民主党 衆議院議員 小川淳也
TOP事務所案内お問合わせリンク
ビデオメッセージ
小川淳也の国会での本格論戦
映像・報道他

映像生の声等新聞掲載等テレビ等書籍等ポスター

淳也ブログ 活動報告 応援のお願い小川 淳也へのネット献金はこちら 過去の活動報告
ケータイからもブログを ご覧
いただけます!
http://blog.m.livedoor.jp/junbo_blog/
ごあいさつプロフィール政策・理念トピックス会報誌

トップ衆議院TV

〜会議録(10月30日総務委員会での質問)〜

○小川(淳)委員  民主党の小川淳也でございます。

 それでは、まず郵政公社の決算からお伺いをしたいと思います。

 西川社長、率直にお伺いいたします。この決算をごらんいただいてどんな感想をお持ちでしょうか。

○西川参考人  お答えします。

 平成十八年度につきましては、株価がほぼ横ばい状態であったということから、前年にございました金銭信託の運用益が大幅に減少をいたしましたが、そういった点を除いては、全体としてはまず順調な業績ではなかったかというふうに思います。

○小川(淳)委員  この郵政公社の決算、通期でとられるのは恐らくこれが最後だと思います。三つ事業があるわけですから、これをよくごらんいただくと、もちろんごらんになられておると思いますが、非常に郵政三事業の性格も明らかですし、そこから多分、現状そして今後に向けた課題が見えてくるんだろうと思います。

 その意味では、郵政グループ全体を率いられる西川社長に改めてお尋ねをしたいと思いますが、御自身が数年前まで三井住友銀行で指揮をとっておられた。郵政公社の決算を見ますと、大体九千億余りの当期利益ですね。その九千四百億の当期利益のほとんどが郵便貯金から来ている。郵便事業あるいは簡易保険、特に郵便事業は、二兆円の売り上げを上げながら当期利益はわずか十八億、非常に難しい事業だということだと思います。

 これで将来の方向、課題が見えてくると申し上げたわけでありますが、例えば九千四百億の収益を上げた郵便貯金であっても、御自身が経営に当たっておられた三井住友銀行と比較すると、いかがですか、どんな感想をお持ちですか。

    〔馳委員長代理退席、委員長着席〕

○西川参考人  お答えいたします。

 普通の銀行と比べましてゆうちょ銀行の場合は大分業態が異なりますので、これを同列に比較するということはなかなか難しいし、まず適当ではないという面もあろうかと思います。

 しかしながら、先ほど申しました株式の運用益といったところを除けば、この環境下におきまして適正な利ざやを何とか確保して、そして経費も一定水準におさめて、あれだけの利益を上げているということが言えようかと思います。

 ただし、これは当期利益となっておりますが、税金の負担がございませんので、税前利益というとらえ方をする必要があるということでございます。

 もう一点、これは銀行じゃございませんが、かんぽ生命保険の事業につきましては、収支相償という形をとっておりますので当期利益はゼロということになっておりますが、これが株式会社になりまして、そういった経理方式は変えてまいりますので、一般企業と同様の決算方式ということになりますので、その点が今後は大きく変わってくるというところでございます。

○小川(淳)委員  御指摘のとおり、単純比較は難しいというのはそのとおりだと思います。しかし、その上で比較をしないと見えてこないというのもまた現実かと思います。

 そこで、御記憶であられようかと思いますが、簡単に数字を御紹介します。

 郵便貯金は貯金量百八十六兆円、御存じのとおりです。三井住友銀行は六十兆円余りですね。収益、収入は、郵便貯金は百八十六兆円の元手で三兆円、三井住友銀行は二兆四千億、三分の一の基金で八割近い収益を上げている。経常益に関しても、郵貯の九千億に対して六千億近い利益を上げているということですから、一つの方向性、郵便事業はそもそも民営事業としては非常に難しいんじゃないかということで、私たちはそういう立場に立ってこれまで議論してまいりましたが、この郵便貯金についても、こういう都市銀行と比べるとまだまだ収益性を上げていくというのは大変なことでしょうし、また、これはそういう方向感である程度やっていかざるを得ないということかと思います。

 そこで、ちょっと二、三確認いたしますが、郵便貯金が民営化された後はほかの銀行と一緒に、今は八割、九割国債、地方債での運用を、協調融資とか住宅ローンとかいろいろなビジネスに打って出ないといけないんだと思いますが、その際、全国銀行協会のシステムに加盟する、ほかの銀行との自由な決済を可能にする仕組み、これは必須だと思いますが、この点に関しては今どういう状況ですか、方針を含めて御答弁いただきたいと思います。

○西川参考人  お答えいたします。

 ゆうちょ銀行が全銀システムに加盟をさせていただくということは大変重要なことでございまして、これを今全国銀行協会等にお願いいたしておりますが、何とか来年の五月ころには実現をさせるべく一層努力をしてまいりたいと考えております。

○小川(淳)委員  では、民営化された以上そのように努力をいただきたいと思いますし、また金融御当局もそういうことを見守っていただきたいと思いますが、全国銀行協会に加盟をして並びの商売をやっていくということになれば、よほど遵法精神とかいろいろなルール、仕組み、まさに民間銀行と遜色ない程度まで高めていただくということがこれまた必須なんだろうと思います。

 そこで、午前中の質疑の中で田嶋委員からも指摘ございました、これ、社長はよく御存じですね。(資料を示す)日本全国四千万世帯にすべて入れられたとお聞きをしています。この中で、最も不都合であろうと思われる振り込み手数料等の引き上げについてはここに入っていない。事務的に説明を求めたら、これの最終校正の一週間後にその手数料体系が決まりましたという、まさにこれは説明なのか、言い直りなのか、言い開きなのか、言い逃れなのか、そうとられても仕方ないような説明だったわけです。これは午前中の質疑のとおりであります。

 こういうことに関しても、不都合なことも含めてこれはしっかり御説明いただく。今までみたいに役所が説明している、役所ももちろんしなきゃいけないわけですが、やはりお客様相手の本当に誠心誠意の説明、不都合なことこそというのが一つでしょうし、もう一つ、総務大臣もよく御存じかと思いますが、現在、郵政公社の中期計画について総務省が行政評価の立場から監査を行っているわけであります。この中で、やはり驚くべき数字が出てくるわけですね、先ほどの民間並びのビジネス体系という観点からいえば。

 これは事務的なお答えでも結構です。この中で、行内の犯罪に係るもの、あるいは現金過不足事件等々の件数をまず確認させていただきたいと思います。

○西川参考人  お答えいたします。

 手数料の値上げにつきましてそのタウンメールに掲載しなかったということは、私はこれは落ち度であったというふうに思います。

 六月二十二日に報道発表しておるということで入れられなかったということかと思いますが、民営化でどう変わるんだということを広くお知らせしたわけでございますから、その中に含めるべきであったというふうに私は個人的には思っております。

 それから、部内者犯罪につきましては、大体、件数的にこれまで年間百三、四十件発生をしております。これは発覚ベースでございますのでその年度に発生したというものでは必ずしもございませんが、その水準がこのところ続いておるということでございます。

 現金過不足については、数字が頭の中にございませんので、ほかの者からお答えさせます。

○小川(淳)委員  結構です。

 社長から誠意ある答弁をいただきましたので、ついでに申し上げます。これは二〇〇七年のディスクローズ誌、これは八月の発行になっていますが、ここにも入っていませんよ、不都合な情報。ついでに申し上げます。

 今お答えいただいたとおり、いただいた資料ですと、保険に関する犯罪件数が直近で十七件、貯金が四十五件。これは大体おっしゃったとおりですね。貯金、保険足しますと三十件から五十件ぐらい毎年犯罪が発覚しています。現金過不足、これも事前に数字をいただきました。直近の十八年度で二十六万件、一年間でですね。二年さかのぼりますと、十六年度で四十九万件。これは現金過不足事故であります。

 総務大臣、こういうことをこの行政評価を郵政公社に行ったことによって明るみに出していただきました。我々、これを知ることができた。十月一日現在をもって民営化されたわけでありますが、郵政公社、郵政事業というそもそもは国民の財産として始まった会社が民営化をされる、その過渡期にあって、こういう通常ですと金融機関では考えられないような事態を現段階においては明らかにしていただいた。

 これは、民営化になってもしばらくこの国民的なニーズは続くと思いますが、この点、総務大臣、いかがでしょうか。

○増田国務大臣  例えば、現金過不足ですとか、それから、あってはいけないことでありますけれども犯罪につながるようなこういった事件、こういったものは当然あってはならないことで、行政評価等でこれは公社時代は私ども見ておりましたが、民営化になりましたので、これは仕組み上はそういったことを見る立場にはありませんし、そういう仕組みになっておりませんけれども、会社が国民に対して信頼感を得るということがやはり会社が成功するということになるんだろうと思いますので、ぜひできるだけ経営の実態を明らかにしていただく。そして、とにかくそういったことを通じて、緊張感を持って、こうしたことが起こらないように努力していただきたい、このように考えています。

○小川(淳)委員  現段階では大臣の御答弁のとおりだと思いますが、これは民営化の一つの死角ですよね。民営化になることによって見えなくなるものが多々ある、限界ができてくる、これは死角の一つだと思います。この問題と天下りの問題、これは大きな二つの民営化の死角だと思います。強く御指摘を申し上げたいと思います。

 少し身近な、私自身が地元で、現場でお聞きしてきた声をもとに確認をさせていただきたい点が幾つかこの金融事業に関連してございます。

 委員長のお許しをいただいて資料をお配りさせていただいているかと思います。

 写真の資料でございますが、一枚目は、ある郵便局で、それまでは郵便局の総務課だった建物が、右側は郵便会社の総務課、現在切手を販売するために開放している様子です。左側は保険会社、窓口会社の総務課。施錠をされて、社員しか入れないようになっています。

 下二枚は窓口の様子でありますが、貯金と保険との間に物理的に、これはベニヤ板か何かだと思いますが、間仕切りがされている。これは確かに分社化ということの建前からすると非常にわかりやすいわけでありますが、一方の、現場で仕事をするに当たってのさまざまな連携、あるいは窓口へ来た際の閉鎖感といいますか威圧感といいますか、これは非常に違和感を感じるわけであります。

 そこで、金融庁にお尋ねをしたいんですが、副大臣にきょうはお越しをいただきました。

 ことしの十二月には保険商品の銀行窓販が解禁されるとお聞きをしております。その場合も、例えば銀行の子会社、保険会社などが販売するのかもしれませんが、こういったベニヤ板での間仕切りというのは必要ですか。

○山本副大臣  委員御指摘のように、十二月二十二日から銀行で生損保の窓販が全面解禁されるわけでありますけれども、この解禁とベニヤの間仕切りとは少し意味合いが違うかなというふうに感じております。

 今のベニヤの間仕切りのはわかりませんけれども、いわゆる弊害防止のために、物理的に切っておいた方が情報交換がしにくくなるだろうということではないかなと判断するわけでありまして、窓販の全面解禁につきましては、これは制度でありまして、制度を自由化するという意味で垣根を低くしているわけでありまして、物理的なベニヤの意味とはちょっと意味が違うのではないか、私どもはそんなふうに感じておりまして、これは各銀行の判断でやられることかというふうに考えております。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 西川社長、これは本社の判断ですか、それとも現場の判断ですか。

○西川参考人  お答えします。

 これは、一つはセキュリティー上の問題、それからもう一点は、やはり個人情報の漏えい防止という観点から、こういった間仕切りをするということについて、当局からの御指導もあったと思います。

○小川(淳)委員  今おっしゃった当局というのはどちらですか。

○西川参考人  お答えします。

 金融当局でございます。

○小川(淳)委員  副大臣、いかがですか。

○山本副大臣  金融庁としては、格別そうした指導はしておりません。

○小川(淳)委員  西川社長、そういうことのようですから、これはもし不自然で不便であれば、ぜひ会社の判断、現場の判断でより柔軟な対応をいただけるんじゃないかと思います。一人の客の立場からも申し上げたいと思います。

 社長、もし異論があればどうぞ。

○西川参考人  少し訂正をさせていただきます。

 セキュリティーの確保、それから個人情報の漏えい等の弊害防止のための一つの措置として、我々の方でそういった間仕切りを設けることにしたということでございます。

○小川(淳)委員  社長、それは社長の方で御判断されることかと思いますが、銀行と保険との垣根というのはどんどん低くなるのが今後の流れかと思います。それが、ごらんいただいたような非常に不自然な形で仕切りをされているというのはいかにも、でき上がったゆうちょ銀行とかんぽ保険ですか、それが非常に時代にそぐわない印象も受けかねません。そのことだけ改めて御指摘を申し上げたいと思います。

 加えて、二、三、これも細かいことですが、少し持ち帰った話を御報告させていただき、社長の方針をお聞きしたいと思いますが、非常に細かいこと。

 今までは、例えば電話帳を見たお客さんが貯金の問い合わせをした後保険へつないでくれと言われると、内線電話ですぐにつないでいただけたんだそうですね。ところが最近は、いや、別の会社だからかけ直してくれといって切られるんだそうです。これは物理的に転送がまだできる状態だと思うんですが、そういったことがございます。また、NTT作成の電話帳だと思いますが、今郵政公社のままですから、まだ政府機関のところに掲載をされている。銀行とか保険ということで窓口を地元で探そうと思っても出てこないわけですね。

 電話帳の対応、あるいは内部転送、これはやってはいけないものなのかどうか。

 また、そういうことも含めて特にこういう声がありました。午前中来議論になっておりますが、以前は一カ月に一回職員提案を積極的にやろうという仕組みが郵政公社内にあった。ところが、民営化のごたごたの中でだと思いますが、どうも現場にいる職員からの声を吸い上げる仕組みというのが退化しているように感じる。これは現場の声であります。

 もちろん、経営陣の方々からすれば、いろいろ意見があれば言ってもらえればそれは取り上げたいとおっしゃるんだと思いますが、現場の職員の立場からすると、聞かれもしないのには言いにくいというのが実態かと思います。

 そこで、今申し上げたような点も含めて、現場から職員の声を吸い上げる仕組み、以前もし一カ月に一回積極的に提案をやろうという仕組みがあったのであれば、それはぜひ直ちに再開をすべきと思いますが、西川社長、いかがですか。

○西川参考人  お答えをいたします。

 郵便局の電話につきましては、会社別に電話番号が分かれておりますが、公社時代からのいわゆるビジネスホンをそのまま使用しておりますために、民営・分社化後も会社間を超えた転送は可能となっております。例えば、郵便事業会社に着信した電話を窓口業務を担当する郵便局会社に転送する場合などであります。分社化することによってお客様に御不便をおかけすることのないように一層努めてまいりたいと思います。

 それから、提案制度でございますが、これは私は現場の声を聞く上でいい制度だというふうに思います。したがいまして、今後は、それぞれの事業会社ごとにそういった提案制度を設けることについて検討をしていただくということにいたしたいと思います。

○小川(淳)委員  ぜひお願いをしたいと思います。

 次に、金融部門は今お尋ねをしたわけでありますが、郵便に関連して。

 非常にこれは採算をとるのが難しい事業だということは冒頭も申し上げたとおりでございます。参考までに、ヤマト運輸さん、佐川急便さん、これは小包、荷物関連で数字をいただきました。ヤマト運輸さんに関して言えば、収益九千億に対して利益が四百億。佐川急便さんに至っては、約八千億の収入に対して三百億の利益。わずか数%ですね、経常利益が売り上げに占める割合。これは郵便も二兆円に対する経常ベースで二百億ちょっとですから、もちろん小さいわけでありますが、いずれにしても、収益を上げていくというのは金融に比べると容易じゃない事業を抱えられたということだと思います。

 そこで、これの収益を上げていくというのは大変な課題なわけですが、時間の関係もございますので、問題意識を三つ申し上げます。順次お答えをいただきたいと思います。

 西川社長、金融の大変な時代も含めて本当に人生そのもの、三十六年の御入行以来過ごしてこられたんだろうな、すごい迫力といいますか、それを感じながらお顔の構えを拝見しておりますが、西川社長は三井住友銀行時代、非常に果敢にリストラに取り組んでおられる様子が、行員数、店舗数を見ただけでも明らかであります。十三年に三井住友銀行ができてから、今手元に十四年から十七年、三年間の資料がありますが、店舗数にして八十四店舗閉鎖しておられる。もちろんこれは統合に伴う部分が大きいでしょう。七百九店舗から六百二十五。行員に至っては、二万五千人余りから二万一千人、四千人の削減。後任の奥社長の二年間に比べますとこれは明らかであります。

 その調子で、簡易郵便局あるいは集配業務を行う郵便局、特定局等々を含めて閉鎖なりリストラのあらしということであっては、事郵便事業に関しては困るわけでありますので、その事実関係並びに問題意識をお尋ねしたい、これが一点であります。

 もう一点、東京新聞の九月のある記事を拝見しました。郵政事業について西川社長のインタビュー記事であります。自然減でとありますが、正社員が減少し、コストの安い非常勤で埋めるやり方は限界に来ている。

 これは私どもの立場を申し上げないといけないと思いますが、不条理な形で、偽装の請負だとかそんないろいろな議論がありましたけれども、非正社員という形で会社のコスト減を社員にのみ押しつけるやり方に対しては警鐘を鳴らす立場でありますし、非正社員の方々の待遇改善を求める立場であります。

 その立場からいって、先ほどの簡易局、集配局の統廃合、そして実際にそこでお勤めの方々、これを臨時職員、ゆうメイトさんですか、かつては三十万郵政職員と言われましたが、現在二十四万、それを十六万人の臨時職員が補っているというのが今の実態かと思いますが、こういう雇用形態を不安定化する方向で収益の拡大を図るということに関しては、私どもは異を唱える立場であります。この点に関する認識が二点目。

 最後の一点。こうして職員を非正社員化する、人件費を削減するということの一方で、これは民営化に伴って焼け太りなんて言われたら困るわけでありますが、いただいた資料ですと、三十名前後の役員が百名以上に膨れ上がっていますね。分社化に伴う民営化直後、役員が、郵政公社時代に二十名、三十名程度のものが百名に膨れ上がっている。役員に対する報酬総額も、六億円が十七億、三倍に膨れ上がっている。正社員を削る一方で、臨時職員にする一方で、役員が焼け太るという状況に関しては、これは国民的に見てもかなり違和感を覚える方が多いんじゃないかと思います。

 以上申し上げました、郵政事業の収益改善を図ることは非常に喫緊の課題でありますが、店舗の安易な閉鎖もできない、職員の安易な非正規化もできない、そして役員の焼け太りも許されない、この三つの観点から、これから郵政事業の運営に当たられる御決意をお伺いしたいと思います。

○西川参考人  お答えいたします。

 郵便事業は大変厳しい状況にある、物数にいたしましても収益にいたしましても、御指摘のとおりでございます。しかしながら、まだまだ、機械化を一段と進めるとか、あるいはIT投資を進めて効率化そして品質向上を図るとか、こういった方策はたくさんございます。これがこれまで十分にやられてこなかった。

 私の目から見ますと、正規社員の自然減を非常勤で埋めて、そしてコストアップを防いできた、あるいはコストの引き下げを図ってきた、こういう施策にとどまったということでございまして、そういった機械化の推進あるいはITレベルの引き上げ等によってかなり効率化の余地がございます。別にこれは正社員をリストラするという話では決してございません。むしろ非常勤社員の雇用の安定化ということに努力をしてまいらなきゃならないということでございます。

 それから、郵便事業の効率化という面におきまして、ネットワークを縮小する、削減するという考えは毛頭ございません。ネットワーク水準はしっかりと維持をしてまいります。

 それから、役員報酬でございますが、確かに先生御指摘の数字になっております。これは、五社に分かれたということで役員数がふえておるということは事実でございますが、一社当たりの役員数と申しますのは二十名から二十数名の水準でございまして、この水準は、同業の同規模の会社に比べれば決して多い水準ではございません。そして、この報酬は、私以下、公社の報酬水準に準拠して決めたものでございまして、公社時代と変わったものでは決してございません。

 以上でございます。

○小川(淳)委員  そういう御説明かとは思いますが、そういう御見解に国民がどこまでついていけるか、これも含めて、今後よく見させていただきたいと思います。

 役員の中で特に、御本人を目の前に名指しは恐縮でありますが、ゆうちょ銀行の新社長であられます高木社長にお伺いいたしたいと思いますが、前々々職が金融庁長官でおられます。

 そこで、金融担当副大臣、お忙しいとお聞きをしておりますので、まず冒頭御見解をいただきたいと思います。現場で金融機関の監督の総責任者である金融庁長官が、できたてのほやほやといいますか、新ゆうちょ銀行の社長として天下る、これは金融当局の信頼等をつかさどるお立場から御見解はいかがですか。

○山本副大臣  金融庁といたしましては、個別銀行の個別判断による結論でございますので、特段のコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○小川(淳)委員  副大臣、どうぞ御退席いただいて結構です。ありがとうございました。

 金融当局はそのような見解ですね。

 これは人事院にお尋ねいたします。高木金融庁前長官がゆうちょ銀行の社長に天下る。公務の公正また国民の目から見た信頼をつかさどるもう一方のお立場である人事院としてこれをどう評価しておられるのか、お聞きします。

○谷政府特別補佐人  職員の方が退職後どのような会社に就職され、そのことが公務とどのように関係するかということにつきましては、現在私どもが所掌しております国家公務員法百三条に規定がございまして、御案内かとは存じますが、職員は、人事院の承認を得た場合を除き、離職後二年間は、その離職前五年間に在職した国の機関等と密接な関係にあった営利企業へ就職してはならないという規定がございます。この趣旨は、職員が離職後特定の営利企業に就職をいたしますために在職中その地位や職権を利用して当該企業に便宜を与えるなどの不適正な職務執行が行われることを防止いたしまして、それによって公務の公正性を確保しようというものであろうと考えております。

 この観点から、ただいまお尋ねございました高木元金融庁長官の株式会社ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役社長への就任の問題についてでございますけれども、そのことのお尋ねと存じますが、同社と金融庁との間では銀行法等に基づく権限関係が存在しているわけでございますけれども、この会社は高木元長官の長官職離職後に設立されたものでございまして、そういう意味で、高木元長官は在職中この会社に対する権限を行使し得る関係にはなかったというふうに考えております。

○小川(淳)委員  折しも、昨日は皆様御関心のことであったかと思います守屋前防衛事務次官と防衛商社との癒着ぶりが明らかになったわけであります。これに対して、接待は受けたけれども、ゴルフは二百回を超えたけれども便宜は図っていないんだというのが守屋氏の弁明の大筋であろうかと思いますが、もちろんこの点、守屋さんもしまったなと思っておられるんでしょうが、こういう外形をつくることそのものを我々は避けなければならないのではありませんか。

 もうこれは御本人にお聞きします。わずか二年少々前まで金融庁長官でおられて、ゆうちょ銀行の社長で来てくれぬかということに対して、御本人なりの御見識、金融行政を長らくやっておられた御見識からして、何かこれは抵抗感はありませんでしたか。

○高木参考人  まず、私は別に守屋さんと同じようなケースじゃないというふうに思います。

 私は確かに金融庁長官をやっておりましたし、その途中で郵政民営化準備室も兼務をいたしました。そういう経験を踏まえて、それでやってくれということでありますから、私は、円滑な民営化のために全力を尽くすというのが現在の私の使命だと思っております。よろしくお願いします。

○小川(淳)委員  高木社長、大変恐縮なお尋ねではあろうかと思います。

 しかし、過去さかのぼれば、西川社長もよく御存じだと思います。九五年から九七年、まさに西川社長が旧住友銀行の頭取に就任された九七年、大蔵省銀行局、証券局では大変な接待疑惑で、中島さん、田谷さん、長野当時の銀行局長ですか、ああいう方々がばたばたと辞任をされた。その後、金融会社そのものも大変な苦難の時代に入るわけでありますが、そういう中で、真っさらといいますか、まさに今国民の手から離れて民間会社として巣立とうとする門出の瞬間を、金融庁の、金融監督の責任者であった者から銀行の社長として迎えねばならない。このことは、西川社長、いかがですか。何かじくじたる思いはありませんか。

○西川参考人  お答えをいたします。

 高木社長の御就任の経緯は御本人からただいまお話があったとおりでございますが、私は、高木社長の広く金融全般についての知見そしてリーダーシップを高く評価いたしております。日本郵政グループには欠かせない人材であるというふうに考えております。

○小川(淳)委員  ただいまそれぞれのお立場から御答弁いただきました。

 総務大臣、今人事院が言ったのはこういうことですね。金融庁長官をやっているときに目の前にいる銀行には行けないんだ、長官をやめてできた銀行には行けるんだ、これが人事院の見解です。こんなことで実質的に公務の公正、公務員の公正な職務の確保というのは本当に国民の目から見て確保されるのか、私は甚だ疑問であります。

 そのことについてはぜひ問題意識をお持ちいただきたいと思いますし、こういうことだから、政府がこういう答弁ぶりだからこそ、これから国会同意人事ではさまざまな議論が出てこようかと思いますが、私ども民主党としては、これまた国民の立場に立った、本当に説明の通用する人事案でなければおよそ賛同申し上げられない、こういう姿勢を強固にせざるを得ません。このことを改めて申し上げて、ひとまず質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

▲このページのTOPへ

香川事務所 〒761-8072 高松市三条町315-3 TEL:087-815-1187 FAX:087-815-1189
国会事務所 〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院 第二議員会館1005号 TEL:03-3508-7621 FAX:03-3508-3251