民主党 衆議院議員 小川淳也
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〜会議録(06年4月25日財務金融委員会)〜

○小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。

 委員長を初め理事の皆様、委員の皆様、また当局の皆様には、大変おくればせながらこの財務金融委員会に所属をさせていただいておりまして、何分にも初心者でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 きょうは木原委員の方から、木原委員、今おられますでしょうか、おられませんですね。御不在とはいえ一言御礼を申し上げたいと思います。

 私ども野党案という大変幸の薄い議論に、あそこまで理路整然と、しっかりとした説得力を持っておつき合いいただけましたこと、そのことをもって私どもの同僚、先輩議員にしっかりとした出番をつくっていただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思っております。

 思わず説得されそうになりました。理路整然とした議論に思わず説得されそうになりましたが、本当は私も、先輩、同僚に対して厳しい質疑を申し上げるつもりできょう準備しておったんですが、余りにもそれではかわいそうだなと思いましたので、ちょっと議論を修正させていただきたいと思います。

 与謝野大臣、ちょっとお伺いさせていただきたいんですが、木原委員はおっしゃいました、私ども今出しているのは組織法だけです、組織論だけです、組織論の前に作用法を出すべきだ、それはそのとおりだと思いました。しかし、与謝野大臣、やはり作用法、作用論がしっかりとあって、これに組織論がしっかりと組み合わさることで、車の両輪として所期の目的を達すると思いますが、与謝野大臣、いかがですか。

○与謝野国務大臣  何か事が起こりますと、組織がおかしいとか制度がおかしいとかという議論に走りがちでございますけれども、多分そういうことではないんだろうと、いつも私は自分自身では思っております。したがいまして、もちろん組織というものも大事ですけれども、何か事がありますと組織や制度が悪いんだという、そっちの方に事を寄せて論じるのは余り私の趣味ではありません。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 大変いい御趣味だと思いますが、やはり組織論、制度論としてもしっかりと考えていくこと、これはまさに両輪だと思います。そうした声が世の中にあることを、追って議論を進めてまいりたいと思います。

 二つ目です。三条委員会であるのか八条委員会であるのかが余り大きな意味を持たないんだというような趣旨のお尋ねがございました。あの議論は木原委員の個人的なお考えですか、それとも、与党内では既にそういうことでまとまったお考えですか。与謝野大臣、与党内の議論を観察しておられますか、お伺いいたします。

○与謝野国務大臣  与党は、今の金融庁の組織、監視委員会の組織というものを前提に物を考えているわけでありまして、三条委員会、八条委員会ということが議論になったというふうには私は聞いておりません。

○小川(淳)委員  平成十八年二月二日、参議院予算委員会での与謝野大臣の御答弁を御紹介申し上げます。三条委員会、八条委員会の議論は大いにあり、我が党内でももちろんそういう問題はある、この事件が一件落着した後、落ち着いた雰囲気の中でこういう問題を含めて議論をきちんとする必要があると思っている。この御答弁、間違いございませんか。

○与謝野国務大臣  当然そういう議論はあるのですが、それが強く聞こえてきているわけではありません。特に、日本版SECというのは、当然我が党内でもそれを支持する人たちがおります。おりますが、今のままでいいんだという方も非常にたくさんおられるわけでして、まあ議論が拮抗しているのではないかと思いますが、三条委員会、八条委員会で議論が対立しているわけではありませんで、SECが持っている権限を証券監視委員会も持った方がいいという議論ですが、やはりその議論は、アメリカのSECと日本の証券監視委員会の権限の対比表をつくりますと、日本の証券監視委員会は、思ったよりもたくさんの権限を持っているということがわかるはずでございます。

○小川(淳)委員  権限のお話、もちろんでございますが、そこにはやはり、三条委員会にしてしっかりと権限を持たせた上で何を載っけていくかという議論を進めたいわけでありまして、今の時点では、拮抗しているというお答えをいただいただけで満足であります。

 それで、もっと本当は御紹介申し上げたいんですが、そもそも証券取引等監視委員会をつくったときに、これは公明党の宮地先生ですか、平成四年五月十四日、衆議院の本会議での御質問ですね。「私どもは、」「証券・金融不祥事の反省の上に立って、公正な経済競争と市場を監視するためには、国家行政組織法第三条を根拠とし、大蔵省から独立した証券・金融全般を所掌する行政委員会、仮称証券取引委員会を設置すべきと考えております。」と。これは十四年前の公明党さんのお考えであります。

 そして最近でも、十八年の一月二十六日、衆議院の予算委員会、金子先生ですね。予算委員会では、筆頭理事として大変お世話になりました。党内では、もうアメリカ型のSECというものをつくっちゃったらどうだ、今の監視委員会はやめちゃって、こういう意見も当然出ている等々、やはり与党内でもこれは議論が拮抗するぐらいのことだと思います。

 申し上げたいのは、ただ一つです。きょう説得されそうになりました。お二人も押されぎみでしたが、これは議論のあるところでありますので、それだけしっかり確認をさせていただきたいと思います。

 その上で、やはり私ども野党がこういう対案を提示していくというのは並大抵のことではありませんし、その意味では先輩、同僚諸氏に心から敬意を表さなければならないわけですが、出した以上は、少々ああ言われようがこう言われようが、堂々と闘う、あるいは与党をうならせるぐらいの論拠を持って出すべきだと思いますが、古本委員、いかがでしょうか。野党がこうした対案を提示するに当たって、これはオリンピックと一緒ですか、参加することに意義があるんですか。それとも法案として成立されたいんですか。それとも考えとして意見表明されたいんですか。そこの覚悟をお答えください。

○古本議員  国会の中の議論は、当然に立法府でありますので、我々国会議員は、最大の職務は、国民の皆様が求めておられる安心、安全な暮らし、暮らしの中に含む経済行為も実現をしていくために、さまざまな法の整備をしていくということだというふうに理解しております。

 その意味では、先ほど与党の委員から御質問いただきましたが、そもそも、ライブドアの事件があろうがなかろうが、この証券取引委員会設置法案につきましては、まずは設置法でありますが、そのうち整備法で内容を整えていく予定でありますが、これはライブドアがあろうがなかろうが提出を予定していた事案であります。

 そして、本気かどうかという御指摘でありますが、これは、民主党の他の同僚議員がきょうもさまざまな議論を各委員会で行っておると思いますが、提出をして、自己実現のように、自己満足のように、まずは出せばいいという思いで出している人は一人もいない、そう思っていますし、私自身も、この法案につきましては、もちろん諸先輩方が過去累次にわたり提出してきた中身でありますが、今回の状況を踏まえて、一部研さんをした上で再提出をしている、新たに出しているわけでありますので、これを通す気があるのかないのか、こう聞かれたならば、当然に、委員の皆様から慎重審議の上に賛同を得たいというふうに思っております。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 私ども、本当に手も限られていますし、そう対案対案と走り回る余裕はありません。イギリスには伝統的に、与党は統治を担当する、野党は批判を行う、これでもって国家の運営のバランスをとっていくという伝統的な、何百年かけて血を流して民主主義の仕組みをつくり上げてきた国です。そういう知恵というのは、私どももやはり参考にするべきだと思います。

 そして、やはり私たちの最大の仕事は、批判であり検証です。百人がいたら百人喜ぶ政策なんてあり得ませんから、そこからおっこちた人の声をしっかり拾っていかないといけません。ただ、その批判力を最大化するとき、検証する力を最大化するときに、時として対案を用意せねばならないときというのはあるんだと思いますね。そういうしっかりとした議論を、与党の皆さん、むしろ与党の胸を打つぐらいの対案でなければ出したって意味がない、そんな気持ちで臨みたいと思いますが、古本委員、そういう前提で、過去、この法案、三回出して、三回日の目を見ずに散り行っているわけですね。この反省に立って、前回の案と今回の案、その反省の上に立ってどう工夫をされましたか。あるいは、どう状況の変化をとらまえられましたか。

○古本議員  過去累次にわたって提出をしたというのは事実でありますが、実際に審議をしていただいたのは、たしか昨年の通常国会のときの一回でありまして、その際に浮かび上がった問題点として最大の問題点は、金融庁の傘のもとで監視委員会という組織があって、これは当時、証券スキャンダルの後に、さまざまな組織形態を経て、谷垣さんが担当主務大臣になった時代もありました、組織を変えてはいけないんじゃないか、そういう御批判も先ほどありましたが、さまざまな経緯を経た結果、現在の監視委員会の形になっています。

 この現在の監視委員会の形に至るまでにさまざまな議論はあった。その上で、昨年の議論を少しひもとけば、最大の要因は、今ある組織を変えるのが嫌だからですよ。だから、賛成してもらえなかったんですよ。今、拮抗しているというふうにいみじくも金融担当大臣思って、おっしゃられました。まさにそうであります。組織を変える、これは勇気が要ります。そして、変えた以上はその先が何があるのか、これは問われると思います。

 その意味では、今回見直した最大のポイントは、少なくとも、ライブドアの事案が当然にありましたので、さらには、あわせて、金融のコングロマリットが進む中にあって、さまざまな今後の金融商品も視野に入れなきゃいけないという中で、政府は金融サービス法ではなくて、改め、金融商品取引法を出してきましたので、ここも視野に入れたならば、将来さまざまな金融商品に対応ができるような企画立案機能は別に切り分けておくことによって、一方で監督、監視に特化することによってさまざまなコングロマリット、金融のコングロマリット化への対応が実現できると思っておりまして、まずは切り分けたというのが一点目であります。

 環境の変化を考えますれば、政府は当然に間接金融から直接金融への流れを、今政策誘導されておられます。私ども民主党も、これは大きくはそのとおりだと思っております。しかしながら、自由と、その自由を謳歌する大前提である事後的なチェック機能の整備という意味においては、残念ながら追随できていないという問題意識に立って、今回、先ほど申し上げた公認会計士・監査審査会の機能を新たに取り込む等々、これまでになかった部門を織り込んで、生まれ変わった形で提出をしているということであります。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 そういった工夫をして出していただいているわけですが、与謝野大臣、お答えになれる範囲で結構です。昨年の四月に、民主党提出の証券取引委員会設置法案を当然否決されたわけでありますが、当時、与謝野大臣は自由民主党の政務調査会長でおられたと思います。なぜ否決されたんですか。反対されたんですか。

○与謝野国務大臣  多分、皆様方の御提案よりは、自民党、公明党が考えていることの方がすぐれていると思ったからであると思います。

○小川(淳)委員  まあ、そうでしょうね。そうなんでしょうね。そういうことなんでしょうが、その中身を本当は、また今度、機会を改めて、ぜひ詰めさせていただきたいと思います。

 今、企画立案を切り分けたと古本委員おっしゃいました。企画立案とそれから現場監督、検査というのは、金融に限らず、あらゆる行政分野で発生している一般的なことであります。恐らく、これは金融に限らず、永遠の命題かもわかりません。企画立案部門と監督部門、そしてもっと言えば検査の部門、この二つは、与謝野大臣、どうお感じになられますか。やはり分けた方がいいんでしょうか。それとも一体の方がいいんでしょうか。先ほど木原委員の質問もございました。巧妙に、上手に結論をお避けになられたような気がいたしますが、そこはいかがですか。

○与謝野国務大臣  もともと、今から何年前ですか、財政と金融が一緒にいるからだめなんだという議論が我が党内でも起きました。それから、その当時のさきがけの中でも起きまして、手間がかかるなと思いながらその調整をやっていたことがあります。

 私は余り、自分自身、組織いじりというのは好きではない。何か起きますとすぐ、組織が悪い、制度が悪いというふうに考えがちですけれども、多分そうではないんじゃないかなというのが私の直観でございます。企画立案部門と監督部門を分けよとか、昔からある議論でございまして、必ずしもそういう組織再編によっていい結果が出るというふうには、私は、個人としては考えていないわけでございまして、すぐ組織をいじるという傾向は余り私の心の中にはないということだけわかっていただきたいと思います。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 これは本当に行政の世界では永遠の命題だと思うんですが、私も、きょう質疑に立つに当たって、一体どっちなんだろうと相当自分なりに苦悶しました。

 私なりの考えなんですが、企画をする人間と、それから制度設計に従って現場で動いている者を監視する人間と、監視がうまくいっているかどうかを検査する人間は、やはり別の方がいいんだろうなというのが私なりの結論です。

 といいますのは、自分が育てている、どういう育て方をするのか方針を決めて、実際に育てて、その子を検査せよといっても、やはり悪いところを見つけたくないですよね、自分が育てたなら。自分が育てたなら、自分の育てた育成方針を誤りだとは認めたくない、やはりそういう心理が一体であればあるほど働くんだろうなというのが私なりの結論です。

 これは、通常はそんなことをやっているところはありませんが、あらゆる分野で、もしできるんなら、資源が許すんなら、企画をする人、制度設計をする人、現場を監督する人、さらにそれに検査に入る人、これはやはり分かれていた方が、しっかりとした、公平公正といいますか、だれの目から見ても何も言われなくて済むような、そういう運用につながるんじゃないかという気が私はいたします。

 今回の民主党案ですが、企画立案と検査監督をあえて分けられた、前回は分けていなかった、そこにはどの程度の思いがあるのか。大串委員、いかがですか。

○大串議員  お答え申し上げます。

 今回の我々の証券取引委員会設置法案に企画立案機能を盛り込まない形にした理由は、まず一つに、金融のコングロマリットが進んでいるという認識がございます。その中で、証券取引委員会に、仮に証券に関する企画立案と監督、両方のファンクションを持たせた場合には、コングロ化の進んだ中で、証券に関する企画立案だけ証券取引委員会に取り込んでしまう、銀行、保険に関する企画立案に関しては金融庁に残してしまう、こういうふうな分断が生じてしまう。そこの弊害に着目しまして、今回の案につきましては、コングロが進んでいるという前提を踏まえて、企画立案に関して、金融庁という一つの屋根の中でやってもらった方がよかろうということで、金融庁の方に残しているわけでございます。

 監督に関しては、証券取引に着目した監督検査及び処分も含めて証券取引委員会でやるというふうな形になっていて、先ほど申し上げていますように、将来的に、銀行や保険も含めた監督も、行く行くはそこに金融サービス法制の中で持たせていくのが適切だろうと思った次第でございます。

 それから、ちょっと付言して申し上げますと、先ほど、昨年の四月のときに我々が出した証券取引委員会設置法案が否決された理由、与謝野大臣は与党の案がよりすぐれていたからだろうというふうなことをおっしゃって、小川委員もそうだったということかもしれませんねとおっしゃいましたが、私の記憶が正しければ、あのとき、法律として政府の方からかかっていたのは、証取法の改正法案で課徴金に関する継続開示義務違反をどう盛り込むか、そういう話じゃなかったかと思います。

 証券取引委員会設置法案とは全く関係のない、そういう意味での与党案でしたから、そういう意味で、与党案がまさっていたから証券取引委員会設置法案が否決されたということではなくて、先ほど古本提案者の方から話があったように、組織をいじりたくないから否定されたということだろうと私は理解しています。

○小川(淳)委員  とにかく、できるんなら、企画立案と現場監督と検査というのは、資源が許すんならやはり分かれた方がいいと思います。

 ただ、普通は、通常の行政の現場において、それだけの人員とかお金をかけるというのは無理ですね。しかし、この証券市場というのは、投資家の数は三千万人ですか、それから何百兆円というお金が動いて、国民生活に物すごいインパクトを与えますから、それだけのお金とコストをかけて、手間と暇をかけて維持するだけの意味が国家経済的にある、国民経済的にあるという価値判断が必要なんだと私は思います。そういう意味で、ぜひこれは議論を深めていただきたいと思います。

 もちろん、価値判断だと野党が挑みかかった以上は、絶対にこうだという議論でなければ与党には勝てません。価値判断は与党にしていただく仕事ですから、価値判断に価値判断で挑むというのは難しい話です。ですから、今回に関してはそこまでなのかもしれませんが、少なくとも議論だけは深めさせていただきたいと思います。

 そのためにも、今回の金融商品取引法案、少し何点か論点を絞ってお伺いしたんですが、今回の法案は、これは昭和二十年代にできた証券取引法が廃止される、なくなるというのは、これは物すごい大きな出来事だと思います。このキーワードは、これは私なりの解釈ですが、金融商品の横断化と、それから不正行為に対する厳罰化、この二つが非常に大きな要素だなという気がいたしますが、間違いございませんか、大臣。

○与謝野国務大臣  キーワードを仮に選ぶとしましたら、一つは、投資者を守る、情報開示に関しては時宜を得た情報開示、また正確性の高い、信頼性の高い情報開示、それから、金融商品が業界横断的になっているという点についての規制、それから、ファンドという新しい形のグループ、組織というのができたので、これに対する考え方等々、幾つかキーワードはあると思っております。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 横断化というのはやはり大きなテーマだと思いますね。今までばらばらにやっていたもの、それから網の目をくぐっていたものをあぶり出すんだという、大変いい取り組みだと思います。

 では、お伺いするんですが、なぜ銀行と保険は入らないんですか、銀行と保険はこの法案の範疇に。

○三國谷政府参考人  基本的な横断化の考え方といたしまして、銀行、保険につきましても投資性の強いものは今回の法案といたしまして所要の改正等を行っているところでございます。しかしながら、銀行、保険につきましては、金融商品取引法案において直接の対象としているわけではございませんけれども、それぞれ銀行法あるいは保険業法等におきまして、こういった横断的なルールを準用する形で規制の横断化を図っているところでございます。

○小川(淳)委員  投資性が強いものについてはそうだというお話でしたが、預金とか保険というのはリスクがないんですか、いかがですか。

○三國谷政府参考人  いわば投資性の強いものということで、銀行、保険それぞれ、銀行法あるいは保険業法においてそれぞれの規制等があるわけでございますが、今回、投資性の強いものにつきましてはこういった横断化ということで、投資性商品、非常にその経済的な性質に着目いたしまして横断化を図っているということでございます。

○小川(淳)委員  私は、もうそろそろ日本人として発想の転換が必要な時期だと思うんですが、預金というのはやはり銀行に金を貸しているんですよね、金を貸された銀行がまた貸しているんですよ。これがあたかも安全で元本を保証されているかのように装ってきたのは、これは幾ら突っ込んだんですか、十数兆ですか、破綻、もう二、三百行つぶれていると思いますが、それをやったから、預金というのはあたかも安全かのようにされているわけでしょう。世の中にリスクのないものなんというのはないわけですよね。そろそろ日本人は発想を転換しないといけないですよ。預金は安全で投資物は不安定だという、何というんですか、形式的な区別というのはもう成り立たなくなっている、そういう発想にまず立つべきだと思いますね。

 確かに、そうはいっても、どのくらいリスクがあって、どのくらいリターンがあるのかというお話はあるんだと思いますが、その中でも、最もてこの効果を使って投資性が強い、投機性が強いと言われているのが外国為替の証拠金取引ですか、それから先ほど来盛んに議論になっています商品取引。

 大臣も、訪問販売あるいは電話勧誘というのはよくお受けになられるんですか。何か国会の答弁を拝見しているとそういうくだりがございますが、大臣。

○与謝野国務大臣  我が家にも我が事務所にも、不動産とかその他の商品の売り込みの電話がかかってまいりますけれども、与謝野さんおられますかという電話に対して、私はいつも、留守をしておりますと言ってお断りしております。

○小川(淳)委員  あれはやはり余力のある人を見定めて電話しているんでしょうかね。私も、金を買えとかなんとか、よく電話がかかってきて嫌なんですが。

 今回、そういう電話勧誘を禁止するのは、外国為替証拠金取引を今予定されているわけですね。なぜ商品取引、しないんですか。なぜですか。

○三國谷政府参考人  不招請勧誘の禁止でございますが、これは、顧客からの明示的な要請がない限り、電話、訪問による勧誘を行ってはならないとするルールでございます。逆に、例えば、新たな金融商品・サービスにつきまして顧客への説明機会が限られてしまうなど、業者の営業の自由を制限する面がございます。

 したがいまして、今回の法案におきましては、当該規定を一律に適用するということではなく、取引の性質や利用者被害の実態などを勘案いたしまして、その対象範囲を定めることとしているところでございます。

 今回でございますけれども、これまでの被害実態等を踏まえまして、店頭の外国為替証拠金取引を不招請勧誘の禁止の対象とすることを予定しているところでございます。

○小川(淳)委員  経済産業省からお越しいただきました。

 これは、商品先物取引に関する苦情件数というのは最近減っているそうですね。直近の数字でどのくらいおありですか。

○谷政府参考人  国民生活センターに寄せられました商品先物取引に係る苦情件数は、現在同センターから聞いているところでは、平成十七年度において四千二百十二件となっております。

 なお、平成十五年度及び平成十六年度に国民生活センターに寄せられた苦情件数は七千件を超えておりますところ。これと比較いたしますと、改正法施行後における苦情件数は大幅に減少をしております。

○小川(淳)委員  いいことですよね、七千件から四千件に減るということは。でも、対象にしないんでしょう。しないんですよね。

 外国為替証拠金取引については、同じく国民生活センターにどのくらい相談件数が寄せられていますか。

○三國谷政府参考人  お答え申し上げます。

 国民生活センターに寄せられました外国為替証拠金取引に係る相談件数は、平成十五年度、千四百二十三件、平成十六年度、二千九百九件、平成十七年度は二千九百七十件、ただし、これは三月十六日現在の集計値であると承知しております。

○小川(淳)委員  今お聞きいただいた数字のとおりですよね。商品先物の方は、これは頑張っておられるんですから七千件から四千件に減少。確かにこれは、外国為替、気をつけなきゃいかぬですね。一千四百件から二千九百件に増加しています。しかし、それでも一千三百件ぐらいの開きがありますよ。世の中の実感からすれば、商品取引の方が危ない、嫌だ、煩わしい、その実感は大きいんじゃありませんか。

 金融当局、これは闘わないとだめですよ。経済産業省が何と言おうと、農林水産省が何と言おうと。ぜひ対象に入れてくれ、電話、訪問やめさせろと。これは闘わないといけないと思いますよ。御担当はどなたですか。

○三國谷政府参考人  御指摘の商品先物取引に関しましては、昨年五月に施行された商品取引所法の改正におきまして、再勧誘の禁止の規定、それから勧誘受諾意思確認義務の導入など、利用者保護の観点からの規制強化が図られており、現在、これに基づきまして、経産省及び農水省においてこの適正化に取り組んでいるものと承知しております。

○小川(淳)委員  とにかく、しっかり闘ってくださいね。

 もう一つ、罰則をこれは強化されていますが、例えば、インサイダー取引に関してどういうふうに罰則を強化されましたか。

○三國谷政府参考人  今回、全体の罰則強化といたしまして、株価操縦等、これまで証券取引法上の五年という最高刑のものは、これは十年という形にしているわけでございます。

 インサイダー取引規制につきましては、形式犯的な性格を有するところもございますから、これまで、現在三億円でございましたが、これを五億円に引き上げることとしているところでございます。

○小川(淳)委員  平成十八年の一月十三日付で、株式会社ガーラの社員に係るインサイダー取引に関して課徴金を科しておられますね。どういう事案ですか。簡単に御説明ください。

○中江政府参考人  金融庁では、本年一月十三日に、証券取引監視委員会から、株式会社ガーラの株券に係る同社社員三名によるインサイダー取引の調査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受けました。同日から審判手続を行ったところ、同社員おのおのから、違反事実及び課徴金の額、これは三十二万円、三十一万円及び三十一万円でございますが、これを認める旨の答弁書の提出があり、これを受けて審判官により作成された課徴金の納付を命ずる旨の決定案に基づき、本年二月八日に、同社員おのおのに対して課徴金納付命令を行ったところでございます。

○小川(淳)委員  ありがとうございました。

 つまり、百五十万円出さなきゃ買えない株をインサイダー取引によって百二十万円で買ったわけですね。そうすると、三十万円の不正利益があった。これを課徴金で取り上げるのはわかりますよ、三十万円を。しかし、これ、重ねて罰金を科されるんでしょう、当然。

○三國谷政府参考人  現行の証券取引法上の課徴金制度でございますが、これは利得相当額の金額の課徴金を科することによりまして違反行為の抑止を図る制度として導入されているものでございます。

 なお、課徴金でございますが、後に罰金等がかかりますと、それとの調整が図られることとなっております。

○小川(淳)委員  これ、談合の事案もそうなんですよ。この間、防衛施設庁の談合事件、三十億の不正利益が推計されていますよ。五十万円の課徴金で終わりましたよ。やった者勝ちですか、こういうのは。当然、不正利益は吸い上げなきゃいかぬし、罰則を三百万円から五百万円に上げたって、かけなきゃ意味ないじゃないですか。そうでしょう。だから、課徴金も当然ですが、しっかりこれはやりましょうよ、本気でやめさせるんなら。そのための体制を強化しましょうよ。そういうことがあるから、体制も強化したいし権限も持たせたいとお二方が主張されているわけですよ。そうなんです。

 これは皆様もうお読みになっておられると思いますが、三月十三日の日経新聞の社説、ちょっと引用させていただきます。「法の整備と併せて法の担い手が問題になるが、金融庁とその下に置かれた証券取引等監視委員会が資本市場の番人として十分な役割を果たしているとはいえない。」大臣、途中で口を挟みたくなったらおっしゃってください。「規則制定権、行政処分権、法執行権に裏付けられた強制力が不可欠だ。ルールに基づく裁量権の行使も必要だから政治や金融行政からの独立が欠かせない。信用秩序の維持が目的で銀行を監督する金融庁と、準司法的機能の強化に限界がある監視委という体制を見直す必要がある。」ここからが大事です。「その議論を避けているから金融庁の権限拡大と映り、金融の基本法の確立という高次元の課題に役所の縄張り争いの要素が持ち込まれている面があるとすれば、見過ごせない問題だ。」最後です。「それが行政組織の再編を伴うものである以上、官僚任せにはできない。国の経済の形を決めるに等しい金融・資本市場の制度設計は、政治の役割であり、国会の仕事である。」 大臣、いかがですか、これは。

○与謝野国務大臣  私としては、日経新聞の社説の引用よりは委員御自身のお考えをお伺いしたかったと、今思っております。

○小川(淳)委員  私もやはり答弁席でそう言う側に回りたいですね。  もう時間もあれですから、最後、申し上げます。

 とにかく、今回の法案、いい試みだと思いますよ。それは私ども、みんな評価しているわけです。しかし、私どもの仕事は、それを検証して批判をして、さらに高めていただくことが私どもの仕事です。その意味で申し上げます。

 横断化とはいえ、なぜ銀行と保険は漏れ落ちたのか、なぜ商品取引に踏み込めなかったのか。そこに役所同士の壁はなかったのか。不十分だとすれば、厳に今後の課題として胸にとどめていただきたい。それが一つです。厳罰化されたのは結構です。厳罰化した以上、あらゆる事案に対して最も厳しい手を突っ込むぐらい、覚悟を持って市場監視に努めていただきたい。

 二つ目、最後に、それらを本当に実効性を持たせるためには、やはり体制を考えざるを得ないんです、体制を。与謝野大臣はお嫌いだとおっしゃいますが、やはり体制の問題であり、仕組みの問題。それは、御自身が証券取引等監視委員会にいると想像してみてください。私も、もと役所にいました。おれの組織には、調査にも入れる、必要とあらば調べをする、確証が持てれば処分も下すんだ。これは、お金の問題ももちろんそう、報酬や給与の問題もそうですよ。しかし、それにも増して、人間は士気を高めなきゃいけません。使命感を与えなきゃいけません。そういうしっかりとした人間観察に根を張った、足場をしっかり置いた組織立てを考えていくのが本来の姿ではありませんか。

 大臣、最後にその三つ申し上げて、終わっても結構ですし、コメントございましたらどうぞ。

○与謝野国務大臣  やはり今、金融庁並びに証券監視委員会で必要なのは人数と人材でございまして、この点についてはぜひ、先ほど木原委員の御質問の中にもありましたけれども、やはり人数プラスそれぞれの人材が持っている専門的な能力、こういうものを私どもは必要としている、このことをぜひ御理解をいただきたいと思っております。

○小川(淳)委員  私は、もう一つ、士気だと思います。

 どうもありがとうございました。

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