの日本国はあったか否か。四十七都道府県知事の一人として、率直な御感想をいただきたいと思います。

○潮谷参考人  まず、御評価いただいたことにお礼を申し上げます。

 分権社会にふさわしい形の中で行政運営ができたかということについてでございますけれども、これは私の意見陳述の冒頭のところで申し上げましたように、本当に行財政改革に追われるという状況がございました。もちろん、その時々の知事たちはその時々に応じて県の行財政改革を進めておいでになられましたが、バブル崩壊後の、公共事業にかかわって国につき合ってきたということが非常に厳しい財政状況をつくった、それが一点ございます。さらに、三位一体の中で、分権改革にふさわしい地方行政のかじ取り、これに難しさがございました。

 そういった中で、全国の知事たちは、分権社会にふさわしい権限、財源、これを私どもにということで、三位一体のまさに一体化的な方策を今後とも展開していくことの必要性を訴えているところでございます。

 以上です。

○小川(淳)委員  知事もお立場がございますので、その限界はよく承知をしながら御質問したいと思いますが、知事がこれまで積み重ねられてきた御経験から申し上げますと、私たちの期待値はもう少し大きなところ、踏み込んだところにございます、知事からぜひいただきたい御答弁から申し上げますと。

 そのことを踏まえて、次のお尋ねなんですが、五十嵐先生、ごめんなさい、時間の関係で少し私の方で読み上げをさせていただきます。

 二月の九日に毎日新聞に御掲載をされました「生活攻防」、道路財源について意見表明されておられます。この中でこういう記述がございます。地域の負担が少ないもらい得のような現行制度は麻薬のようなもので自治体の感覚を麻痺させている。そして、きょういただいたレジュメです。道路財源は麻薬だ、十億でその何倍もの道路がつくれる、一方、不要と言うと減らされる。

 まさにこの構造が、私は、本当に道路が必要かどうかという議論と別次元で、道路財源を膨張させ、道路工事を進捗させてきた大きな病理が、まさにここにあるような気がいたします。

 その結果、先ほども先生お示しになられました世論は、暫定税率の廃止には大幅に賛成、一般財源化に対しても六割賛成している。しかし、全国の知事、市町村長たるや、一千八百名近いそれぞれの最高責任者がこぞって、わずか六名を除いて現行制度の維持を主張しておられる。

 潮谷知事、改めてお伺いをいたしたいんですが、暫定税率の維持、そして一般財源化反対の署名にどのようなお気持ちでサインをされたのか、一〇〇%自発的か、あるいは何らかのしがらみ、さまざまな抑圧、強制力が働いた結果か、ぜひ率直にお答えをいただきたいと思います。

○潮谷参考人  まず、地方分権という立場からこの御質問に、先ほどの続きのような形ですけれども、少しお答えをさせていただきたいと思います。

 私ども地方からいいますと、道路特定財源の一般財源化について、国、地方を通して道路整備が一定のレベルに達した段階で、分権社会を実現するための税財政改革として一体的に議論をしていくべきじゃないかと私は思っております。

 それからもう一つは、この問題は、やはり国と地方の財源配分、そういったものを制度全般にかかわって根本的に議論をしていくということも必要ではないか、そのように思います。

 それから、もう一つですが、署名の問題でございますけれども、私ども、先ほど申し上げましたように、本当に今、道路、都市部が先に整備をされて、地方部はまだ残ってこれから、こういうような段階の中で一般財源化というような論議がなされますと、私たちのまだ未整備の道路は一体どういう形の中で整備されていくのかという不安感がございます。

 それから、暫定税率に関しましては、三月というこの時期に期限が切れるということで、具体的な像が見えてこない、制度設計が見えてこない、こういう中での大混乱が生じるということを重ねて申し上げさせていただき、まさに自発的に署名をさせていただきましたことも明言させていただきたいと思います。

○小川(淳)委員  お立場は一〇〇%理解をいたします。

 知事、ちょっと意地が悪いんですけれども、もうちょっと突っ込んでお尋ねします。

 熊本県政の道路整備費は約九百億円、知事が御説明になられたとおりです。このうち、県税と国から交付される譲与税で、ざっと約四百億です。

 知事、ここでお尋ねなんですが、私たちは、地方財源の確保ということに関しては非常に強い共感する思いを持っております。その前提でお聞きしたいんですが、四百億円の金額は間違いなく確保します、全く知事の裁量で自由にお使いいただける四百億円をお渡しさせていただきますという場合と、これは道路に使ってください、道路整備に使ってくださいと言って渡される四百億円と、知事が自由に選べるとしたら、どちらを選ばれますか。

○潮谷参考人  非常に魅力的なお話ではございますけれども、しかし、その財源が一体どのような制度設計の中で捻出されてくるのか、これが見えざる状況の中では、どちらを選ぶかということにはお答えすることの困難性がございますので、今後とも、制度設計を明確に示した上で、どちらを選ぶかという問いかけをぜひよろしくお願いしたいと思います。

○小川(淳)委員  痛いところをつかれたわけでありますが、知事、これは全国の都道府県知事あるいは市町村長に申し上げたいんですけれども、私が知事なら、市町村長なら、ぜひ自由に私たちの裁量で私たちの地域の実情に応じて使えるお金にしてくださいと申し上げますよ、みずからのリスクにおいて。

 やはりある種これは闘いですから、古い政治権力構造との闘いですから、ある種これは一緒に闘っていただく方々と手に手を携えながら具体的な制度設計を進めていくべきものでありまして、もちろん、最初からこれが一〇〇%百点満点の答えですということをお示しできればそれにこしたことはないのかもわかりませんが、そこは、今のお答えについては、やはり一緒に将来を考えていくというお立場から、ぜひ知事としての、熊本県知事としての、良心に裏打ちをされた前向きな御答弁をいただきたかったということを申し上げたいと思います。

 なぜなら、やはり知事は言っておられるんですよ、御自身のさまざまな情報発信の中で、県政は県民からの預かり物だと。非常にいい言葉だと思いますね。私たちも、この議席はやはり国民からの預かり物であります。そういう意味では、世論と責任ある立場にある者との声が大きくずれるような今のこの構造、一体どこにその問題点があったのか、そこはぜひともにお考えをいただく、そういうことをお願い申し上げたいと思います。

 さて、少し地方税財源一般のお話もお聞きをしたいと思いますが、潮谷知事は平成十二年に着任をされてから、御本人のお言葉で、財政再建という非常に大きな課題を抱えたというお話をいただきました。それから約八年間で、ふえた借金は一千五百億円ぐらいですか。それでも毎年百億円ずつ借金を積み重ねた、積み重ねざるを得なかったということかもしれません。

 この点について、私どもは、特にバブル崩壊と言われた以降、あるいは失われた十年、地方が国の景気対策に相当つき合わされてきたという面があったかと思います。しかし、それに乗じる形でさまざまに公共事業を、その必要性の吟味たるや極めて甘い、おろそかにしたままに進められた。さらに、地方のその姿勢に対しては、後で借金の面倒を見てやるからということまで含めた地方財政制度も仕組まれた。私たちは、この点も含めて大きく構造変革、構造転換を迫らなければ、この構造が仕組みの問題として変わっていかないという危機感を持っております。

 そこで、その点に対する認識と、最後に、こういった地方税財政制度、この今まさに総務委員会で議論になっています地方税法の改正案、交付税法の改正案、あるいは新しい地方法人特別税の設置法案、これはすべていわば総務省の担当者の胸先三寸みたいなところがありますから、税制特例一つとったって、与党の議員さんとどの程度調整した上でここへお出しいただいているのかわかりませんが、やはりヨーロッパ先進国では、地方の利害をしっかり守るために、国と地方の共同協議機関、地方税財政制度に関しては、ここの協議機関の承認、認知を得なければ、そういった制度改正をストップする力を地方に与えているわけであります。

 私は、この借金財政を振り返られて、どういった限界を感じられたか、そして、これからこれを打ち崩す一つの手だてとして、国と地方との協議機関の創設に向けた議論、どのようにお感じになられるか、時間が限られてまことに申しわけないんですが、お一人お一言ずついただいて、終わりにしたいと思います。

○潮谷参考人  従来、景気対策は公共事業で、そういう中で進んできた歴史がございますけれども、少子高齢社会の中ではそうしたことが産業全般的な状況の中に及んでいるという現実がございますので、私どもはやはり少子高齢社会の現実の中にあるということの認識を持つ、これが一点、大変大事になってきていると思います。

 それからさらに、ヨーロッパの状況についてでございますけれども、ヨーロッパの中でも、税の制度のあり方、あるいは社会保障の仕組みのあり方、そういったものがそれぞれ異なりがありますので、一概にという土俵の中で論ずることは少し乱暴ではないか。ただ、住民が中心になっているという点に関しましては、今後とも学ぶべきは学んでいかなければならないと思います。

 三点目の、地方と国との協議会をつくる、これは私ども知事会も求めているところでございますので、ぜひ議員の皆様方におかれましても、この点については知事会が求めていることに御協力方よろしくお願いを申し上げます。

 以上でございます。

○五十嵐参考人  きょうの新聞に日本の借金がどのくらいあるかということの数字が発表されまして、途方もない金額に膨れ上がっております。恐らく、少なくともここにいらっしゃる皆さん方が生きている間は絶対に返せないというぐらいの借金に膨れ上がりました。その内訳を見ますと、半分以上が公共事業費であります。やはり、どう考えても、日本は身の丈を超えた公共事業をやってきた。それを修正しなきゃいけないと思いますし、別なふうに言いますと、いわば土建型社会から福祉型、高齢型社会に変えなきゃいけないというふうに私は思っています。

 道路特定財源の問題というのは、非常に大きく言いますと日本の問題でありまして、今が転換点、もう十年延ばしたら恐らく日本社会は回復不能になると思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 その際、今提案のありました国と自治体のあり方については、第二次分権改革が始まっておりますけれども、これについては、当時の第一次改革と比べてみて、やや国民にわかりにくいような状態になってきておりますので、的確なメッセージと簡潔でわかりやすい地方分権のあるべき姿をいろいろな形で提言していただいて、その実現に向けて進まれたらいいと私は思います。とりわけEU社会における地方分権については、皆さん方も一緒に勉強していただいて、新しい福祉型社会のあるべき自治の姿というものをEUなどからも学ぶべきではないかと思います。

 以上です。

○横山参考人  共同協議制度みたいなものは、私は必要だと考えます。国か地方かではなく、相互補完ということが重要だろう。とりわけ納税者主権といって納税者の主権が強くなり過ぎますと、増税ができない議会制民主主義、こういうことに今我が国は直面しているのではないか。すべての問題は、受益だけ得て負担をしないということについて、国民一人一人がどれだけタックスペイヤーとしての義務を果たすか、それが議会制民主主義のもとではなかなか難しい。そうしますと、私は、消費税が増税できるような環境整備こそが今後の地方財源を豊かにしていくことにもつながると考えてございます。

 以上です。

○田中参考人  お答え申し上げます。

 第一次分権改革の際に機関委任事務が廃止をされて、国と地方の対等協力の関係ということが強調されましたけれども、それから、今第二次改革が議論されておりますが、私どもとしましては、中央集権化が非常に強まったというふうに受けとめております。

 先ほど財政健全化法の問題点も指摘をさせていただきましたけれども、例えば市町村合併にかかわって、交付税制度の基本を変えてしまうような合併特例などがたくさん持ち込まれたように、今度の病院改革ガイドラインの中でも、診療所化すれば五年間だけ交付税は病院と同じように見てやるよという、そういう構造を変えていない。そこに大きな問題点があるのではないかというふうに受けとめています。

 それから、国と地方の共同の協議機関の設置につきましては、機関委任事務の廃止など第一次分権改革の際にも、私どもも強い地方自治体の声としても要求をさせていただいた課題でありまして、ぜひ実現ができたらいいなというふうに思っています。

 ありがとうございました。

○小川(淳)委員  少し持ち時間をオーバーいたしました。おわびを申し上げます。

 本日は、本当に参考になる御意見をありがとうございました。

▲このページのTOPへ

香川事務所 〒761-8072 高松市三条町315-3 TEL:087-815-1187 FAX:087-815-1189
国会事務所 〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院 第二議員会館1005号 TEL:03-3508-7621 FAX:03-3508-3251